月刊シリウスにて好評連載中!「アヴァルト」第5巻が6月9日に発売されました。
というわけで、恒例の感想記事のほうを書かせていただきます。
【過去記事】
・光永康則先生の最新作「アヴァルト」1巻が出たぞ!みんなも買おう!
・光永康則「アヴァルト」第2巻が出たぞ!! 新展開もあればアクションシーンもあるぞ!
・光永康則「アヴァルト」第3巻発売! 神を倒すためにまずはアカウント登録だ!
・光永康則「アヴァルト」第4巻発売! 繋がっていくゲーム世界の謎
前巻で出会ったキュリアと協力することで、効率よく経験値上げができるようになったタギくん。
さらに、このゲームのボス級のモンスターを斃すことで入手できる「ドロップアイテム」から作れる怪物(モンスター)属性の武器を使えば、
今まで普通の武器ではダメージを与えられなかった神《アヴァルト》にダメージを与えられるのでは?とのネッドの推理も明らかになった。
これまで経験値を溜めていたのも、全てはこの迷宮のボスモンスターを倒して最強の武器を手に入れるため。
それならば話は早い。今すぐ怪物属性の武器を手に入れてアヴァルトを倒しにいくぞ!!
と思っていた矢先、
神《アヴァルト》のひとり・ヨルゴスが迷宮に入ってきた!
どうやら前巻でキュリアと戦った後、ヒルダのあとをこっそりつけてきたらしい。
強敵であるヨルゴスの相手はシノアとネッドに任せ、タギとキュリアはブラックドラゴンの元へ急くことに。
そこに合流したヒルダの攻撃によって、
ネッドの読み通り、怪物属性の武器がアヴァルトに有効であることも判明しました。
そして、ネッドの説明によると「この世界の武器アイテムは正しい持ち手が装備すると適合(フィット)する」とのことで、
実際にミノタウロスの持っていた巨大な斧も、バイキング型のアバターであるシノアが持ったことでちょうどいいサイズになった。
コウサが使っていた太刀「神狩」の異常なデカさについてもようやく説明が入ったが、
この武器も正しい持ち手が装備すれば、ちょうどいい大きさの武器に変わるかもしれないとのこと。
アイテムの名前からして、これが適合すればかなり使えるアイテムになりそうだ。
ダメージを食らったヨルゴスもこの武器の効果を全く知らなかったらしく、神らしからぬ動揺っぷりを見せていた。
このスキにアヴァルトも倒せそうでしたが、ドロップアイテムではないミノタウロスの斧は消えてしまうため、ここはひとまず退却。
タギたちが先ほど向かった迷宮の最深部へと向かう。
その道中では、巨人の手袋(ジャイアント・グローブ)も手に入れた。
入手と同時にモンスターが襲いかかるトラップもあったが、自律行動がとれないという特徴をうまく利用。
モンスターの活動範囲外であるルートの外に行くことで、何とか逃げることが出来た。
この世界は全てゲームシステムの法則によって動いている。
今回もその点をうまく突いたわけだが、あんまりシステム外のことをやりすぎてこのゲームの世界自体がバグってしまうなんて展開になったら嫌だなあ。
昔のゲームみたいにこの世界全体がフリーズとかしちゃったら、
意識はあるのに指ひとつ動かすことすらできない、今よりもひどい状態に陥りそうだ。
そして、最深部のボスモンスター・黒竜(ブラック・ドラゴン)もそのシステム上の穴を利用して斃す。
システムの穴だけに、倒し方も「穴から黒竜が鼻先を入れてきた瞬間を狙って攻撃する」というなんとも卑怯感の漂うやり方だ。
正攻法では倒せない敵も安全地帯から攻撃すれば、楽に倒せるというわけです。
見た目はかっこわるくても、アイテムを手に入れるためには仕方がありませんわな。
そんな感じでチマチマ攻撃をつづけていたところ、
「捜したぞ」
「この迷宮の端から端までな」とヨルゴスが追いついてきた!
これで倒す敵が2つに増えてピンチ!かと思いきや、
ちょうどいいタイミングで黒竜を倒せたため、一足お先にドロップアイテムを回収。
タギも、再び現れたヨルゴスにも怯まずに「こっちだ、神《アヴァルト》!」と挑発する。
そんなタギに対し、剣で薙ぎ払おうとするヨルゴス。
しかしタギは、ミノタウロスの盾でガードしていたため全くの無傷。
そして、先ほど手に入れたアイテム・巨人の手袋でドロップアイテムの黒竜の爪をヨルゴスの顔面に向かってブン投げた!
さすがのアヴァルトでも、弱点であるドロップアイテムを剛速球でぶつけられたらひとたまりもない。
顔面をドロップアイテムで貫かれてしまったヨルゴスはそのまま溶岩に落下。
「ジュウウ」「ゴポゴポ」という音を立てながら溶岩の中へと消えて行った・・・。
人間が初めて神《アヴァルト》を斃した瞬間である。
狂気の世界に、ひとすじの光が見えた。
アヴァルトを斃した実感がまだ湧いていない様子のタギだったが、
「オレもうすぐ仇を討つよ」「みんなと一緒に・・・!」と決意を新たにするのであった。
といったところで、今巻はここまで。
第5巻にして、ようやく神を斃すことが出来た。
神をやっつけるための武器も手に入れ、いよいよ人間たちのターンが始まるのであろう。
しかし、神を斃す人間が現れたと知ったらアヴァルト側も何かしらの対策はしてきそうだ。
アヴァルト達も顔には出さないが、内心では「やっべえ!ヨルゴス死んだぞ!」と慌てているのかも。
少なくとも、人間相手にちょっとだけ気を引き締めることは確かだろう。
それにしても、アヴァルトってこの世界に何人くらいいるんだろう?
10人くらいだったら何とかなりそうだけど、100万人くらいいたら確実にリンチにあう。
タギくんもお母さんを殺した神を斃して気が済めばいいのだが、皆殺しするつもりだったらかなり骨が折れそうだ。
あと、ドロップアイテムを使わなくても、アヴァルトを溶岩の中へ落としたら死ぬ(多分)ということもわかった。
スーパーマリオとかでも、溶岩に落ちたら味方キャラも敵キャラもだいたい死ぬイメージがあるので、これはわかりやすい。
このシステムをうまく使えば、神殺しもだいぶラクになりそうだ。
でも、あいつら空を飛べるからなあ・・・。
本文では触れることが出来ませんでしたが、もう一方のコウサ側の様子。
前巻でコウサがアヴァルト相手にかなりの深手を負ってしまったためか今巻での出番は少なめでした。
生身のコウサとヒルダが出会っておりましたが、やっぱりヒルダはコウサに惚れているんでしょうかね。
次巻につづく。