2022年2月12日放送分 ネタバレ注意!
らくがきを撃て!(コミックス15巻収録)
空き地で昼寝をしている間に、ジャイアンとスネ夫から顔にらくがきをされてしまったのび太くん。
「らくがき」で売られたケンカは『らくがきじゅう』でお返しだ!
いちおう、このお話は「原作からのエピソード」ということになってはいますが、
後半からの商店街を舞台にした落書きバトルなど、アニメオリジナル展開がかなり多めだった今回のエピソード。
漫画で見たときは、とくに何とも思っていませんでしたが、
今あらためて見ると『らくがきじゅう』の形状や機能は、イラストを描く時の道具「液タブ(液晶タブレット)」に何となくそっくりである。
普段、この手のタブレットに使い慣れているイラストレーターさんがこの道具を使ったら、
今回のお話とは、また違った感じの展開にもなりそうでした。
イラストレーターさんが、空にうかぶ雲やビルの外壁にカッコいいイラストを描いて、
のび太くん達から「すごい」と褒めたたえられる、そんな優しい世界が繰り広げられてほしい。
あと、『らくがきじゅう』の引き金を引くと絵が発射されるなど、
今回のアニメでは『らくがきじゅう』の銃としての要素も、パワーアップされていた。
たしかに原作では、『らくがきじゅう』の銃要素があまりにも少なかったせいで、
のび太くんの「射撃得意設定」がまったく描かれていなかった。
でも、『らくがきじゅう』の回は原作でも初期のほうなので、
ただ単純に、その頃はまだのび太くんの「射撃得意設定」がそもそも存在していなかっただけか。
のび太くんの射撃得意設定って、一体いつ頃に生まれたんだっけ?
話が横道に逸れすぎてしまったので、そろそろ本編の感想のほうへ戻りましょう。
のび太くんが手で顔を覆って「らくがき」を隠すことを見越して、
手の甲にも落書きを描いておくジャイアン達の二段仕込み作戦には、思わず「敵ながらあっぱれ」と言いたくなってしまったけど、
落書きをされた本人からすれば、とても「あっぱれ」で片付けられる問題じゃないですわな。
幸か不幸か、のび太くんは家に帰るまで、手の甲の落書きに気づかなかったようですが、
もしも帰路の途中でその落書きの存在に気づいてしまった場合、ガンダムWのOPみたいな顔の隠し方をするしかなくなってしまう。
あのポーズをしたままでの帰宅は、手の甲の落書きを晒すと同じくらい恥ずかしそうだ。
ジャイアン達がそこまでのケースまで想定しているとしたら、彼らはかなり賢いぞ。
さっそくのび太くんはお返しとばかりに、民家の塀にらくがきをしていたジャイアン達に対し、
落書きで顔にシワを描く、古典的な「老け顔メイク」を施してあげるとともに、
ついでに、その民家の壁も「バカ」の文字でいっぱいにしてやった。
「『自分たちが描いた落書き』をさも他人が描いたかのように報告し、その落書きを消す作業の報酬として、家主からおやつを貰う」という、
ひじょうに犯罪スレスレの行為をしていたわけなのですが、
スネ夫くんにダマされて、お菓子をあげてしまったり、
何もしていないのに自分の家を「バカ」の文字でいっぱいにされてしまった家主さんこそ、この落書き行為の一番の被害者なのではないかと。
仕返しをすること自体は別にかまわないけど、無関係な人を巻き添えにするのは流石によくないと思うぞ。
そして前述のとおり、物語の後半では、
「ジャイアン&スネ夫」vs 「のび太&ドラえもん」の2チームに分かれて、商店街で「銃(落書き)」の撃ち合いだ!
