2018年9月8日放送分 ネタバレ注意!
クジラとまぼろしのパイプ島(アニメオリジナル)
今年もドラえもん誕生日1時間スペシャルの季節がやってきた!
『おざしきつり堀』で偶然釣り上げたオカリナと謎のクジラをきっかけに、7000年前の島へと向かったのび太くん達。
彼らが目指す先には何が待っているのか!
というわけで、
釣り上げたオカリナを吹いたら大きなクジラが「おざしき釣り堀」から飛び出て屋根を突き破ったところから、今年の誕生日スペシャルははじまる。
クジラくんが家の屋根を突き破るシーンは、
「もどりライト」でしずかちゃんのバイオリンの弓を元の姿(クジラ)に戻してしまった時のことを思い出す。
あの時のクジラは窓の外にはみ出るだけだったけど、
今回は屋根を突き破っていたので、あのクジラがかなりの巨体の持ち主であることがわかりますね。
気になったドラえもんがオカリナを調べてみたところ、そのオカリナは吹くときに52ヘルツの特殊な音波を出していることが判明。
そこからドラえもんは「52ヘルツの鯨」との関係性を指摘していた。
クジラは会話をする時、だいたい20ヘルツより低い音波を発してコミュニケーションを取っている。
しかし、1989年に見つかったとあるクジラは52ヘルツの鳴き声しか発しないため、
他のクジラとコミュニケーションをとることが出来ず、
それゆえにこのクジラは「世界でもっとも孤独なクジラ」と呼ばれているらしい。
スネ夫君も「52ヘルツ」というワードだけで、
「52ヘルツって、それもしかして世界一孤独なクジラと関係が!?」と即座に反応を示していたけど、
自分は、今回の誕生日スペシャルを見るまでそのことをまったく知らなかった。
上の文章だって、全てwikipediaからの受け売りである。
「ほどほど宝島」の回でもスネ夫はクジラに詳しかったし、実はクジラマニアだったりするんだろうか?
とにかく、今回のび太くんが見つけたクジラが例の「52ヘルツの鯨」であり、
52ヘルツの鯨を呼び寄せたオカリナ自体も、今から7000年前のものであることもわかった。
何故、そんな昔のオカリナが現代の世にあるのか? クジラはどこから来たのか?
その謎を解き明かすには、オカリナのあった7000年前の世界に行くしかない!
ドラえもん達はタイムマシンで、7000年前の「のび太くんがオカリナを釣り上げた場所」へと旅立つのでありました。
そして、タイムマシンと『ペタリ甲板』でクジラに乗ってたどり着いたのは、
島中の全ての動力をパイプの中に流れるコアエネルギーでつかさどる、現代以上に科学力の発達した島であった!
普通なら島の住人たちから怪しまれ、のび太くん達がヨソモノ扱いされてそうなところですが、
幸いにも、ひみつ道具で島の大事な貯水タンクを守ってあげたことにより、島の人たちともすぐに仲良くなることができました。
とくに今年の誕生日スペシャルのゲストキャラ、
島の研究所で働く男の子・ピトと、その助手である女の子・ナーナと仲良くなることが出来たので、
詳しく話を聞いてみたところ、いろいろなことが判明した。
まず、あのクジラは「ゴニー」という名前で、
もともとはピトの元で島の地下の調査を手伝っていたのですが、
その調査中に崖崩れに襲われた際に、探査装置の安全装置によって7000年もの間ずっと凍結されていたらしい。
その後目覚めたゴニーは、
自分が元いた島を見つけるため、数十年もの間ずっと海をさまよっていたところをのび太くんに見つかった、というワケです。
なんだか、「ONEPIECE」のラブーンを髣髴とさせるエピソードである。
話を聞くだけだと、
安全が確認されるまで7000年も凍結が解除されないような探査装置にも問題があるような気もするけど、
上記のゴニーの過去を知れたのも、探査装置のデータのおかげであるので、ここは黙るほかない。
それにしても、ゴニーの口の中にある探査装置は常に唾液でべちょべちょになってそうだ。
さらに、ピトももともとはこの島の住人ではないこともわかった。
10年ほど前、島に一頭のクジラが流れつき、
そのクジラの口の中にあった、機械カプセルの中にまだ生まれたばかりのピトがいたらしい。
そして、その流れ着いたクジラというのが、ゴニーだったというわけです。
そんでもって、そのピトが入っていた機械カプセルをいろいろ分析してみた結果、
いろんな技術に応用が効くことがわかったため、あの島のおそろべき科学文明社会が成り立ったんだとか。
7000年前の島に現代以上の科学力を与えてしまうほどの機械カプセル、すごい。
いろいろと謎の多いピトの出生ですが、
「ピトがどこから来たのか?」ということについては、
本編でも様々な考察が出たが、最後まではっきりとした答えが語られることはなかった。
今回ピトを演じたのが朴路美さんだということもあるけど、
個人的には、ピトの出生が「∀ガンダム」のロラン・セアックの出生にちょっと似ているのが気になる。
中性的な顔立ちに褐色の肌、育ての親から「見たことのない目の色の赤ん坊」って言われているところも、かなりロラン度が高い。
もしや、ピトはムーンレィスだった?
