2022年11月26日放送分 ネタバレ注意!
もどれウマタケ(アニメオリジナル)
ドラえもんとのび太くんの元に、何故か「はぐれ『ウマタケ』」がやってきた!?
未来の世界で、元の飼い主が見つかるまでのあいだ、のび太くん達はしかたなく5匹の『ウマタケ』を預かることとなったのですが・・・。
そんなわけで、久しぶりの『ウマタケ』主役回である。
ウマタケ、かわいいですよね。
ウマタケ最後の主役回である「ウマタケ牧場」のエピソードが2014年なので、
アニメで『ウマタケ』の主役回が放送されるのは、じつに8年ぶりのことになるんでしょうか。
『ドラドラ源平合戦』の回は、あんまりウマタケ主役回って感じでもなかったですし。
そりゃスネ夫たちも、一度会ったこと(?)があるはずの『ウマタケ』に対して、
「(靴で乗っちゃいけないことを知って)えっ、竹馬なのに?」と、まるで初対面のように接してしまうわけですわな。
8年の月日というものは、想像以上に長い。
預かった『ウマタケ』をお世話するとなれば、とうぜんエサ(ニンジン)も必要になってくる。
お小遣いの都合上、八百屋さんでニンジンを買い続けるわけにもいかないため、ドラえもん達はスネ夫のパパから提供された土地を開墾して、ニンジン畑をつくることとなった。
自分が食べるニンジンを生み出してくれる畑なんだから、ウマタケ達も一緒になって開墾のお手伝いだ!
ウマタケの「エサ」に関しては、『グルメン』を食べさせるなり、
『フエルミラー』でニンジンを増やしたりなど、ひみつ道具を使えば簡単に解決しそうな問題なので、
結果的に、彼らはかなり面倒くさい手段をとってしまった気がしてならない。
荒れ果てた土地を開墾し、畑を耕して、野菜をつくる。
これはもしや、現在発売中のゲーム『のび太の牧場物語 大自然の王国とみんなの家』へのリスペクトを込めた展開だったりするのかも。
劇中でドラえもんがニンジンを急速成長させるためにつかっていた『アットグングン』も、
『のび太の牧場物語』の中で、便利なアイテムのひとつとして登場しますからね。
今回のアニメだと、ドラえもんは『アットグングン』をジョウロの水に溶かして使っていたけど、
『のび太の牧場物語』でも、『アットグングン』は農薬みたいな使われ方をしているのかしら。
恥ずかしながら、自分はゲーム未プレイのため、そこら辺の細かいことはサッパリわかりません。ごめんなさい。
こうして、大変な苦労を重ねた結果、ドラえもん達は大量のニンジンを収穫できた。
しかしウマタケ達は想像以上に食欲旺盛だったらしく、あっという間にすべてのニンジンを食べつくされてしまう。
こんな簡単にニンジンを消費されてしまったんじゃ、完全に骨折り損のくたびれ儲けだし、
あれだけのニンジンを食べたなら「ウマタケ達はきっと物凄い量のウンコをするんだろうな・・・」とか考えてしまうと、便の後始末のことも気がかりでしょうがない!
エサのニンジンをすべて食べつくされてしまった以上、
また種まきから始めるのか・・・とウンザリするのび太くんでしたが、ここで救世主が登場。
知らないうちにウマタケを飼いならしていたジャイアンによって、5匹のウマタケは引き取られていったのでした。
ジャイアンの家は雑貨屋をやっているのか、八百屋をやっているのか、
TVアニメの放送が始まって40年以上経つのに、いまだに設定があやふやになっているところがありますが、
ウマタケのエサ問題に困ってなさそうな様子を見るに、
今回のアニメではニンジンを無限供給できそうな「八百屋をやっている」という解釈でいいのだろうか?
ともかく、ジャイアンのおかげでのび太くん達はウマタケの世話の重責から逃れることが出来た。
こればっかりは、ジャイアンに感謝しないといけませんね。
その後、「ウマタケを救う」という名目で「チャリティコンサート」を開催しはじめたのは、完全に余計ではありましたが。
近所の子供たちから集めた募金をウマタケの餌代にすれば、すべてが丸く収まる・・・のか?
