2022年10月29日放送分 ネタバレ注意!
なんでもクレーンゲーム(アニメオリジナル)
神成さんの家や、ジャイアンの家。
なかなか行きづらい場所にある、自分の持ち物を取り返したい時は『なんでもクレーンゲーム』を使おう!
『どこでもドア』を使えばすぐに終わりそうな案件なのに、あえてクレーンゲームを介する。
『なんでもクレーンゲーム』は、「遠くにあるものをこっそり取りに行く」程度のことにもエンターテイメントを求める人向けの道具といえるでしょう。
あえて回りくどい道を選び、苦労をしてみるのも、人生の生き方のひとつである。
なお、自分が強引な解釈をするまでもなく、
「『どこでもドア』を使えばいいだろう問題」に関しては、脚本家さんも気になっていたようで、
劇中で「『どこでもドアは修理中』」と説明させる形で、今回ドラえもんが『なんでもクレーンゲーム』を出した、一応の理由付けがされていた。
こういう時に使える『どこでもドア』が、残念ながら修理中だったということは、
きっと『とりよせバッグ』あたりの便利な道具も修理中だったのかも。
「ドラえもんの道具は修理中のものが多い」と前から聞いてはいたけど、この日はかなりの道具が欠品状態にあったようです。
主要な道具が使えないのなら、『なんでもクレーンゲーム』で目当ての品を取り戻すしかない。
クレーンゲームで、自分の持ち物救出大作戦だ!
そのクレーンゲーム作戦第一弾として、
まずは、ジャイアンが神成さんの庭に蹴りこんでしまったサッカーボールを取りに行くぞ!
でも今回に関しては、窓ガラスを割った等の被害を出してないんだから、
クレーンゲームを使わないで、素直に謝りに行ってもよかったんじゃなかろうか。
クレーンゲームを遠隔操作する苦労は一向にかまわないのに、雷オヤジに怒られる苦労はしたくない。
「若いうちの苦労は買ってでもしろ」という格言の意味は分かるけど、
避けられる苦労であれば、なるべく避けていく。これが人間の性なのです。
神成さんの家の庭からサッカーボールをいただくつもりが、
うっかり神成さん本人ごとゲットしてしまうハプニングはあったものの、
それなりに救出ミッションがウマくいったことに味をしめ、
今度はスネ夫発案のもと、ジャイアンの部屋にある「ヘリコプターのラジコン」を取り戻しにいこうと目論んだ。
スネ吉兄さん協力のもと、1週間がかりで頑張ってつくったのに、
ジャイアンに「永久に借りられた」ヘリコプターなんだから、勝手に持っていってもイイよね!
しかし、万が一ジャイアンにバレてしまうリスクを恐れて、手先も震えてしまうのか、
まったく関係ない洗濯ものをゲットしてしまったり、ヘリコプターを掴んだものの、途中で落っことしてしまう(※この時の衝撃でスキッドが破損する二次被害も発生)など、なかなか思い通りにいきません。
ジャイアンの部屋、とにかくモノが多すぎる!
なんで子供部屋に、洗濯物のカゴやタワシが沢山入った段ボールがあるんだ?
『どこでもクレーンゲーム』は、掴みたいものを位置までクレーンを移動させれば、
あとは、道具側がすぐ近くにあるものをオートマチックで掴んでくれる仕様っぽいので、
ジャイアンの部屋のように色んなものが散らかっている状態だと、
『どこでもクレーンゲーム』も「どれを掴めばいいか」の判断に困っているのかも。
ジャイアンの部屋を片付けないクセが、今回はプラスに働いた形だ。
あと、さっきまでは神成さんのハゲ頭を掴んで運べるほどだったのに、
ジャイアンの家に来てから、急に『どこでもクレーンゲーム』のアームの力(ちから)が弱くなってしまった気がする。
『どこでもクレーンゲーム』も、ジャイアンから発せられる威圧にビビッてしまっているんでしょうかね。
寝ながらにして、無生物をビビらせてしまうジャイアンはやっぱりすごい!
自分がクレーンに狙われているとはつゆ知らず、
そして、ロボットだからなのか、実はUFOキャッチャーが上手だったドラえもんも参戦して、物語はいよいよ最終決戦へと突入!
舞台を近所にうつして、のび太くん達の意地のぶつかり合いは、なおも激しくなる!
