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ドラえもん感想(N・Sワッペンで運動会&しんじゅ製造アコヤケース)

 2016年5月20日放送分 ネタバレ注意! 

今週のオープニング・トーク
ドラえもん「『ドラえもん』今回のお話は?」
のび太「ぼくの50メートル走、何秒だった?」
ドラえもん「18.90秒」
のび太「またバカにされちゃうよぉ」
ドラえもん「『N・Sワッペン!』磁石だから曲がることはできないよ
のび太「それっ!」
ジャイアン「速えーっ!」
スネ夫「世界記録だ~っ!!」 
ジャイアン「運動会も頼んだぜ、のび太!」
のび太「カーブはニガテなんだよぉ」
ドラえもん「『N・Sワッペンで運動会』このあとすぐ!」

 

N・Sワッペンで運動会(アニメオリジナル)

というわけで、オープニングトークの通り50メートル走で18.90秒という不滅の大記録を叩きだしてしまったのび太君。

このままでは明日の体力テストでまたビリになってジャイアン達にバカにされてしまうと嘆いています。

ドラえもん「自分の力で頑張らなきゃ」のび太君に道具を貸すことを拒んでいましたが、のび太君のあまりの運動神経のひどさに同情。

何か道具を出そうとしますが、なかなかピッタリの道具が思いつかず、何故かポケットから偶然出てきたのが「N・Sワッペン」でした。

 

磁石のS極とN極のように引き合ったり反発し合ったりする性質を持つ、一見だけではのび太君の足の遅さをとても解決できそうにないワッペンですが、

この道具を見たのび太君は「自分が走る方向にある障害物にN極のワッペンを貼り、そして走り始めた所で自分の体にS極のワッペンを貼って走る速度を上げる」という素晴らしいアイデアを思いつきました。

磁石のパワーで加速するという点ではリニアモーターカーの原理にも似ています。

こののび太君のアイデアリニア式走法と名付けよう。

 

これにはドラえもん「ずるがしこい事を考えるのは天才的だね!理科は0点だけど。」と褒めてるのか貶しているのかよくわからない言葉でのび太君を褒め称えます。

ですが、これでは磁石の力で走る速度が上がってもゴール後に必ず障害物に激突してしまうというデメリットも存在します。

しかし、のび太君はそのデメリットを克服するための改善案をまたしても思いついてしまうのでした。

 

それは何と、壁にぶつかる直前に自分につけていたワッペンを剥がすという方法。 

「何だ、そんな簡単なことか」と思う人もいるかもしれませんが、

原作の「N・Sワッペン」の回では「自分の服に着けたN・Sワッペンが剥がれなかったことでジャイアンがくっついてくる」というオチになっていることから、

意外と原作を読みこんでいる人ほど、「N・Sワッペン=剥がれない」というイメージを思い込んでしまっている人が多いのではないか?(と、自分では思っています。)

こののび太君の行動は、そんな原作ファンの盲点を突いた見事な作戦であるといえましょう。

 

そして迎えた体力テストの日。

高級スニーカー「爆速」を履いたスネ夫君が8秒3、その巨体にも関わらず7秒8という好タイムを出すジャイアン

アニメ版のドラえもんではのび太達は小学5年生の設定なので、11歳の50メートル走の全国平均8.95秒を上回っている事になります。みんな足速いんですね。

クラスメイトが次々と測定を終わらせていき、いよいよのび太君の出番。

 

N・Sワッペンを見事に使いこなし、見事な走りを見せるのび太君。

その結果、小学5年生が50メートルの距離を5秒3で走るというとんでもない記録を叩き出してしまいました。

スネ夫君曰く「大人の50メートル走の世界記録は5秒56」ということからも、こののび太君の出したタイムがいかに凄まじいものなのかを実感できます。

ただ、厳密に言えばこの5秒56という記録は室内記録での数字であり、屋外記録でいえば2009年にウサイン・ボルト氏が出した5秒47という記録が今のところ最も早い記録ということになります。(参考:50メートル競走 - Wikipedia

まぁ、どちらにしてものび太君が世界一速い人間だという事には変わりありません。

 

