2021年10月2日放送分 ネタバレ注意!
上げ下げくり(コミックス43巻収録)
「今日提出の宿題が出来ていないから」と学校に行くのを嫌がるのび太くんに対し、
「じゃあ、あと一日あったらやるんだね?」と、予定を自由に繰り上げたり繰り下げることのできる道具『上げ下げくり』を出してくれたドラえもん。
道具の効果で宿題提出が1日繰り下げになったことにより、
のび太くんは今日こそちゃんと宿題をやるのかと思いきや、やっぱり宿題をやらずに遊びに行ってしまう。
「同じ予定は二度と動かせないんだぞ」と意地悪く語るドラえもんですが、そんなのび太くんが取った行動とは・・・?
というわけで、10月最初の『ドラえもん』は『上げ下げくり』のお話からスタート。
劇中では、1カ月早いスネ夫のハロウィンネタもありましたし、
今回このお話がアニメ化されたのも、秋っぽいエピソードをやりたかったからなのかもしれません。
たしかに、「秋の食べもの」をモチーフにした原作ひみつ道具は『上げ下げくり』くらいしか思いつかない。
アニメオリジナルでは、1年くらい前に「梨」をモチーフにした道具が出てきていましたが、
「秋刀魚」や「ぶどう」がモチーフのひみつ道具は、(たぶん)無いですもんね。
今回のアニメ化によって、
『上げ下げくり』が「秋の味覚系ひみつ道具の座」を独占していることが、完全にわかってしまいました。
まあ、別にわかったところで、どうってこともないですが・・・。
因果律操作系の道具である『上げ下げくり』は、
どうあがこうと、一回繰り下げ(繰り上げ)たものから逃れることは絶対にできないらしい。
のび太くんも「犬に足をかまれる」「野球ボールの直撃」から逃れるため、
しずかちゃんの部屋に潜伏してやり過ごそうとしていましたが、
「しずかちゃんのベッドの中に犬が潜んでいた」
「しずかちゃんのママが持っていたボールがのび太くんの顔面に直撃する」
といった、現実ではまずありえない展開の数々によって、
のび太くんはキッチリと「予定を繰り下げた効果」を味わっていた。
まるで、過去改変によって「絶望的な未来」から逃れられなくなる、
『STEINS;GATE(シュタインズ・ゲート)』のオカリンを見ているような気持ちになってしまいました。
そもそも、「漫画界屈指のお風呂好き」で知られるしずかちゃんが、
自分が普段使っているベッドの布団の中に「犬」を潜らせていたのは、かなりの不自然さがある。
そんなにキレイ好きでもない自分ですら、
自分の布団のなかに犬を入れるのは抵抗を感じてしまう(※フトンが犬クサくなりそう)ので、やっぱりあの時のしずかちゃんの行動はおかしい。
『上げ下げくり』の因果律操作は、人間の思考や本能を歪ませてしまうほどの効果があるのかもしれません。
どうせなら、絶対に野球ボールが飛んでこない、犬もやってこない、
金庫室みたいな場所に籠ってみるケースも実行して、『上げ下げくり』の効果をもっと検証してもらいたかった。
仮に『上げ下げくり』の運命から逃れなかったとしても、
「無の空間からボールが飛んでくる」などの、想像しただけでも面白そうな光景が発生していたんだろうか?
「ジャイアンに殴られるのを15分繰り下げ」と指定した後に、
ジャイアンを何らかの手段を使って○したとしても、きっちり15分後にジャイアンが死体から蘇ってきちゃったりして。
はたして、『上げ下げくり』は死の概念をも超越してしまうのか?
『上げ下げくり』のまだ見ぬ可能性を想像すると、無限の可能性が広がってしょうがない!
