2020年11月14日放送分 ネタバレ注意!
テスト・ロボット(コミックス7巻収録)
あのジャイアンがめずらしく貸してくれた本をよごしてしまったのび太くん。
この事実を告げた際になるべく殴られないような謝りかたを探すため、のび太くんは『反のうテストロボット』でいろいろな謝罪方法をテストしていくのですが・・・。
今回は原作が5ページしかないお話だったので、アニメオリジナルの展開が盛りだくさん。
『反のうテストロボット』に、「ドラえもん」や「のび太くんのママ」の顔を描いてみたり、
のび太くんが「しずかちゃんの顔」を描いた結果、絵がヘタ過ぎてチンパンジーと認識されてしまったりなど、
原作のお話からイメージを膨らませたんだろうなあと思える独自のストーリーを、いくつも見ることができました。
それにしても、のび太くんがママのお使いをサボるために導き出した最適解が、
「明日テストがあるから行けない」と真っ赤なウソをつくことだったのは、子供アニメ的にいいんだろうか?
のび太くんみたいなマネをすると、
後日ウソがバレてお母さんからこっぴどく叱られる可能性もあるので、良い子のみんなはちゃんとお使いに行きましょう。
あと、「のび太くんが描いたしずかちゃんの顔」がチンパンジーに認識されてしまった例を見るに、
『反のうテストロボット』は、テストしてみたい人の似顔絵をある程度うまく描かなければ、それが誰なのかをはっきり認識してくれない可能性があるようです。
『ドラえもん』の世界みたいに、登場人物みんながまんがみたいな顔をしている人たちだったらいいのですが、
しろうとが「現実にいる人の顔」を上手に似顔絵で描くのは難しいと思うので、
似顔絵の上手い人以外にとって『反のうテストロボット』はかなり使い勝手の悪そうな道具になってしまうのではないか?と、ちょっと不安になってくる。
有名な双子で知られる、宗兄弟の宗茂氏の反応をテストしたいと思って似顔絵を描いたら、
『反のうテストロボット』に「こいつは宗猛の似顔絵を描いた」と認識されてしまうバグが起きてしまうこともありそうだ。
自分でも「似た顔を持つ人」に関する例えが古いとは思うけど、文章のニュアンスでなんとなくわかっていただきたい。
『反のうテストロボット』がユーザー側の思念を読み取って、
「この人はこの人物のことを描きたいんだな」と認識してくれる機能とかがついていればいいんですけどねえ。
そんな道具に対する不安や、アニオリ展開もありつつ、
物語は、いよいよ本題である『反のうテストロボット』でジャイアンへの謝罪方法を探すくだりへと移行。
ジャイアンの顔が描かれた『反のうテストロボット』は、
べつに何も言っていないのに「の~び太~!!」と大声を出してくるなど、どうも機嫌が悪いご様子だった。
いくらジャイアンでも、普段はもうちょっと機嫌よかったとおもうぞ。
描いた似顔絵の出来が悪いと、テストロボットの性格も悪くなってしまうのか?
「素直に詫びるパターン」や「土下座で詫びるパターン」、
「笑って許してもらおうパターン」「スネ夫に罪をなすりつけるパターン」など、
さまざまな謝罪をテストするのび太くんでしたが、どれもすべて殴られて終わる結果になることがわかり、もはやお手上げ状態。
のび太くんは全てをあきらめ、ジャイアンに殴られにいくことを決めたのでした。
無駄にテストなど行わず、素直に謝りにいけば1回なぐられる程度で済んだのに、
ジャイアンから殴られない方法をさがした結果、けっきょく何度もなぐられることになってしまったのはなんとも皮肉だ。
せめて殴られるのがわかっているなら、事前に『ヘソリンスタンド』を使うなり、
『いやな目メーター』『お年玉ぶくろ(松)』あたりの道具を装備してからジャイアンのもとへ行ってもよかったのではないだろうか。
でも、のび太くんの性格を見るに、人に謝るときにこの手の小細工を使うのはあまり好まなそうです。
そもそも「『タイムふろしき』で汚す前の状態に戻せばいい」などのスーパー小細工もあったりしますが、
それをやっちゃったら、これまでのくだりが全て無駄になってしまうので、
ここはジャイアンに殴られる覚悟を決めたのび太くんの男気を見守りましょう。
こういう時に素直に謝れない人間は、大成しないぞ!
