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NHK地上波『藤子・F・不二雄SF短編ドラマ』感想(第5回~第8回)

 

 

地上波NHK「夜ドラ」枠で再放送された、

『藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ』第5回~第8回までの感想です。

 

 

 

 

<関連リンク>

genshiohajiki.hatenablog.com

 

 

 

 

第1回から第4回までの感想は、こちらの記事をお読みください。

 

 

一応「感想」と銘打ってはいますが、そんなに大したことは書いてないので、

その点を踏まえた上で読んでいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

◆昨日のおれは今日の敵(6/5)

主人公の漫画家役はドランクドラゴン塚地武雅さんが担当。

あの漫画家の、自分に優しく他人に厳しそうな性格とビジュアルがドラマでうまいこと再現されていたのが良かったです。

 

 

あとで合成するとはいえ、ひとりで3役演じるのも地味に大変そうだ。

ひとつの画面に塚地さんが3人もいる光景。このドラマ以外じゃおそらく見れないですよ。

 

 

 

 

おもに遅筆な作家さんは、〆切ギリギリまで原稿を推敲しつづけちゃうタイプの人と、

ただ単純に限界まで仕事をサボってしまう人の、大きく2パターンに分けられるのですが、

このお話に出てくる漫画家さんは、ぶっちぎりで後者に当たる人だった。

 

 

そんなに麻雀が好きなら、SFマンガといっしょに麻雀漫画の連載も始めちゃえばいいのに。

「麻雀漫画」は闘牌描写を見開きで描けたりするので、作画の労力を誤魔化したい(?)作家さんにはおススメだぞ。

 

 

 

そもそもネームも描けていない、全くの「無の状態」から12時間でマンガが作れたら、

日刊ペースでストーリー漫画が描けてしまうという、絶対的な矛盾に気づいてほしかった。

 

全盛期の永井豪先生やジョージ秋山先生じゃなきゃ、まずムリな芸当だ!

 

 

 

 

あの漫画家の描いているマンガが、1話何ページなのかにはよりますが、

こち亀』の秋本治先生でも、ネームの完成には丸一日を要してしまうらしい。

 

 

タイムスリップで12時間前に戻れたのはよかったけど、

より良い作品を作りたいのなら、もっと走り回って、1週間くらい時間を遡るべきだったんじゃないだろうか?

 

それだけ走り回れば、いいダイエット効果にも繋がりそうですし。

痩せてスリムになったら、彼の自分第一主義なあまったれ根性も、少しは治るかもしれないぞ。

 

 

 

 

 

◆親子とりかえばや(6/6)

とりあえず、こちらから言えることとしては、

ドラマ版の相良甚六(息子のほう)が、ものすごくイケメンになっていました。

 

あんな顔のいい男子大学生が、夜遅くまで家に帰ってこないと、

どっかで変なことをしていたと思われそうだから、親に変な疑いをかけられないうちに、なるべく早い時間に帰宅した方がいいぞ!

 

 

 

 

親父と息子以外の登場人物がいろいろ変わっていたりと、

このエピソードは、原作のセリフや展開の改変がかなり多かった。

 

でも、原作を読んだことのない人でも楽しめる内容になっていたので、

この改変は「いまの時代にあわせたアップデート」といったほうが正しいのかと。

 

 

 

ディスコのことを「デスコ」と言っていたあの親父は、ドラマ版には存在しない。

ドラマ版に存在するのは、証明写真で指ハートを作ってはしゃいでいた親父だけです。

 

 

その場のノリで「証明写真機」をプリクラ代わりにしていた親父。

確かにプリクラが無かった頃はそういう文化もあったんだよな・・・と思ってたけど、じつは最近の女子も同じことやってるって本当ですか?

 

 

 

 

『親子とりかえばや』は、数多くある藤子F先生のSF短編の中だと、

なんとなく地味めな作品のイメージ(※個人の意見)になってしまうのですが、

今回のドラマ化でこの作品がセレクトされていたのは、ある意味、意外といえば意外ではありました。

 

 

 

話題性を求めるなら『ノスタル爺』『大予言』をドラマ化してもよさそうだったけど、

『ノスタル爺』は一部のセリフが放送コードに引っかかりそうだし、

『大予言』は原作が7ページしかないので、放送時間の尺が大余りしそうという不安がある。

 

 

 

 

そう考えると、放送の時間帯や視聴者層に内容がマッチしていた、

『親子とりかえばや』はドラマ化しやすい一作だったのかもしれません。

 

「あの短編をドラマ化したらどうなるのか」を想像すると、無限に妄想が膨らんでしょうがない!

