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ドラえもん感想(見えなくなる目ぐすり&目は口ほどに物を食べ)

 

 2017年4月21日放送分  ネタバレ注意!

タイトルアニメ:マジックショーを披露するのび太君とドラえもん

 
●ドラドラニュース
映画の宣伝も兼ね、オープニングで久しぶりに「夢をかなえてドラえもん」が流れました。
はて、最後に流れたのはいつぶりだろう?

 


見えなくなる目ぐすり(コミックス10巻収録)
原作回。ジャイアンに奪われた本(落書き入り)のび太君が透明人間になれる薬を使って取り戻すお話だ!
でも、のび太君が指したのは人から見えなくなる目薬ではなく、「人が見えなくなる目薬」で・・・。

 

「姿ではなく人が見えなくなる」というのは、藤子F先生らしい実にトンチの効いた道具だが、何の目的でこれを開発したのか?となるとかなり疑問が残る。
人に会いたくない時にこの目薬を使えばいいのだろうか?
いや、それなら、普通に自分の部屋に篭っていればいいだけの話だから、目薬を使う必要はないはずだ。
のび太君みたいに、町を歩いていて人とぶつかったりする危険もあるわけだし。
よほど人嫌いの科学者がこの道具を開発したんでしょうなあ。

 

劇中でのび太君は「いつだったか透明になれる目薬を借りたっけ」と言っているが、

このわさドラ版で「透明人間目薬」が出てきたのは2006年11月3日の話である。
おぼろげながらとはいえ、今から11年前に借りたひみつ道具の事を覚えているのび太君はすごいぞ。

 

そして原作では描かれなかったドラえもんの急ぎの用事も、
今作ではセワシくんとドラミちゃんがドラえもん定期点検整備に連れていくための口実であったことが明らかに。
さらに、原作・大山ドラ版では藤子不二雄先生自らが登場してこの道具のネタばらしをするシーンもあったが、今回はドラミちゃんその役割を担っていました。

 

なお、セワシ君はこののび太君の勘違いに対し、

「アハハハハ!おじいちゃんったらバカだなあ!」「もう少し見ていようよ」と終始モノ笑いの種としてモニタリングを続けていたけど、セワシ君ってこんなに性格の悪い子だったっけ?
久しぶりのアニメ本編登場でキャラクターが揺らいでしまったのだろうか?

 

今回、ジャイアンのび太君から奪った本は走れメロスであった。
のび太君はこの本を読んでいる最中に退屈になってしまい、最後のページにジャイアンの悪口を落書きしてしまったわけだ。
それにしても、のび太君は何でこんな難しい本を読もうと思ったのかが気になる。
コミックス32巻「本はおいしく読もう」の回では「2、3ページで意識不明」と言っていたのび太君にしては、かなりの進歩である。
読書感想文の宿題でもあったのだろうか? 


だとすると、この「走れメロス」の本も普段マンガしか読まない息子を不安に思ったパパからの贈り物である可能性が高そうなので、
本棚から宿題に使えそうなテキトーな本を選んで、のび太君がテキトーに読んでみたってシチュエーションが一番しっくりきますね。
で、読書感想文に飽きて、落書きに逃避してしまったということか。

 

そんなのび太君の本を奪って、お菓子を用意してまで読書に励んでいたジャイアンもなかなかである。
のび太君と同様、ジャイアンはこういうタイプの本を読まないイメージがあるので、けっこう意外だ。
作中では描かれていないけど、中身も見ずに奪ったら文字ばっかりの本だったのでガッカリするも、一応読んでみたらハマってしまったというパターンだろうか?
てんコミ27巻「人間ブックカバー」の回でも、読書嫌いののび太君が話の展開が気になって「十五少年漂流記」を読み始めたケースもある。

 

なんにせよ、マンガじゃない本も読んだ方がおもしろいぞ!ということでしょうな。(作品の内容と関係のない話で締め)

 

 

