コロコロコミック2018年9月号掲載分の「野球の星メットマン」の感想です。
記事タイトルにも書いてあるように、当作品は残念ながら今月で最終回を迎えてしまいました。
それを踏まえた上で、ご覧ください。
【ここ最近の野球の星メットマン感想】
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メットマンハンターが持っていたバットマンのパワーメモリーをくっつけたことで、
ロドリゲスのバットマンが生まれ変わった!
パワーアップしたバットマンは刀のようなかたちへと変わり、ロドリゲスいわく「スイングスピードも10倍に上がった」らしい。
自分は野球に詳しくないのでスイングスピードがどうたらとかはよくわからないけど、とにかくスゴそうだ!
空くんは、新魔球「ドラゴンコロボール」で再び三振を奪おうとしますが、
対するロドリゲスは従来のバッティングフォームとは程遠い、居合斬りをするかのような構えから、見事に球をジャストミート!
スコアボードを吹っ飛ばすほどの球威を持つ大ホームランを放ち、試合は「6対3」と日本代表からさらに点差を広げていった。
ロドリゲスの自信は、単なるハッタリでは無かった!
さらに「ドラゴンコロボール」投球時に毎回シルエットとして背景に浮かんでいた龍も、見事に斬られていた。
絵に描いたような敗北である。
この漫画もはじめのうちは、空くんが野球の秘密特訓を重ねていたりもしたのですが、
なんか途中から、野球の実力そっちのけで「どっちのメットマンがより性能がいいのか対決」みたいな感じになってしまったような気がする。
まあ、普通に主人公の努力を描くよりも、
絵面のインパクトがおもしろいほうがコロコロ読者にもウケてもらえるのかと思ってたけど、
今回で最終回を迎えるってことは、別にそういうことでもなかったみたいだ。なんだか悲しいぞ。
最終回なんだから、2人ともメットマンとバットマンを捨てて、おのれの実力のみで勝負するって展開も見たかった。
でも、フツーに実力で戦ったら、ロドリゲスのほうが圧倒的に強そうだしなあ・・・。
話を本題に戻しましょう。
ロドリゲスから大ホームランを撃たれたことで、空くんも自ら降板を訴えるほど落ち込んでいましたが、
監督ならびにチームメイトのみんなから「空、1人で戦うな!おまえは1人じゃない!」「日本のために投げてくれ!」と励まされ、再び立ち直っていく。
なんかこのシーンだけ見ると、
「チームメイトが空くんに敗戦処理させたかっただけなんじゃないか疑惑」も匂ってくるけど、
その後、ミステリーと大地くんがそれぞれホームランを放ち、試合を1点差までに詰め寄る意地を見せた!
どうやら日本代表はまだ試合を諦めてはいないようだ!
そして、さっきは疑ってすいませんでした。
そして試合は8回裏。
アメリカ1点リードのまま、再びロドリゲスと空くんの直接対決がやってきた!
両者のぶつかり合いにより、試合は16球連続ファールという粘りの攻防が繰り広げられていく。
消耗戦によって、両者の体力も限界かと思われる中、
空くんは自身のメットマンであるコロに、マウンド上で感謝のメッセージを伝えていた。
「コロのおかげだ・・・。」
「きみと出会って・・・」「ボクの人生は一変した・・・。」
「友だちもいない・・・」「運動もニガテな漫画少年だったのに・・・。」
「きみと出会って・・・」「たくさんの友だちができた・・・。」
「コロ・・・」「本当にありがとう・・・・。」
「きみと出会って・・・」「ただの漫画少年が世界(ここ)まできたよ!!」
「ボクは漫画の主人公・・・」「野球の星『メットマン』だ!!」
「漫画」しか取り柄のない少年がある日突然やってきた変なロボットと出会い、
今までやったことのない「野球」をやり始め、
そして、野球の日本代表としてマウンドに立っていた・・・というのは、本当にマンガの主人公みたいな話である。
これまでも「野球の星メットマン」は、
内容自体は野球漫画でありながらも、空くんの大好きな「漫画」によって、さまざまな出会いや新たな出来事が起き続けていました。
いわば、野球漫画のなかに「漫画」が大事な要素として入っていたわけです。
そんな自分の人生を、自分の好きなハラハラドキドキさせてくれる漫画のように変えてくれたコロに、空くんは感謝しているのでしょう。
うまく言葉で説明できないけど、そんなように感じました。
そして場面はかわり、漫画部の部室で小豆くんと一緒に漫画制作にはげむ空くんの姿が。
前に小豆くんが漫画部を訪ねた時はクウタくんによって眠らされていたわけですが、あの後正式に入部してくれたようです。
よかったよかった。
「コロと出会ってから、世界大会までのことをリアルに漫画にしたんだ!!」と、現在執筆中の作品内容を語る空くん。
作品のタイトルも、そのものズバリ「メットマン」だ!
