2022年4月30日放送分 ネタバレ注意!
ドラドラ源平合戦~しずかちゃん御前を救え!~(アニメオリジナル)
今週のアニメ『ドラえもん』は、2016年1月15日放送分の再放送。
天才軍師・源義経が一ノ谷の戦いで行った奇襲「鵯(ひよどり)越の逆落とし」に、じつはドラえもん達も関わっていた・・・!?
というわけで、先々週にひきつづき、今週の『ドラえもん』も全編再放送でお送りします。
アニメ『名探偵コナン』ばりの再放送(デジタルリマスター)ラッシュだ!
ただ、これまでのアニメ『ドラえもん』で、
こんなにも再放送を連発することは今までなかった気がするので、ちょっと心配になってくる。
なにか、制作スケジュールに問題でも起きたのだろうか?
もしくは、ただ単に、
「ゴールデンウィークでみんなテレビ見てなさそうし、ここは再放送を流して経費を削減しよう」という考え方なだけだったりして。
たしかに、作品のクオリティアップのために、
手を抜ける場面であえて手を抜いておくのは別に間違っているわけではない。
それに、理由は後述しますが、
『ドラドラ源平合戦』の回を再放送するなら、今週がちょうどいいタイミングだったというのもありそうですし。
じつは、ジャイアンの中の人が今年の大河ドラマに出演することが決まった時点で、
テレビ朝日やシンエイ動画サイドも、この回をいいタイミングで再放送することを虎視眈々と狙っていたのかもしれません。
ドラえもんの出した『ウマタケ』が、部屋の中で暴走していまい、
その拍子でのび太くんやしずかちゃん諸共、『タイムマシン』で平安時代末期の世界に行ってしまうところから、今回の物語ははじまっていく。
アニメスタッフのえらい人の中に「無類のウマタケ好き」がいたのか、
ひと昔前のわさドラでは、今回のような「ウマタケ登場回」が定期的に組まれていたような気がします。
もちろんこのお話でも、『ウマタケ』は良くも悪くも大活躍しているぞ。
ただ、ここ数年の『ドラえもん』においてでは、ウマタケの活躍はあまり無いのが現状となっております。
ちゃんとアニメを見返して調べたわけじゃないけど、
それこそ『ウマタケ』のちゃんとした活躍は、この『ドラドラ源平合戦』の回が最後だったりするのかも。
もしかして、ウマタケ好きのえらい人(※自分の想像上の人物)、知らないうちに別部署へ異動になっちゃったんだろうか?
自分も『ウマタケ』は好きな道具ではあるので、またウマタケが登場する回をやっていただきたいところです。
そしてのび太くんは、彼のことをよく知らないのをいいことに、源義経を「よっちゃん」呼ばわりする無礼を働いていた。
現代とちがって、殺人罪なんて無かったこの時代。
ヘタしたら、のび太くんがその場で首チョンパされててもおかしくないレベルの発言だったけど、
幸いにも、この世界の源義経は、
これらの失礼を許してくれるほどに優しく、ちょっと抜けている性格だったおかげで、大事に至ることなく収束した。
アニメ『ドラえもん』世界における源義経は、重度の方向オンチを持ち合わせた愛されキャラだぞ!
