2020年5月30日放送分 ネタバレ注意!
ヨンダラ首わ(コミックス14巻収録)
明日5/30(土)ごご5時からの『ドラえもん』は、しずかちゃんの誕生日プレゼントに!「ヨンダラ首わ」と、謎の正体は!?「おばけ口目の怪事件」の2本を放送!!
— 【ドラえもん公式】ドラえもんチャンネル (@doraemonChannel) 2020年5月29日
先週よりリューアルしたエンディングもお楽しみに!!https://t.co/Zds0hQjIGg pic.twitter.com/h1YzLxBT5e
5月はしずかちゃんの誕生月!
というわけで、1本目はしずかちゃんが主役のお話をお届けします!!
・・・でも、放送日が5月30日ってのは流石に遅すぎる。
あと16日くらい経ったら、今度はジャイアンの誕生日がやってきちゃうぞ。
しかも、今回のエピソードは誕生日を迎えた人間をあんまり祝ってない感じのお話ですし。
誕生月は明らかになってるけど誕生日まで明らかになっていないキャラの場合、
アニメスタッフさん側としては「5月のうちに誕生日スペシャルやったからセーフ!」と言い張れるので、放送スケジュールの融通的にはとても便利そうではある。
でも、5月が誕生月のキャラの誕生日スペシャルをやるのであれば、やっぱり5月の第一土曜日にやってあげるのが一番無難だと思いますよ・・・。
すぐに家から逃げ出してしまう愛犬・ペロに困っていたしずかちゃんへ、
相手の名前を呼んだだけですぐに自分の元へと呼び寄せることができる首輪『ヨンダラ首わ』をプレゼントしてあげたドラえもんとのび太くん。
これならペロが逃げ出しても大丈夫!と思いきや、
ひょんなことからジャイアンがペロがつけていた『ヨンダラ首わ』を自分のものにしてしまったことで、物語はおかしな方向へと向かって行く・・・。
原作では、何も知らずに通りがかったスネ夫が、
ペロがつけていた『ヨンダラ首わ』を強奪してしずかちゃんの誕生日プレゼントにしてしまうという、
倫理的にも衛生的にも人間的にも、かなり問題のある行動を起こしていたわけですが、
今回のアニメでは、何も知らずに通りがかったジャイアンが、
ペロの首から外れてしまった『ヨンダラ首わ』を一旦預かるつもりで自分のものにするといった、まあまあ許せる範囲での改変がおこなわれていました。
人のものかもしれないものを借りるのもちょっとアレな行為だけど、
これだったらジャイアン自身が被害を被るだけなので、「犬がつけてたものを女の子の誕生日プレゼントにしちゃう」よりかは何百倍もマシな行為ではある。
そして、自分の名前を呼ばれると体が引っ張られてしまう怪奇現象を不気味がったジャイアンが、
『ヨンダラ首わ』を強制的にスネ夫に押し付けたことにより、
結局は原作通りにしずかちゃんが『ヨンダラ首わ』で一番の被害を受けるかたちになってしまった。
『ヨンダラ首わ』をプレゼントしたスネ夫くんも
「ジャイアンから貰ったネックレスをしずかちゃんにプレゼントしてあげた」くらいの認識しかないだろうし、
今回のアニメに関してだけで言えば、彼の落ち度はまったく無くなってしまった。
第三者を経由させることで、相手の落ち度や展開の矛盾をナシにするやり方。
マネーロンダリングならぬ、プレゼントロンダリングというべきでしょうか。
あと、この改変によって、
普段はめったに見ることのできないレアキャラ・ジャイアンのパパの姿も見ることもできたので、そこもよかったと思います。
ジャイパパがアニメ本編であんなにしゃべってたの、一体いつぶりだろう。
この話の面白いところは、
のび太くんやスネ夫君たちがしずかちゃんを探そうと名前を呼びまくっているせいで、当の本人があちこち引っ張られてしまうところだと思いますし、
アニメでも、そこらへんのくだりを原作以上にたっぷりとやってくれたので、実によかったんじゃないかと。
初期ドラえもんのドタバタギャグ展開を楽しめる、実にいいシーンです。
ただ、あんまりにも、
その「しずかちゃんが引っ張られるくだり」を長くやっていたせいで、
途中から自分の中で「これ、エピソードの尺を伸ばそうとしてしずかちゃんの名前を呼びまくっているんじゃないか?」というネガティブな発想も浮かび上がってしまった。
『ヨンダラ首わ』の原作は7ページしかないので、
べつにエピソードの展開を引き延ばすのは別にかまわないんですが、なんかそういう変なことを思ってしまったというだけです。
どんなに面白いものだって、ほどほどにしておかないと、ウケるものもウケなくなっちゃうぞ。
でも、逆に言っちゃえば、
「しずかちゃんの名前を呼び続けるくだり」を無駄に重ねていけば、わずか7ページの原作から30分のアニメができてしまうかもしれない。
同じ展開の繰り返しでも、そこまで突き抜けちゃったら逆に面白くなっちゃいそうな予感もします。
よし、来週は前後編まとめて『ヨンダラ首わ』一本でいこう!(無謀)
最終的には、映画ドラえもんと同じ尺の120分ずっと「ヨンダラ首わ」だってできそうだけど、
さすがにそこまでやったら、しずかちゃんがズタボロになっちゃいそうなのでやめておくことにします。
のび太くん達だって、120分も叫び続けてたら声がカスカスになっちゃうだろうし。
そして物語のオチは、これまた原作どおりの「静かな湖畔」エンドだ!
