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ドラえもん感想(ガンファイターのび太)

2018年1月12日放送分  ネタバレ注意!

 

 

●[新]ミニドラどーこだ!●
今週から新しいオープニングクイズコーナーがスタート。
写真の中に隠れている7体のミニドラを探す企画だそうです。
第1回はキャプテンドラえもん号の写真の中から。ミニドラは小さいので見つけるのは結構難しいですな。

 


ガンファイターのび太(コミックス24巻収録)
今年一発目の通常放送は、西部劇がテーマのお話!
普段とは違うかっこいいのび太君の姿も見れるので、のび太君スキーな方には必見の回となっているぞ。

 

物語は「ウエスタンゲーム」で高得点をとって上機嫌ののび太君がタイムマシンで西部開拓時代へ行ってしまったところから始まる。
得意なゲームで調子に乗るのび太君をバカにしてしまったドラえもんにも非があるが、
ゲームがうまくいったからといっていきなり実戦へ赴いてしまうのび太君もかなり大概だと思う。


もしものび太君がネット麻雀で好成績をとったら、点数計算もおぼつかないのにいきなり近所の雀荘へ出向いちゃうようなタイプなんだろうなあと思いました。

 

麻雀ならせいぜいマナーの悪いお客さんにカモられて所持金を失うだけで済むけど、のび太君が向かったのはガチの悪い人がたくさん跋扈している西部開拓時代。
お金どころか、いちばん大事な「命」まで失ってしまう可能性は大いにあるぞ!

 

のび太君が辿りついた街「モルグ・シティ」も、

そんなならず者達集団「ワイルドパンチ」が暴れまわっているような場所だったのですが、
自慢の銃の腕前で悪者たちを追い払ってしまったことから、のび太君が保安官として街を守る事になってしまう。
しかも、ブレーキのかけ忘れでタイムマシンがどこかに行ってしまったため、
もう怖気づいて元の時代に帰ることも出来なくなるという八方ふさがり状態に追い詰められてしまった!

 

なお今回のお話は、
モルグ・シティを守ろうとする町長さん役として玄田哲章さんが、
その町長さんの娘・べス役として三森すずこさん(※この回が放送されたのは偶然にも例の熱愛報道の前日でした)、「ワイルドパンチ」ボス役に山口太郎さん
登場してすぐに殉職した保安官役として小杉十郎太さんが出演と、アニメに詳しい人ならオッとなるなんとも豪華なキャスティングになっていた。

 

特に町長役の玄田さんは、つい先日まで「笑ゥせぇるすまんNEW」の喪黒福造役を演じられていた人。
あの喪黒が「逃げるものか。わしは一人になってもこのモルグ・シティを守ってみせる!」などのカッコいいセリフを言ってると思いつつ見てたら、何だかおもしろかった。
まだ録画したのが残ってるって人は、そういう目線でもう1回見てみることをおすすめします。

 

今週は新コーナー2本&映画予告編が流れたので、本編の時間もだいぶ削られたはずですが、
今回は30分まるまる1本このお話だったので、
原作にはいなかった、マフィア「ワイルドパンチ」のボスの登場や、
モルグ・シティのはじまりやべスさんとのより深い交流のシーンを描いていたりと、アニメオリジナルの展開もいくつか。

 

のび太君もベスさんがリサイズしてくれたジーンズと、
ベスさんの死んだおじいちゃんの帽子を身に着けたことで、いかにも保安官らしくなった。
知らない人の遺品を頭に被るというのは個人的にかなり抵抗あるけど、こういうのは形からですからね。

 

物語は佳境を迎え、いよいよワイルドパンチとの最終決戦へ!
人員総攻撃で街を襲おうとするワイルドパンチを前に、のび太くんと町長さんは看板の影から銃撃戦のチャンスをうかがっている。

どうでもいいけど、馬とともに街にやって来たならず者達の姿を見て、
彼らの向かう進行方向に落とし穴とか掘っておいたら一網打尽に出来て面白そうだなとか思ってしまった。
西部劇にこだわるより、火炎ビンとか岩石、糞尿を投げたほうが相手により深いダメージを与えられそうな気もしないでもない。
でも、そんな攻撃じゃ、物語として格好がつかないよなあ。

 

今回のアニメでは、原作にない「ピストルを撃つことに躊躇してしまう」という描写が見られたのび太君でしたが、
町長さんを守るために、そばにあった薬莢の箱を撃ち敵を転ばせたことで「そうか、人に当てなきゃいいんだ!」と開眼。

 

どうやらのび太君は、
「本物のピストルを撃つこと」が怖かったのではなく、「人にピストルを撃ってケガをさせてしまうこと」が怖かったようでした。

 

今のコンプライアンス的にその手の描写はダメって理由もあるだろうけど、
のび太君の優しい性格をうまく生かした良改変だと思います。

むしろ、人に向かって平気でピストルを撃っていた原作ののび太くんのほうがおかしい。


原作の同様の場面でも、薬莢の箱ではなく、相手に直接発砲していた。


まあ、この「ガンファイターのび太」の初出が約40年前なことや、
藤子F先生も西部劇フリークだったので、そんなこと気にせずについ自分の描きたいように夢中でペンを走らせちゃった結果が出ちゃったのかなあ、と。

いつもと違う凛々しい表情で着実にターゲットに弾を命中させるのび太君の姿はカッコいいぞ!

