「笑ゥせぇるすまんNEW」第11話の感想です。アニメもいよいよ残り1話だぞ!
文章が散らかってしまうので下の本文では語っていませんが、
Aパート最初の落入が新聞を読むシーンで野球チームの名前が「シンエイ」になっていたり、
Bパートでシンエイ動画のシンボルマークが描かれたトラックが通過したりと、このアニメはけっこう小ネタが多い。
アイドルオーディションで夢与の次に出てきた人が「楠葉麻美子」という方だったのも気になる。シンエイ動画名誉会長の親戚なのだろうか?
おそらく最終回も、いろいろな小ネタが仕込んであるのでしょう。
個人的にやってほしい小ネタとしては、シークレットゲスト声優として藤子A先生を出すとかやってもらいたい。
「ニッポン海外旅行」の回で銀座のレストランに喪黒が連れてきた外国人役とかで出演してほしいぞ。
でも、藤子A先生がアニメ最終回に出演したらもはや小ネタではなく、大ネタになってしまうな。
【これまでの感想はこちら】
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第1話感想(白昼夢&ご利用は計画的に)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第2話感想(温泉奇行&マボロシガイシャ)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第3話感想(弁当戦争&ああ、愛しの583系)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第4話感想(プラットホームの女&走行者天国)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第5話感想(日曜クラブ&捨てちゃう女)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第6話感想(かいぶつかします&今夜は最高)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第7話感想(化けた男&ママ友のおきて)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第8話感想(夢に追われる男&ひげタクシー)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第9話感想(懐かしの銭湯ツアー&研究者はユウウツ)
・TVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」第10話感想(拾ったフィルムのヒト&ウソ孫)
破滅症患者(原作:SALE77「破滅症患者」)
1本目に登場するのは落入末雄(39歳・サラリーマン)。津田健次郎さんがこの役を演じる。
彼が重要な書類を川に落とそうとしていたり、なんとも危なそうな裏路地だと分かっているのにあえて入ろうとする彼の行為を見た喪黒は、落入に対して「あなたは『破滅症』に陥っている」と指摘します。
「自分の満ち足りた人生をムチャクチャにしてやりたい」という逆行心理が働いて、こういう危険な行動を起こしてしまうのがその特徴なんだとか。
そして喪黒曰く「あなたはそのうち必ず、家庭を崩壊させ、会社もやめることになるでしょう」と断言するのでした。
幸せで平凡な毎日に刺激が欲しくなるというのは、確かにわかる。
アニメ第2話「温泉奇行」や第7話「化けた男」も、平凡な毎日に変化を起こしたかった男の話であった。
一般的によく言われているのは、この手の日常のマンネリを解決したい時には何か新しい趣味や生き甲斐を見つけたりするとイイらしい。
なので落入さんも、深夜アニメ見るとかゴルフに挑戦してみるとか今までの自分では思いつかなかったような趣味を作ったほうがよさそうだ。
だから、べつに喪黒の助けに乗る必要はない。自分の気の持ちようで解決できる問題だ。
そもそも、喪黒の言う「破滅症」ってのも本当にあるのかどうか怪しい。
落入の人生を破滅させたかった喪黒が適当にでっち上げたウソの可能性もある。
逆行心理で自分の人生を壊したがっていた落入であったが、あの喪黒に目をつけられてしまった時点で彼の人生の破滅は決定していたのかもしれない。
あと余談だが、落入が部長と一緒に行ったクラブのお姉さんが「今夜は最高」の回の真夜さんとそっくりだった。
本人かな?と思ってアニメを見返してみたり、EDのスタッフロールを確認したところ、どうやら彼女とよく似た別人だったようだ。
素人の発想だけど、うまく話もつながるし、ここは同一人物でもよかったんじゃないかなあ。
話を本題に戻す。
喪黒は破滅症を改善するために「疑似破滅行為」を行うことを提案します。
危ない場所であえて危ない行為をすることにより逆行心理に恐怖心を植え付けさせよう、という理屈だ。
そんなわけで喪黒に連れられ、路地裏の「スナックタマエ」で酒を飲むことになった落入。
喪黒がお勧めするだけのことはあり、客商売をやる気の無さそうなママといかにもな怖いお兄さんのいる、典型的な危ない場所だ!
