2022年12月3日放送分 ネタバレ注意!
メルヘンランド入場券(コミックス39巻収録)
今週の一本目は、ドラえもんとのび太くん達が22世紀のレジャー施設『メルヘンランド』に行くお話。
のび太くんの立場としては、しずかちゃんを誘って、ひそかにデート気分を味わおうとしてたのに、
運悪くジャイアンとスネ夫が付いてきてしまうアクシデントこそ起きてしまいましたが、それでも『メルヘンランド』は楽しそうな場所でございました。
このエピソードについては、メルヘンな世界感を味わえると同時に、
童話・昔話のストーリーから膨らませた発想を、さらにひとつの話にまとめられる、藤子・F・不二雄先生の巧みな構成力を楽しめるところが、個人的にお気に入りな回だったりします。
ドラえもんはタヌキ、のび太くんはカメ、しずかちゃんはウサギ等々・・・。
『メルヘンランド』は来場者全員が、それぞれのイメージに近い動物のすがたに変身し、虹の橋をわたって入場する。
ランド内には、ゾウさんやキリンさんなどの他の動物の姿もありましたが、あれも他の来場者が動物になっていたのでしょうか。
となると『メルヘンランド』で働く従業員たちも、毎日動物に変身していてもおかしくはないですわな。
各テーマの世界観に合う人を探すために、
『メルヘンランド』では、連日どこかで「ネズミに変身できそうな人オーディション」みたいな面接が行われているのかもしれません。
あのレジャー施設で働いてみたい人は、前歯を尖らせたり、チーズを食したりしてから面接会場に行ってみよう!
そもそも、ドラえもんの「タヌキ」や、のび太くんの「カメ」なら、大体の人物のイメージが想像できるけど、
メルヘンランドに「ゾウの姿」で入場できる人は、普段からどういうイメージで生きている人なのかがさっぱり想像がつかない。
ただ単に体がガッチリしている人とかなら、「ブタ」「クマ」あたりに変身しそうだよな。
やっぱり『ONE PIECE』のウソップばりに鼻がものすごく長い人なんだろうか?
ちなみに、ドラえもん達が『メルヘンランド』入場時に渡っていた「虹の橋」は、
ペットが亡くなってしまった際の表現である「虹の橋を渡る」という表現として使われることも多かったりする。
入場時の「虹の橋を渡る行為」が「死の世界へ行くこと」を暗喩していると考えたら、
『メルヘンランド』の存在は、また違った意味合いを持ってしまいそうだ。
話の本筋と全く関係のない、悪趣味な想像をするのはここまでにするとして、
『メルヘンランド』は来場者全員が楽しめる、童話の世界観を再現したアトラクションもたっぷり充実。
好きに川魚が捕れる場所、昔話「おむすびころりん」を模した食事処、
実際に食べることも出来るお菓子の家、天の川でスターフィッシュと一緒に泳げる「空中ランド」などなど・・・。
各アトラクションの内容を箇条書きにしただけでも、行ってみたくなること間違いなしな場所であることが伝わるかと。
とくに『おむすびころりん』を模した食事処「おむすびコロリン」は、
原作においては、背景にちょっとだけ描かれている場所に過ぎなかったのですが、
今回のアニメでは、そこそこ詳細に、この食事処の実態が描かれていました。
転がる「おにぎり」をタイミングよくキャッチすればいいのかと思っていたら、
まさか、おにぎりをワザと穴に落とすことでイベントが発生する飲食店だったとは思いませんでしたわ。
ラストは「(メルヘンランドに)恐ろしい魔女なんか登場させるとか」と妙にスネたことを言うのび太くんに対し、
ある意味で魔女よりも恐ろしい、のび太くんのママの一喝でエンディングだ!
魔女ならぬ、「マ女」があらわれたところで、このお話はおしまいです。
自家用衛星を打ち上げよう(コミックス17巻収録)
人工衛星が落下する様子をUFOだとカン違いして、みんなからバカにされてしまったのび太くん。
そこから、ドラえもんとの話の流れで『自家用衛星』を出してもらうのですが・・・。
ドラえもんの暮らす22世紀では、じつに何百万機もの人工衛星が飛んでいるとのことで、
宇宙空間における「人工衛星の混雑」を避ける目的から、衛星のミニサイズ化がはかられているらしい。
なので、今回ドラえもんが出してくれた『自家用衛星』の大きさが、未来の人工衛星の実物サイズとみていいんでしょうね。
ドラえもん達の世界とちがって、人工衛星のミニサイズ化がはかられていないような気がする現在だと、
その辺の「人工衛星の渋滞問題」については、一体どう対策しているんだろう?
