2022年8月27日放送分 ネタバレ注意!
お宝だらけ!こじつけ鑑定士(アニメオリジナル)
一本目は、どんなモノでも価値があるように思わせてくれる道具『こじつけ鑑定士』が登場!
でも、一定時間をすぎると効果がなくなってしまうから、注意が必要だぞ!
ドラえもんが、のび太くんにこの道具を貸してくれたキッカケは、
「スネ夫に自分の持っているラジコンカーをバカにされたから」というものだった。
なので、『こじつけ鑑定士』も「これは○○社製の非常にめずらしいラジコンで・・・」と、
おもちゃ鑑定士の北原さんのような、マニア心をくすぐる評論をしてくれるのかと思っていたら、
「頬を撫でていく、サウジアラビアの乾いた風・・・(以下略)」
「この車はもう走らない。しかし、語りつくせぬドラマを乗せて、今も走り続けている!(かもしれない)」
と、鑑定品と関係がありそうで全く無さそうな事をそれっぽくこじつけることで、
その話を聴く者に「この品はすごいものだ」と勘違いさせてしまう、どちらかといえば『腹話ロボット』の効果に近いトークを、われわれ視聴者に見せつけていた。
なるほど。さすが「こじつけ鑑定士」と、自ら名乗るだけのことはあります。
評論する時にいちいち「マーベラス!」と言ってくる点も、この道具のうさん臭さがあらわれていて、とても好きです。
22世紀の未来デパートで『こじつけ鑑定士』を買おうとしたら、
「この道具と同じカテゴリの商品」として、『腹話ロボット』のすぐ近くで売られていそうな気がしてなりません。
あと、トーク力にかなりの難があるのが、唯一にして最大の問題だけど、
「どんなものにも無理やり商品価値を生み出すだけ」なら、コミックス16巻のときののび太くんにもできそうな気がする。
「壊れた電気スタンドは、停電の時に使える」
「動かない扇風機は、暑くない日に使える」
「穴の開いたグラスは、何も飲みたくないときに・・・」
などの、天才にしか思いつけないような発想は、
『こじつけ鑑定士』に近いものを感じるのですが、果たしてどうでしょうか。
ドラえもんが『こじつけ鑑定士』を出した本来の目的である、
「自分のラジコンカーをバカにしたスネ夫をギャフンと言わせる計画」については、
案の定、本人が泣くほどにその価値を認めた(カン違いした)ので、無事完結となりましたが、
そこから何故か、自分の私物がすべて宝物に思えてしまったジャイアンによって、
剛田商店が『ジャイアンミュージアム』に生まれ変わる展開へと、大きく横すべりしてしまう。
『ジャイアンミュージアム』に展示されている品物は、勿論すべてジャイアンの私物。
ジャイアン愛用のバットに、お菓子の数々に、集めたせみのぬけがら・・・。
『こじつけ鑑定士』の手にかかれば、「鼻をかんだティッシュ」だってお宝に見えてくるぞ!
おれの私物(もの)は、みんな宝物(たからもの)!!
そんなわけで、ジャイアンに興味のない人にとっては、
まったく行く気にもならないミュージアムが爆誕してしまったわけなのですが、
もしも『藤子・F・不二雄ミュージアム』で、本物の「ジャイアンミュージアム」が期間限定で本当に開催された場合、
ドラえもんファンの自分としては、思わず行ってしまいそうな魅力はありました。
結局のところ、「モノの価値」なんてものは、人それぞれですからね。
『エスパー魔美』でいうところの、「問題はカニ缶」ってやつです。
どんなに値段が安かろうが、欲しくないものはいくらでもあるし、
逆に欲しいものであれば、いくらお金を出してでも手に入れたくなってしまう。
そこらへんの人間の感情を揺さぶってしまう『こじつけ鑑定士』は、やっぱり恐ろしい道具だと思いました。
もしも『こじつけ鑑定士』の効果に時間制限がなかったら、ゴミで金儲けをするやつがたくさん出てきてしまう!
この話も、そんな「モノの価値感の話」に集約させて、教訓めいた終わり方にすることも可能だったのに、
「ジャイアンの歌声でミュージアムが崩壊する」という、ギャグ漫画そのものな終わり方で締めたのが、流石というか。
話のオチ自体は、ギャグそのものだったけど、
『こじつけ鑑定士』がぶっ壊れるラストカットは、映画『ブリキの迷宮』の最後を思い出して、なんだかコワかったです。
モノを大事にするのもいいけど、本当にいらないものはちゃんと捨てよう!
