11月9日に、光永康則先生の「アヴァルト」第6巻が発売されました。
というわけで、毎巻恒例となっている感想記事のほうにいきたいと思います。
【過去記事】
・光永康則先生の最新作「アヴァルト」1巻が出たぞ!みんなも買おう!
・光永康則「アヴァルト」第2巻が出たぞ!! 新展開もあればアクションシーンもあるぞ!
・光永康則「アヴァルト」第3巻発売! 神を倒すためにまずはアカウント登録だ!
・光永康則「アヴァルト」第4巻発売! 繋がっていくゲーム世界の謎
・光永康則「アヴァルト」第5巻発売!ドロップアイテムで神《アヴァルト》を斃せ!
なお、「アヴァルト」はこの第6巻をもって最終巻となります。
5巻発売の時はそんなこと全く言ってなかったのに、何とも急な話だ!
そんなショッキングな事実はいったん置いといて、
この第6巻では、これまで別行動を続けていたネッド一行とコウサ一行がようやく合流を果たします。
前巻で神を斃すためのドロップアイテムも手に入れたことですし、
これから一緒にアヴァルトのいる本拠地へと向かうのか?と思ったら、コウサ達は姫様のレベル上げに付き合うために地下遺跡に残るとのこと。
タギ君みたいに、姫様もアヴァルトと戦えるスキルを身に着けようというわけですね。
入った時はあんなに恐ろしかった地下遺跡も、今ではすっかり初心者のレベル上げ目的のダンジョンにまで成り下がってしまった!
そんなわけでせっかく出会えた両者でしたが、またしても離れ離れでの行動をとることになるのでした。
ネッド一行はアヴァルトの本拠地であり、アヴァルト達の集う場所である「中央」に辿り着くヒントを得るため、
最初に自分たちがアヴァルトに出会った町に戻るのですが、逆に神に返り討ちにあってしまったりとうまく事が進みません。
ところが、シノアが神の本拠地へ行くための移動手段「世界地図(ワールドマップ)移動画面」を知っていたことが判明。
どうやらタギの身を案じ、その事実をずっと黙っていたようです。
シノアがこうして他人のことを思いやる行動をとったのは、神の力を剥奪されたことで人間らしい感情を得ることができたという証ですからね。
実にいい兆候なのではないでしょうか。
この「世界地図移動画面」は、一度行った場所ならどこにでも一瞬で移動できるという大変便利なシステムを備えており、
もともとはアヴァルトであったシノアがいれば、ネッド達も簡単にアヴァルトの本拠地に行けちゃうというワケです。
簡単に言っちゃえば、ゲームでいうところのセレクト画面みたいなもんですな。
そして、ネッドさんの「ど〇でもドア」発言があったのもこのシーンあたりなので、読者の皆さんも注目しておきましょうね。(この記事における藤子不二雄要素)
さあ、いよいよタギ君が母の敵を討つべくアヴァルトの本拠地へ乗り込んでいくぞ!
うーむ。やっぱり6巻に入ってからは物語の展開も少々駆け足気味だ。
色んな事情があって、光永先生もこの巻でキリよく完結を迎えたかったのでしょう。
その苦労の跡なのか、第6巻は他の巻に比べてページ数がほんのちょっと分厚くなっている。
前述の地下遺跡でレベル上げに励みはじめた姫様も、最終的には太刀「神狩」を使いこなせるまでに成長するわけですが、
けっきょく合流するのは、アヴァルトとの最終決戦が終わった後になってしまった。
もうちょっと連載が続いていれば、姫様がアヴァルト討伐で大活躍するシーンもあったのかと思うと実に残念な話だ。
今巻で明らかになったネッドそっくりのカエルのアバターの正体も、本当はもっと後でバラしたかったのかもしれませんな。
話を本編の感想に戻しましょう。
苦労して本拠地に辿り着いたネッド一行が目にしたのは、タギ君のお母さんがいっぱいいる異質空間だった!
何じゃこりゃ?と思ったら、
どうもタギ君のお母さんを殺したアヴァルト・マーシュが自らお母さんの複製(コピー)を大量に作って侍らせていたものらしい。
これを見たネッドは「何という悪趣味な・・・」と断じていましたが、さすがに悪趣味にもほどがある。
同じ顔の女性がいっぱいいる状況での日常生活って、絶対落ち着かないぞ。
もしかして、マーシュって単なるマザコンか人妻好きなんじゃないのか!?
そんな疑念を抱きつつも、人類vsアヴァルト・最後の決戦がついに始まった!
戦いはコウサとヒルダも援護に加わった総力戦となり、苛烈を極めていく!
さらにネッド(本体)のいる宇宙船にアヴァルトの1人・ガヤルドが再び侵入してきた!
相変わらずチンコは丸出し状態だ!
他のアヴァルトはちゃんと布をまとっていたのに、何でコイツだけフルチンだったんだろう?
けっきょく、最後までその理由が明かされることは無かった。
この作品で一番の謎だ。
そして物語は壮大なクライマックスを迎えるわけですが、
それについてここで全て語っちゃうのもアレなので、是非コミックスでその結末をお確かめください。
物語の終盤で突如現れたこいつらが物語のカギを握っていたりするぞ!
思えば、光永先生の過去作「南Q阿伝」「カコとニセ探偵」は、
どちらも最終回で「どんなに強大な敵でも全員で力を合わせれば倒すことが出来る」といった感じの締め方をしていましたが、
この「アヴァルト」では、そのパターンをもっと過激に、もっと進めた形での終わり方を描いたように感じました。
発狂した世界が終わり、また新たな発狂した世界が始まった。
しかし、新たな発狂した世界では、それに立ち向かえる希望が出来た。
そういった意味では、この物語はハッピーエンドで終われたのだと思います。
ちゅーか、この記事で何回も言ってるけど、本当に連載終わるのが早すぎるぞ。
もうちょっと、なんとかして続けるわけにはいかなかったのか?
まあ、アヴァルトも終わっちゃったことですし、月刊少年シリウスとはしばらくの間、距離を置かせていただくことになるでしょうね。
次号シリウスで「怪物王女」新シリーズ始動、「A.I.C.O.」コミカライズも https://t.co/ulbAadNpLu pic.twitter.com/hemBMfchdS
— コミックナタリー (@comic_natalie) 2017年10月26日
と思ったけど、今月号(11月25日発売)から怪物王女の新シリーズが始まるそうなので、もうちょっとだけ様子を見てみることにします。
しょうがないなー。もうちょっとだけ様子見ですからね。しょうがないなー。(うれしそう)