来年公開の映画も「月」がかかわっているらしいので、
そこらへんと無理やり脳内設定を繋げてみるのも楽しいかもしれないぞ。
それにしても、来年の映画の詳細はいつになったら発表されるんだろう?(2018年9月8日現在)
ここ数年の映画や誕生日スペシャル恒例となっている、
ゲストキャラ好感度アップイベント「夜中にのび太くんと会話する」も、ちゃんとあったので安心しました。
今年は、ピトが両親について語る場面が。
ご両親のお顔を見る限りだとピトはお父さんに似たんですねえ。
お父さんお母さんの事を想いつつも、「自分を育ててくれた島のみんなに恩返しがしたい」と語るピトの姿は実にかっこいいぞ。
そんなことを言ってたら、急に島が沈没しはじめた!
どうも島に眠る大量の地下水とマグマがふれて、水蒸気爆発を起こしているらしい。
このままだと、島がドッカーンだ!(byピト)
島が持たないと判断したピトは、
コアエネルギーで島全体を凍結させて、島民全員が海へ逃げる時間をかせいでいく。
ドラえもんも『フエルミラー』で『ペタリ甲板』を増やし、
ジャイアン達に『お座敷つりぼり』と『手ばり』でイルカを沢山釣り上げることを指示。
これらのひみつ道具をうまく使うことで、島民全員が脱出できるだけの船が作れるというわけです。
それにしても、誕生日スペシャルは毎年ひみつ道具がたくさん出てくるからいいですねえ。
地下の研究室に閉じ込められたのび太くんとピトを救い出すため、ドラえもんとナーナがゴニーに乗って海の底へと潜っていく!
のび太くんも「ドラえもんがきっと助けに来てくれる」とピトを励まします。
途中、研究室へと進むための穴が落盤して通れなくなってしまいますが、
ピトとのび太くんが吹くオカリナの音を頼りに、ゴニーが頭突きで崩れた岩を壊して突き進んでいく!
頭突きでカベを壊そうとするとか、ますますゴニーがラブーンっぽくなってきたぞ。
となると、ピトはブルックのポジションになるんだろうか?
こうしてゴニーの頭突きとオカリナの音のおかげで、無事2人を助け出すことが出来ましたが、
空気が薄くなる地下において大量の酸素を使いそうな「オカリナ作戦」はかなりのリスクが伴うかなり危険な方法だった。
のび太くんとピトが交互にオカリナを吹くことで男同士の間接キッス大会になってしまうという抵抗もあるけど、
自らの生命の危機がかかっている時に、そんなこと考えることもないか。
コアエネルギーの効果も底を尽き、島の地下からの脱出も危なくなってきましたが、
ここでジャイアン達が『お座敷つりぼり』と『パワー手ぶくろ』でボニーごと釣り上げてくれたおかげで、
島から間一髪脱出することができたのでした。
水蒸気爆発とともに沈んでいく、ピトの島。
すべての創作物において、過去の時代の「文明が発達しすぎた島」はだいたい最終的に滅ぶのがお約束である。
ムー連邦も、のら犬イチの国も、最終的にはみんな滅んでいた。
あのパイプとコアエネルギーを現代社会で見かけないのも、おそらくこの沈没で技術を全部失ってしまったからだと思われる。
こういうのが、のちのオーパーツとかになっていくんでしょうね。
行き場を失ってしまった島民たちも、
ドラえもんが見つけてくれた「クジラっぽい形の島」に移住することで無事解決。
「これからは僕たちが自分たちだけの力でやっていかなきゃいかないんだ」と決心を語るピトくんの姿がいいですね。
別れのシーンも、完全に映画の時の雰囲気と一緒だ!
なんか誕生日スペシャルだからとりあえず祝うシーンを入れてみたような気もするけど、
ドラえもん誕生日スペシャルなんだから、ドラえもんの誕生日を祝うのは当然のことだッ!
少なくとも、「ハッピー☆ラッキー・バースデー!」すら流れなかった去年よりは誕生日要素があるぞ!
そんな中、遅れてやって来たスネ夫が「テレビつけて!」とあわてて飛びこんでくる。
テレビでは「ドルアムーン」という南国の島の特集をやっていましたが、
それと同時にスネ夫は「ドルアムーンの旗の絵があのクジラっぽい形の島にそっくりだ!」と主張する。
そしてテレビでは、
「この島の名前は、伝説の救世主・ド=ライモンからつけられた・・・」という解説とともに、
ドラえもん達5人にそっくりの巨大石像がハッキリと映し出されていた。
疑惑が確信に変わった瞬間である。
「ドルアムーン」とは、7000年前にピトたちが移り住んだ島の現在の姿であったのだ。
つまり、ピト達は新しい故郷を自分たちの力だけで作り上げたってことですね。うーん偉いぞ。
ドルアムーンの情報自体は、
じつは作品冒頭でもちょろっと流れていたりもしたのですが、それが伏線だとは全く気づかなかった。
見事な脚本である。
なお、ドラえもん達の巨大石像が作られる展開は去年の誕生日スペシャルでもやっていたやつだ。
もしかしたらこれが誕生日スペシャル毎年恒例の展開になっていくんだろうか?
そうなったらおもしろそうなので、是非来年もやってほしい。
そしてラストは、
「ハッピー☆ラッキー・バースデー!」がいつものようにエンディングで流れて、今年の誕生日スペシャルもおしまい。
毎年やっている映画の内容を1時間に詰め込んだようの内容の深さに、今年も大満足でした。
あと、エンディングを見ていたら、
クジラのゴニー役を演じていたのが「ポコニャン!」等の藤子アニメでお馴染みの三田ゆう子さんだったことを知りました。
ポコニャンは世界一孤独なタヌキだった!?
■次回予告■
次回は9月14日放送。
「ドラえもんの歌」「相関図メーカー」をお送りします。