落入も案の定怖いお兄さんに絡まれていましたが、店にやって来た喪黒のストップにより無事解放された。
これにこりて、彼ももう二度とあんな世界には立ち入らなくなったはず。
晩酌としてまたも出てきたヨツボシビールをお供に、落入も幸せの味を噛み締めるのであった。
しかし、またしてもあの路地へ足を運んでしまった落入。
「このまま帰ればあたたかい食事とワイフが待っているのに・・・」という台詞まわしが、実に藤子A先生っぽい。
藤子A作品に出てくる所帯持ちは、みな「妻」のことを「ワイフ」と言いかえるのが特徴である。
こうして待ち伏せていた喪黒に捕まってしまった落入。
この時、喪黒はどしゃ降りの雨の中なのに何故か傘も差さずに突っ立っていた。
確かに傘を差さない方が登場時のインパクトはあると思うが、これでは風邪をひきそうだ。
この日に落入があの路地に来なかったら、喪黒はずっと雨の中何時間も待ちぼうけを食らうことになる。
セールスマンというのは、本当に大変な商売だ。
「喪黒さん。僕はあの時の緊張感、心臓が跳ねる音、全てを失いそうな感覚がどうしても忘れられないんです!」と話す落入。
どうやら落入は、あの店に行ったことで破滅症を悪化させてしまったらしい。
それを知った喪黒は「こうなったら徹底的に落ちるとこまで行ってもらいましょう」とドーン!
こうして、スナックタマエに入り浸って酒を飲み続ける迷惑な客として人間的にも社会的にも完全に落ちてしまった落入。
「彼は今、どん底に落ちて初めてこの上ない安らぎを感じていることでしょう」と語りながら、喪黒は去っていくのでした。
私はアイドル(アニメオリジナル)
間々野亜里(37歳・ステージママ)とその娘・夢与(14歳・中学生)が主人公のこのお話。
演じるのは井上喜久子さんとその娘である井上ほの花さん。実はこのアニメが親子初共演らしい。
自分の叶えられなかった「アイドルになりたい」という夢を娘に託す母・亜里に対し、夢与は「アイドルをやりたくない」と自身の所属しているユニットもやめてしまう。
どうやら亜里は現実・フィクション問わずによく語られている「自分の夢を子供に押し付けてしまうパターン」の親御さんのようだ。
古い作品だと「巨人の星」の星一徹がそれにあたるし、最近の作品では「スーパーサラリーマン左江内氏」第3話にも同じような境遇の人物が登場していた。
夢与も普通の女子中学生の子らしく、放課後に友達と色んなお店に行ってスイーツとか食べて遊びたいという思いはあります。
しかし、毎日学校が終わるとダンスのレッスンやボイトレなどの予定が詰まっているような毎日では、とても叶えられそうにありません。
そりゃアイドル辞めたくもなりますわな。
こうして、自身の所属するアイドルユニット「アニプリ学園中等部」をやめてしまった夢与。
ですが、亜里の考えていた「アイドルとして上に行く目標」にはこのような地下アイドルのままでは到底辿りつけないと思うので、結果オーライなのかも。
ぶっちゃけ、夢与以外のほかのメンバーの顔もアレだったので、多分このまま在籍していてもこれ以上の成長は望めなかった気もする。
むしろ、夢与が辞めちゃった後のアニプリ学園中等部の今後が気になってならない。
そんな時、アイドルライブ会場で喪黒に出会った亜里。
第9話「研究者はユウウツ」といい、アイドルライブに姿を現すことの多い喪黒である。
もしかして、喪黒はアイドルに興味でもあるんだろうか?
客席でステージに向かってサイリウム振ってる喪黒はあまり想像したくないぞ。
ここからは自分の勝手な印象で大変申し訳ないが、アイドルファンは心にスキマのありそうな人がいっぱいいるイメージがあるので、
おそらく喪黒はそんなターゲットを探すために、頻繁にアイドルライブ会場に通っているのかも。
みんなも近くのライブ会場で喪黒の姿を見かけたら注意しよう。
「娘をアイドルにするためなら何でもする」という亜里に指輪とネックレスを手渡す喪黒。
指輪は亜里さん自身が、そしてネックレスを夢与につけさせると、
一度だけ夢与を自由に操ることができるという効果を持っているんだそうです。
しかし、この指輪には時間制限があるそうで、指輪が光り出したらそれが時間切れのサイン。
喪黒曰く「その時は必ず指輪を外さないと大変なことになる」そうなので、絶対に外さないといけないわけですね。
いいか、絶対に外すんだぞ!外さないとダメなんだからな!!