全てを諦め、とうとう泣きだしてしまったスネ夫に対し、
ドラえもんは「『なんでもクレーンゲーム』にゲームオーバーはない!」の名言と共に、強力トリモチモードを出現させた。
モード発生のために複雑なコマンド入力を求められる「強力トリモチ」は、まさにとっておきの手段である。
トリモチの粘着力なら、クレーンのように取りこぼすこともない!
まさに最強のオプショナル・モードだ!
ただ、「そんなモードがあるのなら、はじめから使えよ」とツッコみたくはなる。
さっきまで泣いていたスネ夫くんですら、「それズルくない?」と素に戻ってツッコんでいた。
クレーンゲーマーとしての意地とプライドがあったから、この卑怯なモードを使っていなかったのしれません。
ヘリコプターが取れない以上、もうなりふり構っていられるか!
ドラえもんが意地もプライドもかなぐり捨てた今、もう怖いものなど何も無いぞ!
そして、プライドをかなぐり捨ててもヘリコプターが取れなかったため、
ドラえもんが「本当の本当の最終手段」として繰り出した『超巨大クレーン』で、ジャイアンの家ごと鷲掴み。
こうして、ヘリコプターは無事、スネ夫の手に戻ったのでありました。
よかったね、スネ夫くん!
でも、ジャイアンの家を掴んだところで、後はどうするんだ?
あらためて家に入って「すいません、ヘリコプター返してください」とお願いするわけにもいかないだろうし。
あのラストの後に、ドラえもん達が本当にそんなことをやっちゃっていたら、
「はじめからそうすればよかったし、クレーンゲームに頼る必要もなかった」という、今回のお話の全てが無に返るようなオチになってしまうぞ。
あと、ヘリコプターを掴もうとして、代わりに掴んでしまったゴミバケツや自動販売機も、ちゃんと元の位置に戻さないといけませんからね。
あれを全部、もとの場所に戻すのも、ひと苦労しそうだ。
今回のお話をあらためて振り返ってみると、ドラえもん達は明らかにクレーンゲームに熱中しすぎていた。
お話の都合上しょうがないとはいえ、スネ夫のヘリコプターを取り戻すには、もっと他に効率のいいやり方があったハズだ。
ただ、実際のクレーンゲームでも、ついつい熱が入ってしまい、
何の変哲もないぬいぐるみに数千円も使って後悔・・・なんてエピソードは、よくありがちなので、
このお話も「一度やりはじめたら、ついついのめり込んでしまう」という、クレーンゲーム特有のあるあるを描きたかったのかもしれません。
みなさんもクレーンゲームをやる時は、余裕を持った楽しみ方を心がけましょう。
というわけで、一本目の感想はここまで。
むすびの糸(コミックス31巻収録)
「つまらないこと」でけんかして、しずかちゃんに嫌われてしまったのび太くん。
『むすびの糸』で、なんとか仲直りのチャンスを作ろうとするのですが・・・。
しずかちゃんと仲直りしたいのび太くんの心情を、丁寧にクローズアップしていた今回のお話。
のび太くんの回想シーンを『いつでもどこでもスケッチセット』で振り返っていたのも、マニア心を大いにくすぐるような演出でした。
お話に登場こそしていたものの、道具の説明が一切なかったのは、
「べつに紹介せんでも、ドラえもんファンならこれくらいわかるやろ」という、アニメスタッフ側の信頼からくるものだったのかもしれません。
自分たちは、アニメ『ドラえもん』スタッフに試されている・・・?
現時点で「しずかちゃんに嫌われてしまう」のは、
未来の世界でノビスケやセワシが生まれなくなってしまうかもしれない、非常に大ピンチな状況なのですが、
当ののび太くんは「運命の赤い糸は見えないって言うのに、どうして赤だってわかるの?」「だったら糸は透明じゃなきゃ」と、
『むすびの糸』に対して、どうでもよすぎるイチャモンをつけていた。
自分が助けてもらう側なはずなのに、いろいろゴチャゴチャ言うのは、あまりよくないぞ。
どうもこの回ののび太くんは、ちょっと面倒くさい部分があるようだ。
しずかちゃんとも、きっとこんな文句を押し付けすぎたせいで、嫌われちゃったんでしょうな。
あの時ののび太くんは、どういう「つまらないこと」でケンカしちゃったんだろう?
