少年シリウス2020年11月号掲載
『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』第12話の感想です。
『怪物王女ナイトメア』は今月もお休み(5か月連続休載)だったものの、
今号の「少年シリウス」は創刊15周年記念号ということで、裏表紙に姫様の姿が描かれていました。
もうすぐ2020年も終わりますが、今年中に本編も1回くらいは掲載されてほしいところです。
いや、本当に。
【これまでの感想】
・【漫画感想】光永康則先生の新連載『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』が始まりました。
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第2話「捜索停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第3話「武装停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第4話「小鬼停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第5話「御使停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第6話「女湯停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第7話「混沌停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第8話「王女停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第9話「領域停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第10話「姫祷停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第11話「渡航停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第12話「屍鬼停止」
マウントケープ城の地下で人知れず「死者再生の儀式」をおこなっていたロヴィーサさんの目的を探るため、
遠くから物陰でその様子を見守っていた、勇者セカイたち。
というわけで今回のお話は、セカイ視点で見た「死者再生の儀式」のシーンからはじまります。
ロヴィーサさんの行う「死者再生術」とは、
「幽明の門(レザーゲート)」なる扉で死後の世界から死者の霊魂を呼び出し、その霊魂を死んだ人の肉体に封入することで蘇生させるといったものらしい。
しかし、その死者再生はとても難しいものであるらしく、
魂の定着していない死者の肉体は、死後の世界からやってきた他の悪霊も招き入れてしまうため、
現時点では死者を蘇生させても、他の悪霊に憑りつかれた果ての姿であるキメラ(化け物)に変貌させてしまうのが精いっぱいなようであった。
死者の霊魂を呼び出した直後に、
力持ちを100人集めてあの扉が開くのを力づくで止めておけば、他の悪霊も入ってこれないのでは?とか一瞬思ったけど、多分そういうことでもなさそうではある。
「死後の世界」は、まだ知る由もない世界であるだけに、じつに恐ろしい。
なお、「幽明の門」で死後の世界を繋げると、
死者の霊魂と同時に屍食鬼(グール)も現世にやってきてしまうので、これらの悪い副産物はすべて床の落とし穴から地下水道に落としていた。
前回、剣聖リーファさんが地下水道に落とされていた「床のカラクリ」がこういう用途で使われていたとは。
とにかく、地下水道に屍食鬼がいっぱいいたのはロヴィーサさんのせいだったんですね。
セカイたちに「この国の屍食鬼を倒してほしい」と依頼をしてきたマウントケープ国の若き王様は、このことを知っているのかが気になるところです。
さらに前回のお話では、
リーファさんと同郷である「剣聖マグヌス」という男が、死者蘇生術失敗時と同様のキメラモンスターになっていたことが描かれていましたが、
この「剣聖マグヌス」も、もともとは剣聖リーファさんの師匠格にあたる人物であり、
リーファさんにとっても、かなりの思い入れがある人物であったことが今回の回想パートにて明らかになっていた。
自らの恩師がキメラになっていたことを知っても、
ショックを受ける素振りをまったく見せていなかったリーファさんは本当に強い。
剣聖マグヌスもキメラモンスターの姿に変貌してしまった身でありながら、
他のキメラモンスターからロヴィーサを護っていたりと、
やはり「剣聖」を名乗れる人物は肉体のみならず、精神も相当に強いのでしょう。
ただ、自分のことを「師匠」と呼んでくれないことを嘆いていた剣聖マグヌスに対し、
「わたしからいっぽんでもとったら(師匠と)よんであげるわ」と言っていたリーファさん(幼少時)が、
回想パート明けでも、普通に「剣聖マグヌス」と言っていたのは、ちょっと気になってしまった。
剣聖マグヌス師匠、けっきょく最後まで「一本」が取れなかったんだろうか?
でも、このマウントケープ国での戦いが終わったら、
リーファさんが初めて剣聖マグヌスのことを「師匠」と言うくだりが入ったりするのかも。
本当にそういうシーンが出てきたら、かなり印象的な場面になりそうです。
あと、回想パートを見るに、
リーファさんの持ち味であるドヤ顔と不遜な性格、冗長すぎる自己紹介は幼少時の頃からのものらしい。
リーファさんの親は、あの子に一体どういう躾(しつけ)をしたんだろう?
