少年シリウス2021年5月号掲載『怪物王女ナイトメア』第29話(最終回)の感想です。
約3年半に渡ったシリーズ連載の完結エピソードを見届けよ!
【これまでの感想】
長らく続いてきた『怪物王女ナイトメア』のフィナーレを飾るは、宿敵「イス」との戦い。
『怪物王女シリーズ』の原点・チェーンソーを武器に、姫様がいま決着をつける!
これまでの『怪物王女ナイトメア』の物語を振り返るかのように、
さまざまな時空を酔歩しながら、それぞれの世界に存在する「イス」を退治し続ける姫様。
姫様と戦いを共にする南久阿さんや、王族の兄弟たちの話によると、
『怪物王女ナイトメア』の世界や時空がメチャクチャになってしまったのも、すべては「イス」のせいだったらしい。
つまり、コイツがいなければ『怪物王女ナイトメア』の世界は生まれなかったわけである。
愛読者として、
「でも、そのおかげで『怪物王女』の新作が読めたから許すか」という気持ちと、
「いやいや、やっぱり許せないわ」の気持ちが交互に押し寄せてくるのがつらいけど、今は「イス」を退治することだけを考えましょう。
物語のクライマックスで明かされる『怪物王女ナイトメア』の「ナイトメア(悪夢)」の意味。
そして、この物語はどのような結末を迎えたのか。
『怪物王女ナイトメア』最終回の全貌は、ぜひ皆さんの目で確かめてください。
さて、この『怪物王女ナイトメア』ですが、
謎の王族・カティアの正体や、満月に浮かんだドクロ、第7話の蠅の王女の発言など、未回収の伏線が数多く残ったシリーズでもあった。
どうも、シリウスに同時連載中の『時間停止勇者』に人気が集まってしまった影響で、
ここ最近は不定期連載と化していた『怪物王女ナイトメア』の最終回がだいぶ早まってしまったような気もするのですが、そこらへんは一体どうなんでしょうかね。
「あれは並行世界のお話だから、べつに伏線も回収しなくてもいいでしょ?」と言われたらそれまでですが、
もしも『時間停止勇者』の連載がはじまらず、
代わりに『怪物王女ナイトメア』の連載がもっと続いていた場合、これらの伏線もちゃんと回収されていた可能性もある。
今年1月に公開された光永先生のインタビュー記事によると、
『怪物王女ナイトメア』は、次作へのリハビリのつもりで描いていたそうなので、
もしかしたら、『怪物王女ナイトメア』は作者の光永先生が当初考えていた展開とは、また違った形で終わっていたのかもしれません。
8月9日に発売される単行本最終巻で、それらの裏話も語られていたら嬉しいんですけどねえ。
というわけで、また近いうちに『怪物王女』の新作短編が発表されることを期待しつつ、
しばらくの間は、シリウスの『時間停止勇者』をお楽しみください。おしまい。