少年シリウス2020年2月号掲載
『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』第4話の感想です。
ちなみに今月の『怪物王女ナイトメア』は休載です。
むこうが「時間停止勇者」なら、こっちは「連載停止王女」ってことですか。 ちっとも笑えん!
【前回の感想】
・【漫画感想】光永康則先生の新連載『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』が始まりました。
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第2話「捜索停止」
・【漫画感想】『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 第3話「武装停止」
時間停止勇者がゲームクリアを目指してゴブリン退治だ!
残された時間もあと24時間を切った中、「もうこれ以上のムダな時間消費は出来ない」と勇者セカイもかなり焦っているようだった。
しかし、その倒すべきゴブリンの根城と思われる西の廃村はもぬけの殻。
この状況を見たセカイは「もしかしたら、このゴブリン退治は時間と場所が正しくあわないと発生しないイベントなのでは?」と不安をつのらせていく。
時間制限のあるゲームで「特定の時間じゃないと発生しないイベント」があるのは、なかなかに厳しいと思う。
運の悪い人がやる初見プレイだったら、攻略不可能に陥ってしまうやつだ。
これが家でやっているゲームなら、「クソゲーだ!」とコントローラーをブン投げてふて寝するに限るけど、
自分がゲーム(?)の世界にいる以上、このクエストの攻略を投げ出すわけにもいかない。
セカイはとりあえず「ゴブリン退治クエスト」を成立させるべく、
時間停止をした状態で背後からゴブリンを辻斬りする行為にひたすら励んでいました。
ゴブリンを倒すにしては、なんとも勇者っぽくない倒し方だし、
倒されるゴブリン側からしても「時間を止められた状態で背後から殺られる」なんて行為は、恐怖以外の何物でもない。
でも、ゲームクリアのためには、ここはなりふり構っていられないのも事実。
勇者セカイは勇者らしくないゴブリン退治で、着々とレベルを上げていくのであった。
時刻も完全に夜になったころ、ニーニャとフューリィに起こされるセカイ。
ゴブリンたちが動き始めたようだ。
時間を停止して様子をさぐるセカイ。
どうやら西の廃村のゴブリンたちは、町から女性を攫ってきては日夜エロひどいことをおこなっているようです。
まったく、マンガやゲームのパブリックイメージそのままのことをするゴブリンどもだ。許しておけん。
こいつら全員『ゴブリンスレイヤー』の世界に送り込んでやりたいぞ。
いや、送り込まれるほうも迷惑か。
そんな女性にやりたい放題をするゴブリンにはセカイも怒り心頭なようで、何のためらいもなくゴブリンを斬殺していく。
謎の新技「レベル9斬り」で、数多くいるゴブリンたちも一網打尽だ!
でも、挿入こそしていないだけで、
勇者セカイさんの得意とする時間停止セクハラも、ゴブリンたちのやっている行為とそんなに変わらないような気がする。
セカイさんも時間停止勇者じゃなくてゴブリンに転生していたら、確実にエロひどいことをしてそうだ。
まあ、「ゴブリンどものやっている事」と「自分のやっている事」は別って考えなんでしょうな。勇者セカイさん的には。
強さとは、我儘を押し通す力なのである。
ゴブリンのボス・キングゴブリンもいつもの時間停止であっさりと倒し、
壁に磔にされていた商人コルネリアの一人娘・フィオナからも感謝されるセカイ。
お城の開城時間に間に合わず、またしても無駄に一夜を過ごすハメになってしまうも、
残り2時間で無事に王への謁見も果たしたので、これにてイベントクリアーだ!
そしてその直後、
空に打ちあがり始めた花火と、空に浮かぶ「STAGE CLEAR!」の文字。
王族たちの「これは世界を救う宿命を背負った 勇者が 偉業をなした時にのみ 起こる現象とされている・・・」という解説を聞いたセカイは
「おおおおお・・・オレは」「正しかった ────・・・!!」とゲームクリアを確信。
セカイは、ヒザを地につけて天を仰ぐのであった―――。
『時間停止勇者 -余命3日の設定じゃ世界を救うには短すぎる-』 完
と、思いきや・・・。
カウンターがリセットされて、また残り3日に戻ってしまった。
この世界は「ゴブリンを倒してステージクリアしたぞ!よっしゃあ!完!」でおしまいじゃなかったというわけですか。
【追記:2020年2月25日】
自分は「セカイくんがまたステージ1の最初に戻ってしまった!」と思い込んだうえで感想記事を書いていますが、
次回のお話を見たところ、どうやらこれは「ステージ2(新しいステージ)になった」という描写だったようです。
自分の漫画読解力のなさがここで浮き彫りになってしまった!
