2020年9月5日放送分 ネタバレ注意!
●ドラドラニュース●
今日のドラえもんは「50周年だよ!ドラえもん誕生日スペシャル!」と題し、午後4時半からの1時間スペシャルとしての放送。
スペシャルゲストが選ぶおすすめのドラえもんエピソード2本に、少年サンデー版『のび太の恐竜』を初TVアニメ化したりなど、盛りだくさんな内容となっております。
さらに幕間では、ドラえもんにまつわるクイズを出題する「クイズ!ドラえもん50周年チャレンジ」なるミニコーナーも登場しておりました。
ちなみに関東ローカルでは、裏でドラマ「怪物くん」第3話の再放送が放映されていたので、
2つのチャンネルで藤子不二雄作品関連の番組が同時放映されていたことになります。
おお、なんかすごいぞ。
ウルトラミキサー(コミックス第7巻収録)
1本目はスペシャルゲストの星野源さんが好きなエピソードとして、『ウルトラミキサー』の回を放送。
本編前の幕間では、星野源さん本人もVTRでご出演。
「2つの物を合体させる発想が面白い」「あの物語を楽しく見せちゃうところが藤子先生のスゴいところ」と、このお話の魅力を大いに語っていただきました。
後ろにあった「土ラえもん」のポスター、欲しいなあ。
そして今回は、
『のび太の恐竜』以外の2本は再放送で済ませるのかと思っていたので、今日の放送タイトルがすべて新作だったのには驚きました。
50周年スペシャルだからなのか、気合い入ってますねえ。
前置きが長くなってしまいましたが、ここから本編のお話。
ドラえもんとのび太くんが、何でも合体させることができる道具『ウルトラミキサー』で、とにかくいろんなものを合体させまくるお話となっております。
こうしてざっくりとあらすじを書いてみましたが、なんだか「M-1グランプリ」の時のトム・ブラウンの漫才を思い出すような内容だ。
星野源さんの言うとおり、
いろんなものを合体させるワンアイデアだけのお話で面白い話に仕上げる藤子F先生はやっぱりすごいですわ。
さすがにイヌとネコを合体させるのは、なんか倫理的に問題ありそうですが、
「高価なツボ」と「風呂桶」や、「タンス」と「テレビ」を合体させるなど、無機物を合体させるのはかなり面白そうではある。
たぶん自分も『ウルトラミキサー』を手に入れたら、
家にあるいろんなものを手当たり次第に合体させて、ひとりでゲラゲラ笑ってそうな気がします。
でも、さすがに「冷蔵庫」と「トイレ」を合体させるのはないと思う。
冷蔵機能は問題ないとしても、突然うんこしたくなったときにどうすればいいかさっぱりわからないところがアレですし。
たぶん、生前の藤子F先生も、あの冷蔵庫トイレでどうやって用を済ますのかは全く考えてなさそうだ。
ちなみに、原作の和式トイレだと便器に直接食材を突っ込んでいましたが、
今回の洋式トイレバージョンでは、トイレタンクのところに食材が入り、便器に冷凍食品を詰められるシステムになっていました。
あそこ、冷凍庫になってるんだ・・・。
自宅のトイレを魔改造されて困惑するパパとママを尻目に、
さらにいろんなものを合体させようと、町へ繰り出したのび太くんとドラえもん。
東にバイオリンのお稽古に急ぐしずかちゃんがあれば、
「これなら早く行けるよ」と「バイオリン」と「自転車」を合体させてやり、
西にソフトクリームを食べている最中にバドミントンに誘われたスネ夫があれば、
「ソフトクリーム」と「バドミントンのシャトル」を合体させて、
「バドミントンをしながらソフトクリームを食べればいいんだよ」と笑顔でムチャ振りをしてやり、
南に友人たちの持つ「フライドポテト」と「唐揚げ」を奪おうとするジャイアンがあれば、
『ウルトラミキサー』で「ポテトが生えてくる木」をつくってやり、
北に「土管」と「唐揚げ」を合体させようとするジャイアンがあれば、
「土管のからあげをつくるのはやめろ(合体させても食べられないから)」と言い。
そういうノウハウを重ねた末に生まれたのが、
ドラえもんとのび太くんが合体した新たな存在「のびえもん」でありました。
(そういえば、「土管のからあげ」が土管の味にしかならないのなら、「ポテトの木」のポテトも木の枝の味がするのでは?)
あと、おやつを出した時のママがちょっと怒っているように見えたのは、やっぱりトイレを魔改造しちゃったからなんだろうか?
