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ドラえもん感想(地獄にジャイアン&新聞社ごっこセット)

 

 

 

 2022年6月25日放送分  ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

●ドラドラニュース●

これまでは全くの無音でお送りしてきた「球体のドラえもんが沢山落っこちてくる」冒頭のアニメですが、

今週から「その球体ドラえもん達に普通のドラえもんが突っ込んでいった後、『ドラえもんの時間だよ~』と照れながら喋る」という、ちょっとした新展開が加えられていました。

 

うーん、文章だとうまく伝えづらい新展開だ。でもウソは言っていない。

 

 

 

 

 

地獄にジャイアン(アニメオリジナル)

これまで数々の狼藉を働いてきたジャイアン。とうとう地獄行きが決定!

のび太くんとスネ夫の恨みのすべてを背負って、ジャイアンは未来永劫地獄の底で苦しむことに・・・!?

 

 

 

そんな物騒なお話の主役となるのが、『箱入り地獄』なる道具。

ウソをついたり「悪さ」をすると、この箱の中に吸い込まれ、エンマ様の裁きを受けてることとなる、大変おっかない道具となっています。

 

 

 

さらに、その地獄に堕とされる「悪さ」の基準も、

キライな食べものを残したり、誰かの悪口を言うレベルの悪行でもアウトになってしまう、かなりの厳しさ。

 

どうやらこの道具。『正義ロープ』と同じくらいに、シビアな倫理観を持っているようです。

 

 

でも後述のように、悪さを犯した人の弁明次第ではエンマ様が罪を許してくれたりもするので、

どんな理由があろうと、問答無用で緊縛の刑に処してくる『正義ロープ』と比べたら、幾分かマシなのかもしれません。

 

 

 

 

今回、のび太くん達も、ジャイアンを手っ取り早く懲らしめたかったのなら、

地獄にこだわらないで、はじめから『正義ロープ』を使っていればよかったのに。

 

視聴者からの「『正義ロープ』は前にも使ってただろ」みたいなつまらんクレームは、完全無視しろ!

 

 

 

 

このお話で、のび太くん達の考えた作戦がなかなかうまくいかなかったのも、

ジャイアンを地獄に堕としたい気持ち」を優先しすぎるあまり、

ジャイアンに自分のやった罪を理解させたい」という、そもそもの理由を忘れてしまっていたところも一因にありそうです。

 

 

ジャイアンだったら、たとえ地獄に堕ちても、

地獄の鬼やエンマ様とも仲良くなっちゃいそうな気もするので、

この『ジャイアン地獄落とし計画』をやりはじめた時点で、既にのび太くん達の「負け」は決まっていた可能性があるぞ。

 

 

 

「お話の面白さ」とかをまったく考えないでいいのなら、

ただただシンプルに、ジャイアンのママに告げ口でもしておけば、はじめから「地獄」なんて持ち出さなくて済んだかもしれない。

ジャイアンにとって、母ちゃんは地獄のエンマ様よりも怖い存在だ!

 

 

 

 

 

やや話の本筋がズレてしまいましたが、この『箱入り地獄』の発想自体は、

どうやら、劇中でドラえもんも言っていた「地獄底」という箱の形状から考え出されたものらしい。

 

 

 

ただ、「地獄」がモチーフとなっている道具を見ると、

どうしても『キテレツ大百科』の「地獄へいらっしゃい」の回や、

ホラー漫画界の重鎮・日野日出志先生がかつてお描きになられた『日野日出志の銅鑼衛門』のことを思い出してしまうところがあります。

 

 

もしかしたら、アニメ『ドラえもん』制作サイドも、

前述の作品群のことをしっかり認知していた上で、このお話をつくったんじゃなかろうか?

 

 

 

 

 

 

 

そして、今週のアニメ『ドラえもん』については、

日野日出志先生サイドも、Twitter激しく反応しておりました。

 

まさか公式がこの短編にガッツリ触れてくるとは、思いもしなかった。

著作権がユルかった時代」だったが故の、黒歴史作品じゃなかったんだ・・・。

 

 

 

 

 

のび太くん達はジャイアンをなんとか地獄に堕とそうとするも、

 

当のジャイアンはなかなか悪さをしてくれないどころか、

やっとのことで地獄へ堕とせたのに「いつか返すつもりはある」と主張し、エンマ様からの許しを得てしまう結果に。

 

 

 

 

けっきょく、ジャイアンを1回地獄へ堕とすためだけに、

スネ夫くんは5回、のび太くんに至っては、ムダに6回も地獄の苦しみを受けるハメになってしまった。

 

