2021年6月19日放送分 ネタバレ注意!
父の日にアドベン茶(てんとう虫コミックス第36巻収録)
今週の1本目は、6月20日の父の日にあわせて、のび太のパパが主役のお話だ!
でも、その回で取り上げるネタが『アドベン茶』と知って、父の日回なのにパパがロクな目にあわないことをすぐに察知したぞ!
アニメ『ドラえもん』における「パパをちゃんと祝ってくれる父の日回」は、また来年に持ち越しということで。
みなさんは、
自分が年に一度の主役になれるかもしれない「父の日回」はあるけどロクな目にあわないのと、
ロクな目にはあわないけど、年に一度の主役になれるかもしれない「父の日回」自体が存在しないの。
どちらを選びたいですか?
休みの日もぐうたらしていたのび太くんに対し、
「ぼくが子供の頃はおもてを駆け回って遊んでいたもんだ」「今でもワクワクドキドキするような大冒険がしてみたい」と熱く語っていたパパ。
かつては画家志望だったパパにそんな活発なイメージがなかったのでちょっとウソくさく感じるところもありましたが、
おそらく幼少期は、そんな感じで遊んでいた時期もあったのでしょう。
そんな、大人になってもアドベンチャー精神を忘れていない証拠として、
のび太くんがたった一杯飲んだだけでも大冒険になってしまった『アドベン茶』を、パパはポット一杯ぶんのお茶を飲み干すほどの勢いで摂取。
ママから頼まれた屋根の修理をキッカケにして、パパの壮大な冒険がはじまるのでありました。
今回のアニメでは、
『アドベン茶』による冒険がはじまるたびに「LET’S ADVENTURE」と、謎のテロップがカットインしてくる演出もあったぞ!
それにしても『アドベン茶』って、飲もうと思えばポットからお茶が無限に出てくるんでしょうかね。
原作を読んだ時から、ちょっと気になっている。
お茶を飲むだけで死なない程度のスリルが手軽に味わえるのなら、自分も是非とも1回くらいは味わってみたいものです。
バールや釘バットなどを手に持った謎の銀行強盗集団の襲来に、
クレーンで吊り上げられた鉄骨の上でのノースタント空中アクション。
アドバルーンで空を飛んでからの、危機一髪で小型船着地など、まさに「大冒険」を存分に味わっていたパパ。
とくに、あのアドバルーンは、
ジャイアンのホームランボール直撃程度の威力で破損してしまうようなシロモノだったので、
パパもそのことを知っていれば、よりスリリングな気持ちになれていたかもしれない。
でも、ジャイアンは過去に、
アカンべーダーの乗る巨大戦艦をホームランで撃墜させていたことがあるので、
今回のアドバルーンも耐久性がアレだったわけではなく、ジャイアンの打撃力が普段からすさまじかっただけという可能性もある。
アカンべーダーの戦艦を野球ボールで破壊できるんだから、少なくともピストルの弾以上の威力はありそうだ。
一度『空想科学読本』あたりで、
ジャイアンのホームランの破壊力を検証してもらったら、面白い検証結果が出てきそうです。
その後、家にいたのび太くん達は、
もともとパパが『アスレチック施設のあるキャンプ場』に家族で行こうとしていたことを知り、
パパに日頃の感謝を込めてBBQを振舞うとともに、
のび太くんが「冒険ができるキャンプ場は今度行こうね!」と約束を立てる、父の日回らしい非常にハートフルな展開が描かれていたのですが、
ようやく、ほうほうの体で大冒険から帰ってこれたパパは、
のび太くん達に「外はあぶない!家から出ちゃいかんぞ!」と言い放ってしまうオチで終わるのでした。
ドラえもんが言っていたように、
今のパパにとっては「どうも大冒険がすぎたみたい」です。
普通の人がいきなり大冒険をすると、多大なるトラウマが生まれてしまう可能性があるので気をつけましょう。
そう考えると、毎年映画でなにかしらの冒険に旅立っているのに、
なんのトラウマも残さずに帰ってくるのび太くんは、やっぱりスゴいのかもしれない。
冒険に旅立ちたいのなら、強靭なメンタルと漫画主人公ばりの強運が必要だ!
そんなわけで、一本目の感想はここまで。
●ドラドラニュース●
1本目のお話終了後、6月20日の父の日にちなんだミニアニメ「お父さん、ありがとう」が放送されました。
みんなもお父さんに感謝しよう!
