2021年12月18日放送分 ネタバレ注意!
ジャイアンラーメンが来る!(アニメオリジナル)
今年の大みそかに「視聴者参加型のリサイタル」を敢行予定のジャイアンが、
その地獄イベントの前座とばかりに、みんなに自家製ラーメンを提供してきた!
ジャイアンリサイタルが「聞く地獄」とするなら、ジャイアンラーメンは「食べられる地獄」だ!
原作でお馴染みの「ジャイアンシチュー」「ジャイアンディナーショー」に続く、
ジャイアンお料理シリーズの最新作。
過去のアニメオリジナルでは、「ジャイアンピザ」「ジャイアンアイス」なんてものもありましたが、
今回は日本の国民食・ラーメンの制作に取り組みます。
まんがいち、これで奇跡的にウマいものを作ってくれれば、
このお話の展開も、いろいろと変わってくるのですが、
「いちごジャムとケチャップのスープ ~うめぼし乗せ~」などの、
いつものように独創性の溢れすぎたラーメンを開発してしまったせいで、やっぱりみんなからは総スカンを食らっていた。
本来ならば、普通に食べられる食材である「大福」や「ケチャップ」を入れた程度で、
ああも地獄のような物体を生みだせるとは。
素人がワザとラーメンを不味くしようとして、
ワサビやデスソースとかを入れても、この回ののび太くんやスネ夫達みたいなリアクションにはならないもんな。
家庭にある食材だけで作ったのに、何故あんな料理が生まれてしまうのか。
料理自体は食べたくないけど、その調理工程の全貌自体は見てみたい。
彼の料理を「うまい」でも「まずい」でもなく、「すごい」という言葉で評していた。
ただ単に「まずい料理」を作れる人はたくさんいると思いますが、
「すごい」料理を作れるのは、現実世界どころか漫画界でもジャイアンただひとりだけだ!
さらに、ジャイアンラーメン試食直前になって、
急に体調が悪くなりはじめた友達たちのため、自ら屋台を引いて、自家製ラーメンを提供するサービスをはじめたジャイアン。
今までは家に籠っていれば、災いは避けられたのに、
デリバリー型の地獄となっては、もはや完全に逃げ道がなくなってしまう。
しかも、ジャイアンは客を呼び寄せる『客よせチャルメラ』を手に入れたことで、
どんなに行きたくなくても「ジャイアンラーメンのお客さん」として店に引きずり込まれてしまう、最悪の展開も待ちかまえていた。
ジャイアンのような音痴な人が『客よせチャルメラ』を吹くと、チャルメラの音も音痴になるんですね。
はじめて知りました。
まさかドラえもんも、他のラーメン屋台を助けるために出した『客よせチャルメラ』で、
自分の首を絞めてしまう目に合うとは思っていなかったに違いない。
スネ夫達にラーメンを食べさせるだけで、自然にホラー映画演出を発生させてしまうジャイアンはさすがだと思いました。
あまりにもおどろおどろしい雰囲気と、みんなの「ジャイアンラーメン」に対する恐怖からか、
今回のサブタイトルも、なんとなく『魔太郎がくる!』っぽい感じになっていた。
ジャイアンラーメンの屋台も、浦見魔太郎も、いざ自分の前に現れたら心底恐ろしいですからね。
そういう意味では、同等の存在と言える。
ジャイアンが自作ラーメンを作るキッカケとなった屋台のおやじさんから、
「味に独りよがりになっていないかい?」「お客の気持ちに寄り添え」などのアドバイスを頂いたり、
最終的に、ジャイアンがラーメンを作るのがイヤになってもらおうと、
『オールシーズンバッジ』で、12月の気候を夏にしてしまうパワープレイまで行ったものの、
ジャイアンが接客時に気持ち悪い笑顔を浮かべるだけになったり、
「暑い時用のメニュー」として、冷やし中華がはじまったりしただけで、けっきょく最後まで「ジャイアンラーメン」の根本的な解決には至らなかった。
彼が自分のラーメンのマズさに気づいてくれない以上、
こうなったらもう、ジャイアンのママに告げ口するしかないのではなかろうか?
えらく基本的な解決策に落ち着いたような気もするけど、ジャイアンの暴走を止めるにはこれが一番ですからね。
もしくは、『スーパーグルメスパイス』で味を誤魔化すというやり方もあるけど、
勘のいいジャイアンのことなので、同じ手は2度も通用しなさそうだ。
ただの料理なのに、人をこんなにも悩ませてしまう「ジャイアンラーメン」は、やっぱりすごい料理です。
そういえば、最初にジャイアンが作った、
「いちごジャムとケチャップのスープ ~うめぼし乗せ~」は、
彼いわく「旬のうまいもの」をたくさん入れたラーメンだったそうなのですが、
そのトッピングが「柿」や「栗」「ぎんなん」と、何故か秋っぽい食材で構成されていた。
もしかするとこのお話は本来、秋に放送する予定だったエピソードなのかもしれません。
でも、冬だとラーメンにどういうトッピングを入れるかでちょっと難しくなっちゃうか。
そんなわけで、一本目の感想は以上です。
ちく電スーツ(コミックス13巻収録)
今週の1本目はジャイアンがラーメンでみんなに迷惑をかける話でしたが、
2本目はジャイアンが歌でみんなに迷惑をかける話です。
タイトルに書かれてないだけで、
今回の『ドラえもん』は「ジャイアン迷惑スペシャル」みたいなくくりでもあるんだろうか?