平安時代あたりの武将は、気に食わない人物はすぐに殺しちゃってそうなイメージがあるけど、
史実における源義経の性格は、果たしてどうだったのでしょうか。
年齢的にまだ若く、晩年の頃に比べたら、まだ性格がピリピリしていなかったので、
のび太くんの発言を笑って許してくれた・・・という見方もありそう。
なので、もうちょっと後の時代の義経に「よっちゃ~ん!」と馴れ馴れしく接したら、その直後にのび太くんの命が平安の世に散っていたかもしれない。
じつに危ないところだった。
やっぱり、アニメの主人公ってやつは、底知れぬ強運を持っているんですねえ。
今回のような「過去にタイムスリップしてしまったお話」において、
『タイムマシン』が故障して帰れなくなってしまう展開も、『ドラえもん』ではもはや日常茶飯事である。
しかしこのお話では、めずらしく『タイムマシン』が故障していなかったので、
源義経と仲間(武蔵坊弁慶)を合流させたところで、ドラえもん達もとっとと現代に帰るつもりだったのですが、
平氏の人間であるジャイアンとスネ夫のそっくりさんにしずかちゃんが攫われてしまい、
そのなりゆきでドラえもんとのび太くんも、間接的とはいえ、義経と一緒に「一ノ谷の戦い」に参加してしまうことに。
過去の世界に行っても、メインキャラの顔にそっくりのご先祖(?)がいる流れは、
もはや『ドラえもん』のみならず、コメディ寄りの漫画にとっても、ありがちな設定ですね。
しずかちゃんの名字が「源(みなもと)」だったせいで、
源氏側の人間だと勘ちがいされてしまうという展開は、なかなかよくできていました。
むやみにアニオリ設定を作らず、原作にもともとあった設定をうまく生かしているのは素晴らしい。
過去に、大山ドラの『ご先祖さまがんばれ』の回で、
スネ夫が「しずかちゃんって源氏の子孫なんじゃないの?」と言及するシーンは見たことがあるけど、
ドラえもんの学習シリーズなどの関連本をのぞいたら、
公式側で「しずかちゃんの名字の設定」がここまでガッツリと生かされたのは、これが初めてじゃないかしら。
あと、しずかちゃんは手持ちのハンカチにも名前を書くタイプだったおかげで、
ドラえもん達に、自分が誘拐されてしまったことをすぐに気づいてもらえていた。
今このブログを見ている自分たちだって、
とつぜん平安時代にタイムスリップしてしまう可能性は必ずしもゼロではないので、
今のうちに、自分の持ち物にはちゃんと名前を書いておきましょう。
義経も当初は、史実のように崖を下らず、回り道をしてから攻めようとしていたものの、
一本足で崖を下るウマタケの雄姿に感化され、自分たちも馬で平氏の陣まで崖を駆け下る決断をとった。
ウマタケ(とドラえもん)によって、生まれたのであります。
一部文献では「義経は鹿から逆落としのヒントを得た」みたいなことが書かれているそうですが、あれは全くのウソです。
今回の『ドラドラ源平合戦』で描かれていたことこそが、真実(しんじつ)です。
源義経は、ウマタケのおかげで平家に勝つことができたのです。
・・・とまあ、冗談はこのくらいにして、またもドラえもんが歴史に介入してしまった。
18世紀ヨーロッパの謎の人物・サンジェルマン伯爵もびっくりの歴史介入っぷりである。
歴史の教科書に載っている様々な出来事にも、ドラえもんたちが関わることになってきそうな今日この頃です。
そのうち、コロナウイルスの発生・終息にも、ドラえもんが関わり始めるかもしれないぞ。
なお、このお話では史実として語られていた「鵯越の逆落とし」ですが、
現在は「実際の崖はそんなに急じゃなかった」「実は義経じゃない人がやった」とか「そもそも逆落とし自体やってない」などの説が有力視されているらしく、
今回のアニメ『ドラえもん』の一週間前(4月24日)に放送された、
大河ドラマ『鎌倉殿の13人』では、「逆落とし」のくだりは全てカットされていました。
つまり、先週の大河ドラマでカットされた部分を、今週の『ドラえもん』がしっかりと補完していたわけですね。
今週のアニメ『ドラえもん』は再放送なのに、内容がタイムリーだ!
まあ、そんなこんなで、源義経が『ウマタケ』のおかげで一ノ谷の戦いを制した結果、
出木杉くんが持ってきた書物にも、浮世絵風のウマタケの姿が描かれてしまっていたというのが、今回のオチ。
浮世絵のウマタケが、今でいうオーパーツみたいな扱われ方をされていないかが気になるところです。
といったところで、今週のドラえもん感想は以上。
■次回予告■
次回の放送は5月7日。
「母の日はおおせのママに」「ノゾミルじゅう」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(台風のフー子&なんでもアシストーン)
次回の感想:ドラえもん感想(母の日はおおせのママに&ノゾミルじゅう)