2020年6月27日放送分 ネタバレ注意!
つくれーるマイレール(アニメオリジナル)
好きな場所に駅をつくったりミニチュアの電車に乗って移動できる道具『つくれーるマイレール』で夢の電車通学ライフを実現だ!
しかし、みんなが好き勝手に線路をつくってしまったことで、物語は鉄道パニックものと化してしまう・・・?
このお話は電車の走行シーンなどにCGが多く使われていたせいなのか、
アニメを見ていて、作画の様子がいつもとちょっと違っているような感じがしました。
もしかしたら、『のび太の新恐竜』の公開が延期になっちゃった影響で、
映画製作スタッフのリソースをTVシリーズのほうに割いていたりするんでしょうかね。
すこし気になる。
そして、今回の物語の冒頭では、
のび太くんが電車通学に憧れたきっかけとして「駅前のマンションに住む友達」の存在も明かされていた。
都内の駅前マンションに住めるんだから、
それなりにお金持ってるんだろうなあとか思っちゃったけど、
その駅前マンションに住む友達の名前が「モブ夫」という名前だったのは、ちょっと問題だと思う。
彼の存在が確かにモブキャラであることには間違いなかったけど、せめてもうちょっといい名前をつけてあげてほしかった。
「太郎」でも「次郎」でも「不二雄」でもいいから、
モブ男児のネーミングくらい、適当に考えればそれなりに思いつけただろうに。
今回のお話を作った人、モブキャラの名前を考えるのがめんどくさくなっちゃったんだろうか?
駅前タワマンに住めるけど、名前が一生「モブ夫」になるくらいだったら、
駅から徒歩20分の安アパートに一生住んでたほうが、まだマシな気がするぞ。
『つくれーるマイレール』は、電車を動かすための変電所が付属品としてついていたり、
自分が乗って移動できる車両も「ディーゼル機関車」から「寝台車」まで選べるなど、列車のラインナップも充実しており、
22世紀の鉄道ファンだったら、確実に購入していそうなクオリティではありました。
でも正直な話、
電車(車両)はよくても「電車を動かすための変電所」自体は別にいらないと感じてしまいますし、
なんとなく、後半のあの展開のために作られた感も否めませんが、
あのひみつ道具を開発した人(おそらく鉄道ファン)から、
「変電所がないとダメなんだよ!」と謎のこだわりを力説されたら何も言えなくなってしまう。
まあ、それも含めてのリアル志向ってことで。
鉄道にあんまり興味のない自分だと、どうしても
「いちいち学校までの線路置くのめんどくさそう」「他にもっといい移動手段の道具があるのでは?」「やっぱりどう考えても変電所がジャマ」などといったマイナスイメージが浮かんできてしまうのですが、
それでも「自分が好きなように敷いた線路の上を、自分が選んだ電車で走れる魅力」というのは、
鉄道ファンじゃない自分でも、ちょっとわかるような気がします。
この回は、普段ドラえもんを見ない鉄道ファンの人の感想も聞いてみたいところですね。
そして、誰に言われるでもなく、
予めこのような道具を所有していたドラえもんこそ、実はガチの鉄道ファンだったりするんじゃないだろうか?
今回のび太くん達が好き勝手につくってしまった路線の運行管理作業にやたら熱心だったところや、
何も見ずにダイヤグラムが引けたり、ひとりで回復運転までできちゃうところを見るに、彼はただ者ではないです。
そうなってくると、
何年か前の誕生日スペシャルで、のび太くんの家がまるごと列車になった時も、
のび太くんが運転するのではなく、この日が誕生日であるドラえもん自身に運転させてあげたほうが喜んでくれたのかもしれない。
でも、鉄道ファンの人の中には「電車の運転にはあまり興味がない人」もいそうなので、
ドラえもんへのありがた迷惑を避けるためにも、のび太くんが運転に徹していたのは実にクレバーだったといえましょう。
あの時のドラえもんは、あくまでも「誕生日でもてなされる側」でしたからね。
そんな鉄道ファン疑惑の高まるドラえもんの助けも借りて、のび太くん達の夢の電車通学ライフは始まったわけですが、
せっかく昨日のうちに敷いておいた線路が神成さんの手によって全部片づけられてしまっていたり、
通行人がぶつかったせいで跳ね橋が故障してしまったりなど、いろいろな問題が起きてしまっていた。
ミニチュアとはいえ、いきなりの鉄道路線開通はやっぱり無理があったようです。
のび太くんの鉄道通学ライフを支えるために、
神成さんにはなんとか自宅前の線路設置を我慢してもらいたかったところだけど、
ある日突然、自宅の前によくわからない線路が大量に置かれていたら誰だって撤去したくなると思う。
これまで、大長編ドラえもんにおいて
『どこでもホール』や『どこでもドア』を破壊し続けてきた神成さんであるが、
あれだってすべて、ドラえもん達が神成さんの家の近くに勝手に道具を設置してきたからだ。
でも、その道具を一旦どかしてあげたりもせず、
いきなり巨大なハンマーで壊しちゃったりするところが、神成さんイズムでもある。
せっかく敷いた『つくれーるマイレール』の線路をすべて壊されなかっただけ、まだマシだったと思うしかないですね。
そもそも、道路にあんなものを置いていたら、
自動車や通行人が道を横切るたびに、せっかくの線路が壊れてしまう気がする。
できれば、あまり通行人の迷惑にならないであろう塀の上に線路を置くなどして、
通行人への配慮もしていれば今回のような事態には起こらなかった・・・はずです。たぶん。
さらに、野比家の前に設置していた「変電所」が、
犬にオシッコをかけられてダメになるという、現実では絶対にありえないトラブルが発生したため、
ここでドラえもんが電気のいらないディーゼル機関車に乗って参上!