しかしこのお話は、
自分のイタズラのせいでのび太くんがマンガ本をドブに落としたと思い込んだジャイアンが「友達じゃねえか。笑って水に流そうや!」と無責任発言。
そして、その直後にドブに落とした本が自分の貸した本だと知って半泣きになるというオチになるのでした。
いつものジャイアンだったら、あの後すぐに逆上してもおかしくなかったけど、
さっき自分が言ったことをすぐに撤回するのは、さすがのジャイアンでもできなかったようです。
ジャイアンの本を落とした場所は、水じゃなくてドブだったけど、
突然のラッキーで今回の「貸した本汚し騒動」はすべて水に流された!
「今回のお話の教訓」を無理やり探すとするなら、
「何度もテストしてみるのもいいけど、実際にやってみなければ何が起こるかわからない」というのが、一番言いたかったことなんでしょうかね。
なんだか、セロハンテープの発明秘話みたいなまとめ方になってしまった。
まあ、人生にトライアンドエラーはつきものってことで。
とりあえず、のび太くんが殴られなくてよかったです。一本目おしまい。
●ドラドラニュース●
今週はBパート開始前やCM内にて、11月20日の「STAND BY ME ドラえもん 2」の公開を記念して、
地上波でも11月20日に午後8時から「STAND BY ME ドラえもん」の放送がある旨の宣伝がたびたび挿入されていました。
なお、来週のこの時間は、午後9時からの金曜ロードSHOW!「ルパン三世 カリオストロの城」と放送時間が1時間かぶっていたりもします。
テレ朝でドラえもんを見終わった後でも、銭形警部のあのシーンには間に合うぞ!
SBMドラえもん2公開の日はみんなSBMドラえもん2見にいってるんだよなあ #doraemon
— koukousei(美山田精一)@スパムじゃないよ (@koukousei) 2020年11月14日
自分はこの感想を言うに尽きてしまいますが(たぶんその日も映画館行ってる)、
「これからドラえもんの映画を見ようかな?」と思っている人にとっては、いいキッカケになる放送かと。みなさんも見ましょう。
野比家でおもて梨(アニメオリジナル)
アカン国の一番えらい人・アカン国王が、国賓としてはるばる日本までやってきた!
今回登場するアニメオリジナル道具『おもて梨』は、
誰かに食べさせると、その人が盛大に自分のことをもてなしてくれるという『タスケロン』っぽさのある道具であり、
その『おもて梨』をアカン国王が偶然手に取った際に、のび太くんが『おもて梨』をうっかり食べてしまったことで、
国を代表する相手をもてなすことになってしまった・・・というのが、今回のだいたいのあらすじとなっております。
アカン国王が手に持った瞬間、ちょうどいいタイミングで蹴躓いてしまったのび太くんが『おもて梨』をパクリ。
アカン国王は何も知らなかったとはいえ、いきなり一般宅でもてなされることになったのは相当の驚きだったと思う。
でも、アカン国王は日本の文化をあまり知らなさそうだったので、
「この国はこういうオモテナシがあるんだな」と最後まで思いこんでくれていたのかも。
それに「国賓」として来たのなら、
国の代表として参加しなければならない行事とかもありそうなので、スケジュール調整は大丈夫だったのか?という疑問もわいてくるけど、
アカン国の一番えらい人でありながら、
いきなり黒塗りの高級車で住宅街にやってきたくらいなので、意外とスケジュールに余裕のある国賓だったのかもしれない。
「せっかく日本に来たんだし、空き時間で東京観光でもしようや」というノリでここまでやって来てそうだ。
なお、アカン国王があらわれる前に、
のび太くんはしずかちゃんに『おもて梨』を食べさせてもいるのですが、
その時のしずかちゃんは「大量の手作りクッキー」と「一番風呂」で盛大にのび太くん達をもてなしてくれた。
自分の好きなもので相手をもてなすのは「おもてなし」の基本ではありますが、