 

「地獄」って、そんな何回も行く場所じゃないぞ。

さすがのエンマ様も、4回目の地獄来訪あたりから「コイツまた来たよ・・・」と内心ウザがられてそうだ。

 

スネ夫も口がうまいんだから、ジャイアンみたいに許しを乞えばよかったのに。

でも、「地獄」という状況下では、ジャイアンみたいに野性のカンや悪知恵はあまり働かなかったのかも。

 

 

 

 

自分のムシャクシャを晴らすべく、何の罪も犯していない人をに迷惑をかけようとした余波で、

逆に損な目にあってしまうのは、『ドラえもん』のストーリーだとよくありがちなことだったりします。

 

 

人を呪わば穴二つ。

ドラえもん』は日常ギャグで楽しむだけでなく、人生の大切な教訓も学べる作品だ!

 

 

 

 

 

ドラえもんをはじめとする面々は、地獄からしばらく出てこられないのかと思われましたが、

『箱入り地獄』を紙コップだと勘違いしたジャイアンが、炭酸ジュースを中に注いでくれたおかげで、地獄が崩壊。

 

文字通り「地獄の底が抜けた」かたちでの、生還劇となったのでした。

よく考えたら、ちょっと強引に感じてしまうオチだけど、そういう時はよく考えなければいいのです。

 

 

 

一時は「地獄に堕とそう」と思っていたジャイアンに、自分たちの命を救われた。

「人間」の功罪というやつは、本当に白黒ハッキリつけがたいものですね。

 

 

 

というわけで、一本目の感想はここまで。

 

 

 

 

 

 

新聞社ごっこセットドラえもんプラス第6巻収録)

2本目は原作回ですが、アニメオリジナルで時事・風刺ネタがプラスされていたお話。

のび太くん達がつくった架空の新聞社」を通して、マスメディアの行き過ぎた報道姿勢を正していく!

 

 

まあ原作自体は、こんなに風刺要素のつまったエピソードじゃないんですけどニィ。

このお話を見て何を思うかは、みなさんの自由ってことで。

 

 

 

 

 

スネ夫の新聞社『スネ夫タイムス』が報じた、

自身の恥ずかしい記事(のび太千回ころぶ!」)を見て大笑いするドラえもんに対し、

「そうか、君はそんなやつだったのか!」と、蝶の標本をコナゴナにされた時のエーミールばりに怒りくるってしまったのび太くん。

 

 

これには流石に申し訳ないと思ったのか、ドラえもんはポケットから『新聞社ごっこセット』を取り出す。

この道具をつかって、のび太くんは、スネ夫くんの新聞社に負けないほどの大スクープを撮ろうとするのですが・・・。

 

 

 

 

「自分を辱める記事を書いたスネ夫をギャフンと言わせたい」という、

大いなる理念のもとにはじまった、のび太が編集長の新聞社「デイリーのび太」でありましたが、

 

「神成さんの家の軒下でネコが六つ子を産んだ」など、

個人的には需要がありそうに感じるニュースもあったものの、基本的には常にネタに困り続けていた。

 

 

 

 

そりゃあ、そんな簡単に、面白い特ダネやスクープは拾うことなどできませんわな。

道具名に「ごっこ」ってついてるくらいだし、実ははじめから、子供向けのニュースしか拾わない仕様になっているのかも。

 

いくらキャッチーなネタが欲しいからといっても、

小学生がガチンコの死体と対面しちゃうような事件を引き当てて、一生もののトラウマになっちゃったらシャレにならないですし。

 

 

 

 

 

『新聞社ごっこセット』の自主規制が働いている可能性は残しつつも、

のび太くんの近所は、普段はそんなに面白い出来事もない、いたって平和な街であることがわかった。なんだか意外だ。

 

 

 

だからスネ夫も、読者の興味を惹くネタを掲載するために、

のび太をワザと転ばせたり等、自作自演のヤラセ記事を量産していたんでしょうなあ。

 

誰も得しない、ウソ記事やヤラセ記事を載せるくらいなら、

たとえ面白くなくても、「ネコが六つ子を出産」のニュースで誌面を埋めた方が、まだ良心的だぞ!

