月刊シリウスで連載中の作品、光永康則先生の「アヴァルト」最新第4巻が発売されています。
(※おことわり)このブログはいちおう藤子不二雄ブログなので、あんまり藤子不二雄に関する内容の作品でない漫画は取り上げない方針なのですが、
作者の光永康則先生は藤子不二雄ファンとしても有名ですし、自分も光永康則先生のファンなのでどうしても感想記事を書きたい。
なので今回も作中で「藤子不二雄要素を感じたシーン」を取りあげることで、何とか藤子不二雄関係の記事として成立させたいと思いますです。はい。
【過去記事】
・光永康則先生の最新作「アヴァルト」1巻が出たぞ!みんなも買おう!
・光永康則「アヴァルト」第2巻が出たぞ!! 新展開もあればアクションシーンもあるぞ!
・光永康則「アヴァルト」第3巻発売! 神を倒すためにまずはアカウント登録だ!
はい、第4巻の感想行きましょう!
前巻までは主人公のタギ君が神(以下・アヴァルト)を倒すためにひたすらレベル上げに終始するといった感じでしたが、
この巻ではお話のほうにかなりの動きがありました。
まずはタギ君側。
今巻もレベル上げの日々は続いておりましたが、新たな仲間?として吸血鬼のキュリアが現われました。
このゲーム内では「最強クラスの怪物」として君臨しており、通常攻撃では全く歯の立たないアヴァルトにダメージを負わせるという大金星まで成し遂げました。
カエルのネッドさん曰く「彼は他の怪物と違って自我を持っている」とのことで、彼もまたAIの暴走の影響を受けているのかもしれません。
とりあえず彼が味方になってくれれば、打倒・アヴァルトへの心強いメンバーになってくれることは間違いないでしょう。
それにしても、光永先生は自分の作品に吸血鬼キャラを出すのが本当に好きなんですねえ。
「怪物王女」の嘉村令裡に「南Q阿伝」のグレタ・ラゴシュに「棺探偵D&W」の嘉村 ヒサトと、光永作品には吸血鬼キャラがいっぱい出てくる。
これらのキャラにキュリア君も入れて、そのうち光永作品の吸血鬼キャラでオールスターバトルをやらせてみたいぞ。いったい誰が勝つのかな?
あと、吸血鬼ではないけど、キュリア君の外見は「デーモン72」のクルト君にそっくりだ。何か共通のイメージでもあるのでしょうかね。
一方こちらはコウサ達御一行。
前巻のラストでアヴァルトに殺られたヒルダさんでしたが、「ゲーム内のアバターを失っただけで本体は生きている」らしく、
別のログインアカウントを使って初老のゴリラオヤジのアバターとして無事復活を果たすことに成功しました!
しかし一難去ってまた一難。
敵モンスターであるスパゲッティ、そして高レベルアバターの存在を察知したアヴァルトに命を狙われてしまうのでした。
まさに前門の虎後門の狼!禍去って禍また至る!って状況だ!(似た意味のことわざを並べてるだけです)
で、そこにやってきたのが吸血鬼のキュリア君。
前述のとおり、このアヴァルト相手に善戦したのでございました。お強いですねえ。
こうして互いの接点はないものの、コウサ御一行サイドとタギ君サイドがわずかながらの合流を果たしました。
もっと交流を深めるには、ヒルダさんが地下ダンジョンに入ってタギ君達と出会うのが一番手っ取り早いでしょうけど、まだまだ時間がかかりそうですね。
また、第4巻では「特別編」として漫画第1話の展開にいたるまでの前日譚が載っておりました。
それによると、同じ宇宙ステーションの乗組員・シュルツが「娘に会うために地球へ戻りたい」と要求。他の乗組員を銃で撃ち殺すという内輪もめが起きていたようです。
「宇宙船」という特殊な閉鎖空間で乗組員たちの精神がおかしくなってしまうのはSFモノではよくあることですし、
藤子・F・不二雄先生も「イヤなイヤなイヤな奴」という作品で異常な精神状態に陥る宇宙船の乗組員たちを描いていたりします。
あと、宇宙船内のモニタに向かって妻に話しかけているくだりは「老雄大いに語る」を思い出しますね。(※このへんが藤子不二雄要素)
しかし、このシュルツさんは自分たちに子供を授かれないことに絶望して宇宙船への任務を志願した過去があり、
自分の人生を投げ捨てて向かった任務の最中に、妻の妊娠を知ってしまったらショックを受けてしまうのも分かる気はします。 でも殺しはよくないよね。
あと、この相対性理論で自分の赤ん坊がどんどん成長していくってのは、映画「インターステラ―」を彷彿とさせる。
他にも劇中では映画「オデッセイ」のパロディ(コスギが宇宙船内でジャガイモを育てる)もあったりと、光永先生はそこらへんの映画の内容も参考にしてるんでしょうね。
もうすぐ公開のSF映画「パッセンジャー」とかも見に行く予定を立ててそうだ。
で、漫画第1話でミイラになっていた乗組員のセガワさんもこの頃はまだご健在でした。
セガワさんは自分がプレイしていたゲーム世界で起きた異変と、地球で起きている異変の結びつきをいち早く察知。
アバターを失ってしまった自分に代わり、もう一人のプレイヤーであるコスギ(冷凍睡眠中)に謎の解明を託しつつ、地球へ戻るのでありました。
こうして、第1話に繋がるまでのストーリーが明かされたわけですが、
何故セガワさんはあそこでミイラになっていたのか?
回想の時点ではまだ生きていたはずのシュルツは何処へ?等の疑問が新たに生まれました。
セガワさんの死因は冷凍睡眠もせずにゲームに没頭した結果餓死したとかそんなしょうもない理由では無さそうなので、おそらくあのゲーム内で何かがあって死んでしまったと考えるのが妥当なんでしょうかね。
あと、宇宙船内にあったミートキューブはやっぱり他の乗組員たちのお肉でできていました。うわあ・・・。
そんな謎を残しつつ、第4巻はこれでおしまい。第5巻は6月発売予定です。お楽しみに!