違う国の王さま相手では、おもてなしのやり方もだいぶ気を使わなければなりません。
のび太くんも、自分が考えた上で最高級のオモテナシである、
「ポテチと昨日の食べ残しのケーキ」でアカン国王をもてなそうとしていましたが、
「こんなもの出したら国際問題になるぞ!」とドラえもんからストップがかかってしまった。
たしかに、外国のトップに対するおもてなしを間違えて国交断絶・・・なんてことになったらシャレにならない。
のび太くんが「昨日の食べ残しのケーキ」を出したことがキッカケで戦争にでもなったら、取り返しがつかない事になってしまうぞ。
そんな国家的危機を避けるため、
ドラえもんはアカン国王に対して絵に描いたようなゴマすりを披露。
さらに『グルメテーブルかけ』『カラオケメイツ』などの道具をつかったもてなしでアカン国王を喜ばせようとしますが、
アカン国王は連日のパーティー出席で疲れているせいかあんまり喜んでくれず、残念ながらドラえもんの頑張りは手応えナシに終わってしまうのでした。
どうも、アカン国の王さまは社交的な場にあまり慣れていなかったようです。
でも、そんな庶民的な王様だったからこそ、
「自分の家に外国の王様が来ている」などとは夢にも思っていなかったであろう、のび太のパパとママによる、
アットホームすぎる野比家の接し方に馴染んでくれたり、自家製カレーライスを美味しいと思ってくれたのでしょう。
どんな国賓相手にもアットホームな接し方がいいとは限りませんが、
今回のところは、野比家の純粋な「おもてなしの心」をアカン国王は喜んでくれたという感じですね。
アカン国王、のび太のパパが出してくれた
素人目でも薄いとわかるウイスキーの水割り(上の画像参照)を素直に飲んでくれたのもすごいぞ。
あと、このアカン国王。
なんとなく(昔の)ダウンタウンの松本人志に似ているような気がするんですが、これは自分だけなんでしょうかね。
劇中ではあまり表情を変えていなかったところも、なんとなくそれっぽい。
アカン国王の本名が「イヤン・バカン・ソレハアカン24世」だったり、
インチキ外国語で「あかんそらええ感じやん」「そらものすごええ感じやん」と言っていたのを見るに、
本当に、今回のお話に出てきたアカン国王のモチーフは、
「ダウンタウンのごっつええ感じ」でコントをやっていた頃の松ちゃんだったのかもしれません。
それになんだか、アカン国王を見ているうちに、
実際の「ごっつええ感じ」でも「とつぜん家にやってきた外国の王様とその執事」みたいな設定のコントをやってそうな気がしてきたのも怖い。
アカン国王役の松本人志と執事役のほんこんによる、王族ならではの世間離れした言動に対し、
一般人役の浜ちゃんがひたすらツッコミを入れ続ける内容のコントに仕上がっていてほしいです。(ここまですべて妄想)
ともあれ、いろいろありましたが、
アカン国王は野比家の熱いおもてなしに感謝をして去っていき、
ドラえもんは未来の世界で買ってきた大量のおもてなしグッズを披露できないまま、すべては終わっていくのでした。
ドラえもんはサンバの格好で一体どういうオモテナシをするつもりだったんだろう?
そんなわけで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
今週はエンディング前に「大人ののび太役」を演じる妻夫木聡さんと「おばあちゃん役」を演じる宮本信子さんが登場。
『STAND BY ME ドラえもん 2』の見どころを紹介しておりました。
■次回予告■
次回の放送は11月21日。
「スパイ衛星でさぐれ」「ややこしい?うちでの小づち」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(カワムケルン&ユクスエカメラ)
次回の感想:ドラえもん感想(スパイ衛星でさぐれ&ややこしい?うちでの小づち)