のび太くん達が乗っている車両を後ろからガンガン押し込みながら、列車をムリヤリ走らせていくぞ!
冒頭の車両選びの際に
のび太くんから「ちょっと古臭いな~」と言われていたディーゼル機関車が、
すべての電車が走れない状況の中で、みんなの学校遅刻をふせぐ大事な役割を果たしてくれた。
最大のピンチを救ってくれるという展開はほんとうに王道中の王道ですが、やっぱりしびれますね。
『新・のび太の日本誕生』における、ギガゾンビと石ヤリのくだりに通ずるところがあります。
そして、今回のアニメドラえもんの放送前日に、
「金曜ロードSHOW!」で『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』が放送されたばかりだったので、
ここでのディーゼル機関車登場はちょっとタイムリーなネタだったかもしれない。
今回のドラえもんでは、乗客(のび太くん達)がたくさん乗っている電車を後ろから押すことが出来たり、
『BTTF3』では体当たりでデロリアン号をぶっ壊していたりと、
2日連続でディーゼル機関車のスゴさを目の当たりにしてしまった結果、
テレビの前で「ディーゼル機関車」の熱烈ファンになったお子さんが大量に増えた可能性も十分にある。
世界中の鉄道の非電化区間を支える、ディーゼル機関車はやっぱり偉大な存在だ!
こうして、無事にたどり着いたのび太くん達でしたが、
過酷な電車通学の影響で、授業がはじまる前から全員がヘロヘロになってしまったというオチ。
夢の電車通勤ライフの実現には、まだまだ改善の余地がありそうです。
ちなみに、今回の電車通学にはのび太くんのクラスメイトも多く参加していたんですが、
本編ラストの教室俯瞰カットで
ちょっとだけ写っていた出木杉くんが何も知らない様子だったのがなんとも悲しい。
出木杉くん、またハブられたのか・・・。
でも、出木杉くんが参加していたら
「ちゃんとダイヤ運行管理をしたほうがいいよ」みたいなマジレスをしてしまい、話がまったく面白くない方向に進んでいた気がする。
やっぱり視聴者の方も、のび太くんの安定した電車通学ライフよりも、
電車がまったく思うように走らなくて車内がパニックになる展開のほうが見たいでしょうしね。(偏見)
「ハラハラドキドキ」はエンターテイメントの必須要素だと再確認したところで、1本目の感想は終わりです。
悪運ダイヤ(コミックス8巻収録)
2本目は2018年8月31日放送分の再放送。
1本のお話に関連して、電車の「ダイヤ」と悪運「ダイヤ」をかけている、ってわけでもなさそうですね・・・・。
今回のお話の一番の魅力は、
のび太くんとドラえもんを通して「無自覚な悪意」というのがどんなものなのかが、存分に学べるところだと思います。
「巨大なトンカチで頭を叩きながら、頭が痛くて苦しんでいる人を探そう」という発想。
頭が痛くて苦しんでいる人にとっては迷惑でしかないぞ!
それに、巨大なトンカチで頭を叩き続けなくても、
タイムマシンで過去の自分を止めに入るなりすれば丸く収まる・・・というアイデアもあるにはあるんですが、
それはそれで、話がまったく面白くならなさそうというジレンマが発生してしまう。
連載初期のドタバタギャグ路線の『ドラえもん』がこの回の原作なゆえに、
倫理や道理よりも、エンタメ作品としての面白さを優先してしまった結果、ジャイアンがひどい目にあってしまったわけですね。
なんだかジャイアンがかわいそうだ。
「でも、ジャイアンだったら痛い目にあっても別にいいか」とちょっぴり思ってしまう自分がいるのも怖い。
誰かに迷惑がかかると罪悪感がすごそうですし、
やっぱり『悪運ダイヤ』は使わない方が無難ですね、ということで・・・。
(本放送の時にだいたいの感想を書いちゃったので、今回そんなに書くことがありませんでした。ごめんなさい)
そんな感じで、今週のドラえもん感想はここまでです。
■次回予告■
次回の放送は7月4日。
「裏山ウォータースライダー」「あべこべ惑星」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(わすれ鳥&無敵のスーパーランドセル[再])
次回の感想:ドラえもん感想(裏山ウォータースライダー[再]&あべこべ惑星)