あんなことしちゃったら、どら焼き1個しか出されなくても、文句は言えない気がする。
最終的に「昼寝をする」と「もう一度遊びに行く」で意見が割れたのびえもんはひとりでケンカをする形になってしまいましたが、
この問題に対する一番の解決策としては、さっきのスネ夫君に言ってたように、
昼寝をしながら遊びに行けばいいんじゃないか?と思いました。
のびえもん本人の前で言ったら「そんなのムチャ振りだよ!」とか言ってきそうだけど、
お前らがスネ夫にさっき言ってたのは、これとだいたい同じようなことだったんだぞと無理やり説教してみたいです。
そんな感じで、1本目の感想はここまで。
ムードもりあげ楽団(コミックス14巻収録)
2本目はもう一人のスペシャルゲスト・高嶋ちさ子さんセレクトの『ムードもりあげ楽団』のお話を放送。
高嶋さんも音楽に携わる人間として、音楽で人の気持ちを動かすことのできるこの道具に共感するところが多々あるようです。
そして、ジャイアンから出題されたクイズも見事に正解し、
「簡単すぎんだよ」と捨て台詞を吐いていた高嶋ちさ子さんは非常にロックでありました。
ドラえもんが「音楽の力ってすごいんだよ」みたいなことを説明する際にパーマンが登場していたりと、原作再現もうれしかった今回。
のび太くんも『ムードもりあげ楽団』の力で率直な感想を述べることができ、ようやくママを喜ばせることができましたが、
いちばん最初はママがせっかく手作りしてくれたケーキをノーリアクションで食べるという、かなりひど目なことをしていた。
この日放送の『ハクション大魔王2020』もちょうどケーキ回だったのですが、
「いちからケーキを手作りするのはかなりの肉体作業であること」を非常に語っており、のび太くんのママが頑張ってケーキを作った大変さがわかる内容であった。
そりゃ、ママがあんなに不機嫌になるのも当然である。
「テレビのパーマンに見入ってしまったので、ついノーリアクションになってしまった」という弁明をすれば(藤子ファンには)許してもらえるかもしれないけど、
たぶんママは藤子ファンではないと思うので、そこは最初からちゃんとケーキを味わって感想を述べた方がクレバーだと思います。
このお話は『ムードもりあげ楽団』の演奏によって、
気分をなすがままに動かされてしまうのび太くんの様子が一番の見どころとなっておりまして、
パパに釣られた魚の気持ちに同情して泣き出してしまうのび太くん、
そんなジャイアンに追いかけられて、緊迫感のある逃走を見せるのび太くん、
しずかちゃんからの対立煽りにまんまと乗っかってしまうのび太くん、
そして、一度倒されてもジャイアンに食らいつくのび太くん・・・などなど、
のび太くんのさまざまな表情が見られるこの回は、のび太くんマニアにとって非常にたまらない回なのかもしれません。
あと、「いろんな感情を次々に演じる」という視点からみると、
のび太くんの中の人である大原めぐみさんの負担がかなり高そうな回でもある。
みなさんも声優さんの気持ちになって、『ムードもりあげ楽団』の回を見てみることをおすすめします。
ちなみに、この『ムードもりあげ楽団』の回は、
2005年、2015年に引き続き、水田わさび版ドラえもんではこれで3度目のリメイクになるらしい。
たしかにこのお話はアニメ映えしそうではありますが、やけに早すぎるスパンだ。
まさか大原めぐみさんも、このお話を3度も演じることになるとは思ってもなかったでしょうなあ。
大原めぐみさんの気持ちを察しつつ、2本目の感想はこれで以上です。
のび太の恐竜(コミックス10巻収録)
3本目は、今年の映画『のび太の新恐竜』の原点となった短編『のび太の恐竜』を初TVアニメ化。
映画のほうの『のび太の恐竜』はもうお馴染みの作品となっておりますが、
その原作である、増刊少年サンデーに掲載されたほうの『のび太の恐竜』がこれまで一度もTVアニメ化されていないというのは、なかなかの盲点でした。
たしかに、テレ朝でドラえもんのTVアニメは40年やってるけど、
短編のほうの『のび太の恐竜』は一度もTVアニメになっていなかった気がする。
今回の『のび太の恐竜(短編)』のアニメ化は、
アニメドラえもんの監督である小倉宏文さん自らが絵コンテを担当しているところにも、このお話に対する意気込みが伝わってきましたし、
「ドラえもん誕生50周年」を祝うスペシャルとしては、実にふさわしい内容だとおもいます。