この「ウマタケを救え!ジャイアンチャリティーコンサート(※今イベント正式タイトル)」は、
今でいう、クラウドファンディングみたいなものだと思えばだいぶ聞こえはいいけど、「ジャイアンの歌」部分が完全にジャマになっている。
「お金を払えばジャイアンの歌を聴かなくて済む」という特殊システムにすれば、
普通に募金をするよりも、莫大な寄付金があつまってしまいそうだけど、ジャイアンの性格上、そんなことは絶対にしないんでしょうな。
ウマタケの元の飼い主さんが見つかったおかげで、開始数秒で強制終了となった。
のび太くんはウマタケのニンジン代で使ったお小遣いのお金を、飼い主にちゃんと請求しておいたほうがいいぞ!
22世紀へ帰っていくウマタケ達に対し、「もどれウマタケ~~!」と涙目でさけぶジャイアン。
無事にサブタイトル回収も済んで、これでひと安心かと思いきや、
ウマタケのための「チャリティコンサート」をとりやめて、その代わりに「ウマタケありがとうコンサート」を強制スタートさせるジャイアンの姿で、このお話はオチを迎えた。
ジャイアンも「ウマタケのため」とかいろいろ言っていたけど、
けっきょくは、ただ単純に「自分が歌えるイベント」を設けたかっただけのようです。
どうでもいいけど、せっかく「ウマタケありがとうコンサート」と銘打ったのなら、
そこは「ジャイアントドリーム」ではなく「ありがとう、オーレ!」を歌ったほうがよかったのでは?(いちゃもん)
まあ、今回のお話は、突然未来からやってきたウマタケに皆が振り回されっぱなしだった回ということですかね。
そんなわけで、一本目のお話はここまで。
まあまあ棒(コミックス23巻収録)
のび太くんが、なぜか機嫌の悪かったジャイアンを怒らせてしまった!!
ジャイアンからの意味のない暴力に落ち込んだのび太くんは、ドラえもんの道具『まあまあ棒』で、他人の怒りを鎮めることに励みだすのですが・・・。
この回のジャイアンは、いつにも増してイライラしていた。
どうして彼は、こんなにもイラついていたんだろう?
でも、ジャイアンを野生の動物といっしょだと思えば、
彼がとくに理由もなくイライラしている現象も、それなりに納得できそうではあります。
とはいえ、自分の機嫌が悪いからといって、他人を殴るのは非常によくないぞ。
ジャイアンがこの性格のままで社会人になったら、会社の上司を殴って、あっという間にお巡りさんに捕まって死刑になってしまいそうだ。
つい先日も、知人女性への暴行の疑いで某人気アーティストが逮捕される事件が起きていた。
アーティストのスキャンダルを参考にするのは、だいぶ不謹慎ではありますが、
「どんな人気歌手でも、他人を殴って逮捕されちゃったら、歌番組にも出れなくなっちゃうし、楽曲も配信停止になっちゃうよ」
「そんなことにならないよう、今からでも練習として、人を殴るのをやめよう!」
みたいなことをスネ夫あたりが忠言すれば、ジャイアンも乱暴をやめてくれるかもしれません。
でも、仮にジャイアンがその意見を受け入れたとしても、2~3日くらいで元に戻っちゃうんだろうなあ。
さて、この『まあまあ棒』のお話ですが、じつは今年の1月末に放送されるはずが、
なぜか放映延期になってしまった、いわく付きの回だったりする。
<関連リンク>
「『まあまあ棒』放送延期の理由」は、公式からいっさい明らかにされませんでしたが、
当時のSNSでは、その頃に起きていたトンガ火山噴火の出来事から、
「ジャイアンの爆発シーンで『火山噴火の演出』を入れてしまい、それが問題視されてしまったのでは?」との推測がなされていた記憶があります。
で、実際の放送を見た限りでは、
ドラえもんの「怒りを溜めすぎると最終的に大爆発する」みたいな説明をしていた際に、火山噴火描写がガッツリと入っていたどころか、
爆発寸前になっていたジャイアンを空き地へ輸送する際、
「火山大噴火(絶賛公開中)」なる映画のポスターが登場していたりなど、
仮に「トンガ火山噴火」が放送延期の原因だとしたら、そりゃ当然でしょうなあ・・・と思える描写がたっぷりありました。
