2018年5月18日放送分 ネタバレ注意!
●ドラドラまちがいさがし●
先週から始まった新コーナー。
お題の絵は2週連続で「ツチノコ見つけた!」の回から出題されました。
のび太は世界にただ一匹(コミックス27巻収録)
テレビで絶滅危惧種であるライチョウの保護活動のニュースを見たドラえもんとのび太くん。
その話の流れでのび太くんは、
絶滅しそうな動物を守ることの出来る道具『国際保護動物スプレー』で町にいる珍しい動物を保護しようとするのですが・・・。
ドラえもんによる「国際保護動物スプレーを吹き付けられた動物は国際保護ガスが体に染みつき、国際保護のにおいが出るので敵に襲われなくなる」という、
一見説明になっているようで、まるで説明になってない説明が実にいい。
けっきょく『国際保護ガス』とやらが、どういう原理でできているのかは一切不明だ。
原作では保護されているのがトキだったわけですが、今回のアニメではライチョウに変わっていたのがなんとも悲しい。
これも時代の流れのひとつだと言えば、いいのでしょうか。
あと、原作を読んでいる人ならかなり印象に残っているはずな、
ジャイアン達考案の新スポーツ『のび太ボーリング(ルール:道にボールを転がしてのび太を転ばせれば勝ち)』も、
そのスポーツ描写が現在のコンプライアンスにそぐわないと判断されたのか、今回のアニメでは名前も出ず、割とあっさりとした扱いに終わっていた。
これもまた、時代の流れのひとつだと言って、いいのだろうか?
『のび太ボーリング』の詳しいルールや、問題となったスポーツ描写についてはコミックスでご確認ください。
しかし、このお話一番のキモは、
のび太君が「世界で『野比のび太』は僕ひとり!もしも僕がいなくなったら僕は絶滅する!」と主張し、自分に国際保護動物スプレーに吹き付けてしまうところ。
自分を「人類」ではなく「野比のび太」という種族だと言ってしまえる発想、「自分が死んだら絶滅」という考え方には、すごいものがあるし、
こんなムチャクチャな主張でも、国際動物保護スプレーを吹きかけてしまえば周りの人たちものび太くんを貴重種だと思ってくれるのも、またすごい。
さっきまでのび太くんをいじめていたジャイアンとスネ夫も丁重に自分を扱ってもらえるようになりましたし、
しずかちゃんだって珍しいモノを見る目で見てくれますし、「お腹が空いて絶滅したら大変」とオヤツまでたくさん貰うことが出来ました。
もしもこれがエロ漫画だったら、しずかちゃんのママあたりが「種の保存をしましょう!」とか言い出して3ページ目くらいでセックスが始まっていそうだ。
周りの人たちから優しくしてもらい、すっかり有頂天ののび太くん。
しかし、民衆からの手厚い保護は次第に狂気へと変わっていく。
自分を取材するためのテレビクルーがやってきたり、「(のび太君が)いま着ている服をくれ!」と言いだす輩が出てきたところで、さすがののび太くんも恐れをなして逃亡。
「貴重生物」を捕まえようとするハンターが自分を捕まえにやってきた頃には、完全にウンザリ状態になっていました。
最終的には、のび太の姿を一目見たいマスコミや野次馬のみなさんが自分の部屋にまで押し寄せてくるというオチで終わり。
みんながのび太くんのことを貴重種として大事に扱っていたわりに、
何故か全員のび太くんの事を「のび太だ!」「のび太が顔を見せました!」と終始呼び捨てにしまくっていたのが何かおもしろかった。
でも、絶滅寸前だろうが絶滅してようが「トキさん」「ニホンオオカミさん」「ライチョウさん」と動物を「さん付け」で呼ぶ人はあまりいないだろうからこれが自然なんでしょうな。
すごく違和感があるけど、そういうことなんでしょう。
●ひみつ道具クイズ ~春のおでかけ編~●
先週から始まった3択クイズコーナー。
今週のクイズは「ボタンを押すといろんな乗り物に変身するのはどーれだ?」。
①エスパーぼうし
②きせかえカメラ
③乗りものぐつ
上の選択肢から、正しい答えを導き出しましょう。(答えは記事の下のほうに掲載)
地平線テープ(コミックス28巻収録)
のび太くんが「地平線」を「チダイラ線」と読み間違えたことを怒るのび太のママ。
しかし、「だって本物の地平線なんて見たことないんだもん」というのび太君の反論に思わず黙ってしまう。
腑に落ちないのび太君は「地平線を出して」とドラえもんに頼みますが、「出せるかそんなもん」とあっさり断られてしまう。
そんなのび太君の様子を察したドラえもんは「出せないけど作ることはできるよ」と『地平線テープ』を出してくれるのでした。
壁にテープを貼るだけで、地平線が出来るほど広々とした無限の異次元空間ができあがるというこの道具。
ドラえもん曰く、未来の人たちは「せまっくるしいところに住んでて嫌になった時に使う」とのこと。
確かに未来の世界は、今の時代よりさらに居住スペースが限られていそうなので、広い空間にあこがれる気持ちもわかる。
個人的な願望としては、部屋じゅうの壁すべてに地平線テープを貼って、部屋一面の超異次元空間状態を味わってみたい。
のび太の部屋の中にできあがった地平線テープの空間は、床が茶色、壁?が緑色という風景になっていた。
自分のイメージの中では青っぽいイメージがあったので、ちょっと意外だった。
Twitterで、この異次元空間を「アニメ『キルミーベイベー』のOPの最初みたいな感じ」に例えていた人がいたけど、まさにそんな感じです。
あの不思議なオープニングの冒頭も、実は異次元空間をイメージしていたのだろうか?