 

その後、変装で身を隠していたドラえもんとドラミちゃんから「ドリームガン」を受け取ったのび太君。
この銃を手に正々堂々、ワイルドパンチのボスと決闘をすることを宣言した!
撃っても相手にケガをさせず、一晩眠らせてしまう効果を持つピストルならのび太君も気兼ねなく撃つことが出来ますね。

 

ドラえもんで決闘といえば、

漫画版「宇宙開拓史」におけるのび太君vsギラーミンの名勝負を思い出す。


この勝負もまた、正々堂々としたバトルが見られるのかと思ったら、
ボスが「まいった!許してくれ!」と銃を手放すフリをして隠し持っていたナイフを取り出すという、実に汚い技を使ってきた!
せっかくの真剣勝負を台無しにしてくれちゃって!

 

のび太君もこんな卑怯者をまともに相手する必要はないと思ったのか、
ボスの持っていたナイフをドリームガンで眠らせ(このお話のドリームガンは無生物にも睡眠効果が効くらしい)、
そのまま、表情をひとつも変えずにドリームガンを何十発もボスに撃ちこんでいった。

 

この時にのび太君が何発撃ったのか気になったのでスロー再生して後で数えてみたら、なんと22発も発砲していた。
いくらドリームガンは弾数が無制限とはいえ、完全に撃ちすぎだ。これではオーバーキルになってしまうぞ。
「これは今まで迷惑をかけた人の分!これは真剣勝負に背いて自分の気持ちを踏みにじった分!これは・・・」のような、ドラゴンボール的なアレの意味も込められているのかも。

 

とにかく、のび太君の活躍で街の平和を乱す者どもは滅んだ。
この戦いのあいだ、ずっと家の中に隠れていた街の住人達は「街の英雄」としてのび太君を称えていく。
だが、そんな彼らに対し、のび太君は「ひどいよみんな!今まで知らんぷりしてたくせに!」と涙をうかべながら怒りの声をあげる。

 

こののび太君の怒りも、原作にないアニオリ展開なわけですが、
この街の住民たちの自己保身っぷりについては自分も原作を読んでいてうすうす思っていた事なので、こののび太君は本当によく言ってくれたと思う。
おそらく今回の脚本を書いた方も、はじめてこの原作を読んだ時から「なんだこの住民どもは!」と憤っていたに違いありませんな。(決めつけ)

 

のび太君の涙の訴えは住民たちの心にも届いたようで、
その後のモルグ・シティはすっかり安全で住みやすい街へかわったとの事。
ドラミちゃんの運転するタイムマシンの中でその事を知って安心したのか、のび太君はそのまま眠りについてしまう。


勝手にタイムマシンを使った事を怒ろうとしていたドラえもんでしたが、のび太君の尊い寝顔を見て、何も言えなくなってしまうのでした。
尊い・・・。

 

で、物語のラストはジャイアン達との西部劇ごっこで自分の負けを認められずにダダをこねるのび太君の姿で〆。
いつも通りののび太君といえばのび太君らしいですが、最後まで自分の意地を通そうとする姿に西部の男らしさを感じました。
おしまい。

 


●[新]帰ってきた宝島クイズ●

あのクイズコーナーが帰ってきた!  もフルカワくんの姿は見えず。

やっぱり、なぞなぞ答えられないだけで爆弾を投げつけてくるサイコパスキャラはゴールデンタイムにそぐわないと上から判断されてしまったのだろうか?

今週の問題は「タヌキが開けるとからっぽになる箱、なんだ?」  答えは記事の下のほうに書いておきます。

 


■次回予告■
次回の放送は1月19日。
「なんでもバイキング」「ジャックとベティとジャニ―」の2本をお送りします。

ナノブロック ドラえもん NBCC_036

ナノブロック ドラえもん NBCC_036

 
永久保存版写真集 平凡パンチ 甦れ、アイドルの時代

永久保存版写真集 平凡パンチ 甦れ、アイドルの時代

 

 答え:宝箱(宝箱から「た」を抜いたら「空箱」になる)