2022年10月22日放送分 ネタバレ注意!
オールシーズンバッジ(コミックス16巻収録)
秋キャンプに出かけるスネ夫くんの発言から、自分がこの一年をムダに過ごしてしまったことに気づかされたのび太くん。
過ぎ去った日々を取り戻すべく、のび太くんは秋の山を舞台に『オールシーズンバッジ』で一年分まとめての行楽を楽しもうとするのですが・・・。
ドラえもんに「僕も海水浴やスキーに行きたかった」という、簡単な要件を伝えるためだけに、
「使用済みカレンダーを床にバラまく」など、やけに芝居めいた演技をするのび太くんが、このお話の見どころのひとつ。
「今年一年イベントごとを何もせずに過ごしてしまった」と悔やんでいたけど、
のび太くんは毎年同じような悩みを繰り返しているような気がするのは気のせいか?
彼独自の演出のために、床にバラまかれたカレンダーの数々は、
のび太くん特有のものぐさで今年1月から全くめくっていなかったカレンダーを、10か月分一気にめくったって解釈でいいんでしょうか。
そこらへんの説明はしておかないと、
やっかいな人たちから「こんなことで無駄にカレンダーをめくるなんて!」みたいなクレームがきてしまうかも。来ない可能性もあるけど。
自分も今回のアニメをきっかけに読み返していた時に気づいたのですが、
原作の「オールシーズンバッジ」の回って、今の時期と同じ「秋(10月)のエピソード」だったんですね。
雑誌初出時のリアルタイムでなく、単行本であの話を読んでいたせいか、
そんな印象をまったく抱かないまま、今日(こんにち)に至ってしまいました。
そんな経緯もあってか、後にレンタルDVDや何かの配信で、今回のエピソードを見た人達にも季節感が掴みやすいよう、
劇中で何度も「秋キャンプ」をアピールしていたスネ夫一家は、すごく視聴者に優しい人たちなんだなあと思ったりも。
後年になって、このお話を見たみなさんも、
秋の山ではしゃぐのび太くんの姿を見ながら、もう二度と訪れない「2022年の秋」を追体験してみてください。
スネ夫のママとパパは「空が高いからリクライニングの深いモノにするザマス」と、
秋キャンプ用に「秋用のキャンプ椅子」なんてものを用意していた。
レジャーを通して、四季を全力で楽しむスタイルのスネ夫一家だからこそ、
「キャンプ用の椅子」にも拘り、季節ごとに使い分けている。
春も夏も、一年通して、同じ椅子を使い続けるようなヤツは、
四季が織りなす自然を楽しむ、骨川流キャンプの神髄を分かっていない証拠だ!
で、自分はキャンプに明るくないのでよくわかりませんが、
実際のキャンプ用品にも、「春用のキャンプ椅子」とか「冬用のキャンプ椅子」なんてものがあったりするんでしょうかね。
ためしにググってみたら、なんかそういうのもありそうな感じだったけど、
本当にキャンプを趣味にしているような人なら、各シーズンごとにあわせてキャンプ用品も変えていても、おかしくはありません。
といっても、キャンプ未経験者の自分の脳みそでは、
「夏のキャンプだったら、風通しがいいように、テントも薄い生地のやつを使おう」くらいの想像しか思いつきませんが・・・。
のび太くん達は『オールシーズンバッジ』で、
秋の山を、お花見会場やスキーのゲレンデにして、思い思いのレジャーを楽しんでいましたが、
ひみつ道具で、いつでも自分の好きな季節に変えられるとなると、
季節のレジャー特有の「その時期だけにしかできない」という価値が、かなり薄まってしまっているような気がします。
わかりやすく、言葉にするのがむずかしいけど、
本来の季節に「その時期だけのレジャー」をするからこそ、価値があるんじゃないかと思うんですけどニィ。
スネ夫くんの「今の季節を全力で楽しむべき」という意見も、そんなに間違っていないと思うけど、
まるでのび太くんを煽っているような語り口だったのがよくないですわな。
みんなも友達相手に「季節感のない顔」と意味不明なイジり方をするのはやめよう!
こうして、スネ夫の目の前で四季折々のレジャーを楽しむことで、見事ギャフンと言わせることができたのび太くん。
しかし、ドラえもんの四次元ポケットの閉まりが緩かったせいで、
タケコプターを使っての帰り道で『オールシーズンバッジ』が中山湖*1の周辺に散らばってしまい、異常気象を巻き起こす結果となってしまった。
秋真っ盛りなのに、桜の花が咲き、セミが鳴きじゃくる。
ニュース番組が生中継でその異常っぷりを伝えるほどの、えらい事態だ!
今回のオチに対する、一番の疑問としては、
「なんでドラえもんは、あんなに沢山の『オールシーズンバッジ』を持っていたのか?」ということに尽きます。
自分で使う分には、多くても2~3個あれば、十分なんじゃないのか?