トンガ火山の噴火が深刻な状況な時に、テレビで「『火山大噴火』が絶賛公開中!」とやっちゃうのは、流石にマズすぎる。
このお話の放送延期を決めた、アニメ制作サイドのみなさんの判断は懸命だったと思います。
ちゅうか、火山噴火以外でも、どっかで爆発事故が起きてたりでもしたら、
オチの部分が確実にアウトになって、また放送延期が決まってもおかしくはなかったぞ。
『まあまあ棒』って、意外と放送がむずかしいエピソードだったんですね。
あと、ジャイアンの大爆発に巻き込まれたスネ夫くんのみならず、
『まあまあ棒』でジャイアンの感情を弄んでいたのび太くんも、ジャイアンを空き地へ輸送する際にそれなりの報いをうけていたのがよかった。
ジャイアン輸送の詳細を原作よりもじっくり目に描いていたのは、アニメオリジナルの展開ですが、
もしも、のび太くんに何のおとがめもなかったら、
「スネ夫も悪いけど、のび太もジャイアンにヒドいことしてたよな?」と、視聴者がイライラを募らせていたに違いありません。
いわゆる、ヘイトコントロールってやつですね。
ジャイアンのみならず、テレビの前の人たちの感情も完璧におさえていた『まあまあ棒』のお話でした。
というわけで、2本目のお話はここまで。
デカチンキ(カラー作品集「ドラえもん」第3巻収録)
今週のドラドラMiniシアターは『デカチンキ』のお話!
塗ればなんでも大きく(見えるように)なるチンキで、のび太くんは何をでっかくするのか?
『たたりチンキ』の回が放送された時にも思ったけど、
今の子供たちは「チンキ」と聞いても、それが何を指す言葉なのかが、さっぱりわからなさそうだ。
今どきは、日常生活で「チンキ」を使うこと自体がほとんど無くなってしまったし、
『デカチンキ』という名称を聞いたところで、確実に下ネタワードだと思われてしまうんでしょうなあ。
こんな感想文を書いていたら、ちょっと気になってきたので、
ためしに、Twitterで「デカチンキ」と検索してみたところ、不穏なツイートが山ほど出てきてしまった。*1
『デカチンキ』は下ネタワードではないし、ましてや「デカチン○(※伏せ字)」でもないぞ!
名前でカン違いして、変なところに塗っちゃダメだぞ!
まあ、偉そうにこんなことを言っている自分も、
デカチンキの名前の由来が「赤チンキ」だということに、まったく気づいてませんでした。*2
『ドラえもん』も、連載開始から50年以上が経過しているので、
初出当時は元ネタを誰もが知ってて当たり前だったモノでも、今ではよくわからなくなったりするネタもたくさんあったりします。
それにしても、塗るだけでモノを大きく見せかけることのできる『デカチンキ』は、
使い方によっては「映画ドラえもん」あたりでも活躍の場がありそうな効果を持つ道具ではある。
自分の記憶にないだけで、実はドラえもん関連の学習本とかで『デカチンキ』が使われていたりするケースがあったりしないかしら。
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
今週の「ドラガオじゃんけん」はカタールW杯の宣伝も兼ねて、元日本代表の内田篤人さんが登場!
得意のリフティングで、ドラガオじゃんけんをしていたぞ!
リフティングでドラガオじゃんけんをするんじゃない
— koukousei(美山田精一)@スパムじゃないよ (@koukousei) 2022年11月26日
顔でドラガオじゃんけんをしろ #doraemon
リフティングの技術自体はすばらしかったけど、
個人的には「チョキのかお」をする内田篤人さんの姿も見てみたかった。
あと、リフティングとじゃんけんの関係性が最後までよくわからなかったところにも、少しモヤっとしている。
今回の「ドラガオじゃんけん」は全体的にシュールな感じになっていたので、気になる人はTVerでチェックしてみてください。
■次回予告■
次回のお話は12月3日。
「メルヘンランド入場券」「自家用衛星を打ち上げよう」 の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(宇宙戦艦のび太を襲う[再]&イメージベレーぼう)