というわけで、一本目の感想はここまで。
●ドラドラニュース●
今週は1本目のお話の合間に割り込む形で、『めざせ!一億人の大合唱!! ”ド”チャレンジ』のお知らせコーナーが。
「ドラえもん誕生日スペシャル」を来週に控えていることもあり、いつもより長めの尺でお送りしておりました。
ドラえもんの誕生日を祝うコメントが寄せられていたぞ!
さらに『テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER STATION』の会場から、
『”ド” チャレンジ』に参加してくれた子供たちの様子もお届け。
将来の夢は「歌手」だけど「ジャイアンみたいな歌手になりたい人はいないと思います」とマジレスしてきた子供など、
ドラえもん達(現場のスタッフ?)と子供の掛け合いも、けっこう見所があったのでよかったです。
とりよせバッグ(コミックス11巻収録)
家に宿題のノートどころか、学校にランドセルまで忘れてしまい、ママにこっぴどく叱られてしまったのび太くん。
それを見かねたドラえもんは、どこからでも忘れ物を持ってくることができる『とりよせバッグ』を出してくれたのですが・・・?
忘れ物と無縁の生活を送れる『とりよせバッグ』は、非常に素晴らしい道具である。
でも、ランドセルを忘れるほどの忘れ物キングであるのび太くんの場合だと、
『とりよせバッグ』そのものを忘れてしまう可能性も大いにありえます。
『とりよせバッグ』を家に忘れてしまうことが不安な人は、
『とりよせバッグ』を忘れたとき用に、普段からもう一個『とりよせバッグ』を持っておいたほうがいいのかもしれませんね。
『とりよせバッグ』を2個持ち歩いておけば、もう怖いものはない。
知らない人が、町で「女性もののカバンを2個持ち歩いている人間」を見かけたら、また違った意味でのコワさも感じてくれるハズだ!
今回のアニメでは、のび太くんが『とりよせバッグ』で取り寄せた、
スネ夫のナルシスト日記を読むくだりなどはそのままだったのですが、
原作ではその後にあるはずだった、ジャイアンのおねしょ布団が取り出される展開はなくなり、
逆にジャイアンが『とりよせバッグ』を強奪する展開へと変わっていた。
はてさて。土曜5時のアニメだと「おねしょ」はNGなんだろうか?
もしくは、原作通りの内容だと放送の尺が足りないので、
ストーリーを一部改変して、アニオリ展開を加えただけとも考えられる。
とにかく、大人の事情のおかげで、
友達みんなに「おねしょ」をした秘密がバレなかったジャイアンであった。ラッキー!
でも、その『とりよせバッグ』のアニオリ改変によって、
家じゅうをブタまみれにされてしまったのは、「おねしょバレ」と同じくらいの災害だと思います。
アニメでは描かれてなかったけど、あのあと絶対母ちゃんに怒られたハズでしょうし。
あと、部屋もめちゃくちゃクサくなってそうだ。
自分の「おねしょ」を友達みんなに知られてしまうのと、
家じゅうブタまみれ(&母ちゃんから大説教)になるの、どっちがマシなんだろう?
こればっかりは、個人によって意見が別れそうな気もするので、
いつか『スプラトゥーン3』でフェスをやる時のお題として、この究極の選択を取り上げてもらいたいところです。
アナタはどっち派?
ラストは『とりよせバッグ』で身体ごと取り寄せられてしまったのび太くん。
そして、自分の息子を『とりよせバッグ』で取り寄せるママの素敵な笑顔で、物語もおしまいとなりました。
といったところで、今週のドラえもん感想は以上です。
■次回予告■
次回の放送は9月3日。
午後5時からは『ドラ誕2022直前スペシャル』として、「どら焼きが消えた日」を。
「ドラヤキ星人の逆襲!?」「さがせ!野比家のへっぽこご先祖さま」「勝利を呼ぶチアリーダー手ぶくろ」をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(お願い!アニマループ&ダジャレでやっつけろ![再])
次回の感想:ドラえもん感想(ドラ誕2022直前スペシャル・どら焼きが消えた日[再])
ドラえもん感想(ドラえもん誕生日スペシャル・ドラヤキ星人の逆襲!?&勝利を呼ぶチアリーダー手ぶくろ&さがせ!野比家のへっぽこご先祖さま)