目は口ほどに物を食べ(コミックス42巻収録)
原作回。スネ夫のママの自慢話に触発され、のび太のママがおフランス料理を作ろうとするお話。
今ではサイゼリアとかに行けばいつでも食べられる「エスカルゴ」も、このお話が発表された1990年(!)ではまだまだ一般的な食材では無かったようです。
そういえば今週のお話は、AパートとBパート共にスネ夫のママが出演していた。普段あまり出ないキャラなだけにこれは結構珍しい気がする。

 

食べ物の絵や写真にかければ目で見ただけで食事ができる便利なひみつ道具「食品視覚化ガス」で遊ぶドラえもんのび太君。
野比家のレア親戚・五郎さんに「食品視覚化ガス」を吹きかけたレシピ本を読ませてお腹いっぱいにしてあげたり、
テレビにガスを吹きかけてCMの新製品の味を味わったり、食レポ番組を見ながら初ガツオの味を味わうといった使い方をしていた。
初ガツオの味を確かめたいのに、食べたリポーターの顔ばっかり映ることに腹を立てて「おじさんの顔はいいから早く料理を映してよ」とか言っちゃうのび太君!

 

こんな感じで、ひみつ道具を使って無邪気に楽しむ展開というのは、「ドラえもん」の作品の原点という感じがして非常にいい。
ドラえもんたちがTVに映ったワサビを見てしまい悶絶するシーンで、水田わさびさんが「これ私の名前~w」とか言ってアフレコ現場で軽めの笑いをとってそうだなあとか思えたりするのもいいところだ。
アニメ・現実問わず、みんなが笑顔になるのは素晴らしいことである。

 

その後も牛丼屋のポスターにガスをかけて貧乏そうなバンド3人組の腹を満たしてあげたり、
ヘンゼルとグレーテル」の絵本にガスを使って「お菓子の家」の味をジャイアンと一緒に味を満喫するドラえもんのび太君。
お菓子の家はいいとしても、店頭のポスターにガスを使ったらその日1日の牛丼屋の売れ行きが下がっていそうだ。
あのガスの効果が永久に持続するものだったら、あの牛丼屋さんは確実に潰れると思う。
あとどうでもいいですが、お菓子の家の味をあじわっている時の「みんなで食べても減らないところがいいな」というジャイアンの台詞が個人的に好きです。

 

で、このお話のクライマックスは、
食品視覚化ガスを知らないのび太のママがレシピ本を熟読してしまい、動けないほどお腹がいっぱいに。
料理も作れなくなってしまったので、帰ってきたパパはおフランス料理のレシピ本を読むことで腹を満たすハメになってしまったというオチ。

 

この道具さえあれば、死ぬまで食費がかからなさそうだけど、体の栄養面とかは大丈夫なのだろうか?
もしも、食品視覚化ガスが「脳内のイメージだけでお腹いっぱいに思わせているだけ」というシステムだったらゆるやかに餓死してしまうぞ。
未来の人たち全員がこの道具を使いはじめたら、未来の飲食業界は未だかつてないほどの大不況になりそうな気もするけど、そこらへんも大丈夫なのだろうか?

お話ラストのパパのリアクションからして、このガスだけでは実際にモノを食べるよりも精神的に物足りなかったりするらしいので、そこらへんは住み分け出来ていたりするのかな。


あと、何も知らないやつに食品視覚化ガスを吹きかけたうんこの写真を見せて相手を悶絶させるという非常に酷なイタズラもできそうだ。
でも、食材じゃないものには食品視覚化ガスは効果を示さないらしいので、相手にただ汚い写真を見せつけただけになってしまったりして。
写真を見せた相手がジャイアンだったら、確実にぶん殴られそうだ。

 

そんなことを考えながら、今週の感想はおしまい。

 

■次回予告■
次回の放送は4月28日。
GW特別企画で「火星ピクニック」「テレパしい」の2本をお送りします。お楽しみに。

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いちばんやさしい フランス料理

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