2017年1月14日(土曜日)に「スーパーサラリーマン左江内氏」の第1話が放送されました。
【第1話あらすじ】
左江内(堤真一)は、藤子建設営業3課の係長。
彼は責任を取るのが大の苦手で、部下にあきれられる始末。家庭では妻の円子(小泉今日子)に逆らえず、二人の子供・はね子(島崎遥香)、もや夫(横山歩)にも舐められていた。
ある日、左江内は見知らぬ老人(笹野高史)から「スーパーヒーローにならないか?」と声を掛けられる。意味の分からない呼びかけを無視しようとする左江内に、つきまとう老人。
まもなく、彼は空を飛んで去っていく。「ええええ!?ウソでしょー!」それを見た左江内は驚愕。
老人は翌日も左江内の前に現れ「サラリーマンのついでにスーパーヒーロー、名付けてスーパーサラリーマン!」と、しつこく勧めてくる。
そんな中、左江内は円子から「はね子がお弁当忘れたから届けてくれない?」と言われる。しかし、大事な会議が30分後に迫り、とても家に戻ってはね子の学校まで弁当を届ける時間などない。
とはいえ、円子の頼みを無視できない。板挟みになった左江内は、遂に老人からスーパースーツを借りることに。
左江内はスーパースーツを着て、ひとっ飛び!弁当を取りに帰り、はね子の学校に弁当を届け、会議に出席することに成功する。
家庭の平和も保たれ、左江内は一安心。左江内がスーツを老人に返そうとすると、彼の姿は見当たらない。
左江内は仕方なく、しばらくスーツを持っておくことに。
その後、左江内の耳には、誰かが助けを求める声が超音波のように聞こえてくるようになる。生真面目な左江内は助けを求める声に従い、スーパースーツを着て事件を解決するように。
しかしスーパースーツには、人々の記憶を忘れさせる仕組みがついていて、どんなに事件を解決しても、左江内の活躍は人々の記憶に残らず、刑事の小池(ムロツヨシ)らの手柄になってしまうのであった・・・。
人助けを続けるうち、責任の重さを感じて、やめようと決意する左江内。
「俺はヒーローの器じゃないんだ!」と彼は、スーパースーツも手放す。そんな中、はね子の学校に男が立てこもり、はね子たち生徒が人質にされてしまう・・・。
ドラマを見る前から大方予想はしておりましたが、原作の設定から展開までかなりアレンジが加えられた内容となっていました。
原作を忠実にドラマ化したというよりも、このドラマの脚本・演出を担当する福田雄一さんが藤子作品を自分流にドラマ化したって感じですかね。
まあ、ひとつのドラマ作品としては見ていて面白かったですけど、今はこのドラマで興味を持って原作を読んだ人が「ドラマと内容全然違うじゃないか!」と思われないかがとても心配です。
原作「左江内氏」もドラマとはまた違った深みのある内容で面白いですから、ドラマで興味を持った人も内容の違いに読むのを投げ出さず、是非最後まで読んでみてくださいね。
もちろん原作を読んでいる自分としても、このドラマについてはいろいろ思うところはあったりするわけですが、まあそれはそれ。これはこれ。
原作は原作、ドラマ版「左江内氏」はドラマ版「左江内氏」として、それぞれのいいところを見つけつつ、とりあえずは最終回まで楽しんでいきたいと思います。
そんなわけで、ここからはドラマを見て気になった事をテキトーに書いていこうと思います。
普段のドラえもん感想記事みたいに細かく書いて行ったらとても終わらないので、箇条書きで書いていきますね。
・福田雄一さんの演出
このドラマ版「左江内氏」で一番気になったのは、とにかく他作品のパロディやらギャグやらがたくさん入ってくるところ。自分は福田雄一作品を見たことが無かったのでかなり面を食らってしまった。
いきなり左江内氏が「恋ダンス」踊りだした時はびっくりしましたよ。見た事は無いですが「勇者ヨシヒコ」シリーズもこんな感じの内容なんでしょうかね。
ただ、第1話ラストでスーパーマンになった左江内氏とはね子を出会わせる展開は原作第1話の展開をリスペクトしてるのかなと思ってみたり。
この前出た新装版「左江内氏」の巻末コメントにて福田雄一さんが「原作の大切な部分はきちんと守ろうと心掛けていました」と言ってたりもするので、そのあたりは信じたいと思います。
あとは渡辺二朗さんやムロツヨシさんといった、福田作品ではお馴染みの役者さんも登場。何だか第1話はムロツヨシさんが左江内氏役の堤真一さんの次くらいに長く映っていたような気もする。
