2020年11月7日放送分 ネタバレ注意!
カワムケルン(アニメオリジナル)
今週の1本目は、アニメオリジナル道具『カワムケルン』のおはなし。
指サックのような見た目をしているこの道具を指にはめれば、どんなモノの「皮」でもツルンと剥くことができる、
基本的には、フルーツの皮を簡単に剥くためのキッチングッズ的な道具のようでありました。
のび太くんもこの道具を使って、
秋の果物の代表である「栗」や「ブドウ」を剥いたりしていたので、
今回のお話は、季節ネタを取り入れたお話だったりするのかもしれません。
「果物の皮がツルンと剥けたら気持ちいいし、やってみたい」という気持ちは、誰もが共感できる事柄です。
「皮のない、まん丸な状態のスイカやメロンを食べたい欲求」を叶えるためなら、『ナカミスイトール』あたりの道具でもできそうですが、
この『カワムケルン』は「果物の皮をツルンと剥きたい欲求」を全力で叶えることに特化した道具なのでしょう。
そしてこの道具を購入したドラえもんも、
「果物の皮をツルンと剥きたい!」と思って『カワムケルン』を取り寄せたようですが、
『カワムケルン』は指にはめて使う仕様であるため、
手がゴムマリのドラえもんには使うことができず、この事実に気づいたドラえもんは怒りのあまり「こんなつまらない道具!」となかなかの暴言を吐いていた。
でも、『カワムケルン』のPR動画を見れば、
「この道具は指がないと使えない」というのはすぐにわかることだと思うので、
今回の件については、指が無いと使えない『カワムケルン』ではなく、
この道具の仕様をろくに調べないうちに衝動買いしてしまったドラえもんが100%悪いと思います。
ドラえもんがネット通販にハマったら、
自分でちゃんと確認しないのが悪いのに、サイズ違いのTシャツとかを買って、1人でものすごく怒っていそうだ。
なお、この時のドラえもんは大量のフルーツを前にして怒っていたので、
おそらくドラえもんは、スーパーで色んな果物を買ってきて「さあ剥くぞ!」と張り切ったところで自分がこの道具を使えないことに気づいたんでしょうね。面白すぎる。
カントンも行けますか!? https://t.co/0alF8P09m7
— 粗品(霜降り明星) (@soshina3) 2020年11月6日
というわけで、『カワムケルン』は主にフルーツの皮などを剥いて楽しむための道具だったわけですが、
『カワムケルン』という名前がちょっと卑猥だったためか、
某お笑い芸人をはじめとして、変な勘違いをしている人もネット上でちらほら見受けられました。
ただ、『カワムケルン』を指にはめた状態ののび太くんと相撲をしたジャイアンが素っ裸になってしまったり、
その素っ裸にされた腹いせとして、
ジャイアンがのび太くんの体を投げ飛ばそうとした拍子に、しずかちゃんの家の外壁が全てめくれてしまい、
何も知らずにお風呂に入っていたしずかちゃんが恥ずかしがる・・・などといった展開はあったので、
いつもの『ドラえもん』よりも、ちょっとだけアダルトな展開があったとはいえなくもない。
「皮を剥くことが出来る道具で服が脱げる」といった発想自体は原作『ドラえもん』にもありそうですが、
やっぱり、アニメスタッフ側もその道具の名前に気を取られてしまい、多少アダルト寄りに引っ張られてしまったところがあるのかもしれません。
でも、この手の道具が出てきたら、
だいたいジャイアンの服は脱げて当然なものだと思うので、これに関してはしょうがないのかも。
ちなみに、この時のジャイアンは、
投げ飛ばされまいとしずかちゃんの家にしがみつくのび太くんに対して「必殺 阿修羅投げ」なる技を使っていましたが、
この技自体は本編の展開とほとんど関係なさそうなので、今回の感想記事では言及を控えさせていただきます。ご了承ください。
それにしても、この話を見ていて気になったのですが、
事前に電話でのび太くんを呼び出していたはずのしずかちゃんが、約束をすっぽかしてお風呂に入っていたのはどうしてなんだろう?
たぶん、のび太くんへの電話が途中で切れてしまったため、用件を諦めて入浴していたんだと思いますが、
『カワムケルン』という名前で勘違いをしてしまう人たちが見たら、かなりの誤解を生んでしまいそうな行動になってしまう。
「お風呂」はしずかちゃんのアイデンティティではありますが、これはちょっと気をつけていただきたかった。
今回の『カワムケルン』のお話は、
のび太くんが街の中にあるさまざまなものの「皮」を剥いて楽しむ、非常にシンプルな内容となっておりましたが、
この道具は果物だけでなく、自動車や目覚まし時計などの「皮(ガワ)」も剥けてしまうので、
「うっかり誰かの体に触ってしまったら、皮膚がズル剥けになってしまうんじゃないか?」という恐怖も覚えてしまった。
本当にそんなことになったら、カントンがいけるいけないどころの騒ぎじゃなくなってしまう!
幸いにもこのお話では、
ジャイアンの服が脱げたり、スネ夫のママの厚化粧が剥けてスッピンになってしまう程度の被害しか出ませんでしたが、
『カワムケルン』をつけた手で全裸状態の人に触った場合でも、皮膚ズル剥け状態にならない保証は一切なかったので、その疑惑は残り続けたままです。
のび太との相撲で一時は素っ裸になっていたジャイアン、あの時はけっこう危ない状況だったのでは?
あと、どうせなら、
のび太くんがうっかり『カワムケルン』で触ったことによって、ドラえもんがぶっ壊れてしまう展開もちょっと見てみたかった。
原作初期の『ドラえもん』だったらやっててもおかしくない展開だったし、おそらくこれが大オチになってしまうほどのインパクトがある。
実際、そうなっちゃった場合はすぐに元の状態へ戻すことはできるんだろうか?