昨日まで50メートル走18秒代だった人間がいきなり世界新記録を出したら、普通はスネ夫君のようにインチキを疑うところですが、

先生を含め、クラスのみんなは全員のび太君の陸上の才能が開花した」と信じ込んでいるようで、

その証拠に、先生の推薦により今度行われる運動会のクラス対抗リレーのアンカーにのび太君が大抜擢されてしまいました。

さらに、のび太君のとなりのクラスには「宇佐美ボルト」という小学生離れした脚力の持ち主がいるらしく、彼のいるクラスに絶対に勝ちたいジャイアンの思惑もあるようです。

何だか「クレヨンしんちゃん」のばら組にいそうな名前だ。

 

早速リレーの選手に選ばれたことをドラえもんに報告するのび太君でしたが、ここでリニア式走法の大きな問題点が浮上。

直線距離を走る50メートル走の時と違って、リレーはトラック競技のためカーブを走る必要が出てきます。

しかし、N・Sワッペンを使ったのび太君の走り方では直線しか走れないので、カーブを曲がることは不可能であり、

仮にカーブを曲がる時だけN・Sワッペンを剥がしたとしても、のび太君の本来の実力では大減速は必至。その間に後続の選手に追い抜かれてビリになる可能性が高いです。

このドラえもんの指摘により途端に顔を青くするのび太君。

 

このままでは正直に話してアンカーを辞退するか、当日になって運動会をズル休みする以外に方法はありません。

 

しかし、今日ののび太君は本当に頭が冴えています。

運動会前日。夜中の小学校のグラウンドに忍び込んだのび太君は、

「トラックの進行方向上の近くに置いてあるサッカーゴールやタイヤにN・SワッペンのN極とS極をそれぞれ貼り、

さらに自らもコーナーを曲がるごとにN・SワッペンのN極とS極を張り替え続ける」という新たなアイデアによってカーブ走行でも磁力を保ち続けることを実証。

実際のコースで行ったテスト走行でも、200メートル12秒8という衝撃のタイムを叩き出しました。(参考:200メートル競走 - Wikipedia

世界のスプリンターたちが200メートルを19秒代で走るのがやっとの状態で、200メートル12秒という記録はまさに異次元の領域。このペースなら先ほどの50メートルを3秒で走れる計算です。

 

心配事も解消され、もはや敵なしの状態で迎えた運動会のリレー当日。

赤組と白組がここまで同点で並んでおり、最終競技のクラス対抗リレーで勝敗が決まる大一番!

例の宇佐美ボルト君も競技前から入念なストレッチを行い、気合いを入れています。

ちなみに、最近の小学校では運動会を5月にやるところが増えているらしいですよ。

 

同チーム先頭走者のスネ夫から出木杉ジャイアンがアンカーへのバトンを繋げる中、いよいよのび太君の出番。

リニア式走法で普通に走れば余裕で勝てるので、あとはワッペンの張り替えに失敗しないよう注意すればいいだけ。

 

・・・・だったのですが、出番直前になってのび太君が前日にワッペンを貼っておいたサッカーゴールやタイヤが全て撤去されていたことが判明します。そりゃ運動会の競技のジャマになるものはどかしますよね。

N・Sワッペンが無かったらのび太君がビリになるのは明らか。もはや万事休すか?

 

しかし今日ののび太君は本当に、本当に冴えています。

この窮地で「宇佐美ボルト君の背中にN極のワッペンを貼ることで、S極のワッペンを貼った自分が磁力で追いつき、ゴール直前で自らの力でボルト君を追い抜く」という妙案を思いつきました。

のび太君本来の力でボルト君を追い抜けるのか?」「もしも失敗したら磁力でボルト君と自分の体がくっついてしまうのでは?」という疑問もありますが、リレーで勝つにはもはやこの作戦しかありません。

「頑張ろうね」と互いにエールを送るボルト君に気付かれず、こっそり背中にN極のワッペンを貼る事にも無事成功。

あとはバトンが来るのを待つだけだったのですが、ここに来て何とジャイアンがまさかの1位! のび太君にバトンを繋げました。

普通のリレーならば非常に優位に立てる状況なのですが、前述の作戦はボルト君の後ろに着かなければ完成しません。

 

なのでここは、あえてN・Sワッペンを使わずのび太君本来の力で走ることで順位を調整。

順位が最後尾に達したところで、いよいよS極ワッペンを装着!