『自家用衛星』の「偵察衛星」を打ち上げれば、
たとえ屋根があろうが、すべてを透視して、他人の家の中のようすも自由に監視することができる。
「偵察衛星」の機能性の良さは、たしかに素晴らしいけど、
未来の世界は『自家用衛星』さえあれば、誰でも好きに他人の家を覗き見できる世界なのかと思うと、なんだか恐ろしい。
できれば未来の世界では、屋根にアンチバリアが貼られているとかで、
「偵察衛星」ごときじゃ簡単に監視できないようなシステムになっていてほしい。
こんな自分の生活丸出し状態の日々を送らないといけないようなら、おちおち未来の世界に移住することもできないぞ。
物語の後半では、ジャイアン達を攻撃するためにのび太くんが使おうとしていた「カクカク発射衛星」が、本物の人工衛星にひっかかって機能しなくなり、
一転して大ピンチに陥ってしまう、アニメオリジナル展開も発生。
これまた今回のアニメオリジナル道具として登場した「軌道上サービス衛星」は、
のび太くんがジャイアンとスネ夫に捕まってしまう前に「カクカク発射衛星」を救い出すことができるのか?
「カクカク発射衛星」は、原作だと『カクミサイル発射衛星』という、
今のご時世的にちょっとアブなさそうなネーミングだったゆえに、今回のアニメでは名前が変わっていた。
「カクカクと角ばったプラスチックをぶつけるだけ」の衛星なので、装置自体にはなんら問題はないのですが、
近ごろも物騒なニュースがあったばかりなので、今回の名前変更は正しかったといえましょう。
もしも、この衛星の名前が『カクミサイル発射衛星』のままだったら、
このエピソードも「まあまあ棒」の時みたいに放送延期になっていたかもしれません。
実に危ないところだった・・・。
まあ、こんな騒動が起きてしまった、そもそもの発端は、
のび太くんがジャイアン達にカクカクのプラスチックをぶつけようとしたからである。
初めからのび太くんが煽り行為をしなければ、「軌道上サービス衛星」を出動させるような事態にもならなかった。
例えイタズラであろうが、それ以上のスケールの行為であろうが、他人が嫌だと思うようなことは絶対にしないようにしましょう。
他人が嫌がるようなことをし続けている人は、そのうち大きなバチが当たるぞ!
その証拠に、のび太くんも今回のお話の最後に、
スネ夫たちから自分の言うことをまったく真に受けてもらえず、思わぬ赤っ恥をかいてしまっていた。
『自家用衛星』を使う時は、なるべく個人の楽しみの範疇で使うことをおススメします。
というわけで、2本目の感想はここまで。
完全しゅうせいき(カラー作品集ドラえもん第4巻収録)
今週の「ドラドラMiniシアター」は、なんでも修正してくれる『完全しゅうせいき』のお話。
これを使えば、どんなへたくそな似顔絵だって美男・美女の絵に完全修正だ!
『完全しゅうせいき』が直してくれた似顔絵については、
「あまりに美化しすぎているのではないか?」との指摘もありましたが、
『まんが道』の才野茂も「欠点を誇張せず、長所を生かす」のが似顔絵のコツだと言っていたので、まあこれでいいのでしょう。
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
今年も、2022年12月31日(土)午後4時30分から「ドラえもん大みそかスペシャル」が放映されることが明らかになりました。
視聴者プレゼントもあったりするそうなので、番組の詳細については公式サイトにて。
■次回予告■
次回の放送は12月10日。
「リフトストック」「バトンタッチでおまかせ!自動返送荷札」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(もどれウマタケ&まあまあ棒&デカチンキ)
次回の感想:ドラえもん感想(リフトストック&バトンタッチでおまかせ!自動返送荷札&マリオネッター)