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ドラえもん感想(痛みはね返りミラー&ヤキイモの気持ち[再])

 

 

 

 2022年2月19日放送分  ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

痛みはね返りミラー藤子・F・不二雄大全集ドラえもん』第8巻収録)

人の痛みをわからせるための道具『痛みはね返りミラー』で、乱暴者のジャイアンをこらしめようとするのび太くん。

しかし、当の本人はしずかちゃんに諭されたことで、すっかり改心してしまったらしく・・・。

 

 

 

 

『痛みはね返りミラー』は、持った状態で相手に暴力を振るうと、

「自分が与えた痛み」の2倍の痛さになって返ってくるという、まるでドラクエの呪いの装備のような道具である。

 

 

 

 

劇中でドラえもんが言っていたように、

「相手の痛みをわからせる目的」で使う分には、なかなか教育的でいい道具だと思うのですが、

 

どっかのバカがこの道具を持ったまま、満員電車に飛び込むようなマネをした場合、

とても筆舌に尽くしがたい惨事が起きてしまいそうな気もする。

 

 

 

自分はまったく傷つくことなく自爆テロが出来てしまう道具って、考えてみただけでもかなりアブないぞ。

そこらへんの対策はちゃんととってあるのだろうか?

 

 

 

 

『痛みはね返りミラー』の回がてんコミ未収録になったのも、

藤子F先生が作品発表後にこの道具の危険性に気づいてしまったことや、そのあたりの対応策がまったく思いつかなかったからだったりして。

 

 

 

 

 

まあ、そんな妄想はさておくとして、

ジャイアンは、しずかちゃんの優しい言葉を受けて「二度とげんこつを使わない」と誓ってくれたようです。

 

 

しずかちゃんが言っていた「本当に強い人は弱い者いじめなんてしない」という言葉は、

かつて、親戚の柔道10段のおじさんジャイアンを改心させた時のメッセージと、かなり似ているモノがあった。

 

 

 

どうやら自分の強さに「美学」のようなものを追い求めているらしいジャイアンは、

「おまえがいま目指している『強さ』は、弱い者いじめをする強さだ」みたいなことを言われてしまうと、とたんに弱くなってしまうらしい。

 

 

 

 

この理屈を通し続ければ、ジャイアンの乱暴を止められそうな気もするけど、

そう思った通りにはいかないんでしょうなあ。

 

ジャイアンが本当に他人に暴力を振るうことをやめちゃったら、

アニメ『ドラえもん』のストーリーの幅もだいぶ狭くなっちゃいそうですし。

 

 

現代の倫理観には当然そぐわないとは思いますが、ジャイアンの暴力はストーリーを動かすための必要悪ってやつかと。

 

 

 

 

でも、「ゲンコツはダメだけど、バットで殴るならオーケー」という謎理論を使って、

あっさり暴力を解禁していたあたり、

 

ジャイアン自分が殴りたいと思ったら、すぐぶん殴ってしまうタイプの人間でもあったようです。

 

 

 

自分の欲望に忠実なのは、じつに漫画的でいいですが、

その後ジャイアンが大人になった際、実社会に出た時に「むかつく」という理由で人を殴ってしまうことがあると、非常によくない。

 

その性格は、大人になるまでに直しておいた方がいいぞ!

 

 

 

 

とはいえ、『のび太結婚前夜』あたりの作品を見ていると、

大人になったジャイアンは、だいぶ人のいい性格になっていたようなので、上記のような心配はあまりなさそうである。

 

 

ジャイアンが、あの性格のままで大人になってしまい、

『笑ゥせぇるすまん』の牛河みたいなキャラクターにならなくて、本当にヨカッタ!

 

 

 

 

 

そしてラストは、しずかちゃんが『痛みはね返りミラー』を持ったままで歯の治療を受けた結果、

歯医者さんが歯をドリルで削られる痛みに悶絶してしまう、原作通りのオチに。

 

 

 

「麻酔なしで歯をドリルで削る」とか、想像しただけでも恐ろしい。

しかも、道具の効果で痛みが2倍になっていることを思うと、本当にゾっとする。

 

映画『アウトレイジ』で、石橋蓮司さんがこれと似たような制裁を受けていなかったっけか?

