2021年1月30日放送分 ネタバレ注意!
鬼は外ビーンズ(藤子・F・不二雄大全集『ドラえもん』第15巻収録)
「歌の練習がやりたい」という理由で、毎日自分の家にやってくるジャイアンに悩むスネ夫。
スネ夫のことをかわいそうに思ったのび太くんは、ドラえもんの『鬼は外ビーンズ』を使ってジャイアンを家から追い出そうとするのですが・・・。
今週の1本目は節分回。
スネ夫の家から追い出したい相手であるジャイアンを、このお話では「鬼」に見立てているわけですね。
現実世界と同様に、アニメの世界でも鬼退治だ!
いちおう、スネ夫くんの中の人は「風柱」こと不死川実弥の中の人でもあるので、
このお話を『鬼滅の刃』と強引に結び付けながら鑑賞してみるのも、面白いかもしれません。
あの風柱でも倒せない鬼が、ここにいた?
なお、今年の節分はいつもと違い、2月2日が節分の日となっている。
これは暦の関係によるものであり、節分の日が2月2日になるのは実に124年ぶりとのことらしい。
「節分」という文化は、それくらい太古の時代から続いている行事であるわけですが、
アニオリでないドラえもんのひみつ道具で「節分にまつわる道具」に関しては、今回登場した『鬼は外ビーンズ』と『おにロボット』の2つくらいしかない気がする。
日本古来の文化なんだから、もうちょっと道具のバリエーションがあってもいいんじゃないだろうか?
「シーズンものはそのシーズンの時しか売れない」という教えは、商売の鉄則でたまーに聞く気がするけど、
その鉄則が未来の世界でも生きているせいで、「節分っぽい道具」もあまり作られない傾向にあるのかもしれない。
たしかに、節分で大活躍しそうな『おにロボット』も、
節分の日を過ぎたら、その後1年間は売り場の隅でホコリをかぶっていそうだ。
まあ、どうでもいい妄想を長々と語ってしまいましたが、
「『節分の日に関するひみつ道具』が少ない理由」をマジレスすると、
おそらく藤子F先生の中で、節分ネタでお話をつくろうとする動機がそんなになかっただけなんだと思います。
そもそも節分は、「豆を投げる」くらいしかやることを思いつけないというのもある。
むしろ、「節分っぽい道具」が2つあるだけでも十分なのでは? (問題発言)
『鬼は外ビーンズ』は、豆(マメ)をぶつけることで、
相手をテレポーテーションで家の外に追い出してしまう効果をもっている。
『エスパー魔美』こと、佐倉魔美がテレポーテーションをするときも、
自らにウメ仁丹をぶつけることで瞬間移動をしていたけど、この『鬼は外ビーンズ』の効果もそれに近い原理なように思えてしょうがない。
ということは、あのマメが何かしらの物体に衝突した際に、
テレポーテーションができるくらいのエネルギーが発現されるって感じなんでしょうかね。
『鬼は外ビーンズ』のテレポーテーションの秘密は、あのマメに隠されていると見たぞ。
『鬼は外ビーンズ』で何度も家の外へ飛ばされた結果、
ようやくのび太達の悪だくみに気づいたジャイアンはもちろん激高。
そして、ソバ屋の出前バイクと大激突したことによって、ほんものの鬼そっくりなビジュアルへと変貌してしまうのでした。
いやあ、まさか、黒大根とザルそば二人前さえあれば、誰でも鬼に変身できるとは思いもしませんでしたよ。
これは節分回にふさわしいライフハックですね。
ただ、「黒大根」が一般家庭にある光景があまり想像できなかったせいで、
「ジャイアンが鬼になるまで」の流れへ持っていくにしては、ちょっと展開が強引すぎたような感じも否めなかった。
たしかにスネ夫の家でなら、黒大根を日常的に使ってはいそうだけど。うーん。
「『鬼は外ビーンズ』は屋外では効果がない」という弱点を突き、
ドラえもんの投げるマメを、黒大根で弾きながら反撃に出ようとするジャイアンでしたが、
完全に追い詰められたドラえもんが、
『鬼は外ビーンズ』が入っている升ごとぶん投げる奇策を図ったことが機転となり、ジャイアンが生まれたままのすっぽんぽん状態に。
ジャイアンは『鬼は外ビーンズ』の効果で、肉体が服の外に追い出されてしまった・・・というわけですね。
そして、さすがのジャイアンでもいきなり全裸になるのは恥ずかしかったのか、
電柱に姿を隠したまま、すっかり戦意喪失してしまうのでした。めでたしめでたし。
顔を赤らめながら服をねだるジャイアンの姿は、
いつもと違う彼の一面が見れたような感じがしたので、なかなかよかったです。
モジモジジャイアン、普段の姿とのギャップでちょっと可愛く見えてしまったのはナイショだ。
というわけで、今回はジャイアンの全裸オチで終わったわけですが、
「『鬼は外ビーンズ』で服が脱げるオチ」をもっとひねっていけば、
のび太くんが『鬼は外ビーンズ』を持ったまま部屋の中ですっ転んだ結果、全裸状態で家の外に出されてしまった・・・なんてIFストーリーも成立しそうだ。
たった一度のうっかりミスで、素っ裸で屋外に追い出されてしまったら、たまったもんじゃない。
最悪の場合、おまわりさんにつかまって死刑になる可能性だってある。
『鬼は外ビーンズ』を家の中で持ち運ぶときは、細心の注意を払いながら扱う必要がありそうです。
一本目の感想おしまい。
家がロボットになった(コミックス17巻収録)
ジャイアンに家の掃除を無理やり押し付けられてしまったのび太くん。
その様子を見かねたドラえもんは「家のことは家にやってもらおう」と、『ハウスロボット』でジャイアンの家をロボットに変身させてしまうのでした。
ロボットとして新たに生まれ変わった、「剛田ハウス」の誕生だ!
