出版社:小学館
初版:2020年2月21日
価格:590円(税抜)
全250頁
まだ、小説版『のび太の新恐竜』の感想を書いていなかったので、今から感想を書きます。
ろくに推敲もせずに、自分の思ったことを勢いのままに書いたので、
一部で文章が読みづらくなっている箇所もたくさんあります。
興味のある人は頑張って読んでください。
過去に『のび太の宝島』『のび太の月面探査記』の小説版を読んだ時にも思ったのですが、
上映時間の都合なのか「小説版には載っているけど映画ではカットされている」という部分も多く、それが非常にもったいなく感じました。
「のび太くんがキューと一緒に好き嫌いをしているとドラえもんに指摘されるくだり」
「『キューとミューの手は羽だから、手がかりじゃなくて足がかりだな!』のくだり」
「ゴルの他の恐竜に対する接し方を見てジャイアンが反省するくだり」など、
これらのくだりも、そのままアニメ映画にしたら絶対おもしろそうなのになあ、と思ってみたり。
まあ、そういう部分をそぎ落とした上で作られた映画だとしたら「ある意味贅沢」って考え方もできるかもしれないんですが・・・・。
ただ、
「キューとミューが住むことになった島は陸から遠く離れているので、今の段階では大陸まで出ることは不可能」
「でも、恐竜が鳥として進化し続ければ、そのうち大陸まで飛ぶことができるかもしれない」といったくだりからの、
「いまはできなくても、いつかは島から出られるかもしれない。いろんなことを試して、いろんなことに立ち向かって、きっと、生きていける。」という、
のび太くんの成長と恐竜の進化をリンクさせていたところは、べつに映画でカットしなくてもいいシーンじゃないかと思ったんですがねえ。
さらに「キューとミューの子孫となる鳥が、あの島から大陸まで飛んできた設定」を映画でも明らかにすれば、
「生物の進化のなかで、急に空を飛べる生物が出てきた」というミッシングリンクが生まれてしまったことも明らかになるので、
「ジル博士が何故あれほどまでにあの時代の恐竜の研究に夢中になっていたのか」がハッキリわかる展開にもなったハズです。
いや、ほんと、なんでカットしちゃったんだろう。
映画だとジル博士がどういう研究をしていたのかが、いまひとつよくわからなかったところがありましたからね。
あの人、「恐竜がいつから鳥になったのか」を知りたかったのか・・・。
「そもそも、なんでこんなにも小説版の内容がカットされているのか?」の理由を考えてみたのですが、
もともとこの本は、川村元気さんのオリジナル脚本をそのまま小説化したものなので、
おそらく、シンエイ動画や藤子プロ側との制作協議を続けていくなかで、
上映時間の都合などで、残念ながらオリジナル脚本にあった、それらの要素がやむなくカットされてしまった・・・ということなのかな、と。
これもあくまで想像ですが、今の映画ドラえもんは、
「川村元気さんにはとりあえずおもしろい脚本をつくってもらって、あとで上映時間に収まるようにいろいろ考えよう」という制作のやり方をしているんでしょうかね。
いろいろな事情もあると思うので無暗に否定もできないですし、これは難しいところです。
一部のインターネットで言われていた、
「映画ののび太くんが根性論すぎる」という指摘についても、小説版ではそれなりに腑に落ちる内容が展開されているので、
『のび太の新恐竜』を見て、いろいろと思うことがあった人は、
小説版もぜひ一度、ためしに読んでみてください。
あと、余談として、
この小説でしか描かれていない「ひみつ道具の新情報」の話もさせていただきますが、
ドラえもん達が宿泊施設として使っていた『キャンピングバルーン』は「レストランガチャ」というアミューズメントが装備されており、
「ガチャを回すといろんな料理が出てくる」というお楽しみ要素もあったのですが、
これもすべて映画では全カットされていました。悲しいですね。
あと、『逆時計』のことを「人類を滅ぼす爆弾」と表現していたのが個人的にお気に入りです。
映画の展開を一言で表す、いい例えだと思いました。
なんかいろいろと変な文章になってしまいましたが、とりあえず言いたいことはこれくらいです。 おしまい。
小説版ドラえもん、AmazonではKindle版のこれしか出てこなかった。