今回はアニメオリジナル道具として出てきた『カワムケルン』。
もしも原作に登場していたら、『分かいドライバー』よりもずっとおそろしい道具になっていたのかもしれないぞ。
そんなわけで、一本目の感想は以上です。
ユクスエカメラ(コミックス33巻収録)
2本目は、写したものの行く末(ゆくすえ)がわかる『ユクスエカメラ』が登場。
この道具さえあれば「買いだめすぎて、古くなってしまったどら焼きを調べて順に食べていきたい時」などに非常に便利ですね。
でも、普通に生きていれば、そんな状況を迎える人はドラえもん以外ほぼいないと思うので、
日常生活においては、劇中でのび太くん達がやっていたように、
おいしい野菜がどれなのかを調べたりとか、買いたいテレビがいつ壊れるのかを調べたりする時に使える道具なんじゃないかと思います。
でも、どちらの行動も、場合によっては営業妨害になりかねないので、使う時はお店の人の許可をとってから使いましょう。
そもそも『ユクスエカメラ』で買う商品の良し悪しを調べるのは、サーチ行為に抵触してしまう恐れがある。
今回のび太くんが選んでいたのは「野菜」だったので、まあギリギリセーフかなと思っていたのですが、
その後のアニオリ展開でしずかちゃんが好きなアイドル*1のカードの当たりを調べるために『ユクスエカメラ』を使う、
サーチ行為まんまの行動をとっていたのには、さすがにふいてしまった。
トレカのサーチ行為は、マナー違反なので絶対にやめましょう。
あと、店先で商品の写真を何枚も撮り続けるのは普通に恥ずかしそうだったので、
他人の視線とか、そういうのをまったく気にしない度胸もこの道具には要求されるぞ!
今回のアニメで気になった変更点としては、
放送が11月なことを考慮して、買う商品が「カボチャ」になっていたり、
「ぼくって メンくいだろ」
「(自分のお嫁さんが)いつまでもきれいな人じゃないといやなんだ」
「(太っている未来のお嫁さんの写真を見て)やめた、やめた!」
などの迷言を残していた面食い(めんくい)男が、
「いつまでも彼女にふさわしい男にいられるか不安だから、ぼくの20年後を撮ってくれ」とのび太くんにお願いする好青年に変わっていたりなどがありました。
面食い男については、原作のブラックすぎる描写も好きっちゃあ好きなのですが、
今のご時世なら、のび太くんが結婚に自信の無い人を勇気づける展開に変えるのが正しいのでしょう。
アニメ『ドラえもん』も、原作のいいところは残しつつ、
今の時代にそぐわない部分はうまく改変するなど、常にブラッシュアップされ続けているのです。
さらに今回は、アニメオリジナルで『ユクスエカメラ』を使ってジャイ子の10年後を撮るといった展開も発生。
「10年後のジャイ子の写真」にうつっていた、
どう見ても「10年後のジャイアンでしかない人物」をジャイ子の恋人だと勘違いしたジャイアンがのび太に激怒してしまうなど、
相変わらずのシスコンっぷりを見せつけてしまう場面もありましたが、
「わたし、気づいたの。未来はわからないから素敵なんだわ。」
「だって、未来の恋人が誰だかわかったらドキドキが減っちゃうもの。」
「だから私、10年後を楽しみにしてる。きっと素敵な人だと思うわ。」
と、10年後の未来に期待するジャイ子ちゃんの金言のおかげで、ジャイアンの怒りもなんとか収まったのでした。
今回、ジャイ子ちゃんが言ってくれたことは、
アニオリ展開といえども、なかなかの名言だと思います。
とくに、ドラえもんが来ていなかった世界線だとジャイ子は将来のび太くんと結婚していたことを考えると、余計に感慨深い。
未来がどうなるかなんて、今を生きている自分の行動によって、どうにでも変わっていきますからね。
未来の自分がどうなっていくかは、未来の自分にしかわからないのである。
でも、このジャイ子の言葉が正しいと断言してしまうと、
映画『STAND BY ME ドラえもん』でのび太くんがやっていた行動のすべてを全否定することになってしまうので、やっぱり難しい。
あの時ののび太くんに同じことを言ったら、一体どんな反論を返してくれるのか試してみたいです。
あ、ちなみに、『STAND BY ME ドラえもん』は11月20日に地上波放送が決まったそうなので、
まだ映画を見たことが無い方は是非ご覧になってくださいね。(自然すぎる宣伝)
そして、この物語のオチは、
宿題が終わらずに困ったのび太くんが「翌朝の宿題のノート」を写し、それを書きうつしていくズル行為で宿題を終わらせる、
先日放送された『あやうし!ライオン仮面』の回にも、通ずるような終わり方となっておりました。
ぼくのうつした宿題の答えが書かれて、この宿題が提出されるとすると、この宿題をほんとうに解いた人は、だれだろう?
『ユクスエカメラ』は使う人によって、良い使い方も悪い使い方もできる道具だということなんでしょうかね。
もちろん、のび太くんの「宿題に対する『ユクスエカメラ』の使用方法」が悪い使い方の代表例です。
そんなわけで、今週のドラえもん感想は以上です。
■次回予告■
次回の放送は11月14日。
「テスト・ロボット」「野比家でおもて梨」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(ドラキュラセット&影ぼうしフラッシュ)
次回の感想:ドラえもん感想(テスト・ロボット&野比家でおもて梨)
*1:IXtrem's(アイクトリームズ)という名前のアイドルでした。元ネタとかあるんだろうか?