猛烈なスピードで他のランナーを追い抜き、1位のボルト君の後ろをマークすることに成功しました。

のび太君もボルト君を追い抜くため、磁力でボルト君と自分の体がくっつくギリギリの距離まで接近。

自らのワッペンを剥がしてボルト君を追い抜くタイミングを探っています。

 

しかし、あまりに接近しすぎたせいで自分の持っていたバトンがボルト君の背中に接触。その衝撃で貼ってあったN極のワッペンが剥がれてしまいました。

これによりのび太君は急激に失速したばかりではなく、風によってN極のワッペンがくっついた大玉ころがし用の玉と引っ付いてしまい、そのまま転がってどこかへ行ってしまいましたとさ。

この突然の事態を茫然と見つめるのび太君のクラスメイト達。

ボルト君が1位でゴールしたことなど誰も気にしていないようでした。おしまい。

 

(感想)のび太君はひみつ道具の使い方に関して、たまに突然のひらめきを見せることがあります。

今回のお話もそのようなお話だったのですがあと一歩のところで失敗。やっぱりズルはよくないってのがこのお話の教訓でしょうね。

 

 

 

 

 

 

 

 

しんじゅ製造アコヤケース(コミックス28巻収録)

伊勢志摩サミット開催に合わせてか、Bパートは三重県の名産品・真珠の出てくるお話。

ママが結婚記念にパパから買ってもらった真珠のネックレスをつけてご満悦のしずかちゃん。

偶然家にやってきたスネ夫もネックレスをつけたしずかちゃんを大絶賛。スネ夫の勧めで空き地でしずかちゃんのネックレス姿をみんなに見てもらうことになりました。

自称真珠博士スネ夫曰く、このネックレスはざっと300万円はするとのこと。

そんなお値段のネックレスをママにプレゼントするとは、しずかちゃんのパパも頑張ったなあ。

 

そんな高級ネックレス。一緒に空き地にいたモブメガネ女の子ちゃん「私もつけてみた~い」とお願いするので、

しずかちゃんがネックレスを外そうとしたのですが、服と絡まってしまったのかなかなか取れません。

のび太君もネックレスを外す手伝いをしますが、やっぱり取れずに手こずっています。

その様子を見てイライラしたジャイアン「お前みたいな不器用が余計なことするな!」とネックレスを引っ張ったところネックレスの紐が千切れて真珠がバラバラに!

大量の真珠が空き地のあちこちに散乱してしまいました。

そして、そんな自分がやらかした失態を何故かのび太になすりつけるジャイアン

ひでえ奴!

 

みんなで手分けして探しますが、残り3個の真珠が見つからず。ここまで探しても無いなら諦めるしかありません。

しずかちゃんもみんなを真珠探しから解放しますが、ママの大切なネックレスを台無しにしてしまったショックから目に涙を浮かべています。

そんなしずかちゃんの姿を見て、のび太君が放っておけるはずがありません。

「僕が何とかするから!ここで待ってて!」としずかちゃんに告げ、家にいたドラえもんの力を借りることとなりました。

 

ドラえもんが取り出したひみつ道具「しんじゅ製造アコヤケース」は、本来なら真珠が出来るのに3年かかるところを僅か3か月で作ってくれるという機械であり、

この道具を使って無くしてしまった残り3粒の真珠を作ってしまおうということです。

 

しんじゅ製造アコヤケースによって問題解決のメドが見えてきたのび太君。

早速空き地で待っていたしずかちゃんを自分の家へ呼び寄せましたが、真珠製造まで3か月はかかるという情報を聞き、またしてもしずかちゃんの顔が曇ってしまいました。

その後タイムふろしきを使っての時間短縮も試みますが、それでも完成までには30分はかかるとのこと。

ドラえもん曰く「無理に急ぐと色も形も悪い安物の真珠になってしまう」らしいです。未来の技術でも真珠作りは難しいのね。

「タイムマシンで30分後の世界に行って完成したばかりの真珠を持ってくる」というスーパー反則技も思いついたけど、それだとすぐに話が終わっちゃうしなぁ。

やはりここは大人しく30分待つしかないようです。

 

そうこうしているうちに、

大事なネックレスを持ち出されて不安に思ったしずかちゃんのママのび太君の家にやって来てしまいました。

ここでしずかちゃんが見つかってしまったら、今までの行為も水の泡です。

というわけで、ここはわすれろ草の出番。

しずかちゃんのママにわすれろ草のニオイを嗅がせることで一時的にネックレスの事を忘れさせ、時間を稼ぐことに成功しました。

ちなみにこの時、しずかちゃんが罪悪感からか「ごめんなさい!」と言ってからママにニオイを嗅がせているのが、しずかちゃんの性格をうまく表現している気がしてすごく好きです。

