10月28日発売、ヤングジャンプ第48号掲載『イビルヒーローズ』第20話の感想です。
ネタバレもありますので、未見の方は注意してください。
シュウジが提案した、
「防護シャッターを開けて、自分の姿が衆目に晒されてしまえば、さすがに英雄として人質を解放せざるを得ないだろう作戦」に反抗し、
学園外のマスコミや野次馬もろとも、すべてを焼き尽くそうとするグラファイト・アーム。
グラファイトを倒すため、そして、学園外にいる民衆を救うために、
我らが主人公・ヒデオくんは、人質となった妹・ゆつきに危害を加えない程度の、ちょうどいい威力の光線を出すことを強いられていた。
しかし、練習なしのぶっつけ本番のため、
ヒデオくんも「ちょうどいい威力の光線を出す自信」はまったくと言っていいほど無い。
光線の威力を少しでも誤れば、
妹・ゆつきの命も含めて、すべてが終わってしまう。
そんな、未知のプレッシャーに苦しむヒデオくんの様子を見ていたシュウジは、
「お前に背負いきれない罪を 押し付けるとこだった・・・」と謝罪。
自らが提案した「防護シャッター作戦」を、自らの手で中止にするのでありました。
成功するかわからない大博打を打つよりも、安全策を取る。
自身の失敗を素直に認め、すぐに引き返す勇気を持ったシュウジくんは素晴らしい。
でも、前回ラストのあの雰囲気は完全に、
「次の週でうまいこと光線を出せてグラファイトを倒せた!よっしゃあ!完!」の流れだと思っていたので、個人的になかなかの残尿感が残ってしまった。
騒動と無関係の人たちを巻き込まないよう、安全策を取るのもいいですが、
そこは、漫画の主人公らしくビシッと一発で光線を決めて、グラファイトをやっつけてほしかったという気持ちもある。
この漫画は「どうせフィクションだから」と、ご都合主義な展開を選ばず、
その場のリアリティを、大切に描いていくタイプの作品なのかもしれません。
シュウジくんの作戦が中止となったことで、
戦いの流れは完全にグラファイト・アームのものになりかけていましたが、
ここで、つい先ほどまで戦闘不能状態だったエメラルド・ソニックの攻撃によって、
ゆつきちゃんをグラファイトの手から救い出すことが出来たのは、まさに起死回生の一撃だったといえましょう。
自分の正体や姿形がどうあろうと、
「英雄(ヒーロー)」であることには変わりないと気づけたソニックの姿は、最高にカッコよかったぞ!
そして、彼の勇気ある行動を見たヒデオくんも、
ようやくエメラルド・ソニックが「本物の英雄」であると知り、「ソニックはグラファイトと同類の人間」という誤解を解いてくれたようです。
ほんと、いくらなんでも、
ヒデオくんに「ソニックはグラファイトと同じレベルの英雄」と思われたままだったら、死んでも死にきれないですからね。
ソニックがそんな未練を残したままだったら、死後もオバケになって、ヒデオの夢枕に立ってしまいそうだ。
エメラルド・ソニックのおかげで、グラファイトをやっつける準備は完全に整った。
ここまできたら、もうやる事はひとつのみです。
今度こそ、ヒデオくんはグラファイトを倒すことができるのか!?
長く続いた戦いも、いよいよクライマックスだ!
なお、来週の『イビルヒーローズ』は休載になるため、
グラファイトとの戦いに決着をつけるのは、早くても再来週になりそうです。
2週間後の連載再開とともに、ヒデオくんが完全勝利を収めてくれることを祈ろう!