2020年3月29日放送分 ネタバレ注意!
ハリ千本ノマス(コミックス10巻収録)
1本目はエイプリルフールネタ。
このお話に出てくる道具は『ハリ千本バッジ』なのに、タイトルは「ハリ千本ノマス」となっている、ちょっとややこしい回でもあります。
べつにタイトル変えろって言いたいわけじゃないけど、なんで統一しなかったんだろう。
あと、今週金曜日からBS朝日ではじまる『ドラえもん』はこの回が放送一発目になるわけですね。
BS朝日でドラえもんを見てから、このブログの感想記事にたどり着いたって人、いるんでしょうか。
「BSでドラえもん見てるよ~」って人は、コメント欄やTwitterなどにお返事いただけたら嬉しいです。
このお話に登場する『ハリ千本バッジ』とは、
バッジをつけた相手にウソをついてしまった場合、自分のウソの内容を実行し、本当のことにしないといけなくなる道具であり、
この道具の効果によって、
「食べきれなくなった分のケーキをわけてやる」「ゲームとマンガを全部あげる」と
つまらないウソをついていたジャイアンとスネ夫は、実際にそのウソを実行させられてしまうハメに陥っていた。
自業自得とはいえ、ちょっぴりかわいそうだ。
さらに、
「神成さんの家でおやつが食べ放題」「芸能人の広瀬ベルちゃんが自分の家に来ている」など、
「他人を巻き込むタイプのウソ」をついてしまったはる夫と安雄は、
自分のウソを実現させるために、実際に本人のもとにアポなしで突撃させられていた。
アニメの尺を埋めるために、
原作にはなかったウソつき役に回ってしまうことになったこの2人にも同情しますが、
やっぱり赤の他人を巻き込むタイプのウソは、場合によってはその本人に迷惑がかかることもあるわけですからね。
これくらいの辱めは受けて当然でしょう。
でも、そのせいで神成さんはとっときのおやつ(羊羹)を食べられてしまっていたし、
広瀬ベルちゃんは、自分のイベントに「ベルちゃん、僕んちに来て~!!」と叫ぶ少年がやってきてしまったりと、
結局のところは、
ウソをウソのままに終わらせておいたほうが、本人にも迷惑がかからなさそうな結果に終わってしまっていた。
ウソをつかれた人も、ウソに巻き込まれた相手も嫌な気分になるので、
エイプリルフールでつくウソは、他人に迷惑のかからない「自分で全ての責任を負えるくだらないウソ」をつくのが一番だぞ!
あと、一応説明しておきますと、
ここで登場した「広瀬ベルちゃん」というキャラの元ネタは、女優の広瀬すずさんのパロディだと思われます。
お姉ちゃんが去年のドラえもん映画に出演していたので、その繋がりなんだろうか?
そして『ハリ千本バッジ』は、
本来は補欠だった野球少年が、自分の弟のために試合でホームランを打つことに一役買っていた。
ドラえもん曰く、
『ハリ千本バッジ』の効果は「その気にさせるだけで何でもできるわけじゃない」とのことでしたが、
なんやかんやで、よくスポーツ選手が試合前にやってる自己暗示と同じ効果が出てくれたのでしょう。
「俺はやればできる」と語りかける自己暗示も、
ざっくりと簡単に言っちゃえば、自分で自分にウソをついているようなもんですからね。
今回のアニメを見るまでまったく想像もしていませんでしたが、
『ハリ千本バッジ』には、こういうポジティブな使い方もあるんですねえ。
ただ、オチでしずかちゃんが「のび太さんの家にドロボウが入ったの」とウソをついてしまったせいで、
「唐草模様の風呂敷」と「ほっかむり」の定番泥棒ファッションに身を包んだしずかちゃんがのび太くんの家のものを盗もうとする、
『ハリ千本バッジ』のネガティブな使い方を全面に発揮してしまう終わり方になってしまった。
しずかちゃん、ほっかむり姿もけっこう似合いますね。
ちなみに、今回のアニメではさすがに変更されていましたが、
原作では「あんたの家が火事よ」とウソをついたしずかちゃんがのび太くんの家にマッチで放火しようとするオチでしたし、
大山ドラ版の『ハリ千本ノマス』の回では、
その放火をとめようとしたのび太くんとドラえもんの頭に火が燃え移ってしまうという、
今のコンプライアンスから見ると、かなり過激なオチであった。
オチの内容を「ウソつきはドロボウのはじまり」のことわざとうまく引っかけることもできましたし、
今回の改変はだいぶうまい具合に成立したのではないでしょうか。
『ハリ千本バッジ』は、
『ソノウソホント』『ウソ800』などの道具と効果が若干似ているようにも感じますが、
