※この記事には『映画ドラえもん のび太の新恐竜』のネタバレが多数含まれています。
本編鑑賞後にこの記事を読むことをお薦めします。
8月7日(金曜日)に『映画ドラえもん のび太の新恐竜』を見に行ってきました。
というわけで、映画を見た感想を今から思いついたままにぐだぐだと書いていこうと思います。
あくまでこの記事は「自分が今回の映画を見て思ったこと」をただひたすら垂れ流していくだけなので、
ちゃんと内容のある『のび太の新恐竜』の感想が見たい人は、他の映画感想ブログを見ていただければと。
文章の読みやすさとかも、あまり気にしないで書いていきます。
そして、ここから先の文章は「映画を見た人向け」に書いていくので、
映画未見の人はわかりづらい部分もあるかと思いますが、そこはご了承ください。
『のび太の宝島』につづいてこれで2作目となるわけですが、
今回の映画を見た感想としては、「とりあえず『のび太の宝島』より良かった」という印象でした。
あと、昨年7月の記事で映画タイトルとの関連性を指摘していたドゥーガル・ディクソンの『新恐竜』は映画と全く関係なかったです。
なんだったんだ、あの予想は。
『のび太の宝島』が好きな人はもちろん見に行ってほしいですし、
「映画ドラえもんは好きだけど『のび太の宝島』はちょっと苦手・・・」な人も、「宝島よりはいいぞ」という意見で何とか見にいっていただければ、と。
今回の映画も『のび太の宝島』でも見られた、
「オープニングなしでそのまま本編に行く」「過去のドラえもん作品のオマージュを入れる」「既存のひみつ道具があまり活躍しない」「相手に危害を加えるときのシーンが無音になる」などといった、
ドラえもんファン的にはちょっと気になる要素の詰まった作品になっていましたが、
逆に言っちゃえば、
川村さんと今井さんのドラえもん映画はだいたいそんな感じの内容になるということがわかれば、事前の心構えもできるというもの。
『のび太の宝島』『新恐竜』である程度のクセもわかったので、
次回作以降はかなりフラットな感覚で川村・今井コンビのドラえもん映画に向き合えるとおもいます。
再来年以降やってくるかもしれない、川村・今井コンビの3作目に向けて身構えていきましょう。
というわけで、今回も映画のオープニング自体はありませんでしたが、
そのかわり、今年はオープニングの代わりとして生物の進化を描いたCGアニメーションが流れていました。
このCGアニメ。
映画館の大スクリーンで見るとけっこう迫力があってよかったので、これを見るためだけにお近くのシネコンに足を運ぶのもアリかと思います。
とくに今回のようなドラえもん映画のOPは地上波初放映のときにバッサリカットされることがたいへん多いので、
興味のある方はやっぱり今のうちに、映画館へ見に行ったほうが最善なんじゃないかと。
そもそも、今井監督と川村さんのドラえもん映画は、なんでオープニングを入れないんだろうか?
誰が決めたのか知らないけど、2作連続でOPが無いのはどう見ても作為を感じる。
「オープニングをカットしてまで本編を詰め込みたい」とかの理由があるのかもしれないけど、やっぱり個人的にはドラえもん映画にオープニングは入れてほしい。
そして、誰かが今年の映画でオープニングをつかわなかったせいで、
『映画のOPで見る星野源の「ドラえもん」』が1年先送りになってしまったのもつらい。
あのポップな曲調がドラえもん映画にあうのかどうかが気になっていたので、これはちょっと残念でした。
今年の映画はゲストキャラとして、双子の恐竜・キューとミューが出てきますが、
どちらかといえば、のび太くん似の恐竜・キューの出番のほうが多かったことで、もう一匹の恐竜・ミューの存在感が薄くなってしまったように感じる。
今年の映画ドラえもんでも、出木杉君の出番は3秒くらいしかなかったところを見るに、
キューにくらべてミューは優等生タイプなので、出木杉くんのような優等生キャラを映画で活躍させるのはちょっと難しかったのかもしれない。
「万能キャラよりもちょっと抜けてるキャラが主役のほうが物語をつくりやすい」というのは、漫画でも映画でも一緒なんですかね。
今回の映画は「キューとのび太くんの成長を描いた作品」でもあったので、
ミューの見せ場を盛り込むのがよけい難しかったのかもしれません。
そういえば、『宇宙完全大百科』にも載ってなかった種族であるキューとミューが、
タイムパトロールのもつチェックカードでは、ちゃんと「この恐竜は未来を変える存在だよ!」と反応を示したのはなんだったんだろう。
ある日のジャイアンズvsチラノルズの試合結果ですら掲載されている『宇宙完全大百科』にすら情報が掲載されていないなら、
あのチェックカードが反応を示さなくても、おかしくなさそうなのになあ。
映画を見ながら、のび太くんの差し出したご飯を食べないキューにイラつく場面もあったりしたのですが、
途中で「恐竜を育てることは子育てといっしょだ」ということに気づいてしまい、途端に自分が子育てをちゃんとできる人間なのかどうかが不安になってしまいました。
赤ちゃんだって食べ物を素直に食べないし、夜中に体調を崩したりもする。
『のび太の新恐竜』を見たことで、自分をこれまで育ててくれたお母さんに対して、あらためて感謝の想いがわいてきたのでした。
今年の映画ドラえもんは、親への感謝を伝えたくなる映画でもありました。
映画の中盤では「のび太の新恐竜」へのリスペクトなのか、ピー助も登場する。