もしくはリーファさんの親戚たちも、みな同じように自己紹介が長すぎる人たちばかりなのかもしれない。
いまのお話がひと段落ついたら、
セカイさんたちがリーファさんの実家に行くだけの回とかも見てみたいです。
とにかく、ロヴィーサの死体蘇生実験によって、多くの人命が犠牲になったことは確かである。
勇者セカイさんは、時間停止状態のロヴィーサに対し、
「助言者ロヴィーサだっけ? オレ あんたを好きになれそうもないわ」と、
バハムートの火球攻撃で城ごと吹き飛ばし、今回の事件のすべてを亡き者にすることを宣言する。
この時のセカイさんはロヴィーサさんの乳首を人差し指でいじりながら語っていたので、
発言にあまり緊張感が出てきませんでしたが、
普段は比較的冷静な性格であるセカイさんがこのようなパワープレイに打って出るのは、けっこう珍しい気がします。
やはり、心の内ではかなりの怒りを覚えているのでしょう。
しかし、全てを終わらせる前に最後のひと揉みでもしようと思ったのか、
セカイさんがロヴィーサの服をズラした際に、おっぱいの谷間から「”勇者クズノ・セカイよ” ”どうか誤解しないで”」と書かれた紙切れを発見。
この紙切れの存在に気づいたセカイさんが、さらに捜索を続けた結果、
「”私は闇の王から世界を護るために全てを行っています”」
「”多大な犠牲を払いましたが 全ては先王の御意志なのです”」
と書かれた紙切れも、ロヴィーサさんの尻の隙間から発見することができました。
セカイさんに秘密のメッセージを伝えたかったのはわかるけど、
今回のお話のロヴィーサさんは、ずっと尻に紙切れを挟みながら死者蘇生の術をやっていたことになる。
想像すると、なんだかシュールだ。
彼の能力に気づき、ロヴィーサが予め先手を打っていたことに動揺を見せる勇者セカイ。
そして「時間を止めても勝てない、それがオトナの魅(魔)力・・・・・・♥」なる、謎の煽り文句とともに、物語は次回へと続く。
勇者セカイの時間停止能力の存在を見越した行動をとったりするあたり、
やはり、ロヴィーサさんは相当に頭が切れる人物のようであった。
あと、「あいつはスケベだから絶対このあたりも見るやろ」と胸元やケツの隙間にメッセージを仕込んでおくなど、
一度対面しただけでセカイさんのむっつりスケベっぷりを見破っていたのも、感嘆に値する。
きっとロヴィーサさんは、
この持ち前の頭脳と洞察力の深さを武器にして、ここまでの地位へ上り詰めてきたんじゃないかと思われます。
そんな知恵者であるロヴィーサさんが、禁忌である「死体蘇生術」をひたすらに繰り返していた理由とは。
ますます今後の展開が気になる『時間停止勇者』に期待していきましょう。
なお、今回のお話が自主規制なし状態で単行本に収録された暁には、
ロヴィーサさんは見開きページを含め、約7ページにわたっておっぱい丸出し状態という形になる。
お色気シーンの多いこの漫画ですが、
こんなにも長く、同じ人物がおっぱいを出し続けていたのは、たぶん新記録です。
果たして、この出しっぱなし記録を超えるキャラは今後出てくるのだろうか?
まあ、別に出てくる必要もないのですが・・・。
そんなわけで、
次回の『時間停止勇者』が掲載されている少年シリウス12月号は、10月26日(月)発売です。
お楽しみにー。
【今月の剣聖リーファさんの自己紹介まとめ】
・かうんしるほっそくいらい あっとうてき さいねんしょうでそーどますたーのしょうごうをてにいれただけでなく
すでにさいきょうのけんしとさえ いわれている この りーふぁ・くろーびー
・真後ろからの攻撃だろうと涼しく対処する 背中に目があるとさえ言われたこの私