 

無事危機は去り、のび太君が「早く真珠になれー!キエーッ!」としんじゅ製造アコヤケースにひたすら念をかけていたところ、

「チーン♪」という音と共に真珠が完成。これでしずかちゃんのママの真珠のネックレスも元通りです。

 

それと時を同じくして、しずかちゃんのママもネックレスを探していた事を思い出しました。

さらに空き地から出てきたスネ夫が、そんな状況のしずかちゃんのママと偶然遭遇した事に焦ったあまり、真珠のネックレスを壊してしまった事を勝手に白状したばかりか、その責任をのび太に全てなすりつけるというクズ行為を披露しています。ひでえ奴だ!

しかし、そこへ先ほど完成したネックレスを持ったしずかちゃんが登場。ネックレスは無事しずかちゃんのママの元へと戻りました。

 

これで問題は全て解決したと思いきや、

しずかちゃんのママは大事なネックレスが戻ってきた安堵感からか、このネックレスに関する思い出話を語り始めました。

しずかちゃんのパパは、ママにこのネックレスをプレゼントした際「将来女の子が産まれたら、その子が大人になったらこのネックレスをあげよう」と言っていたんだとか。

そして、しずかちゃんが産まれた時は「いつかこの真珠のネックレスが似合うような子になるんだろうな」と言ってたいへん喜んでいたそうです。

そんな大事なネックレスですから、持ち出されたら不安になってあたりを探し回るのも無理はありません。

ちなみにこのネックレスは別に300万円もしないそうです。真珠博士、値段を盛ったな!

 

この話を聞き、しんじゅ製造アコヤケースでつくったニセモノの真珠でごまかしてしまったことに改めて罪悪感を感じてしまったしずかちゃん。

「やっぱり探すわ!」と空き地を探そうとするしずかちゃんでしたが、そこへ先ほどネックレスを壊した張本人であるジャイアンが登場。

今度は何を言いだすのかと思ったら、自分の胸ポケットに入り込んでいた残り3個の真珠をわざわざ届けに来てくれたのでした。

(自分のポケットに入ってたら)見つかるわけないよなあ」と照れくさそうに笑うジャイアン

そういえば先ほどスネ夫が空き地から出てきたのも、なくなっていた残り3個の真珠を見つけるために一人で必死に探していたからなのでしょう。

何だ、2人ともいい奴じゃないか!(手のひら返し)

 

で、そんなスネ夫君はどこへ行ったのかというとしんじゅ製造アコヤケースが置いてあるのび太君の庭。

どうやら先ほどのドラえもんとの会話で自分でも真珠が作れることを知ってしまったようです。真珠、欲しいもんな。

しんじゅ製造アコヤケースのフタを開け、中がどうなっているのかを確認するスネ夫君。

しかし、バランスを崩してしまいうっかりしんじゅ製造アコヤケースの中に落っこちてしまいました。

 

そして日も傾き、のび太ドラえもんがしんじゅ製造アコヤケースを片付けようとしたところ、

中から真珠になってしまったスネ夫君の変わり果てた姿が出てくるというオチとなっていました。

原作通りのオチだけど、アニメで見るとけっこう怖いオチに感じる!

 

 

(感想)このお話に出てきた真珠のネックレスが、のちの映画「のび太の結婚前夜」に繋がるわけです。いや、アニメスタッフさんがあの映画を見てこの話を繋げたと言った方が正しいのか。

ただ、あの真珠のネックレスのくだりは渡辺歩監督発案の原作には無いシーンなので、あんまり公式設定にされてしまうのも少し違和感を感じてしまうというのも事実だったりします。

でも、今回のわさドラ大山ドラがオリジナル設定で繋がるというのは結構不思議な気分です。

 

それと、しずかちゃんのママの真珠のネックレスが300万円するという設定は原作にもある設定なのですが、

ダイアモンドの装飾が入っているパールネックレスなら300万円以上するものもあるらしいのですが、

しずかちゃんのママが持っていたようなパール単体のネックレスで300万円もするものはあまり存在しないようです。(参考)

なので、今回のアニメで「300万円は勘違い」というセリフが追加されたのかもしれません。

 

 

 ☆次回予告☆

次回は1週間後の5月27日放送。

「お客の顔を組み立てよう」「ママをたずねて三千キロじょう」の2本です。

両方とも原作回なのは久しぶりのような気がします。

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