のび太くんに故意はいっさい無かったものの、
ジャイアンが珍しく自分のお小遣いで買った「肉まん」を踏み潰した上にドブに突き落とすという、原作よりひどい状況をやらかしていたり、
原作ではローラースケートを履いていたスネ夫くんが、
今風なミニセグウェイを乗りこなしているなど、細かいアニメオリジナル要素もいくつか。
「風切る 身を切る お金持ち♪ けれど懐(ふところ)いたくない~♪」と、オリジナルソングを歌っていたのも、アニメ独自の展開のひとつですかね。
スネ夫くんは、アニメの中で定期的にオリジナルソングを歌っている気がするけど、
これらの曲はすべて、スネ夫役の声優・関智一さんが、アドリブで作った曲なんだろうか?
もしくは、脚本家さんが考えているかのどっちかです。
「あの歌が脚本家さんのアイディアである」と想定して、
アニメ『ドラえもん』の台本に「風切る 身を切る お金持ち~♪」と、へんな歌詞が書いてある様子を想像すると、なんとなく面白い。
そして、どんな珍妙な歌詞であろうと、ちゃんと歌うために、
それなりにあの歌を練習しているであろう、関智一さんの様子も想像するともっと面白いぞ。
物語のほうは、のび太くんがジャイアンにボコボコにされるなど、
紆余曲折こそあったものの、何とかしずかちゃんと仲直りすることができたようです。
のび太くんも、こんなに自分のことを思ってくれる優しい女の子とケンカなんかしたらダメですよ。
そして、しずかちゃんとのび太くんが無事仲直りできたことで、
「この回における一番かわいそうな人ランキング第1位」は、ジャイアンにミニセグウェイと本を同時に奪われたスネ夫くんに決定しました。
1本目のお話に引き続き、またしても自分のオモチャを奪われてしまったスネ夫くんである。
もはや窃盗レベルの悪行だと思うけど、スネ夫はこのまま黙りっ放しでいいのか?
こうなったら、さっきのお話みたいに、
ジャイアンの家に『なんでもクレーンゲーム』を投入して、ミニセグウェイを取り返すしかないな。
でも、そこそこデカそうな乗り物なので、アームで挟めるかどうかが心配だ!
というわけで、二本目の感想はここまで。
ラジコンのもと(ドラえもんカラー作品集第3巻収録)
今週の「ドラドラMiniシアター」は、『ラジコンのもと』のお話。
自分のおもちゃをラジコンでバカにしてきたスネ夫には、ラジコンでお返しだ!
『ラジコンのもと』をくっつければ、どんなものでもラジコンになるぞ!
カラー作品集における『ラジコンのもと』登場回は、二種類あるのですが、
今回は、スネ夫のパパの自動車をラジコンにしてしまう方をアニメ化。
台詞が一言だけとはいえ、スネ夫のパパは前回に引き続き、2週連続の登場となりますね。
じつにめずらしいできごとです。
今回のお話の初出は「小学一年生」のため、
作中ののび太くんも「紐のついた車のおもちゃ」で遊んでいるなど、「小学1年生ののび太くん」として描かれていた。
なので、今回のアニメに出てくるのび太くんやしずかちゃんも、
説明こそされないだけで、みんな小学1年生として、描かれているのかもしれません。
となると、あのお話のスネ夫は、小学1年生にしてラジコンの操縦をマスターしていることになるのか。
小学1年生のスネ夫くん、なかなかにすごいな。
ドラえもんにラジコンが直撃するたびにネガポジ反転が起こる演出も、シンプルながら面白いシーンだと思いました。
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
番組内でもドラえもんが直々に告知をしていましたが、来週11月4日放送の『ミュージックステーション』にドラえもんが出演。
さらに、人気アーティストと豪華共演を果たすそうです。
番組サイトによると「『映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア)』に関する大発表もある」とのことなので、
これは、来年の映画の主題歌を歌うアーティストが明らかになるって認識でいいんですかね?
ちなみに番組内で明かされたドラえもんのヒントによると、その人気アーティストのイニシャルは「N」とのこと。
『ミュージックステーション』公式サイトを見ても、来週出演する歌手の中に、
イニシャルが「N」からはじまる人は見当たらないので、もしかしたら、シークレットゲストで登場する予定なのかも。
もしや、ナパーム・デス(Napalm Death)が来年の映画ドラえもんの主題歌を務めたりするのか?
でも、これだけワクワクさせておいて、放送当日のシークレットゲストとして、
NOBITA(のび太)が出てくる可能性もゼロではないので、期待せずに待つことにしましょう。
■次回予告■
次回の放送は11月5日。
「ななころびてんとう虫」「実感帽」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(オールシーズンバッジ&グンニャリジャイアン&実物はさみ)
次回の感想:ドラえもん感想(ななころびてんとう虫&実感帽)