2022年2月26日放送分 ネタバレ注意!
ふみきりセット(コミックス15巻収録)
今週の一本目は、やってくる相手をとおせんぼしてくれる道具『ふみきりセット』が登場!
この道具とリモコンさえあれば、誰であろうと侵入を許さないぞ!
そういえば、自分もTwitterの感想ツイートを見て気づいたのですが、
『ふみきりセット』の「電車型リモコン」って、懐かしの国鉄カラーをしているんですね。
ひょんなところから、ドラえもん誕生50年の歴史を感じることができました。
「踏み切り」が題材のエピソードということで、
オープニングでは、ジャイアンから逃げている危機的状況なのに、踏み切りでの電車通過待ちをするハメになってしまったのび太くん。
ひみつ道具よりも一足早く、踏み切りに通せんぼされたのは災難でしたが、
個人的には「のび太くんの家の近所に踏み切りがあるイメージ」が全く無いことだけが、ちょっと気になる。
彼はいったい、どこを逃げていたんだろう?
のび太くんが踏み切りのある、
普段はアニメで描かれないくらい遠くの場所からジャイアンに追いかけられていたとするなら、
のび太くんはその場所から自宅まで、そこそこの距離を走り続けていた可能性がある。
そりゃ、逃走に成功したはずみでのび太くんが花瓶を割っちゃってもしょうがないですわな。
しょうがないのか?
ただ、ここまで感想を書いていて思い出したのですが、
アニメや原作には「のび太くんの街に電車が走っている描写」は無かった気がするけど、
映画ドラえもんでは、電車の走るシーンがあったような記憶がうっすらとある。
あくまで「うっすら」となので、もしかしたら存在しない記憶かもしれませんが、
「電車のシーン、ドラえもんのこのエピソードでありましたよ」といった情報をご存じの方は、是非教えてください。
ドラえもんから借りた『ふみきりセット』を町じゅうに設置したことで、
ジャイアンのみならず、安雄やはる夫たちにも意地悪をする、原作と同様の悪ノリを見せていたのび太くん。
さらに、今回のアニメでは、
のび太くんが『ふみきりセット』を使って、スネ夫の家に立てこもるオリジナル展開も発生しておりました。
お母さんとケンカをしてしまったスネ夫くんをうまく利用して、自分もジャイアン達からエスケープだ!
おそらく今回が初出しだと思われる「骨川家の地下室の入り口」という、
普段はあまり使われてなさそうな経路にまで、バリケードが張られていたところを見るに、
のび太くんはドラえもんから、『ふみきりセット』を思いのほかたくさん貰っていたんですね。
そしてドラえもんも、町じゅうに『ふみきりセット』を設置しても、
まだストックに余裕があるくらいに、あの道具をたくさん買い込んでいたということになる。
日常生活において『ふみきりセット』を使う分なら、
1個や2個くらいでじゅうぶんそうなのに、ドラえもんはなんであんな大量の『ふみきりセット』を所持していたのだろう?
ドラえもんには、あれを大量に買い込んでまで通せんぼしたかったものがあるのかもしれない。
まさか、ネズミ対策で『ふみきりセット』を買ったとか?
家に入れないドラえもん達は、
バーベキューのいい匂いでスネ夫達をおびき出す「天岩戸作戦(仮名)」で、なんとかバリケードを突破しようと画策していたようですが、
結果的には、伊藤つばさちゃんのドラマに感情移入してしまったスネ夫が、
勝手に家から飛び出してきて、勝手にママと仲直りするという、今回の騒動に関わった骨川家以外の人間からすると、かなり拍子抜け感の強い解決が訪れていた。
そもそもの、スネ夫がお母さんとケンカした理由が、
「チョコマシュマロが欲しかったのに、ママがマシュマロチョコを買ってきてしまったこと」が原因だと先に知っていたら、
ジャイアンやのび太くん達も、この史上最小の親子ゲンカに付き合ってなかった可能性は十分にある。
ドラえもんだって、こんなくだらない騒動にまともに付き合わず、
お話の都合や、場のセオリーを完全無視して『どこでもドア』でスネ夫の家の中に突入する禁じ手を犯していたかもしれないぞ。
とはいえ、親子ゲンカの原因や、その解決方法もふくめて、
『即席落とし穴』のようなものの中に落っこちたチルチル以外は誰も傷つかない、じつに平和な終わり方だったのはなによりです。
そして、肝心の物語のオチのほうは、のび太くんが玄関前で転んでしまい、
『ふみきりセット』の中に電車リモコンをインキーしてしまう、原作通りの展開へ。
「しめた!うちの前にふみきりをセットしておいたんだ!」
「これで僕の勝ちだ!」
と、今回のアニメでは、あからさま過ぎるほどの死亡フラグ発言を残し、
ご丁寧に「勝利のガッツポーズ」まで決めていたのび太くんは、本当にマンガ主人公の鑑です。
みんなも、誰かから逃走をはかる時は、最後の最後まで油断しちゃダメだぞ!