子供たちの遊び場として使っても有り余るほどの空間をつくることができる『地平線テープ』。
サッカーやローラースケートに興じるのもいいですが、『ラクダロボット』でのんびり散歩するのも実に楽しそうだ。
このラクダロボットは車にもトランスフォーム可能なので、障害物の無い無限の空間を走り回ってストレス発散するのもいいぞ!
ただ、この道具の最大にして致命的な欠点として、
壁に貼った地平線テープがはがれてしまうと、異次元空間から死ぬまで出られなくなってしまうというとてつもないデメリットが存在していた。
現に、ドラえもんとのび太くんも、
のび太を叱るために歌舞伎みたいなポーズで部屋に入ってきたママに地平線テープをはがされてしまい、異次元空間に閉じ込められてしまう事態に陥ってしまう。
異次元空間はどこでもドアで脱出することもできない、まさに究極の閉鎖空間。
まあ閉鎖空間といっても、中の空間自体は無限に広いので、言うほど閉鎖空間か?って感じがしないでもない。
とにかく、この空間から出られないのが一番恐ろしいわけです。
「異次元空間から出られないまま老人になってしまったのび太くんとドラえもんのイメージ映像」が、物語の緊迫感をさらに煽っていく。
たとえ老人になったとしても、無人島へ10年家出した時みたいにタイムふろしきを使えばいくらでも・・・いや、そんなこと言ってる場合じゃないぞ。
このままのび太君とドラえもんは永久に閉じ込められたままなのか・・・と思っていた矢先、異次元空間の遥か彼方で一筋の光が差し込んでいるのを発見。
「こんなことありえない・・・」と驚くドラえもんでしたが、今はそこに救いを求めて走るしかありません。
今ののび太くん達にとっては、まさに希望の光だ!
で、走った末にたどり着いた希望の光の正体は、しずかちゃんの家のお風呂場。
「一度広々としたお風呂に入ってみたい」という理由で地平線テープを借りていた彼女の願望が、2人の尊い命を救ったのでした。
そして、原作のこのオチを知っている人はサービスシーンを期待したわけですが、
アニメがわさドラ体制になってから、しずかちゃん宅のお風呂のお湯の色と湯気が異様に濃くなった影響で、あまり期待していた感じにはなりませんでした。
サービスシーンは自分の目で見るんじゃない。心の目で見るんだ!
でも本当の本当に、地平線テープが「剥がしたら異次元に閉じ込められる」という仕様だったら、
そのシステムをいいことに嫌いなヤツを騙して異次元空間に閉じ込めたり、ゴミを不法投棄する奴とかがいっぱい出てきそうなので、実は何かしらの対処法があってほしい。
他の人が持ってる地平線テープでも、同じ異次元空間につながるとか。
でもそんなことすると、「未来の世界で大型連休中に地平線テープを使ったら逆に人でごったがえしてた」なんてこともかなりありえそう。
いや、無限の空間さえあれば、大型連休にあぶれた人達も全員収容できるハズ。他の人の声とかがうるさそうだけど。
そんな妄想を書きつつ、今週のドラえもんはここまで。
●ドラドラニュース●
・「ドラえもん似顔絵大募集」のお知らせ。
EDの「ドラえもんえかきうた」を見て描いた絵を送れば、番組で紹介されるよ~とのこと。
詳しくは番組公式サイトにて。
・今週からエンディングのスタッフクレジットの各話タイトルで「このお話はコミックスの何巻に収録されているか」がわかるようになりました。
ドラえもん感想記事ブログを書く時とかに役立ちますね。
■次回予告■
次回の放送は5月25日。
「ニニンジャ!からくり忍者屋敷」「友だちの輪」の2本をお送りします。
ひみつ道具クイズの答え:③乗りものぐつ
先週も書いたけど、問題文だけで答えが予想できちゃうクイズってどうなの?