コロコロコミック2018年3月号掲載のむぎわらしんたろう「野球の星メットマン」感想です。
「のび太の宝島」公開とかでワタワタしていたら、感想が過去最高に遅れてしまいました。どうもすいません。
みなさんは映画、もう見ましたか?
【ここ最近の野球の星メットマン感想】
・ コロコロコミック2017年12月号の「野球の星メットマン」感想。大地くんがいなくてもだいじょうぶ!?
・コロコロコミック2018年1月号の「野球の星メットマン」感想。謎の男たち現る!
・コロコロコミック2018年2月号の「野球の星メットマン」感想。これがメキシコ野球だ!
ザッ!(バッターボックスに立った時の音)
前回、選手が突然マッチョマンになる謎の奇術の効果で豪快なホームランを放ち、日本から先制点をとった野球メキシコ代表。
その後もバッターの腕が6本になる奇術や、
投げた球がヘビに見える魔球「蛇球(スネークボール)」を使い、日本代表を翻弄していく!
まあ、ほんとうに腕が6本生えたり、ボールがヘビになったりするわけないので、
おそらく相手に幻覚のようなものを見せて惑わせているだけでしょう。
むぎわら先生の代表作「ドラベース」でも、ポコえもんが同じような手(催眠術)を使い、江戸川ドラーズ打線を大いに惑わせていた。
その時は、エーモンドが運よく投球のカラクリに気付き「催眠術にかからないよう、目の前のボールに集中する」という意外と単純な方法で敗北の危機から脱していましたが、
日本代表も、果たしてこのピンチをうまく切り抜けることができるのでしょうか。
そもそも奇術で腕6本になったところで、他の腕がジャマして逆にホームラン打ちづらくなりそうなんですがそれは。
そんな「奇術」という名のドーピングで試合を有利に進める卑劣メキシコ代表に対し、
我らが大正義日本代表は、
ミステリー君のメットの能力「マリオネット」でチームメイトの能力を最大限に上げる作戦をとった!
相手がドーピングを使うなら、こっちだってドーピングを使う!
やられたらやり返せ! 貼られたら貼り返せ! 負けたら悔し涙!
あ、ちなみにこの「マリオネット」を以前ミステリー君が自分のチームメイトに使った時は、能力の使い過ぎで選手が全員疲労困憊でダウン。
その結果、魔城中はUBJC(ウルトラベースボールジュニアカップ)準々決勝敗退になってしまったわけですが、
今回操っている日本代表のみなさんは普段から体を鍛えているので、問題はないとのこと。
「代表に選ばれているかれらです。そう簡単につぶれませんよ」とは、ミステリー君の弁。
まあ本人がそう言っているのなら、言われたとおりに信じるほかありません。
この両チームのドーピング合戦により、試合は互いに譲らぬ展開に。
日本が1点ビハインドのまま、2回裏メキシコ代表の攻撃へと入っていく!
2死ランナー無しの状況で打席に立つは、先ほど空くんからホームランを放った3番・テオ。
奇術による体のムキムキ状態は継続しており、メットのギルもいっしょである。
ここで空くんはバッターボックスのギルに対し、「もし日本が勝ったら・・・、大地くんのところにもどるんだ!!」と物申した!
この発言に、ギルも絶対に負けない自信があるのか「ククク・・・、いいだろう・・・。」と素直に要求を飲んだ。
この場面でテオを抑えられなければ、日本は絶対に勝てない。
空くんは「マリオネット」の効果で自身の能力を最大限に上げた状態から、さらにコロのパワーを使うことで、
現時点でもっとも威力のある、メットマン2人がかりの渾身の一球を投げ、なんとかテオを打ち取ることができた。
しかし、メットマン2人がかりのパワーを使った代償はやはり重かったようで、空くんの体にはもうこれ以上の相手を抑えるための余力すら残っていないようだ。
打ち取られたメキシコ代表も、「やつはもう投げられまい。これまでだ」と冷静に相手を分析している。
だが、大地くんのためにここで負けるわけにはいかない。
「い、いや・・・、何度でも投げてやる・・・。」
「こんなところでたおれたら、大地くんに申しわけない!!」
この空くんの衰えぬ闘志に感化されたのか、ミステリー君がアクションを起こす。
「しかし、そんな体じゃ・・・、本当にギルに打たれますよ。」
「トリックも見破らないと。」
「バットマンとの闘いにとっておいた必殺技・・・。テストするにはちょうどいい獲物ですね!!」
不敵な笑みで、JOKERの描かれたトランプを取り出すミステリー君。
彼の「必殺技」で、試合はこの先どう動くのか!?
といったところで、次号へ続く。
うーむ、今さら言うのもアレだけど、
試合がだんだんと純粋な野球実力勝負から離れ始めてきた気がする。
なんだか、どっちがよりスゴいドーピングを持ってるか勝負みたいになってきた。
空くんが橋げたでコントロールの練習とかしてたこととかが、遠い昔の記憶のように思えてくる。
まあ、ここで「キャプテン」のような純粋野球実力勝負をやったところで、絵面がかなり地味になっちゃうだろうし、
うんこちんちん大好きなコロコロ読者はおそらく興味を持ってくれないという、大きなジレンマがある。
やはり、まずは魔球の存在やインパクトのあるキャラを出して、コロコロ読者のハートをガッチリと掴むことが児童漫画において大切なことなのでしょう。
もちろん、肝心のお話づくりだって大事である。
文章の流れの都合で、記事の本筋では触れられませんでしたが、
この試合中に、大地くんのケガで新しくスタメンに入った木枯(こがらし)と、赤星くんが衝突する一幕があった。
自分とウマの合わない相手に憤りを覚える赤星くんでありましたが、
テオの打ち損じによる金属バット顔面直撃を食らいながらも、最後までボールを放さなかった根性を見て、彼のことを少なからず認めるのであった・・・と、
終始トンデモをやりつつも、野球漫画らしいところはしっかりと残しているのが、むぎわら先生のベテランの技だと言えるのではないでしょうか。
あと、ちょっとだけ気になっていることなのですが、
先日、コロコロコミックはいろいろあってモンゴル方面から多大なお叱りを受けてしまった。
詳細は各自ググってもらうとして、
この問題により、作中で外国人のパブリックイメージを大きく誇張したキャラを出しまくっているメットマンに対して、編集部から変な圧力がかかるのではないか?と少し心配している。
(※パブリックイメージを大きく誇張した外国人キャラの例)
編集部からの圧力はかかってこないにしても、
むぎわら先生が例の騒動で外国人キャラの扱いに少しビビったりしていても、おかしくはない。
今やってる試合が終わった後の2回戦以降に出てくる外国人キャラが若干おとなしい感じになっていたら、そういうことなんだろうなあと推測できる。
そもそも、今やってる試合に出ているキャラクター達にだって、メキシコ大使館から多大なお叱りをうける可能性が十分にある。
今後、メットマンはどうなっていくのか。
物語の展開だけではなく、大人の事情のほうにも注目していきたいと思います。
そんな次回のメットマンが載っているコロコロ4月号は、3月15日(木曜日)発売です。
お楽しみに!