この道具は「他人からウソを言われないと効果が発動しない」というところが、他の道具との大きな違いである。
なので、今回のしずかちゃんのように
「自分にデメリットしかないウソ」をつかれてしまうと、途端に窮地へと陥ってしまうのが『ハリ千本バッジ』最大の難点だといえましょう。
なので、「今からお前を殺す!」みたいなウソをつかれたら、完全に終わってしまうぞ。
でも、そんな人殺し系のウソをついてくる人とは、はじめから距離を置いておいたほうがいいと思います。
さっきも言いましたが、エイプリルフールは誰もが笑えるくだらないウソをつくのが一番ですねってことで。
一本目の感想はここまでです。
●ドラドラニュース●
Bパートの間のCM明けで先週も放送された「うがい手洗いのお願い」が流れました。今回は短縮バージョン。
今週の土日は首都圏で外出自粛要請が出ていたので、もしかしたら今日のドラえもんは普段よりも見てくれている方が多いかもしれませんね。
のび太シンデレラ(コミックス32巻収録)
のび太くんが『絵本入りこみぐつ』で、童話「シンデレラ」の世界に殴り込みだ!(誇張表現)
でも、シンデレラの世界へ殴り込みに行く前に、
まずは前哨戦として、「主人公がかわいそうだ」と思ったのび太くんの望みで『浦島太郎』のオチをハッピーエンドにするくだりから始まりました。
のび太くんが言う通り、
竜宮城から帰ってきたら300年が経っていて、自分も白髪の老人に・・・というオチで終わる『浦島太郎』は確かに救いようのない話である。
『浦島太郎』を読んで得られる教訓も特にこれといって無いし、
カメを助けてくれた恩人に対し、浴びると老人になる毒ガスが詰まった箱をプレゼントしてきた乙姫様は、ただの極悪人でしかないぞ。
ほんとうに『浦島太郎』の原作者は、この物語を読んだ人たちに何を伝えたくてこの話を書いたんだろう?
「砂浜でいじめられているカメはトラップだから見殺しにしろ」とか、そういうのか?
・・・なんか、これ以上はただの「浦島太郎悪口コンテスト」になってしまいそうなので黙っておきますが、
とにかく、のび太くんとドラえもんのおかげで、浦島太郎は無事に元の時代へと帰ることができたのでした。
その後ものび太くん達は、
『人魚姫』『マッチ売りの少女』『白雪姫』『赤ずきん』などの童話の世界に入りこみ、次々と登場人物たちを救っていく。
このあたりは
原作の『のび太シンデレラ』にないアニメオリジナル展開だったので、まあよかったのですが、
この原作のオチを知っている自分としては、
「まだシンデレラのくだりに入らないのか・・・」と、ちょっととまどってしまったところもある。
いろんな童話のストーリーを変えていくくだり、自分が想像していたよりもけっこう長かった・・・。
そんな原作にはないアニメオリジナルパートで、ドラえもん達が絵本の世界のキャラたちをどう救っていったのか。
気になる人は、BS朝日で今週4月3日の金曜7時から始まる『ドラえもん』をチェックしてみましょう。(スムーズな宣伝)
で、待望(?)ののび太くんがシンデレラになるくだり。
王子様は自分が男と結婚することになっちゃった件について、どう思っているんだろう?
またまた原作の話で申し訳ありませんが、
原作『のび太シンデレラ』に登場した王子様は、のび太くんとの結婚式の際にかなり不服そうな顔をしていたのが印象的でしたが、
今回のアニメに出てきた王子様は、とくにまんざらでもなさそうだったのが怖い。
前者の王子様は
「この靴を履ける人としか結婚しないぞ!」と周りの人にさんざん言っちゃったせいで引っ込みがつかなくなっちゃった感があるけど、
今回の王子様の場合は、
「あの靴がピッタリあう人なんだから、べつに男でもかまわないか」と本気で思ってそうなニオイがプンプンする。
おそらく、あの王子様は、
人間としての器が相当に広い人か、単純にヤバい人なのか、ただのショタコンなのかのいずれかなんでしょう。
どちらにせよ、会って間もないばかりのオジサンと結婚はしたくないぞ!
そんなわけで、今週のドラえもん感想は以上です。
●ドラドラニュース●
「きみが発掘した新恐竜コンテスト」優秀賞の発表がありました。
詳細は上のリンクから。今回の中だと「長野トプス」が一番好きです。
■次回予告■
次回の放送は4月4日。
「かべ景色きりかえ機」「『時』はゴウゴウと流れる」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(アパートの木&円ピツで大金もち[再]) - 原子おはじき