 

 

 

 

以上の文面を見た限りだと、

産業スパイの拷問とまったく変わらないような痛みを受けてしまった歯医者さんに、心の底から同情したい。

 

 

 

 

というわけで、一本目の感想はここまで。

 

 

 

 

 

 

●ドラドラニュース●

 

 

 

来週2月26日の『のび太の新恐竜』テレビ初放映にあわせて、

1本目のお話終了後にのび太の新恐竜 見どころチェック」なるコーナーが放送されました。

 

 

 

まだ『のび太の新恐竜』を見ていない視聴者のために、

コーナーの放送尺を2分ほどとって、映画の見どころをたっぷり紹介。

 

 

実質、来週の地上波特番の番宣に近いような内容でしたが、

金曜日のBS朝日の再放送だと、このコーナーは一体どういう扱いになっているんでしょうかね。

 

BSでは、別の映像に差し替えられたりするのかしら。

 

 

 

 

 

 

ヤキイモの気持ち(アニメオリジナル)

2本目は2013年11月8日放送分の再放送。

しずかちゃんに恋したヤキイモが織りなす、シュールなラブストーリー短編だ!

 

 

 

 

初放映自体は、8年半くらい前(!)のエピソードとなりますが、

そのシュールすぎる内容と、某人気有名声優さんをヤキイモ役に起用したことから、放映当時もかなり話題になっていた回である。

 

 

そんな異色回を、こうしてまたテレビで見ることが出来たのはありがたいけど、

なんでこのエピソードを、2021年の今になって再放送したんだろう?

 

 

 

 

 

 

 

そして、今回のアニメ放送の影響で、「しずかちゃん」のワードがTwitterのトレンド入りを達成。

 

 

 

このトレンド入りは、もちろん『ヤキイモの気持ち』のおかげだと思いますが、

ここ最近は、ネットで話題なもうひとりの「しずかちゃん」もいたりするので、「トレンドに名前が入ってるから」と言って油断するのはあまりよくないっピ。

 

 

(※実際、この「しずかちゃん」のトレンドの反応を見てみたところ、ドラえもん』の明るい話題と『タコピーの原罪』の暗い話題が交差するキメラ状態になっていました。)

 

 

 

 

 

さて、しずかちゃんの「みんなにヤキイモ好きを隠している設定」は、

お話によってはまだ通用していたり、本人は隠しているつもりが実はみんなにバレていたりと、

 

自分の中ではその設定の具合も、かなりまちまちになっているイメージがあるのですが、

2021年現在だと、その設定は一体どんな感じなのかが気になってしょうがない。

 

 

とりあえず、2013年当時はまだ「しずかちゃんのヤキイモ好き」はみんなにバレていなかったっぽいです。

 

 

 

 

『たましいステッキ』で、魂を宿したことによって、

「しずかさんに食べられたい!」と言い出したヤキイモ君であるが、

 

魂を宿してしまったがゆえに、いざ、しずかちゃんに食べられた際に、

大声で「いってええええ!!!!!」とか叫び出しちゃいそうな気がするんだけど、そこは大丈夫なんだろうか?

 

 

 

シュールな内容ながら、なんとか築いてきたラブストーリーの雰囲気も、

ヤキイモ君がクライマックスでいきなり喚き出したら、一瞬にしてギャグ回と化してしまうぞ。

 

 

 

 

 

でも、ヤキイモ君が「電子レンジ」で自分の体を温められても平気だったところを見るに、

そこらへんの痛覚とかは、未来の技術でどうにかなっているようです。

 

 

人間が電子レンジで温められたら、それこそお陀仏になってしまうけど、

ヤキイモは電子レンジで温めても大丈夫なので、そこは魂を持っても変わらないってことなんでしょうかね。

 

 

 

 

 

あと、しずかちゃんの家の前で街頭演説をするヤキイモ君に対し、

近所の人たちは、そのヤキイモ君の発言内容にこそ関心を示していましたが、

 

「ヤキイモ」が喋っていること自体には、まったく関心を持っていなかったっぽいのが、なんとも不気味だ。

 

 

 

少なくとも、のび太くんの家の近所において、

ヤキイモがひとりで喋って動いている程度の出来事は、べつに驚くほどの事柄ではないということなのか?

 

 

現実の世界でこんなヤキイモがいたら、SNSで騒ぎになってもおかしくないレベルなのに。

(『ドラえもん』の世界の)練馬区って、やっぱりスゴい場所なのかも。

 

 

 

 

 

夕焼け空の中、ベンチでヤキイモ君と仲良く会話をするしずかちゃんの姿を見て、

のび太くんの中に若干のBSS感情が生まれていたところを目撃しつつ、今週のドラえもん感想は以上です。

 

 

 

 

 

 

●ドラドラニュース●

今週のED前『のび太の宇宙小戦争2021』公開カウントダウンはピイナ役の松岡茉優さんが担当。

映画公開まで、あと2週!

 

 

 

 

 

■次回予告■

次回の放送は2月26日。

午後5時からは「ふみきりセット」「まんが家ジャイ子」の2本を。

午後6時54分からは『映画ドラえもん のび太の新恐竜』のテレビ初放送をお送りします。

 

前回の感想:ドラえもん感想(らくがきを撃て!&正直太郎)