そして、原作ファンとしては、
劇中で2コマほどしか描かれていなかった『宇宙戦士ジュゲム』が、今回がっつりアニメ化されていたのも嬉しかったです。
ちょっと昔っぽいSF描写に、ちょっと昔っぽいビジュアルなキャラクターたち。
エンディングアニメの演出が「主人公とヒロインが走るだけ」だったのにも、80年代アニメっぽさが出ていましたね。
あいつ、靴から炎を出して、空を飛ぶことができたのか・・・。
とにかく、今回のアニメでは『宇宙戦士ジュゲム』ではない、
別の作品に変わっている可能性もあると思っていたので、これは良いサプライズでした。
のび太くんは、『宇宙戦士ジュゲム』の気になる展開の続き見たさに、
「続きを1週間繰り上げ」を乱発しようとしていましたが、それは普通に損するだけだからやめた方がいいぞ。
ドラえもんが言っていたように「先の楽しみがなくなる」し、
のび太くんの場合だと、歯止めが利かなくなってしまい、けっきょく最終回まで見てしまう可能性もありうる。
週刊連載のマンガやアニメは、「1週間待った上だからこそ楽しい」ってのもあるんですよ。
そんなわけで、「今日やらないといけない宿題」をまったくやらずに一日を終えてしまったのび太くん。
これでドラえもんの思惑通りになる・・・と思いきや、
のび太くんは「明日がくるのを1日繰り下げ」と指定をおこない、宿題の提出日をさらに1日繰り下げることに成功。
そのまま物語は「これでいいのかなあ・・・」と悩むドラえもんとともに画面が暗転していき、
本日の一本目は、なんだかヌルっとした感じで終わっていくのでした。
ううむ。これなら「同じ予定は二度と動かせないルール」にも当たらないし、
今回は完全にのび太くんの頭脳プレーが光ったカタチだ。
べつに本人は思いつきで言っただけかもしれないし、本当に知略を巡らせていたかどうかは定かではありませんが。
そして、のび太くんのことだから、
その後もいろいろと言い方を変え、何やかんやで1週間くらい宿題の提出日を伸ばしていそうだ。
でも、どんなに提出日を延期しても、けっきょく宿題は最後までやらずにいたので、
学校の先生にこってりしぼられてしまうオチも控えていそうです。
自分ものび太くんと同じタイプの人間なのでわかりますが、
どんなに〆切を伸ばされても、やりたくないものは本当にやれないんですよね・・・・。
というわけで、今週の一本目の感想はここまで。
●ドラドラニュース●
今週も2本目の前に、来週からはじまる「秋のやってみようスペシャル」の宣伝が。
そして、今後の放送ラインアップのほかに、
以前より告知されている「ジャイアンリサイタル」の内容の一部も明かされました。
ジャイアンリサイタルに応募した子供たちは、
どうやら「松」「竹」「梅」「シークレット」の、いずれかの席に座らないといけないらしい。
序列的に「松」の人が最前列に座らされるわけですが、
原作を順守するなら「梅」の人が最前列に座るシステムにしてもらいたかった。
でも、ジャイアンの歌が聞こえない最後列の「梅」が、ある意味一番いい席だったりするのかも。
貸し切りチップ(コミックス36巻収録)
2本目は、くっつけるだけで何でも貸し切りにすることができる『貸し切りチップ』で、
のび太くんが様々なものを「貸し切り」にしていくお話です。
世の中のもののすべては、のび太のもの!
『貸し切りチップ』は、モノや施設など、種類を問わずに貸し切りにできるのもステキですが、
「お金がまったくかからない」という点においても、だいぶ魅力的な道具である。
仮に、お寿司屋さんや高級焼肉店を貸し切りにしたら、きっと好きなだけ美味しいものが食べられたりするんでしょうね。
ミイちゃんとのデートのために、魚屋を貸し切りにしたドラえもんは、
生け簀で泳ぐ魚たちを見て「水族館に来ているみたいだね」と言っていた。
「じゃあ魚屋じゃなく、はじめから水族館を貸し切りにすればよかったのでは?」と思ったりもしたのですが、
ドラえもんの考えとしては、
店主から提供される「新鮮なお魚」をミイちゃんにプレゼントするために、あえて魚屋を貸し切りにしたのかもしれません。
ネコどころか人間だって、目の前で海鮮を提供されたら、テンションあがりますからね。
「相手を喜ばせること」を第一に考えるドラえもんは、やはりデートのコツをわかっている!