個人的に、過去の既存キャラをオリジナル脚本の映画に出すのはちょっとアレに思ったりもするんですが、
まあギリギリ許せる範囲の登場のしかたでよかったです。
出来ることなら「あの首長竜はピー助本人じゃないですよ」みたいな扱いにしてほしかったけど、
エンドロールの出演者クレジットであの首長竜をピー助本人と確定させてしまったのは、ちょっとモヤモヤする。
そこは最後までボヤかしておいたほうがいいんじゃないかなあ。
ピー助と別れたのも白亜紀の日本だから、いちおう場所的に矛盾はないわけですが、うーむ。
映画『のび太と竜の騎士』でも、恐竜人たちが白亜紀に行っていた*1ので、
もしかしたら『のび太の新恐竜』の世界のどっかに、大遠征でやってきた恐竜人たちもいたのかもしれない。
おそらくあの時にタイムパトロールが来なかったのは、
よその場所でキューとミューのことに対して頭がいっぱいになっていたからなんでしょうかね。多分ちがうと思うけど。
そしてタイムパトロールといえば、今回の映画のゲストキャラ・ジルとナタリーである。
未来の世界の恐竜大好きおじさん・ジルさんと、
のび太くん達のために時間を何度も待ってくれたいい人・ナタリーさん。
これまでの映画におけるタイムパトロールのみなさんはだいたい没個性化していましたが、
ジルとナタリーのように、ここまでキャラの濃いTP隊員は非常にめずらしい。
今年の映画のパンフレットにて、
川村元気さんは「『のび太の新恐竜』ではダイバーシティ(多様性)を意識した」といったような事を語っていた。
ダイバーシティを意識した作品であるのなら、TP隊員のみなさんの個性が存分に出てくるのは必然なのかもしれない。
もしかしたら、2作目以降に登場するTP隊員もキャラの濃い人たちがいっぱい出てきたりして。
やっぱりキャラが濃くておもしろい人がたくさん出てくると、映画も楽しくなりますからね。
そういえば、ここ最近のドラえもん映画では、
ほとんど毎年「のび太くん達が人類の危機を救うパターンの内容」が続いていたのですが、
今回の様に「のび太くんが(結果的に)人類を滅ぼそうとしていた回」は、これがはじめてかもしれない。
タイムパトロールといい、人類のくだりといい、
今年のドラえもん映画は意外と変革的な作品だったのかもしれません。
『のび太の新恐竜』は、最先端のCGで動きまくる恐竜たちの姿も映画の見どころのひとつである。
リアルすぎて逆にキモく感じるくらいの恐竜CGについても、やっぱり映画館の大スクリーンで見てみたほうがいいと思います。
『STAND BY ME ドラえもん 2』のCGで描かれたドラえもん達と、このCGの恐竜たちを合成させてみたい。
なお、ゴルやトップなど、
のび太くん達と深く関わりはじめた恐竜たちは途中から何の脈絡もなく普通のアニメーションで描かれだしたので、
そのCGで恐竜が描かれていた時のギャップの違いに、思わずふいてしまった。
でも、「キーキャラクターの恐竜はちゃんとしたアニメで描くけど、モブ恐竜はCGで描かれる」という認識で映画を見始めたら、なんだか面白かったです。
CGで描かれている恐竜は、モブ恐竜の証だ!
他にも、
「ドラえもんのポケットから『いなご煮』にしか出てこないくだりは必要だったのか?」
「のび太くんの部屋でムービットのぬいぐるみとルカくんの帽子を確認」
「俺がドラえもんだったらのび太くんごとビッグライトで大きくして一発で丸を書かせたい」
「何故あの時にタンマウオッチを使ってはいけなかったのか問題」
「『6600年前』という言葉を聞くたびにパーマンを思い出す件について」
「しずかちゃんが『キューちゃん』と言うたびにオバQを思い出す件について」
「キューに暴行を加えたモヒカン恐竜はけっきょく何だったのか?(あのシーン以降に出番がなかったのも謎)」
「のび太くんたちを邪魔してきたあの巨大翼竜はけっきょく何だったのか?」
「あの巨大翼竜に『ともチョコ』を食べさせればなんとかなった説」
「あの隕石落下でピー助も死んでいるのでは?疑惑」
「小原乃梨子さんの息子さんが原画をやってるかチェックするの忘れてた(メモ)」
などの細かい話題もあるのですが、そろそろ文章を書くのが疲れてきたのでこのへんで。
このお盆休み中に、
もう1回『のび太の新恐竜』を見に行こうと思っているので、他に何か言いたいことが出来たら追記しようと思います。
パー子の色でした。 pic.twitter.com/dQrvEa1gwv
— koukousei(美山田精一)@スパムじゃないよ (@koukousei) 2020年8月7日
全色揃うか、特典小冊子の色がカブるまで映画を見続けようかな。
そして来年の映画は、
予告を見た限りだとおそらく『のび太の宇宙小戦争』のリメイクなのではないかと思われます。
あの特徴的な輪っかのある星は、ピリカ星・・・のはず。
『のび太の宇宙小戦争』には「少年期」というすばらしい主題歌があるので、
リメイク作をする場合、この曲をどう扱うのかによってはインターネットがまた荒れてきそうな気がする。
主題歌を変に新しい曲にかえちゃうと、反発がすごそうなんですよねえ。
まあ、来年のドラえもん映画に関しては近いうちに発表がありそうなので、続報に期待します。
ちなみに、自分の席の近くに座っていた女の子が「コーヤコーヤ星だー!」と騒いでいたので、
2021年の映画が『新・新・のび太の宇宙開拓史』になる可能性もゼロではありません。
今度の映画でこそ、ギラーミンの活躍が見れるといいなあ。
そんなわけで感想は以上です。ありがとうございました。