2021年9月25日放送分 ネタバレ注意!
ニクメナイン(コミックス8巻収録)
今週の一本目は、何をやってもにくまれない人になれる薬、
『ニクメナイン』を飲んで調子に乗ったのび太くんが最終的に破滅してしまうお話です。
このお話の内容を要約したら、たった2行で終わってしまった。
でも、これほどシンプルな構造のお話なのにしっかりと面白いんだから、やっぱり『ドラえもん』はスゴい!
頭の上で手のひらをあわせて謝罪のポーズをつくり、
人懐っこい笑顔で「ごめ~~ん、かんべんしてよ~、このと~り~~」と言っていただけで、ジャイアンの怒りをしずめていた「友人」を見ていると、
「人に好かれる技術」というのは、やっぱり生まれ持った才能なんだなあと感じます。
彼の声が、くまいもとこさんの声なことも幸いしているのか?
その後ののび太くんじゃないけど、
もしも自分が、怒ったジャイアンの前で「も~、スマイルスマイル~」とヘラヘラしてみたり、ジャイアンのことを「タケちん」呼ばわりしたら、
比喩的表現ではなく、本当にばらばらにされてしまいそうです。
そして、ああいうタイプの人って、社会に出ても意外とうまくやっていけちゃうんですよね。
要領がいいというか、なんというか。
人生をイージーに生きる人を目の当たりにすると、ちょっとうらめしい気持ちになってしまいますが、
この「友人」の唯一のウィークポイントとして、
のび太くんやスネ夫くんと違って、彼には役名がついていないという弱みがある。(※エンドクレジット確認済)
「友人」のように、人からにくまれない存在になれるけど、
原作では1回限りどころか、お話の後半にすら出てこなくなってしまうほどの名無しモブキャラとして生きるか。
それとも、のび太くんのように損な生き方になるけど、日本中から好まれるキャラになるか。
みなさんは、どちらのキャラになりたいですか?
自分は前者がいいです。
『ニクメナイン』を飲めば、
他人を池に蹴り落としたり、顔に落書きする程度のイタズラは笑って許してもらえるようになるらしい。
これって、本当にどんなことをしても憎まれなくなるんでしょうかね。
さすがに目の前で人を○しちゃうとかはNGだと思うけど、それすらも許されそうだからおそろしい。
もしも22世紀の世界にYouTubeがあったら、
「『ニクメナイン』でどこまで許されるかやってみた!」みたいな動画をあげちゃう迷惑系ユーチューバーが現れるかもしれませんね。
「動画が炎上しても『ニクメナイン』を飲めば憎まれないぞ!」と思っていたのに、
ネットユーザーは配信者と顔を合わせることがないので、けっきょく皆から憎まれてしまう・・・みたいなオチの小噺SSを書いてみたいです。
もしくは、ネタを提供する代わりに誰か自分のかわりに書いてくれ。
でも、あんまりイタズラをしたところで、
『悪魔のパスポート』の回ののび太くんみたいに、最終的には良心の呵責に耐え切れなくなってしまいそうだ。
今回の『ニクメナイン』はドタバタギャグ強めの展開で終わりましたが、
物語の描きかたを変えれば、『悪魔のパスポート』や『チョーダイハンド』のような、いい話エンドも展開できそうです。
ジャイアンはヤカンにおたまじゃくしを入れていたところ、
何も知らない母ちゃんに、そのおたまじゃくし入りの水を飲まれてしまったことを恐れていた。
『のび太の恐竜』のスケールめちゃくちゃ小っちゃい版の出来事みたいで、なんだかおもしろいぞ。恐竜ごろし!
でも、人の顔に落書きしても怒られないんだから、
人におたまじゃくし水を飲ませたとしても、たぶん怒られないんでしょうなあ。
『ニクメナイン』で、完全に味をしめたのび太くんであったが、
うっかり、誰からも嫌われる薬『ムシスカン』を飲んでしまい、けっきょく八方ふさがりになってしまった。
近くにいる人どころか、ただ街を歩いているだけで、
家の中にいる人まで不快な感情にさせてしまう「ふゆかい放射能」の効果は、本当にバツグンである。
(※wikipediaによれば、『ムシスカン』を飲むとそういう放射能が出る体になってしまうそうです。)
動物や赤ちゃん、原作には無かったドラえもんにまで嫌われてしまうのはまだわかるけど、
『ニクメナイン』を飲むと、水たまりに映った自分の顔を見て、自分のことまで嫌いになってしまうんだから大したもんである。
今回のアニメでもそういう展開はありませんでしたが、
もしも『ニクメナイン』を飲んだ状態で、前述の「友人」に会いに行ったら、どんなリアクションをしてくれるのかが気になってしょうがない。
くまいもとこさんの声のキャラから、
「テメエ!」「近づいてくんじゃねえよ!」とか言われたら、ものすごく傷ついてしまいそうだ。
『ムシスカン』『うら七夕ロケット』『びんぼう紙』などの、デメリットしかない道具。
ドラえもんも、何故こんな道具を持っているのか理由は定かではありませんが、
自分の考えとしては、これらの道具はすべて「嫌いな相手に使わせる用の道具」だと解釈しています。
この仮説があっていた場合、ドラえもんがものすごく意地の悪いやつになってしまう問題も出てくるけど、そこは完全無視をするとして。
みなさんはこの道具たちについて、どうお考えでしょうか?