このお話はあくまでも「『のび太の恐竜(短編)』のアニメ化であること」を意識してなのか、
普段のアニメドラえもんではあまり見かけない、
「作中の擬音をそのまま文字として出す表現」や「止め絵を多用する」など、
原作のイメージにこだわった、漫画的な演出が多く使われていたのも、なかなかに斬新でございました。
のび太くんが恐竜のタマゴをふ化させたことを知ったドラえもんが「グウ」と言うシーンで、
「グウ」という文字が一緒に出てきたのも面白かったです。
そんなわけで、初のTVアニメ化を果たした『のび太の恐竜(短編)』ですが、
アニメを見ながら「ああそうか、(短編では)ここで恐竜ハンターは出てこないのか・・・。」と思ってしまったり、
白亜紀でピー助と別れるラストがちょっとだけ尻切れトンボに感じてしまったりと、
やっぱり自分の中では、映画のほうの『のび太の恐竜』の印象の方が強いんだなあと再確認してしまうシーンもしばしば。
短編のほうの『のび太の恐竜』も名作ではあるのですが、
その世界観と面白さをさらに広げていった映画に比べると、どうしても印象が薄れてしまうのはしょうがないっちゃあしょうがない。
しかし、「短編だからこその面白さ」というのもあったりするので、両作品を容易に比較するのもアレだと考えもあります。
ここらへんの話はちょっと色々と語りたいところがあるのですが、
うまく文章にできなさそうですし、とくに面白い話にもならなさそうなので割愛させていただきます。ごめんなさい。
そして今回あらためて、アニメで『のび太の恐竜(短編)』を見て思ったことなのですが、
のび太くんから「約束の物を見せてやる」と伝えられ、
慌てて野比家にやってきたスネ夫くんが恐竜を見せてもらえなかったことにホッとしていたところを見るに、
彼の言っていることをバカにしておきながら、
あの時のスネ夫は「本当にのび太が恐竜を見つけた」とガチンコで信じていたと考えると、けっこう面白い。
ちょっと考えたら絶対ムリだということくらいわかりそうなものなのに、スネ夫もまだまだ子供である。
いや、でも、のび太くんにはドラえもんがついているので、そこらへんの事情も踏まえた上で「本当に恐竜を見つけた」と思っていたのかも。
本物の恐竜を間近に見られるのなら、そりゃスネ夫くんが野比家に駆け込む気持ちもわかりますわ。
あと、今回のアニメにおけるドラえもんの「あたたかい目」が、
原作のやつとも『のび太の恐竜2006』とも似つかない、藤子Aキャラみたいな目つきになっていたのはどういうことなんだろう?
あのシーンは、原作のイメージを尊重しつつ、
オリジナリティも取り入れようとした結果、大きく空回りしてしまった感がすごいシーンであった。
『のび太の恐竜2006』の段階でもやりすぎ感があったのに、
あそこまでやってしまったら、もはやギャグを通り越してホラーの域に達してしまう。
これから『のび太の恐竜』がリメイクされるたびに、「あたたかい目」がどんどん誇張され続けていったらと思うと恐ろしい。
1000年後にのび太の恐竜が何回目かのリメイクを果たした際には、
誇張に誇張が重なり続けて、ドラえもんが「いのちの輝きくん」みたいなビジュアルになっちゃってるかもしれないぞ。
あ、そういえば、
ピー助を見たドラえもんが「これは恐竜でこそないが、首長竜の一種でフタバスズキリュウだ!」と、
現在の恐竜の分類だとフタバスズキリュウは恐竜ではないことに対しても、ちゃんとフォローが入っていました。
やっぱり映画公開から40年も経つと、ピー助が恐竜じゃなくなってしまうこともあるんですねえ。
時代の流れと、考古学の発展を感じます。
そんなわけで、うまく文章がまとまりませんでしたが、
ドラえもん誕生50周年スペシャルの感想は以上です。ありがとうございました。
●ドラドラニュース●
エンディングで「ドラえもん50周年チャレンジ」として、クイズが出題。
抽選で「100年ドラえもん」が3名様、「ドラえもん50周年記念目ざまし時計」が40名様にプレゼントされるそうです。
商品が欲しい人は、2020年9月6日までに公式サイトからご応募ください。
■次回予告■
次回の放送は9月12日。
「ハッピーガチャはやめられない」「マジックボックス」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(手にとり望遠鏡&森は生きている[再])
次回の感想:ドラえもん感想(ハッピーガチャはやめられない&マジックボックス)