2019年8月9日放送分 ネタバレ注意!
ゾクゾク!?学校の七不思議(アニメオリジナル)
今週の「ドラえもん」は2本とも怖いお話!
夏の暑い時期にピッタリなホラースペシャルをお届けします。
「ドラドラまちがいさがし」無しで、いきなりサブタイトル画からスタートした1本目。
ピアノ教室が開催するミニコンサートに、生徒のひとりとして参加することになったしずかちゃん。
会場は「想井沢(おもいざわ)」の小学校跡ということで、同じく想井沢の別荘へ遊びに行くジャイアン・スネ夫・のび太の3人は現地で会うことを約束するのでした。
スネ夫達の行く別荘がある『想井沢(おもいざわ)』というのは、もちろん「軽井沢」のモジりですね。
のび太くんが「悪いけど、この別荘3人用なんだ」とか言われて夏の遊びからハブられてないのは珍しいなあと思っていたら、
どうもしずかちゃんがミニコンサートを行う小学校跡は「学校の七不思議がある場所」として知られているらしく、
ジャイアンとスネ夫はオバケが大嫌いなのび太くんを怖がらせるために、あえて連れてきたようでした。性格わるいなあ。
そんな「七不思議」をもとめて小学校跡を探検するジャイアン達でしたが、
しずかちゃんに対し、明日のコンサートにむけて厳しく指導するピアノ教室の先生(CV:伊瀬茉莉也)に憤慨。
「あんな厳しくしなくても」「ああいう偉そうな先生はギャフンと言わせてやりてえな」と語った上で、一同は学校の七不思議をつかったドッキリを敢行することに。
学校の七不思議を信じていないピアノの先生が実際に学校の七不思議を目の当たりにしたら、絶対にギャフンと言うはず・・・という目論見のようです。
そんなわけで、
「濡れぞうきん」や、理科準備室にあったと思われる「ガイコツの模型」といった小道具に頼るジャイアン、
自分が考えたことを自由に映し出すことのできる道具『空想ディスク』を使って驚かせようとするのび太くんが、それぞれ三位一体となって先生をおどろかしていく!
・・・つもりだったのですが、
お互いがやろうとしてることを事前に打合せしてなかったのか、
それぞれが他の人の考えた仕掛けによってびっくりしてしまうという、いわゆる自滅状態になってしまった。
学校跡でやる「おばけコント」としては、非常に上質な出来になったけど、
ターゲットであるピアノの先生はそのことに全く気付いてなかったので、ドッキリとしては完全に失敗ですね・・・。
自分の考えたものが実体化するという『空想ディスク』は、既存の道具だと『イメージベレーぼう』に効果が似ている。
ただ『空想ディスク』は、実体化したものには触れない仕様になっていたので、
実用度でいえば、実体化したものに触ることも出来る『イメージベレーぼう』の方に軍配があがるのは否めない。
でも、この後の展開のつながりや、
そもそも「ホラー回」という雰囲気の中で、イメージベレーぼうをかぶっている姿はあんまりしっくりこなさそうなので、
「物語の空気を壊さない」といった点だけで言うなら、『空想ディスク』を使ったほうが良さそうではある。
TPOやその日の気分にあわせて、ひみつ道具を使い分けてくれ!
そんなオバケ大作戦(失敗)と並行して、
物語は「今回のミニコンサートに熱を注ぐピアノの先生」にもスポットを当てて描かれていた。
今回の会場となる小学校出身だった先生は、
かつてピアノを教えてくれた先生にも自分の今の姿を見てほしいと思うあまり、つい生徒にもきびしい指導をしてしまったようだ。
まあ、ある程度の熱血指導はしょうがないにしても、愛のない指導をするのはダメだってことですね。
先生もぐうぜん頭に乗っかった『空想ディスク』で見た
「先生にピアノを教えてもらっていた子供時代の自分の姿」を見たことで、自分の行いを反省し、しずかちゃんにも謝っていた。
今回みたいに「ひみつ道具の効果を用いてゲストキャラの内面を描く」というやり方は、
どちらかといえば『ドラえもん』というよりも、アニメ版『キテレツ大百科』のお話っぽいなあと感じました。
本編で言及はされませんでしたが、
「子どもの頃のピアノの先生にピアノを教えていたピアノの先生(ややこしい)」が翌日のミニコンサートに来てなかったところを見るに、
おそらく、その先生はもう既にお亡くなりになっているということなんでしょう。
そういう事情も考えたら、今回のゲストキャラであるピアノの先生の過去ももうちょっと知ってみたくなる。
あと、今回のお話がホラー回だからなのか、
ピアノの先生の見た目がなんとなく「妖怪ウォッチ」にいそうなキャラデザをしていた。
すくなくとも、ドラえもん世界の住人っぽくない顔だ。
そして1本目のホラー回のラストは、ピアノの音色が流れる中、静かに終わっていった。
オチがないようであるような回だったけど、まあ、ホラー回は大体こういうもんでしょう。
ピアノの先生目線で見れば、
「導かれるままに体育館に行ったら子供の頃の自分がいた」という経験は充分にホラーだし、
学校の七不思議をつかって先生を驚かせようとしていたドラえもん達も、最終的には「七不思議は本当だったんだ~!」とさけんでいた。
誰がなんといおうと、この話はホラー回だ!