実際の季節をいじれる機能には、そこそこスゴめの科学技術が用いられていそうなのに、
『オールシーズンバッジ』は、未来の世界だと格安でまとめ売りされているような存在の道具だったりして。
いちおう、お台場のほうの未来デパートでは、
1650円(税込み)で『オールシーズンバッジ』が売られていたりもするけど、
このお値段だと、ドラえもんのように、あんなにたくさんは買えなさそうだ。
みなさんは、どれくらいの価格だったら『オールシーズンバッジ』をまとめ買いしてみたいですか?
よろしければ、コメント欄やTwitterで教えてもらえると幸いです。
というわけで、一本目の感想はここまで。
グンニャリジャイアン(コミックス29巻収録)
ジャイアンが、近所で犬の散歩をしている女の子に恋をした!
恋煩いでグンニャリとしてしまったジャイアンのため、のび太とスネ夫は(半強制的に)ひと肌脱ぐこととなったのですが・・・。
全国の片思いに悩む男子諸君も、
今回のお話を見て、女の子との付き合い方の勉強をしてみてはいかがでしょうか。
「無言で笑顔のまま、相手のほうへ近づく」はあまりにも不審極まりなかったので、やめておくのが無難かと思われます。
「異性の素敵な笑顔」は魅力的だけど、「笑顔」も使いようによっては、単なる武器にしかならない時もある。
「笑顔」の解釈の仕方を間違えたら、ただのキモイマンになってしまうぞ!
バックにドラえもんがついているのび太くんに、恋のキューピッド役を頼むまではよかったのですが、
「3時間以内に友達にできなかった奴はタダではおかない!」と無駄なおどしをかけたせいで、
のび太くんとスネ夫それぞれの考えた計画がごっちゃになってしまい、全てが失敗に終わってしまった。
とくに、『キューピッドの矢』の効果をカン違いして、
ジャイアンの片思い相手を実質的に奪う形となった、スネ夫の行為が一番まずかった。
たしかに『キューピッドの矢』の初登場回である、
「ああ、好き、好き、好き!」のお話にスネ夫は登場していなかったので、
あの道具をどう使うのか知らなかったのはしょうがないけど、それにしても、迂闊すぎる行動だったといえましょう。
最近ネット上でよく語られがちなシチュエーション「BSS」を、
何十年も前から描いていた藤子F先生はやっぱりスゴい!・・・のか?
けっきょく、ジャイアンが恋していた女の子は、
一時的に親戚の家に遊びに行っていただけで、彼の思いなど一切知ることのないまま、故郷である大阪へと帰ってしまったらしい。
大阪出身のわりに、関西弁もしゃべらない、まったく関西人っぽさのない彼女であった。
惚れた女の子に会えずグンニャリするジャイアンと、ジャイアンに会わないよう必死で逃げ惑うスネ夫。
そんな2人のようすを見て「町の平和のために、しばらくこのままにしておこうか」と語るドラえもんとのび太くんなのでした。
今回のジャイアンの件に対し、もはや完全に他人事として接しているドラえもん達が面白い。
やっぱり、自分の恋愛問題は自分で解決しなきゃダメなんですね。
ジャイアンも勇気を出してアタックしていれば、もしかしたらあの子と友達になれていた世界線があったかもしれない。
「恋愛はなるべく人任せにしないこと」が、このお話で学べる一番の教訓なのかもしれません。
というわけで、2本目の感想はここまで。
実物はさみ(ドラえもんカラー作品集第2巻収録)
今週の「ドラドラMiniシアター」は、『実物はさみ』のお話。
このコーナーもはじまって、もう3回目ですが、今のところ3回すべてがカラー作品集収録作品である。
このまま最終回まで、ずっとカラー作品集の作品だけでいくのか?
放送時間1分弱のコーナーゆえに、原作のストーリーからはぶかれている箇所があったものの、
テンポ良く繰り出される展開の数々は、なかなかに面白かったです。
ドラえもんが「人のものをうらやましがるなんてみっともないぞ!」とのび太くんに言っておきながら、
ラジコンで楽しく遊ぶスネ夫を見て「うらやましい!」と、すぐに手のひらを返していたシーンや、
のび太くんが『実物はさみ』で作ったラジコンを自慢した直後に、
ジャイアンの手によって、そのラジコンが岩で潰されてしまうシーンなどは、原作にもあるくだりなのですが、
物語のテンポを高速にしただけで、こんなに面白くなるとは思いませんでした。
放送尺の短い『ドラドラMiniシアター』ならではの、面白シーンだ!
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
■次回予告■
次回の放送は10月29日。
「なんでもクレーンゲーム」「むすびの糸」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(まるでホンモノ!?自然観察プラモシリーズ&のぞき穴ボード&重さすいこみじゅう)