そういえば、初期のわさドラでは、
錠剤系の道具はドリンク系のものになったり、すべて違うものに置き換えられていた思い出がある。
あの縛りって、一体いつから無くなったんでしょうかね。(例:ギシンアンコ)
というわけで、一本目の感想はここまで。
●ドラドラニュース●
2本目がはじまる前に、10月からはじまるスペシャル企画の宣伝VTRが流れました。
でもこれ、前にも見たやつですね・・・。
先週みたいに「ドラえもん・えかきうた」を流していてもよかったのでは。
スネ夫は理想のお兄さん(コミックス40巻収録)
『ドラえもん』マイナーキャラ界のメジャーキャラであり、
ニューヨークのおじさんに養子として貰われたことでお馴染みなスネ夫の弟・スネツグが、アニメに登場だ!
わさドラに登場するのも2006年の出演以来約15年ぶりという、かなりのロングスパンっぷりである。
いや、本当に久しぶりの登場すぎたので、
お話がはじまって早々、スネツグの声の高さにたまげてしまった。
なんか英語の教材ビデオみたいな喋り方してるし、声もこんなだったっけ?
でも、声優さん(CV:甲斐田ゆき)自体は変わっていないので、自分が忘れているだけですね。たぶん。
あとこれは、前から思っている事なんですが、
自分の次男の名前として「スネツグ」を選んだ骨川パパママのネーミングセンス、なんかすごくないですか?
ふつう、「スネ夫」に続けて名前をつけるとするなら、
「スネ彦」とか「スネ平」あたりに落ち着きそうなのに、あえて「スネツグ」と命名するところにセンスを感じる。
名前に「~ツグ」ってつく人、自分の中では「スネツグ」以外だと徳川家継と直江兼続くらいしか思いつかないですもん。
いわゆるキラキラネームでもなく、それでいてオリジナリティもあるところはかなり評価できるポイントです。
スネ夫のパパママ、もしかして歴史マニアだったりするのか?
閑話休題。スネツグに「理想のお兄さん」だと尊敬してもらいたいあまり、
「成績は学校で一番」「女の子にモテモテ」と、手紙にウソばかり書いてしまっていたスネ夫くん。
久しぶりの兄弟再会なのにあまり嬉しそうじゃなかったのも、どうやらそのせいらしい。
あえて一般論を語るなら、ウソをついていたことをスネツグに白状し、
そこから改めて「理想のお兄ちゃん」のイメージを築き上げていくのが正しいと思うのですが、
ドラえもん達はスネツグくんのお兄ちゃん大好きっぷりを見て、真実を打ち明けるのは可哀そうだと判断。
その代わりに『イメージライトキャップ』をスネツグにかぶせることで、スネ夫のイメージを守ってあげる道を選ぶのでした。
スネツグに「お兄ちゃんはウソをついている」と言ってあげない優しさ。
サンタクロースを信じている子供に対して、あえて本当のことを言わない優しさと同じようなものでしょうか。
インターネットやSNSをやっていると、嫌でも目に入ってくる、
芸能人の「じつはこの人、こんなことやってました」系のスキャンダルを見て落ち込んでしまうことの多い自分としては、なんとなくわかる気がします。
べつに好きでも嫌いでもない芸能人だったとしても、
せめてイメージの中だけでは、そのままでいてほしいんですよね・・・。
「単なる問題の先延ばし」と言われたらそれまでですが、
スネツグに真実を打ち明けるのは、もうちょっとだけ遅くても問題はないと思います。
同じく「手紙でウソをついていた」といえば、
虹谷ユメ子名義で文通をして、純朴男子学生をずっとダマし続けていた人もいるわけですし。
スネ夫くんも視聴者から文句を言われたら、そのことを引き合いに出して、自分のやったことを正当化する手もあるぞ。
自分のイメージがそのまま現実にも反映される『イメージライトキャップ』のおかげで、
スネツグくんの中の「スネ夫のイメージ」は無事に守られたのですが、何も知らないスネ夫くん自身がかなりうぬぼれていたのは、正直どうかとおもう。
あんなにも女の子にモテていたのは、自分のおかげではなく、ほぼ100%スネツグくんのおかげである。
そして、オチのホームパーティのくだりでも、自分をカッコよく見せたいがために、
このままニューヨークに帰らず、一生日本にいることをスネツグに提案していたスネ夫くんなのでありました。
この男、まったく反省しとらんッ!
でも、そんな言動をしちゃうのも、スネ夫らしいっちゃスネ夫らしいと言えますね。
それにしても「自分がスネ夫に謝ったことに腹が立ったから」という理由でスネ夫を殴っていたジャイアンは恐ろしい。
それは自分がみずからやったことなんだから、
相手に怒りをぶつけるのではなく、自分の中で処理すべき問題だったのでは?
スネツグのシャツの星マーク、やっぱりアメリカオバケを意識してるのかな #doraemon
— koukousei(美山田精一)@スパムじゃないよ (@koukousei) 2021年9月25日
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
■次回予告■
次回の放送は10月2日。
「上げ下げくり」「貸し切りチップ」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(月の光と秋の虫&ツモリガン)
次回の感想:ドラえもん感想(上げ下げくり&貸し切りチップ)