超人気アイドル・伊藤つばさちゃんは、
のび太くんの近所の公園で『トラクターX』なるドラマを撮影しているようだった。
このドラマの元ネタは、『ドクターX』と『グロイザーX』の、どっちだ?
「X」のエンブレムが似合う特殊なトラクターを操縦して、自分たちの学園を守るといった感じの作品のようですが、
彼女のセリフを聞く限りだと、ものすごくイロモノのドラマな気がしてならない。
そもそも、公園でトラクターを乗り回したら、
撮影後に公園の地面がボコボコに荒れてしまいそうだけど、大丈夫なんだろうか?
でも、つばさちゃんがトラクターを華麗に乗りこなして悪党をぶっ飛ばすドラマは、
普通にどういうものか興味があるので、見れるのであればちょっと見てみたい。
よく考えたら、人気女優であるつばさちゃんが、
トラクターの運転を『ミッション:インポッシブル』のトム・クルーズばりにノースタントでやっているのもスゴイぞ。
もしかすると、このドラマがつばさちゃんの役者人生の大きな転機になったりして。
今回放送された『貸し切りチップ』の回は、
原作のなかで唯一となる「出木杉くんのパパが登場するお話」としても、有名である。
アニメスタッフ側もそれを意識してか、出木杉パパのセリフも原作よりだいぶ多くなっていたのも嬉しい。
「出木杉くんのパパが登場するのは『貸し切りチップ』の回」で、
「出木杉くんのママが登場するのは『時限バカ弾』の回」という知識を覚えておくと、いつか何かの役に立つかもしれませんよ。
逆に覚えたところで、一度も役に立たないまま人生が終わる可能性もありますが。
話によると、しずかちゃんが見たがっていた映画『スタージョーズ』は、
出木杉くんの家の「配信」でも、見ることのできる映画らしい。
自分は、最近の映画事情にまったく詳しくないので、
映画館で絶賛上映中の映画が、なんらかの「配信」で見ることができるということに、かなりの疑問を残していますが、
原作でも、『スタージョーズ』は現在映画館で絶賛上映中なのに、
出木杉くんは既に『スタージョーズ』のビデオを持っているという珍現象が起きていたので、そこはあまり気にしない方がよさそうです。
その映画館が過去の名作をリバイバル上映していたとか、そういうことなのかも。
肝心の、映画『スタージョーズ』のほうは、
「その上映回をぐうぜん誰も見にいっていなかったので、実質貸し切り状態になった」という流れに。
原作と同様に『ドジ田ドジ郎の幸運』と同じカテゴリーのオチとなっておりましたが、
のび太くんが次の上映回のためにやって来たお客さんたちに踏み潰されてしまうという、体を張ったプレイを行ってくれたことで、無事にオチた感じとなりました。
いくら見たい映画があるからといっても、キケンだから映画館で走るのはやめよう!
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
2本目のお話の中で、テロップによる告知がありましたが、
来週10月9日(土曜日)から、YouTubeで「スペシャル動画」の特別公開が始まるそうです。
スペシャル動画の詳しい情報や配信日時については、公式サイトを見てください。(丸投げ)
普段は見られない、空き地の様子を「のぞき見」できるらしいぞ!
■次回予告■
次回の放送は10月9日。
「町内突破大作戦」「コーディネートはスネカパで」をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(ニクメナイン&スネ夫は理想のお兄さん)
次回の感想:ドラえもん感想(町内突破大作戦&コーディネートはスネカパで)