 

 

 

 

冒頭の「のび太転ぶ!」とかは、まあギリ許せる範疇ではあったものの、

のび太くんが子どもをいじめている」というスネ夫の切り抜き報道は、さすがに許されざるものがあった。

 

あの記事の悪意は、完全に日常ギャグ漫画で許されるレベルの悪意を超えている。

 

 

 

ヘタしたら、のび太くんが町じゅうの人たちを全員敵に回してしまうレベルの報道なのに、スネ夫は一体何を考えているのか。

 

もしも、この新聞記事がもとで、のび太くんが不登校になったら、

逆に、SNSスネ夫がネット民に叩かれまくったあげく、自宅の住所が特定されてしまうレベルの悪行ですよ、これは。

 

 

 

 

 

とうぜん、当該の虚偽報道に対し、

スネ夫の家へ抗議をしに行くのび太くん達でしたが、

 

あろうことかスネ夫は、「表現の自由」と「言論の自由」を盾に、記事を正当化してしまった。

 

 

これは俗にいう、「謝ったら死ぬ病」ってやつなのだろうか?

この病気は大企業の偉い人がかかるイメージだったのに、小学生のスネ夫くんまで罹患してしまうとは。

 

 

 

 

 

相手(スネ夫)が謝らない姿勢を見せてきたとなると、

この虚偽報道問題は、最高裁まで行くぐらいに長引く論争になっていくのかと思いきや、

 

スネ夫タイムズ』がウソ記事を撮っていた証拠写真を、のび太が突きつけたところ、

さっきまでの強気の姿勢はどこへ行ったのか、スネ夫「もう新聞が出せなくなっちゃうよ~!」と、泣きながら土下座。

今回の虚偽報道問題は、あっけない幕切れを迎えたのでした。

 

 

こんな高速謝罪をするくらいなら、スネ夫もはじめから素直に謝っとけばよかったのに。

 

 

 

 

でも、このお話の中でスネ夫タイムズ』が虚偽報道に対する訂正記事を出した様子は見受けられなかったので、

のび太くんがしずかちゃん達に嫌われている状況はまったく変わってないんですよね。

 

そこらへんが、ちょっとひっかかる。

なんだか、良質なドキュメンタリー映画を見終えたときのような後味の悪さだ。

 

 

 

 

こうして、スネ夫から土下座謝罪を勝ち取ったのび太くん達だったものの、

彼らはもう既に、純粋な気持ちでスクープ記事を追い求めていた頃とは全く似つかぬ、醜悪なモンスターと化していた。

 

 

自分の思ったことを主張したいあまり、

それっぽい事件が起きないかと期待しはじめたら、人としてもうおしまいです。

 

 

 

あと「謝罪の証」として、のび太くんがスネ夫の土下座写真を撮っていましたが、

むかし、それと似たようなことして大騒ぎになった事例があるので、あまりやるべきではないと思いますよ。

 

 

 

 

 

ただ、スクープを欲しがるのび太くんがジャイアンに付きまとっていたおかげで、

自分が犠牲となって、「ジャイアンが他人に暴力を加える」というお望みの状況をつくりだすことができたんだから、これでよかったんじゃないでしょうかね。

 

 

なお、ドラえもんは完全にあきれ果てていたのか、一枚も写真を撮っていないようでしたが・・・。

 

 

 

 

 

ちなみに今回のお話に対し、SNSの反応を見たところ、

「今回『新聞社ごっこセット』のお話が出来たのは、朝日新聞が『ドラえもん』のスポンサーじゃなくなったから」という説が流れていた。

 

 

たしかに、朝日新聞は5月いっぱいでアニメ『ドラえもん』のスポンサーをやめちゃっていたっぽいけれども。

この仮説を信じるか信じないかは、あなた次第です。

 

 

 

 

といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。

 

 

 

 

 

●みんなで踊ろう♪ジャイドリダンス●

今週もエンディングは『ジャイアントドリーム』。

そして、先週からはじまった「ジャイドリダンス」のコーナーも、今回はサビ後半パートの振り付けの覚え方を紹介していました。

 

ぐるりとガッツ! にっこり、会えた!

前にふみだし、握手でギュッパ!(※ジャイドリダンスの覚え方)

 

 

このコーナー、7月(来週)以降もやるんだろうか?

 

 

 

 

■次回予告■

次回の放送は7月2日。

「四次元ポケットにスペアがあったのだ」「どっちがウソか!アワセール」の2本をお送りします。

 

前回の感想:ドラえもん感想(アマガエール&うつしっぱなしミラー) 

次回の感想:ドラえもん感想(四次元ポケットにスペアがあったのだ&どっちがウソか!アワセール) 

 

 

 

 

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