この発言を見るに、空くんが漫画「メットマン」を描いているのは既に世界大会決勝が終わった後の話のようだ。
物語のエピローグみたいなところですかね。
最近は実話をもとにしたエッセイ漫画が本屋さんに並んでいるところをよく見かけますが、
「実際の野球選手本人が描くノンフィクション野球漫画」というのは今までありそうで無かった。
「ガンバ!Fly high」あたりがそれに近そうな感じですが、
あれも森末慎二さんが漫画を描いたわけではなく、作画自体は違う人だった。
今どきの話題で例えるなら、
金足農業の吉田輝星投手が自ら漫画家としてペンを握り、甲子園までの道のりを描いたようなものだと思うと、かなりの注目を集める一作になるのは間違いない。
今回の野球世界大会を、この漫画の世界の日本国民がどれだけ見ていたのかは定かじゃないけど、
とにかく書籍化したら、それなりに売れそうな気配はする。
それが話題となって、何かの漫画賞をもらい、
授賞式で憧れのフニャ子・F・フニャ雄先生にお褒めの言葉をいただいたことで、空くんが号泣・・・という先の展開まで見えました。
まあ、そこらへんの後日談は、いずれどこかで描いてもらうことにしましょう。
そんな壮大な夢を打ち砕くかのように、窓から飛び込んできた野球ボールが空くんの完成原稿を襲う!
ボールの直撃でインクまみれになってしまった原稿を見て「げ、原稿が~!!」と叫ぶ空くん。
そして、その原稿には、
野球世界大会で優勝し、喜びを分かち合う野球日本代表の姿が描かれていたのでした・・・。
~野球の星メットマン 第1部完~
というわけで、「野球の星メットマン」の第1部はこれで終わりです。
いちおう最終ページに「第1部完」と書かれていましたが、今のところ第2部スタートの開始時期はまったくの未定である。
まさか、先日一足早く最終回を迎えてしまったいとうみきお先生の自伝漫画と同じような終わり方をするとは、夢にも思わなかったぞ。
鳴り物入りで登場したのに、その後はパッとした活躍もなく、
最終回の出番も「監督に敬遠をアドバイスするもやんわりと断られるシーン」しかなかった銀城くんの存在や、
空くんの亡くなったお父さんのことや、コロだけ「メットマンとしては旧型」であるという発言など、
第1部で回収できなかった伏線らしきものもいくつかあるので、できることなら早めに第2部をスタートさせてもらいたいところです。
ただ、もうすぐ発表されるであろう来年の映画ドラえもんのコミカライズを今年こそ描いてほしいとか、
もしかしたら「コロコロアニキ」でドラベースの新作を描くんじゃないか?とか、
他にもいろいろやってほしい、見てみたいものもあったりするので、
ひとまずは、今月9月28日に発売される「野球の星メットマン」第7巻の発売を待ちたいと思います。
最終巻が出るまで、野球の星メットマンの物語は終わらない。
というわけで、むぎわら先生連載お疲れさまでした。