2023年8月26日放送分 ネタバレ注意!
ネッシーがくる(コミックス6巻収録)
原作の都合上、ドラえもんは定期検診のため未来の世界へ一旦里帰り。
ドラえもんがいない間は、ドラミちゃんがのび太くんのお世話をしてくれることとなりました。
そして、スネ夫に「ネッシーが実在すること」を認めさせるために、
ドラミちゃんは『本物のネッシー』をネス湖から連れてきてしまうのですが・・・。
とにかくこのお話は、小学生同士のつまらん言い争いのせいで、
わざわざ、ネス湖(スコットランド)から日本まで連れてこられたネッシーさんの心情を察したくなる回である。
ためしに「スコットランドから日本までの距離」をググってみたところ、
このサイトでは「(飛行機で)9452キロ」という答えがでていた。
テレビの若手芸人でも、約1万キロも強制移動させられたらさすがにキレると思うぞ。
ハルカ星のハルバルさんが同じ扱いをされたら、星間戦争を起こしてしまう事まちがいなしだ。
しかも、前述の「9452キロ」は片道だけの距離ですからね。
帰り道の距離もあわせると、ネッシーは「18924キロ」もの道のりを強制移動させられたことになります。
こんな遠くまで御足労いただいたネッシーさんには、本当に感謝しかありません。
数週前はネッシーのトリック写真をすっかり信じきっていたスネ夫くんですが、
今回は「ネッシーは存在しない派」の論客として、のび太くんと熱いディベートを交わしていく。
のび太くんも、原作にも無いネッシーの最新データを揃えたのまではよかったけど、
それなら、自分が集めた証拠の中にトリック写真があることにも気付いてほしかった。
あの写真がトリックなの、『ドラえもん』6巻を読んでいる人ならみんな知ってたぞ。
スネ夫が「外科医の写真」と聞いてニヤリとしていたのを見るに、
彼もきっと、コミックス6巻を読んでいたんでしょうな。
けっきょく、スネ夫くんが持ち前のディベート力でネッシーの存在を完全否定しようが、
ドラミちゃんが本物のネッシーをスネ夫に見せるのを失敗しようが、
最終的には「ネッシーを見た!!!」と断言するジャイアンの暴力によって、
スネ夫もあっという間に「ネッシーは存在する派」へ改宗させられていた。
先述のディベートで、スネ夫は「本人が見たというだけじゃ証拠になるもんか」とまで言っていたのに、
それを暴力で簡単にひっくり返せるジャイアンはやっぱりすごい。
つまりこのお話は「どんなに根拠のある理論でも、暴力さえあればいくらでも覆せるぞ」ってことを、
テレビの前のチビッ子たちに伝えたかったんでしょうね。
いや、絶対違うな・・・。
【26日から】英ネス湖の未確認生物「ネッシー」 50年ぶり大規模捜索へhttps://t.co/YmfG8e1IKH
— ライブドアニュース (@livedoornews) 2023年8月26日
熱を感知するカメラをドローンで飛ばすなど最新技術も駆使して、「ネッシー」の手掛かりを探す。主催者は高齢化する「ネッシー・ハンター」の後継者づくりにも繋げたいと話している。 pic.twitter.com/pd7o5Y6ipc
そういえば、自分も放映後に気づいたのですが、
この回の放送とちょうど同じ日に、ネス湖の大規模捜索がはじまったそうです。
もしかして、50年ぶりのネス湖大捜索にあわせて、今回のエピソードをアニメ化したのかも。
だとしたら、ちょっとスゴイぞ。
というわけで、一本目の感想はここまで。
お化けツヅラ(ドラえもんプラス3巻収録)
お化け屋敷にビビり倒す、じつに情けない姿を晒してしまったのび太くん。
その悔しさから、今度は『お化けツヅラ』でジャイアン達を逆に怖がらせてやろうとするのですが・・・。
原作『ドラえもん』では意外と聞けそうで聞かないワード、
「ころされるかと思った」が、今回のアニメでもセリフが修正されずに残っていたのが嬉しい。
放送時間帯的に「殺す」はアウトなんじゃないかと思ってたけど、
「殺される」はあくまでも受動的なワードだから、セーフだったのかも。
あと原作ファン視点でいえば、漫画ではドラえもんの身体で隠れてまったく見えなかった、
『化けよけスプレー』の全貌が見られたのも収穫なんじゃないかと。
『化けよけスプレー』は、幽霊っぽいものにバッテンマークが描かれている、
非常にわかりやすいデザインのパッケージなんですね。
これなら少なくとも、虫よけスプレーと間違って使うようなことはなさそうです。
ドラえもんから「どんな方法を使ってでも怖がらせる」と説明があったように、
『お化けツヅラ』のオバケたちは、時には暴力に走ってまで、のび太くん達を怖がらせていた。
いや、むしろ、あのオバケたちは、オバケ本来のホラーテイストな怖がらせ方ではなく、
ほとんどの場合で「暴力のおそろしさ」に頼っていた気がする。
そりゃ自分に暴力を振るってくるような奴がいたら、オバケじゃなくとも怖いのは当たり前だし、
そもそもそんな怖がらせ方なら、オバケである必要もない。
あのオバケたちのやってる「怖い」は、道で通り魔に出くわした時の「怖い」と多分一緒だぞ。
せっかく彼らも、オバケとして産まれた(?)んだから、
ラクな怖がらせ方に頼らず、もっと自分の持ち味を生かした怖がらせテクニックを極めておいてほしかった。
まあ、少々手荒な怖がらせ方をしてこそいますが、
『お化けツヅラ』から出てくるオバケは、安全装置によって「絶対に人間に危害を加えないよう」にされているので、
ユーザーは何の心配もなく肝試しを楽しむことができます。
そして、その安全装置が見事に壊れてしまうのが『ドラえもん』にとってのお約束だ!
ママの一喝によって、お化けたちが全員逃げ帰ってくれたのはよかったけど、
これじゃ「ママの怒鳴り声」がスゴかったのか、それとも、あのオバケどもが極端にビビりだっただけなのか、理由がよくわかりませんな。
自分が『お化けツヅラ』を使うことがあったら、
本気の怒鳴り声をあげてみて、オバケ達が逃げ出すかどうかを一回試してみたいです。
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
映画ドラえもん最新作『のび太の地球交響楽』の公開を記念した企画、
『ドラドラ♪シンフォニープロジェクト』のスペシャルサポーターに、葉加瀬太郎さんが就任したとのお知らせが。
このプロジェクトのために、オリジナル楽曲の提供もしてくれるらしいぞ!
そして、葉加瀬さんと同じくバイオリニストであるしずかちゃんが、
「わたし、葉加瀬さんのバイオリンだ~い好き」とラブコールを送っていたのも、なかなかに興味深かったです。
■次回予告■
次回の放送は、9月2日。
午後5時からは「ドラえもんに休日を!!」「手作り工作をほんものに」を。
午後6時56分からは「ゆうれい城へ引っこし」「できたらいいな! 夢の押し入れ大改造」をお送りします。