— koukousei@スパムじゃないよ (@koukousei) 2017年1月14日
・ドラマ版左江内氏一家
小泉今日子さんの演じる左江内氏の奥さん(円子)が鬼嫁になっていたり、もや夫が小学生になっていたりなど家族構成にもいろいろと変化が。
もや夫の低年齢化は知った時はかなり驚きましたが、彼は原作でもそんなに目立った活躍してなかったので内容の幅を広げるという意味ではまあ良いでしょう。
でも、円子がドラマだとかなりの鬼嫁キャラに描かれているのはちょっと引っかかりますな。原作の円子さんは別に鬼嫁ってわけでもないのニィ。
もちろん原作は別として切り離して考えるべきなのはわかってるんですけど、どうしても思ってしまうんですよねえ。
元AKB48の島崎遥香さん演じる「はね子」が学校にやって来た立てこもり犯に「キスをしろ」と脅されて必死に拒むシーンも「でも、原作のはね子はロックコンサートのチケット目当てに自分からキスしてたよなあ」とか余計なことを考えてしまったのもそのせい。
あと、この鬼嫁扱いを不満に思ってしまうもうひとつの理由として、第1話を見た限りではドラマ版の円子さんが今のところ家事もロクにしないただのダメな嫁さんにしか見えないってところもあります。ベッドの上でツタンカーメンみたいな姿で眠る嫁さんはイヤだ!
これも、最終回までには「やるじゃない!」と思えるような魅力あるキャラになってくれることを期待します。
・藤子ネタ
左江内氏の務める会社の名前が「フジコ建設」だったり、左江内氏の隣人の名前が木手さんだったり、もや夫とはね子がモロにのび太やドラえもんの名を出していたりと藤子ネタもたくさん登場しました。
さては、こういう藤子ネタを突っ込んでおけば藤子ファンが喜ぶと思ってるな、全く!
「藤子パロディやりたいからって勝手に会社名変えるな」とイチャモンをつけてやろうかと思ったけど、そもそも原作で左江内氏の会社名自体出てなかったような気がするからしょうがないか。
個人的にやってほしい藤子ネタを挙げますと、小泉今日子演じる円子さんが藤子作品つながりで「風のマジカル」唄ってくれないかなってのはかなり期待しています。
公式サイトを見ると、娘のはね子はアイドルに興味があるらしいので、そういう展開が本当にあるんじゃないかと思っているのですが、はてさて。
・忘却光線の描写
ドラマ版「左江内氏」でも忘却光線の設定は残っており、何故か照射される度に「忘 忘 忘 忘」という文字が出てきます。こういうの好き。
書きやすいですし、なんかTwitterで流行りそう。
・スーパースーツの利用
原作の左江内氏はスーパースーツの力の私的利用はあまりしないイメージがありましたが、ドラマ版左江内氏はスーパーマンの力で温泉に行ったりと結構やりたい放題をしていましたね。ちゃんと入浴代は払ったのだろうか?
あと、このドラマ全編を通じて左江内氏の飛行シーンの合成がめちゃくちゃ不自然なのも面白いです。冴えないCG合成だ。
・立てこもり犯の持つピストル
はね子の学校に侵入した立てこもり犯が持っていたピストルが何発も撃ってるのに全く弾切れを起こしていなかったのも、個人的に面白かったです。
実はアレは実弾じゃなくて火薬銃だったのかもしれん。
・エンディングテーマ
OPはアメリカンヒーローっぽい演出のものでしたが、EDは三代目J Soul brothersが担当。まさかのエイベックスである。
そしてエンディングでは出演者全員でダンスという最近のテレビドラマでよく見るアレだ! でも意外とかっこいいぞ。
放送後にネットニュースでもけっこう話題になっていたので、宣伝効果はバッチリだと言えます。
この手のEDですと、最近は「逃げ恥」の恋ダンスがありましたけど、この枠の土曜ドラマ的には「女王の教室」を挙げたほうがいいかもしれませんね。
なお、先日発表された通りこの「左江内氏」のドラマをもって日本テレビの土曜9時ドラマは現在の枠での放送を終えるそうです。
時間帯が変わるだけですが、藤子作品が歴史あるこの枠のラストを飾るとは何かすごい話だなあ。
感想は以上です。
次回のドラマ放送は1月21日となっております。お楽しみに!
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