また文章を書き直したり消したりするのも面倒臭いので、「そういう勘違いをしている」と認識した上でこの先の文章をお読みください。
本当にごめんなさい。
ちゅうか、コレはどこまでリセットされちゃったんだろう?
またはじめからやり直しとかだったら、ハードすぎるなんてもんじゃないぞ。
第1話に出てきた砂蟲(サンドワーム)を倒すのに半年かかったのに、これでまた半年かけて倒す必要がでてきたら、心が折れてしまいそうだ。
難易度がだいぶヌルくなりそうだけど、
「3日以内にゲームをクリアーできないとカウントがリセットされてしまう」というルールであってほしい。
死んで覚えるタイプのゲームは、自分がテレビの前でやるゲームだけで十分ですよ!
ここ最近の異世界転生ものだと、案内役の女神様みたいなポジションの人がいて、
「この世界でとりあえずどうすればいいのか」みたいなアドバイスを教えてくれたりもするんですが、
『時間停止勇者』にはそういう案内人ポジションの人がいっさい出てこないところも、この世界の攻略の難しさを底上げしていると思う。
たとえるなら、
攻略本なしでファミコンの『たけしの挑戦状』をオールクリアしろと言ってるようなもんですよ。無茶すぎる。
セカイさんがノーヒントであのゲームをやったら、「宝の地図」すら入手できないうちにコントローラーを投げていそうだ。
じつはオープニング画面で2万発パンチするだけであのゲームがクリアできることを知ったら、すごい怒るんだろうなあ。
『時間停止勇者』の世界だって、ためしに2万発どこかでシャドーボクシングをしてみたらクリアできちゃうかもしれないぞ。
「・・・嘘でしょ!?」「本当に世界を救うのがゴールなの・・・!?」
と、冒険がまた最初からになったことに動揺するセカイ。
勇者セカイの目の前は、まっくらになってしまった・・・・。
・・・と書きたいところだけど、
当のセカイ本人はショックを受けつつ、何故か時間停止能力でアリシア姫のスカートの中(パンツずり下げ状態)を覗いていた。
勇者セカイの目の前にあったのは、アリシア姫の恥部であった。
なんでこの人はショックを受けているときに、時間停止セクハラをしているんだろう?
女性のアソコを凝視して、一旦落ち着きたかったのか?
本物の変態は、常人が理解できない行動をとるから恐ろしい。
じつは、セカイくんの変態性癖が更生されることが、この世界のクリア―の条件だったりして。
とにもかくにも、時間停止勇者の冒険は、ふたたび仕切りなおされたのであった。
次回へ続く。
そんなわけで今回は、
この世界のクリアーの謎と、勇者セカイの変態性癖が自分たちの想像以上に深いものであることがわかる回であった。
そして、そのセカイの変態性癖に呼応するかのように今回はお色気シーンが多めな回でもあった。
やっぱりこの漫画は「お色気マンガ」として売っていきたいところもあるんだろうか?
確かに、ここ最近の少年シリウスはお色気要素がちょっと不足気味ではあるので、
そういう路線でやっていくのは、意外とありなのかもしれない。
先日発売された『時間停止勇者』コミックス第1巻では、
雑誌掲載時では自主規制になっていた箇所もフルオープンされていたところに、その気合いを感じました。
アリシア姫やフューリィさんのフルオープンが見たい人は、ぜひコミックスを買いましょう。
2020年は『時間停止勇者』が少年シリウスのお色気枠を支えていくぞ!
あとは『怪物王女ナイトメア』の連載も休んだりしないでもらえれば完璧なんですが・・・どうなんでしょうかね?