「自分の歌で相手をしびれさせたい」という意味をどこかで勘違いしたのか、
服の中に『ちく電スーツ』を着込んだのび太くんが、物理的にしずかちゃんやジャイアンの体をしびれさせていく!
今回のお話の中の、のび太くんが歌っていた「第九」の替え歌が好きだったので、
文字起こししてみようとがんばってみたのですが、
ウルトラスーパーミラクルビリビリ 100万ボルトのぼくの歌声
すごいぞすてきだぞ めちゃくちゃしびれる
までは聞き取れたものの、それ以降の歌詞がよく聞き取れなかったため、断念しました。
こんなことなら、録画に字幕設定をしておけばよかった。
歌詞がぜんぶ判明したら、テレビや町中で「第九」が流れるたびにこの歌詞を脳内再生しようと思っていたのに。
それにしても、このアニメ。
この前のDIY回でも「第九」の替え歌をやっていたけど、なにか引っかかるものでもあるんでしょうかね。
どうせなら、あと10本くらい替え歌をつくって、
いつの日か ”「第九」の替え歌 ” だけを収録した『ドラえもん』のコンピレーションアルバムを発売してほしい。
ドラえもんの忠告を聞き逃がし、『ちく電スーツ』にアースをつけなかった結果、
体に電気がたまりすぎてしまい、空中放電をし始めてしまったのび太くん。
ただ走っているだけで人々に驚きを与えるのび太くんの姿は、まるでフォレスト・ガンプを彷彿とさせます。
さらにここで、アニメオリジナル展開として、
俳優・アーティストのタダ将暉さんが主演をつとめる映画に参加することとなったのび太くん。
タダ将暉さんが、のび太くんに「キミは本当に太郎くんか?」と問いかけていたけど、
自分はそれを見ながら「主人公が太郎くんなのは『ドラえもん』じゃなくて『ポコニャン』なんだよなあ」みたいなことを考えていたりもしました。(本編と無関係の感想)
ちなみにこれは余談なのですが、名前ですぐにわかる通り、
タダ将暉さんは『STAND BY ME ドラえもん 2』の主題歌を歌っている人を模した出オチキャラに過ぎないのですが、
この「タダ将暉役」を演じているのは逢坂良太さんと、ちょっと豪華なキャスティングがされていた。
逢坂さんは『グランブルーファンタジー』のキャラも演じているので、
もしかしたら、今やっている『ドラえもん』のコラボイベントとの繋がりもあったりして。
カメラを前に、物理的な「しびれる演技」を披露してくれたのび太くん。
そして、その様子を見ていた関係者の方がのび太くんに話しかけに来たので、
よもや俳優デビューか?と思いきや、のび太くんに与えられたのはコンサート会場の電力源としての役割であった。
原作のオチの雰囲気はだいぶ変わっちゃったけど、オチの意味合い自体はほとんどいっしょ。
最近よく聞く「SDGs」の要素を取り入れた、
令和版『ちく電スーツ』のオチはこんな感じだと思うと、なかなか興味深い終わり方でした。
おそらく、あの関係者の人は「こいつは電力に使える」と思って、のび太くんをスカウトしたんでしょうね。
のび太くんから発せられるビリビリが演技によるものではないと瞬時に見抜いているあたり、
あの関係者、なかなかのやり手だ。
素人はダマせても、プロ相手では、どんなに小細工しても才能のありなしはすぐにバレてしまう。
本当のエンターテイナーを目指すなら、やはり相手の体ではなく、相手の心をしびれさせることを心掛けてくれ!
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
2本目のお話の間に流れていた告知にて、
今年の大みそかスペシャルでやる「さようならドラえもん」の映像がちょっとだけ流れていました。
でも、映像を見る限りだと、
今回の「さようならドラえもん」は新作ではなく、2009年のやつをもう一度再放送するっぽい。
去年の「のび太の結婚前夜」も過去の再放送だったし、
今後も大みそかスペシャルは新作1本+過去作1本の構成でやっていくのかしら。
■次回予告■
次回の放送は12月25日。
「植物ペン」「イリュージョニストノビー~クリスマスの奇跡」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(ハリーのしっぽ&ポスターになったのび太)