こうして、第42回「アイドルスカウトツーリズム」なる最終オーディションに参加することとなった夢与。
名前の響きや42回の歴史から見て、この世界ではきっと「ホリプロスカウトキャラバン」くらい有名なイベントなのでしょう。
もちろん、夢与は例のネックレスをつけての参加だ。
ライバル達がパフォーマンスを見せる中、いよいよ夢与の出番!
と思いきや、会場の電源トラブルでオーディションはいったん中断になってしまうもその後出てきた彼女は、そのトラブルを感じさせないいつも通りの姿でそれをリカバー。
ちなみに、夢与ちゃんの好きな食べ物は「栗最中」らしい。
夢与の好きな食べ物が本当にそれなのか、それとも操っている亜里が素で自分の好きな食べ物を言わせてしまったのかは謎だ。
(追記:2017/11/21 このアニメの監督である小倉監督曰く、この時に夢与さんが言っていたのは栗最中ではなく、氷見名物の「ブリ最中」だったそうです。)
オーディションは順調に進んでいましたが、その途中で亜里の指輪が光りはじめてしまう。
ですが、ここでやめるわけにはいかないと亜里は指輪を外さず、その状況を完全無視。
夢与の歌う「全力クリームソーダ」を聞いた観客および審査員のウケも良好。これなら合格も夢じゃない!
ところが、出番が終わっても夢与がダンスをやめようとしない。
彼女のリアクションからして、自分の意思とは関係なく勝手に体が動いているようです。
アンデルセン童話の「赤い靴」を彷彿させる、おそろしい展開だ!
それを見た亜里は急いで指輪を外そうとしますが、どんなに引っ張っても指輪が外れない!
喪黒の言っていた通り、まさに大変なことになってしまったぞ。
なお、体が勝手に動いている時の夢与さんの姿は14歳の割にけっこうセクシーである。
女性操られフェチの方は、是非ネットの動画配信なりDVDなりでこの回を見てみることを勧める。
物語は、夢与が踊っているうちに車が走り回る交差点の真ん中に来てしまうという星の子ポロンみたいな展開に。
これに困った亜里は「だから忠告したではありませんか」と後ろで物見遊山をしていた喪黒に助けを求める。
「私が間違っていました。娘に自分の夢を押し付けて・・・」と泣きながら土下座で謝る亜里の姿を見た喪黒は、
亜里、夢与、そして夢与に向かってくるトラックを貫くドーン!で彼女たちを無事助けるのであった。
いやはや。ドーン!が人助けにも使えることをこのアニメで初めて知りました。
そして話は会場に戻る。
第48回アイドルスカウトツーリズムの最後の出場者として現れたのは、間々野亜里(37歳・アイドル)だ!
彼女の放った掴みギャグ「趣味アイドル、特技アイドル、なんてったってアイドルです!」に観客たちはドン引いていた。
どんなに若作りしても隠せない目や口元のシワをあえて描くアニメスタッフも残酷である。
しかし、そんな状況でも「ママ、かわいー!」と手を振る娘・夢与の姿は、アニメ視聴者の涙を誘った。
ネット上の反応では、アイドルの間々野亜里(37歳)が意外と可愛かったことや、
亜里を演じる井上喜久子さんが実際に同じことをやっていることもあり、この話をハッピーエンドとして捉える声が多かった。
でも、この話が藤子A先生原作だったら、本当に救いようのない感じのお話になっていた気がする。
うまく言葉で説明できないけど、オチを見て「うわあ・・・」ってなるあの感じだ。
亜里も、もっと混じりっ気無しのババアとして描かれていたはずである。
「やはりできる事なら自分の夢は自分で叶えたいものですねえ。今度こそデビュー!は難しいかもしれませんが、ずっと続けていればもしかしたら・・・ホーッホッホ」と喪黒。
なんか、今回は人助けっぽいことをした喪黒である。まるで弟みたいだ。
もしかしたら会場の電源トラブルも含めて、全ては喪黒の手中だったのかもしれませんな。
といったわけで、また次回。
果たして、感動の最終回になるのでしょうか? 見る人は一応ハンカチのご用意を!