2020年8月15日放送分 ネタバレ注意!
水道ジュース変換アダプター(アニメオリジナル)
本日一本目は、
水道の蛇口に取り付けると出てくる水がすべてジュースになる道具『水道ジュース変換アダプター』が登場だ!
「うるのん」とCMスポンサー契約していた頃のドラえもんだったら、絶対にアニメ化できなかったお話ですね。
いや、実際に出来なかったかどうかはわかりませんが。
これに水を通すと何でもジュースになる『ジュー水器』という道具が登場していたことを思い出しますが、
カランをひねるだけで好きなだけジュースが出てくるのなら、こちらのほうがかなりお手軽である。
「水道のお水がジュースになったらいいのにな~」という発想は、子供の頃に誰しもが想像したことだとは思いますが、
そんな子供の考えを実現したこの道具は、未来の世界でかなり大人気の商品らしく、
とくに「注文から今日までかなり待たされた」と語るドラえもんは、商品到着時に嬉し涙を流してまで喜んでいた。
ドラえもん、「水道をジュースにする機械」が泣くほど欲しかったのか・・・。
『水道ジュース変換アダプター』の存在を知らなかったことにより、
炊飯用のお米にオレンジジュースをなみなみ注いでしまったママに怒られる事態も発生したため、
今度は、家の中でも特に利用頻度の少なさそうな野比家の庭にある水道を「ジュース水道」として使うことにしたドラえもん。
「お庭の蛇口」から「のび太くんの部屋」へジュース水道の配管を通すのも、
これまたアニメオリジナルのひみつ道具『亜空間ゴーグル』と『亜空間パイプ』があれば、ラクラクつなげることも出来るので無問題だ!
あと一応言っておきますが、お話の都合もありそうなので、
「野比家の庭のあんなところに水道あったっけ・・・?」という疑問はひとまず置いといておきましょう。
自分の部屋で好きなだけジュースが飲めるようになったから、これですべて大満足!
・・・となればよかったのですが、ここでのび太くんの悪い商才が大爆発。
自宅のジュース水道を使った「のび太ジュース水道局」を立ち上げ、
ジャイアン達を相手に「自分の部屋でジュースが好きなだけ飲める権利」を契約料300円で売り出していくのでありました。
専用の作業着に身を包み、契約者の自宅まで手作業で亜空間パイプをつなげていくドラえもんとのび太くん。
その姿は、まるで本職の水道工事屋さんのようです。
商売が軌道に乗りはじめたら、そのうち「のび太ジュース水道局」の冷蔵庫マグネットも配り始めそうだ。
こんな感じで、
のび太くんのジュース水道業(すいどうぎょう)がうまくいけばよかったのですが、
契約したのに水道代を払おうとしないジャイアン、カネにモノを言わせて自分好みのジュース水道に変えようとするスネ夫、
300円でジュース飲み放題なのをいいことに蛇口を全開にしてジュースを飲みまくる安雄・はる夫たち・・・と、
「のび太ジュース水道局」の契約者たちが、
サービス業の人の体験談などでよく見る「めいわくな客」の縮図みたいになっていたせいで、
将来的に「ジュース水道」を商売としてやっていけそうな展望が、まったく見えづらい状態と化していた。
こればっかりは、のび太くんの経営者としての見通しの甘さが一番の問題だと思いますが、
やっぱり「水道料金」を定額制にするのはムリがあったということですかね。
さらに、たったひとつの蛇口で町内すべての顧客のジュース水道をまかなうため、
水道の水圧をムリヤリあげ続けた結果、水漏れの原因となるウォーターハンマーが発生しかけてしまう事態も発生。
これらの経営不振と、水道トラブルが頻発した結果、
「のび太ジュース水道局」は、顧客たちが集まる説明会の中で水道サービスの終了(サ終)を発表するのでした。
サ終を発表した直後に、
「味を変えろとか色々言うし、パイプもちょこちょこ直さなきゃいけないし・・・」といろいろ愚痴りはじめたのび太社長に対し、
「簡単にやめていいのか!」「子供たちのライフラインだぞ!」と罵声を浴びせ続ける契約者たち。
罵声を浴びる側も、浴びせる側も、そしてその様子を見る者も誰も得しないという、説明会はまさに地獄のような状況になっていく。
TVのワイドショーでもこういう感じになってる説明会を何度か見たことありますが、
ドラえもんのアニメで見ても、まったくいい気分がしないですね・・・。
こうして、「のび太ジュース水道局」廃業により、
使わなくなった『亜空間パイプ』をすべて回収することとなったドラえもんとのび太くん。
のび太くんは、道中で水道工事の作業をする人たちを眺めながら、
「蛇口から水が出るって当たり前じゃないんだなあ・・・。」と、しみじみつぶやくのでした。
うーむ。何だかこのお話は、全体的に説教回だか風刺回だかのような印象を感じてしまった。
放送終了後にいろいろネットで騒がれそうなタイプのエピソードにならないか、ちょっと心配ではある。