 

 

 

 

 

◆流血鬼[前編](6/7)

今回唯一の前後編エピソード。

冒頭のシーンはNHK的にどうするんだろうと思っていたら、ドラマでも普通に再現されていたので逆にビックリしました。

モノクロの色調で描かれていく物語に、血の赤が映える!

 

 

 

 

あと、このドラマの感想を書くまでは、まったく気にしてなかったけど、

『流血鬼』に出てくるキャラって、全員名前がついてないんですね。

 

 

ドラマのEDクレジットを見ても全員役名がなかったし、

Wikipediaにある『流血鬼』の人物紹介も、全体的にアバウトな感じになっていた。

 

登場人物に名前がついてないせいで、ひとつの物事を紹介する際にも、

いちいち「主人公の友だちの兄貴」とか書かなくちゃいけないから、色々と面倒くさいぞ。

 

 

 

 

序盤のマチスン・ウイルスうんぬんのくだりを見ると、やっぱり例のアレを思い出してしまう。

NHKも視聴者のそのへんの反応を狙って、この話をドラマ化したのかも。

 

架空のウイルスも、実在のウイルスも、けっきょく検疫では防げなかったからオソロシイ。

 

 

 

 

主人公の少年が吸血鬼たちに襲われそうになるシーンは、まさにホラーそのもの。

まさか、NHKでゾンビものドラマが見れる日がくるとは思いませんでした。

 

自分は1話も観てないけど『ウォーキング・デッド』って、こういう雰囲気のドラマじゃなかったっけ?

 

 

 

なお、原作には「車で吸血鬼を跳ね飛ばしていくシーン」があるのですが、

さすがに原作そのままやるわけにはいかないので、吸血鬼たちが走ってくる車をゆっくりと避けていたのがちょっと面白かったです。

 

 

スタントマンを起用すれば、前述のシーンも再現できそうだけど、

現実世界でそれっぽい自動車事故が起きて、放送がお蔵入りになっても困るしなあ・・・。

 

 

 

吸血鬼に噛まれた「主人公の友だちの兄貴」が主人公たちの前から去ったところで、前編はおしまい。

続きはまた明日。

 

 

 

 

 

◆流血鬼[後編](6/8)

ドラマ版『流血鬼』が、ほぼ全編モノクロだったのは、

ラストシーン以外に「血」や「目の色」の『赤』を目立たせるためだとばっかり思っていたのですが、

じつは、吸血鬼特有の「青白い肌」の描写を誤魔化すためでもあったのかもしれない。

 

 

 

吸血鬼の青白い肌が「実写」になると、あんなコントみたいな顔になるとは、想像すらしていなかった。

あの顔は、なんとなく『志村けんのバカ殿様』を彷彿とさせる。

 

 

 

今後の人生をずっとバカ殿フェイスで生き続けるくらいだったら、

旧人類のままで、ずっと暮らしていたほうがまだマシな気もしてならない。

 

 

でもこれも、主人公のガールフレンドがいうところの「旧人の感じ方」ってやつになるんでしょうかね。

 

 

 

 

ドラマ版の『流血鬼』は、主な情報源として「インターネット」を頼るようになっていた。

原作だと「新聞」「テレビ」がその位置にいたので、これもまた現代にあわせた、作品のアップデートってやつですね。

 

 

 

作中では、SNSの存在にも触れていましたが、

あの世界のTwitterのユーザーも、吸血鬼だらけになっているんだろうか?

 

タイムラインが「吸血鬼に噛まれたけどなんか大丈夫だったわ」とか、

「【拡散希望】俺たちはニンニクや日光も平気らしい」みたいなツイートで溢れていると思うとおもしろい。

 

 

 

自分も吸血鬼に噛まれて新人類になったら、

「気がつかなかった! 夜がこんなに明るく、やさしい光に満ちていたなんて!」とつぶやいてみようかしら。(パクツイ)

 

 

 

 

 

吸血鬼の心臓に杭を刺そうとする主人公に対し、

軽やかなステップでその攻撃を躱していくガールフレンドの姿も、今回のお話の見どころのひとつです。

 

 

吸血鬼になったガールフレンド。

なんか主人公よりも力(ちから)が強そうだったし、あれも新人類のポテンシャルがなせる業だったりするのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

そんなわけで、ドラマの感想は以上です。

 

 

 

 

 

 

日付変わって、明日6月11日(日曜日)には、

BSプレミアム『イヤなイヤなイヤな奴』の放送もありますので、そちらもご覧になってください。

 

 

 

 

 

というわけで、今日の記事は以上となります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。