というわけで、一本目の感想はここまで。
●ドラドラニュース●
2本目のお話の前に、この後午後6時56分から地上波初放送となった、
『のび太の新恐竜』の番組内プレゼント企画「パピを探せ!」の説明がありました。
『宇宙小戦争2021』でピイナ役を演じる、松岡茉優さんのアフレコ風景もちょっとだけ見ることもできるぞ!
まんが家ジャイ子(コミックス24巻収録)
妹・ジャイ子の新作ギャグまんがを見せて、スネ夫達に無理やり笑うことを強要する兄・ジャイアン。
ジャイアンの「妹に悲しい思いをさせたくない」という気持ちはわかるけど、
ジャイ子本人も、プロの漫画家を目指している以上、
社交辞令のような感想よりも、冒頭ののび太くんのような率直すぎる意見のほうがありがたいと思っているのではないでしょうか。
ジャイアンが望む、おべっかばかりの意見しかない環境に慣れてしまうと、
将来ジャイ子がプロの漫画家になった際、エゴサーチの結果を見て死んでしまうこと(比喩)は確実なので、
ここはあえて、どんな批判意見もジャイ子が受け入れることで、
「自身の描く漫画の内容」に自信を持たせることも、「プロのまんが家」として重要なんじゃないかと思うんですけどねえ。
今回のお話における「教訓」も、おそらく上記の意見と似たようなことでしょうし。
でも、そんな正論をジャイアンの前で言ったら、
おそらく半殺しにされること間違いなしなので、ここは『マジックおなか』の力で乗り切ることにしましょう。
正論を言ってもぶん殴られるし、ジャイ子のまんがで笑わなくてもぶん殴られる。
普段から「自分に都合の悪い意見」を暴力でねじ伏せようとする人は、
本当に大事な時に、周りの人からの貴重なアドバイスをもらえなくなってしまうぞ!
『マジックおなか』は、ちょっと触っただけでも笑いが止まらなくなってしまうので、
いたずらをしたい時以外では、取り扱いに非常に気をつけたい道具である。
あんなに感度が良すぎると、逆に使いにくそうなので、
『マジックおなか』をスネ夫に奪われてしまったのは、のび太くんにとって、むしろラッキーだったのかも。
さりげなく、1本目のお話に引き続き、
「スネ夫が自宅から出てこない展開」がシンクロしていたことも、一応触れておきます。
そもそも、ドラえもんが「こんなもの必要ない」とばかりに、
『マジックおなか』をフリスビー形式で投げ捨てるパフォーマンスをしなければ、べつにスネ夫もあんなことにはならなかったんですよね。
なぜ『ドラえもん』の登場人物は、要らないものをポイ捨てしたがるのか。
この第24巻の『まんが家ジャイ子』をはじめとして、
その後の原作でも、ジャイ子は「プロのまんが家」としての道を目指していくわけなのですが、
ジャイアンが「のび太くんの漫画を評価するセンス」に絶大な信頼を寄せているのは、
おそらく今回のお話で、のび太くんがジャイ子の新作漫画を読んで号泣をしたのがキッカケなんじゃないかなあと、思ってみたり。
そんなことを考えてみると、なかなか興味深いお話ではありました。
クリスチーネ剛田先生の「まんが道」は、まだ始まったばかりだ!
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
今週のED前『のび太の宇宙小戦争2021』公開カウントダウンは、ギルモア役の香川照之さんが担当。
映画ドラえもん、いよいよ来週公開!(されるよね?)
■次回予告■
次回の放送は3月5日。
「ドンジャラ村のホイ」をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(痛みはね返りミラー&ヤキイモの気持ち[再])
次回の感想:ドラえもん感想(ドンジャラ村のホイ)