(とりあえず、ロボットっぽい名前を意識しました)
1本目のお話で、歌の練習のためにスネ夫の家を借りていたジャイアンでしたが、
今回のお話では、逆にのび太くんに自分の家を貸すという、逆転現象がおきていた。
今週のジャイアンは、物件の借り貸しがやたらと激しいですな。
そもそも、自らの監視なしで自分の部屋を他人に掃除させるのは、
人に見られたくないものを見られてしまう可能性が高いので、あまり勧められた行為ではないと思う。
ジャイアンも普段は堂々としてるけど、
掃除中ののび太くんに自身愛用のおままごと遊びグッズでも見られた日には、恥ずかしいなんてもんじゃ済まない事態に陥ってしまうぞ。
やっぱり自分の部屋は、自分で掃除した方が手っ取り早いんじゃないですかねえ。
『ハウスロボット』でロボットになった家は、
自宅の中や庭にあるもののすべてを自由に動かせるので、掃除や片づけだってお手のもの!
お客さんがやってきた時のおもてなしもできるし、
剛田ハウスの判断で、家の住人(ジャイアン)がこれまで奪ってきたおもちゃをすべて返してくれたりなど、いいことずくめである。
『ハウスロボット』がなくても、
たぶん、未来の世界では住宅もコンピュータ制御によって快適な暮らしができているんだと思いますが、
「家ごとロボットにしてしまう」といった、この道具のちょっとアナログ感のあるユーモラスさがいいんですよね。
このような精神的ゆとりを、いつまでも忘れずに持っていたいものです。
そんな感じでのび太くん達に優しく接してくれていた剛田ハウスでしたが、
ジャイアンから「どうせならこのボロ家も建て直してくれればよかったのに」と軽口をたたかれたことで態度が豹変。
あっという間にジャイアンを家から叩き出すと、水道のホースで冷水をぶっかける行為に出るのでした。
この時期(2月)に全身びしょ濡れになるのは、かなりキツいと思う。
さらに、びしょ濡れのまま家から締め出されたとなったら、寒さで大風邪(おおかぜ)をひいてしまうのは必至だ!
たとえこの家の住人であろうと、自分の悪口を言ったものには情け容赦のない剛田ハウスであった。
そしてジャイアンは、2本目のお話でも「家から追い出される屈辱」を味わったのでありました。
『鬼は外ビーンズ』の回といい、1回の放送分で何度も家から追放されちゃうキャラクターも、なかなかいないぞ。
ジャイアンのように水責めにされるのは、まだ生易しいほうで、
剛田ハウスがしつこい押し売りを火炎放射を浴びせて撃退していたところを見るに、
怒っていても、まだ辛うじて理性は残っているんだと思いますが、やっぱりこの追い出し方はおそろしい。
ジャイアンも機嫌がいい時は誰にでも優しいガキ大将ですが、
悪口ひとつですぐに怒り出すタイプの人間なので、剛田ハウスもそういう短気なところを受け継いじゃったんだろうか?
「ペットは飼い主に似る」とはいうけど、
「家」だって長年住んでいれば、家主の性格に似てくるのかもしれないぞ。
とりあえず、自分の住んでいる家は大切にしましょうってことで。
というわけで、今週のドラえもん感想は以上です。
●映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争2021 リトルな世界●
放送3回目。
今回は恵方巻(の食品サンプル)で「リトルな蒸気機関車」を作成していました。
「恵方巻の食品サンプル」って合羽橋まで行かないと売ってないんじゃなかろうか。
黒大根と同じくらい手に入れるのが大変そうだ。
●ドラドラニュース●
この日のエンディング前で、ドラえもんから『のび太の宇宙小戦争2021』公開延期のアナウンスがありました。
「映画ドラえもん『のび太の宇宙小戦争2021』の公開が延期になりました。
公開日が決まったらお知らせします。楽しみに待っててね。」
そして、映画公開延期を受けてか、
先週まで『宇宙小戦争2021』仕様だった「ドラガオじゃんけん」も、今週から通常バージョンに戻っていました。
■次回予告■
次回の放送は2月6日。
「山おく村の怪事件」「争奪戦回避銃」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(雪でアッチッチ&ドライブはそうじ機に乗って)