もちろん、両者ともに「落書きをされたうらみ」をキッカケにしているハズですが、
男の子の心理を考えるに、「ピストルのようなもの」を手に持った場合、
どうしても何かを撃ってみたくなってしまう気持ちも、行動理由のひとつとして、ちょっとだけあったと思います。
やっぱり、ピストルは撃ってナンボですからね。
これがペンキ缶とハケを持っての戦いだったら、こんな商店街を巻き込むほどの大ごとにはならなかった気がする。
『らくがきじゅう』は、エアガンにかわる、
サバイバルゲームの新たな遊び方として使ってみても、面白いかもしれないぞ。
のび太くん達による、落書きバトルが終わった後の商店街は、
誰しもインターネットで一度は見たことがあるであろう、台湾の落書きだらけの場所「彩虹眷村」みたいになってしまっていた。
町の商店の外壁が子供じみた落書きで埋め尽くされているのは、なかなかに怖い光景だ。
街の人たちが突然あらわれた落書きに戸惑う中、
犯人が自分たちであることに気づかれる前に、ジャイアンやドラえもん達4人はあわてて逃走。
「せめて落書きを消してから逃げろ」と言いたいところですが、
「らくがき」という行為は、「落書きをした人」がその落書きを消さずにその場を離れることで初めて成立する行為だとも思うので、
今回ドラえもん達がおこなった行為は、ある意味正しいとも言えます。
でも「落書き」自体は、他人に迷惑を与えるだけの犯罪行為にかわりないので、
テレビをご覧のお子さんたちは、今回のジャイアン達のようなマネをするのは絶対にやめましょう。
もちろん大人だって、落書きは絶対にやっちゃダメだぞ!
というわけで、一本目の感想は以上です。
正直太郎(コミックス2巻収録)
今週の2本目は、のび太くんのママの弟・玉夫おじさんが登場!
好きな人に自分の気持ちを伝えられないほどに気が弱い玉夫おじさんのために、『正直太郎』が恋のキューピッドになってしまう!?
今回登場した『正直太郎』のほかにも、
未来の世界には『正直電波(新型)』『ウラオモテックス』など、自分の正直な気持ちを言わせてしまう道具が多数存在する。
22世紀の世界は、そんなに相手の本心を聞き出したい人たちが多いんでしょうか。
自分の友人がこれらのひみつ道具を買っている現場を見かけたら要注意だ!
1本目の『らくがきを撃て!』とちがい、
この『正直太郎』の回は、ほとんど原作そのままの状態でアニメ化されていた。
しいて言うなら、原作では「ハゲゴリラ」と呼ばれていたおじさんのあだ名が、
今回のアニメでは「ガミガミガメ」に変わっていたことくらいでしょうか。
「ゴリラ」という言葉自体は、今のアニメ『ドラえもん』でもよく使われているので、
どうやら、のび太くんが「ハゲ」と言ってしまったことが、今回のあだ名変更に繋がってしまったらしい。
いまのアニメではハゲ発言もNGなのかと思うと、なんとも世知辛い話だ。
まあ、あとで問題になって、このエピソード自体が封印作品になってしまうよりかはマシか。
これも時代の流れです。
でも、あのおじさんの見た目なら、
「ガミガミガメ」よりも、「ハゲゴリラ」のほうがしっくりくるんですけどねえ。
とはいえ、言われた人の気持ちで考えると、「ガミガミガメ」も充分アウトではある。
間接的に『正直太郎』の助けがあったとはいえ、
なんやかんやで玉夫おじさんは、自分の力だけで本音を伝えることができた。
玉夫おじさんは「彼女に嫌われていないか」が不安なだけで、
その気になってしゃべろうと思えば、いくらでもしゃべれる人だったんですね。
「山ならエベレスト、海なら太平洋。でっかくって深くって、とにかく君を思う気持ちは誰にも負けないぞ!」
「槍が降ろうが、嵐が来ようが、ぜったいに君を守り抜いて見せる!」
と、まさか玉夫おじさんが、
こんなにも甘いセリフをたくさん言える人だったとは思いもしませんでしたよ。
バレンタインデー直前にふさわしい、なんとも甘々なカップルが誕生した瞬間でありました。お幸せに!
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
エンディング前の『のび太の宇宙小戦争2021』公開カウントダウン。
今週はギルモア役の香川照之さんが担当しておりました。
どうやら、カウントダウンをする人は毎週変わるみたいです。映画公開まであと3週!
■次回予告■
次回の放送は2月19日。
「痛みはね返りミラー」「ヤキイモの気持ち」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(月面クレーターを滑っちゃえ!&ベロ相うらない大当たり!)
次回の感想:ドラえもん感想(痛みはね返りミラー&ヤキイモの気持ち[再])