この4ショット、とてもレアな気がする。
キライなテストにガ~ンバ!(ドラえもんプラス第1巻収録)
2本目は、徹夜でテスト勉強をしないといけない(と語る)のび太くんのために、
ドラえもんが『千里一歩はねぼうき』『元気の出る爆弾』などといった、さまざまなひみつ道具で勉強を頑張らせようとするお話。
個人的なお気に入りポイントとしては、サブタイトルが「がんばれ!」ではなく「ガ~ンバ!」ってなってるところや、
このお話に出てくる道具のほとんどが、この回にしか登場しないところが好きです。
「頑張れ」のことを「ガンバ!」って言い始めたのって、一体いつ頃からなんだろう?
人間、絶対にやらなきゃいけないことでも、気が向かければ、なかなかやれないものである。
これはのび太くんだけじゃなく、いろんな人が共感できる事柄なんじゃないでしょうか。
この「アニメ『ドラえもん感想記事』」だって、本当なら土曜日のうちに書き終わらないといけないのに、
度重なる怠惰の結果、けっきょく日曜日の夜までかかっていたりするので、自分も今回ののび太くんのことをあまり強く言えなかったりする。
のび太くんだけじゃなく、自分だって『心つき出ししゅ木』が欲しいです。
『心つきだししゅ木』は白い自分(がんばり心)と黒い自分(なまけ心)を戦わせ、
さまざまな事柄に対しての決心をすることが出来る道具である。
現にドラえもんはこの道具を使い、自身のがんばり心がなまけ心に勝ったことにより、
ネコのミイちゃんと遊びに行きたい気持ちをグッとこらえ、おつかいの優先に成功していた。
そして、自分はその一部始終を見ながら、
「おつかいくらいなら、『どこでもドア』を使って早く済ませればいいのでは?」とか思ったりもしましたが、
早めに終わらせてミイちゃんと遊びに行けないくらい長時間にわたるおつかいだったのか、
ドラえもんの気分的に、このおつかいで『どこでもドア』などのチートな道具を使うのは嫌だったんでしょうかね。
なんにせよ、やりたい事になかなか手をつけられない人にとっては、実にぴったりの道具である。
ただし「なまけ心」であろうと、より強い意思のほうが勝ってしまうため、
スネ夫くんのようにジャイアンリサイタルに行きたくない心のほうが勝ってしまったり、
本当は勉強したくなかったらしいのび太くんのなまけ心が逆転勝利をおさめてしまうパターンもあるので、けっきょくは自分の意志が重要になってくるようです。
どちらも共通して「ジャーマン・スープレックス」でがんばり心を倒していたけど、あれはなまけ心特有のフィニッシュ技なんだろうか?
あと、今回のアニメを見て気づいたのですが、
何も知らない外国人の方がこのお話を見た場合、黒人(なまけ心)と白人(がんばり心)がケンカして白人(黒人)が勝ったという、誤った印象を受けてしまう可能性が大いにある。
『心つきだししゅ木』の使い方は原作通りだけど、今のご時世的になるべく使用は避けたほうがいい道具なのかもしれませんね・・・。
自分がドラえもんだったら、
テスト勉強がやりたいはずののび太くんが『元気が出る爆弾』に逆ギレしていた時点でとっくに見離していたところですが、
ドラえもんは最後まで「のび太くんに勉強をさせること」をあきらめなかったどころか、
それでも勉強を諦めないのび太くんのがんばり心を見て、ひとり静かに心を打たれていた。
さすが、子守用ロボット。人間(ロボット?)としての器がカスピ海くらい広い。
のび太くん自身は1ミリも成長していなかったけど、お話自体はなんとなく感動回っぽく終わっていたので、まあこれでいいんじゃないでしょうか。
この回がてんとう虫コミックスに収録されなかったのも、
一見すれば感動回っぽく見えるけど、問題自体はなにひとつ解決していないところにあるのかもしれません。
のび太くんが、ひとり勉強に励む『がんばり心』の姿をみても、
「なら、これからは『がんばり心』に宿題をさせればいいや!」とか言い出しちゃいそうですし。
最終的には、どんなに『心つきだししゅ木』でのび太くんの頭を小突いても、
のび太くんから『がんばり心』が一切出てこなくなっちゃったりして。
やっぱり、のび太くんの心を成長させるには、
ひみつ道具に頼るのではなく、「のび太くん自身の成長」が必要なんでしょうかねえ。ニントモカントモ。
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●タケコプターで見にいこう!●
なぜか、先週はお休みだったこのコーナー。
今週は紀伊半島にある「吉野熊野国立公園」を見にいったようです。
奇岩の数々に対して「彫刻刀で削ったような岩」「岩の美術館みたい」と的確な例えをしていたのび太くん。
もしかしたら、このコーナーでレポーターとしての才能が目覚めるかもしれないぞ。
■次回予告■
次回の放送は6月26日。
「ロックロックハンマー」「よかん虫」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(集中力増強シャボンヘルメット&ガワラオニ[再]
次回の感想:ドラえもん感想(ロックロックハンマー&よかん虫)