しずかちゃんが音の発生源であるテレビに突進しつづけるわけでもなく、テレビの前をクルクルと回転し続けていた様はなんともシュールでした。
歌詞でオチがつくパターンは『空飛ぶうす手じゅうたん』の回を彷彿とさせますね。
それにしても、名前の「しずか」と、形容動詞の「静か」の区別もつかないのは、いくらなんでもひどいと思う。
『ヨンダラ首わ』も、ドラえもんの道具に数多く存在するポンコツ道具のひとつだったりするんだろうか?
『水曜日のダウンタウン』の「説」みたいに「歌詞に『しずか』が最も出てくる曲」を調べたくなってきたぞ。
あと、話のラストカットでバラエティ番組のアタック音みたいなSEを流して終わったのも、ちょっと気になりました。
情報番組だったら、パネルの「めくり紙」をめくった時に流れる音だ。デレデン!
この話から「しずかちゃんの家にいるペットはよく逃げ出しがち」というしずかちゃんあるあるを得たところで、1本目のお話は終わりです。
おばけ口目の怪事件(コミックス41巻収録)
2本目は2017年4月14日放送分の再放送。
一連の怪事件の犯人は『出ちょう口目』をこっそり使っていたのび太くんです。(ネタバレ)
このお話は、
今年話題になったTVドラマ『テセウスの船』ばりのミステリー回となっていたわけですが、
「犯人が誰なのか」を完全に認識した上で見てみると、
この事件の被害者であるスネ夫が語っている場に居合わせているのに
「事件をまったく知らないフリ」の演技をして、表情をなにひとつ変えていなかったのび太くんが恐ろしく感じる。
みんなの前では「へー、まるで人間のしわざじゃないみたい」と言いつつ、
実は心の中でほくそ笑んでいたんだろうか?
のび太くん、普段はのほほんとした性格に見えるけど、もしかしたらとんでもない男なのかもしれない。
それにしてもしずかちゃん達は、
自分の部屋にテーブルを用意せず、床にケーキを直置きしたまま食べようとしていたのはなんだったんだろう?
ただ単に、わざわざケーキのためだけにテーブルを持ってくるのが面倒くさかったとかだったりして。
潔癖症の人だったらかなり嫌がるタイプのケーキの食し方だ。
そんなものぐさをやっていたからこそ、「出ちょう口目(のび太)」にケーキを食べられたと言っても過言じゃないですね。(過言)
しかし、悪というのは必ず滅びるもので、
ジャイアン達に捕まった『出ちょう口目』はコショウ攻めを食らってしまい、
離れた場所にいるはずののび太くんも、涙と鼻水で顔をグチャグチャにしながらもだえ苦しむこととなってしまった。
これは『出ちょう口目』と持ち主(のび太くん)の感覚が繋がっているからこそできた、
新しいタイプのゴウモン(拷問)ということになるんですかね。
今の世の中にピッタリな、ソーシャルディスタンスを守ったうえでのリモート拷問だ!
でも、今回のゴウモンが「コショウ攻め」だけで終わって本当によかった。
『出ちょう口目』が受けたコショウの刺激がのび太くんにも伝わるってことは、
仮にジャイアンが「こんなもの、こわしてやる!」と叫んで『出ちょう口目』の眼球部分を踏み壊してしまった場合、
のび太くん側にも、自分の眼球が潰れるような痛みが伝わってきてしまう可能性がある。
想像しただけでも恐ろしい出来事だ!
まあ、未来の道具に限って、そんなことはたぶん無いとは思うけど、
もしそんなことになったら、確実に失禁もののトラウマができてしまうぞ。
『出ちょう口目』は『のろいのカメラ』と同等の道具だった・・・?
といったところで、今週のドラえもん感想はここまでです。
■次回予告■
次回の放送は6月6日。
「おそるべき正義ロープ」「むりやりアスレチックスクール」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(キャラクターグッズを作っちゃえ!&ジャイアンへのホットなレター[再])
次回の感想:ドラえもん感想(おそるべき正義ロープ&むりやりアスレチックスクール[再])