本物のオバケとか出さなくても、
すこし・ふしぎなお話としてしっかりと成立していた、いい1本目でした。
●ドラドラニュース●
今週は、1本目のお話の合間に「テレ朝夏祭り」の宣伝が。
自分もこの前行ってきましたよ!(自慢)
●ドラドラまちがいさがし●
今週は「22世紀で夏休み」からの出題。
そして今回はOPコーナーではなく、1本目と2本目の間に放送というかなり変則的な編成だった。
ドラえもんのセリフも、
いつもの「ドラえもん、はじまるよ~」ではなく、「次のお話はこちら!」に変更されてました。
人食いハウス(コミックス14巻収録)
2本目。「自分の部屋が欲しいと思う」のび太くんが、ドラえもんの道具と思われる「組み立て式の家」を発見!
喜び勇んだのび太くんは、さっそく空き地に家をつくるのですが・・・。
終始描かれ続けるホラー的展開からの、
「この道具は人食いハウスと思わせて、実は『ドロボウホイホイ』でした~」という脱力系のオチに繋がるまでの流れが、このお話の一番のウリである。
今回のアニメを見て、初めてこの話を知ったという人の感想も聞いてみたいところですね。
山のてっぺんにこの道具を設置したら、「ポツンと一軒家」の現地スタッフ全員生け捕りにすることもできそうだ。
チャンスがあったら是非一度やってみたい。
でも他人に迷惑がかかるから絶対にやっちゃダメだぞ。
それにしても、この道具。
『ドロボウホイホイ』という名前のわりには、ドロボウ以外の人間を捕まえすぎているような気がする。
アレを設置するにはそこそこ広めの敷地が必要だし、未来の人たちは本当にアレでドロボウを捕まえたりしてるんだろうか?
現代と違って、未来の世界にはおおらかな考えの人が多いのかもしれない。
しずかちゃんの言っていた「不思議な家の映画」「入った人を食べちゃうの」というくだりには、元ネタとなった映画がある。
大林宣彦監督の初劇場映画作品だ!
自分もその世代じゃなかったので、
この作品の存在をけっこう最近まで知らずに生きてました。
連載当時は誰でもわかった時事ネタも、時が経つと本当にわからなくなっちゃうんですよねえ。
「未来の町にただ一人」の回で、
セワシくんが「そうなんですよ、おじいちゃん」と言っていたくだりにも元ネタがあることを知ったのも、実はつい1年くらい前・・・。
原作では何故かのび太くんソックリな顔をした野球少年も出ていたんですが、今回のアニメではそこら辺の要素をまるまるカット。
やっぱり「存在がまぎわらしい」と判断されたんでしょうか。
アニメにも「のび太顔野球少年」を登場させて、
「なんでここにのび太が?」と初見の視聴者たちの頭を混乱させてほしかったところだけど、そういう理由だったらしょうがない。
そんなことをいろいろと考えながら、今週のドラえもん感想はおしまいです。
●ドラドラニュース●
・1本目と2本目のお話の間で、
『ドラえもんまんがセレクション TVアニメ40周年!スペシャル』と
『オールカラー版ドラえもんひみつ道具ずかん』を、2冊セットで40名様にプレゼントのお知らせが。
2019年8月16日夜7時25分までに、公式サイトへ応募しに行ってね!
・今週のエンディングも「踊れ・どれ・ドラ ドラえもん音頭 2017」でした。
放送スケジュールから考えると、今年はエンディングであと1回流れるかどうかって感じで・・・。
■次回予告■
来週8月16日は「決定版!日本の名曲100選」放送のためお休み。
次回の放送は8月23日。
「立体パズルハンマー」「サンタイン」の2本をお送りします。
前回の感想:ドラえもん感想(大パニック!のび太のヒマワリ日記&けん銃王コンテスト)