少年シリウス2021年3月号掲載『怪物王女ナイトメア』第27話の感想です。
2020年6月号以来、約9か月ぶりの連載再開だ!
【これまでの感想】
だいぶお久しぶりの登場となってしまった『怪物王女ナイトメア』ですが、
連載再開を祝うヒマもなく、またしても新たな敵がやってきた。
今回のお相手は、謎の道化師(ピエロ)だ!
この謎のピエロ。
他人の幼少時の記憶に勝手に入り込んでいるのか、もしくはずっと前から何者かが「ピエロ作戦」を仕込んでいたのかはわかりませんが、
とにかく、不特定多数の子供の頃の記憶の中にあらわれては
「大きくなったら ”礼” を受け取りに来るよ」などのようなことを言い残して去っていき、
彼らが大人になった際に再び姿を見せ、約束通りに「礼」を受け取っていく・・・という習性をもっていた。
そして、そのピエロの言う "礼” とは、「自らの魂」のことであり、
ピエロに ”礼” を受け取られた人間はその場で意識を失い、そのまま昏睡状態に陥る症状に襲われてしまう。
その外見のとおり、やっていることもかなり不気味なピエロだ!
「幼少時の記憶の中に謎のピエロがいた」と語っていたのは、カティア、リザ、ヒロの3人。
カティアはこのピエロが現れた理由を、
「王位争いが始まるはるか前に争いを始めた者による、私への攻撃」と推理していましたが、
それなら、この事件の首謀者はほかの王位争いの候補だけにピエロを送り込めばいいだけであって、
10年前の段階では、姫様の仲間になるかどうかわからないリザやヒロにまでピエロを派遣するのは、どうもツジツマが合わない気がする。
なので、今回の事件のターゲットはすべて偶然・・・と言いたいところだけど、それで片付けるのもちょっと無理がありそう。
カティアの言い分を認めるとするなら、
事件の首謀者は、リザやヒロが10年後に姫様の仲間になることを知っていたからこそ、ピエロを送り込んだのかもしれない。
『怪物王女』の世界は、基本なんでもありみたいなところがあるので、
未来予知ができるヤツとか、現在から過去にタイムリープできるヤツとかがいてもおかしくはないですからね。
とはいえ、幼少時の頃のターゲットと対峙できるんだったら、
べつに10年後に殺しに来るピエロとか派遣せずとも、
前シリーズのサリエリ兄さんみたいに、大人の力を駆使してその場で屠っちゃったほうが回りくどくないんじゃないか?とも、思えてしょうがない。
今回の事件の首謀者が誰なのかはまだわかりませんが、そんなに頭がいいわけでもない可能性が浮かんできたぞ。
こいつはいったい、何がやりたいんだろう?
と、そんなことを言っているスキに、
カティア、リザ、ヒロの3人がピエロに襲われ、あっという間に「魂」を奪われてしまった!
自らの臣下にも被害が及ぶ中、けして慌てずに静観を続ける姫様。
この状況を打破する秘策が生まれることを信じつつ、物語は次回へと続きます。
IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。(吹替版)
今回のお話、もしくは登場するピエロの元ネタとなったのは、スティーヴン・キングの小説『IT』からだと思われます。
去年の11月に、2019年のリメイク作『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』がテレビ放映されていましたが、
もしかしたら光永先生は、そのテレビ放送を見た際に今回のエピソードのアイデアを思い付いたのかもしれません。
あと、ヒロくんのお母さんとロボ・ワイルドマン(人間のすがた)が描かれたのは、
今回がはじめてのような気がします。
ちょっと自信がありませんが、おそらくそうなんじゃないかと。
ピエロのおかげで、ふだんは描かれることのなさそうな、
幼少時代のリザたちの姿が見られたのは、ちょっとした副産物だったかも。
というわけで、今月の『怪物王女ナイトメア』はここまで。
次号の少年シリウス4月号は、2月26日(金曜日)発売となっております。
【がっかり情報】
この記事は、2021年2月24日に更新したっぽく見せかけていますが、本当は2021年3月23日に書かれたものです。
感想記事を書くのが遅れて本当にごめんなさい。