まあ、アニメを見てその内容をどう捉えるかは視聴者の自由ですからね。
そして物語のラストは、
ジュース水道のせいで野比家の水道代がえらいことになってしまうという展開で、きれいにオチていた。
まあ正直な話、
自分はこのお話を見ながら「『亜空間パイプ』よりも『どこでも蛇口』を使った方が簡単なのでは?」と思っていたのですが、
なるほど、このオチまで持っていくためにアニオリ道具を出したってなんでしょうかね。
水道代がかからない『どこでも蛇口』だと、あのオチは成立しなくなってしまう。
あと、この感想記事を書くことで知ったのですが、
ドラえもんのひみつ道具には、ジュースどころかお酒、牛乳まで出てくる『なんでもじゃ口』という道具もあったりするらしいので、
『水道ジュース変換アダプター』のクオリティをもってしても、既存のひみつ道具に完全敗北してしまうおそれがある。
これはいけない。
でも、あんまり既存のひみつ道具のことばかり気にしてたら、
アニメオリジナルのドラえもんのお話がまったく作れなくなってしまいそうだ。
ひみつ道具に矛盾があろうが、TVの前の子供たちや親御さんが見ていて楽しんでくれるようなお話を作れればそれでいいんですよね。
とりあえず今回の脚本を担当した人が、『どこでも蛇口』の存在を知っていたのかどうかが気になります。
何かいろいろと変なことを言ってしまいましたが、
「『水道ジュース変換アダプター』は未来の世界でも品薄の商品」という情報を先に出すことで、
「契約者の家の蛇口にそれぞれあのアダプターをつけてやればいい」という意見を事前に防いでおいたりなど、オチも含めてよく練られた構成が光っていたお話でありました。
といったところで、一本目の感想はここまで。
ぼくミニドラえもん(コミックス41巻収録)
2本目は2017年7月28日放送分の再放送。
3年前に制作スタッフがリニューアルして一発目のドラえもんで放送された回ですね。
このお話は、原作のみんなでバードウォッチングをするくだりと、
アニメオリジナル展開となる、猫のミケちゃんを助けるくだりを一本の作品にまとめた内容となっております。
『スモールライト』で小さくなって飛ばされた結果、ジャイアンの鼻水まみれになるスネ夫。なんとも不運だ。
ミニドラえもんは名前のとおり、ドラえもんがミニサイズになったような姿になっていますが、
スネ夫から「天文台出して」とムチャ振りをされても、ちゃんと人数分の天文台を出していましたし、
『スモールライト』で小さくしたのび太くん達を元の大きさに戻す時も、ちゃんと「解除光線」を用いるという、正しい(?)使い方をしていた。
さらに、木の上にいたミケちゃんを助けるときも、
本家ドラえもんだったらパニックでひみつ道具を撒き散らかすだけの状態に陥っていそうな状況の中、
ミニドラえもんは機転を利かせた行動で無事にミケちゃんを救っていたりと、ミニサイズの体でもしっかりとした活躍でのび太くん達をフォロー。
サイズ自体は小さいけれど、ミニドラえもんは意外と頼れる存在なのかもしれません。
本家ドラえもんも誕生50周年で慢心をし続けていると、いつかミニドラえもんにその地位を脅かされる可能性もそれなりにありえてしまうぞ。
そういえば、アニメ『キテレツ大百科』にも、
かつて、ミニサイズなコロ助の弟分ポジションとして「豆コロ」というキャラクターが登場していた。
ミニドラえもんは現在もたびたび映画に登場するくらいの人気キャラですが、
「豆コロ」は初登場以降すっかり存在を忘れ去られ、しばらく経ってからの再登場の際にずっと物置の中に放置されていたことが明らかになるという不遇っぷり。
ミニドラえもんと豆コロ、一体どこでこんなに差がついてしまったんだろうか?
やっぱり、原作キャラとアニメオリジナルキャラで扱いも違ってくるのかも。
もしくは一連の豆コロ回の脚本を担当していた雪室俊一先生がアレだっただけという説もある。
ミニドラえもんも定期的にテレビに出してあげないと、ヤケになって反乱を起こしかねないので、
これからも末永く、程よい距離のお付き合いを心がけていきましょう。
といったところで、今週のドラえもん感想はここまで。
●ドラドラニュース●
ここ数週にわたってお送りしている『のび太の新恐竜』のスペシャル映像。
今回は「恐竜チェック編」ということで、映画本編にも登場している「恐竜博士(CV:小野大輔)」が登場しました。
かっこいい声で恐竜の解説をしてくれる恐竜博士の姿は必見だぞ!
それにしてもこのナレーション、いつ録ったやつなのかなあ。
■次回予告■
次回の放送は8月22日。
「手足につけるミニ頭」「ドラかぐや、月に帰る!?」 の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(無人島のつくり方&時限バカ弾[再])
次回の感想:ドラえもん感想(手足につけるミニ頭&ドラかぐや、月に帰る!?[再])