ドラえもん感想（葉っぱ探偵のび太＆二十一世紀のおとのさま） - 原子おはじき（藤子不二雄作品関連について語るブログ）

２０１７年１１月１０日放送分　　ネタバレ注意！

タイトルアニメ：ピアノで「猫ふんじゃった」を演奏中に猫に踏まれるドラえもん（2017年4月14日放送分の流用）

葉っぱ探偵のび太（アニメオリジナル）
サブタイトル絵は「葉の生い茂る木の枝を持つドラえもんと、それを虫眼鏡で注意深く観察する探偵服姿ののび太くん」。
タイトルから受けたイメージをそのまま絵に表したような感じですね。

のび太くんの近所で連続いたずら事件が発生！
犯人は、しずかちゃんが飼っているピーちゃんの鳥かごを倒したり、ジャイアンのコンサート衣装をボロボロにするなど、やりたい放題の限りをつくしていた。

特に、とっときの高級どら焼きを食べられてしまったスネ夫は、
怒りのあまり「これってドラえもんが犯人なんじゃないの？」と勝手に犯人がドラえもんだと決めつけてきた！
完全に被害にあったモノから、人物を連想してるだけじゃないか！

もちろん、こんなことを言われてのび太くんが黙っているはずがありません。
ドラえもんの無実を証明するべく「僕が真犯人を見つける」と言ってのけるのでした。

そんな、自分がいたずら事件の犯人だと疑われていることなどつゆ知らず。
ドラえもんは「グラスハッパーセット」なるひみつ道具をつけ、非常にはしたない顔でうら山の自然を満喫していました。

この道具は、付属のゴーグルに植物の葉っぱを１枚セットするとその植物の葉っぱの持つ感覚を体験することができるという機能が備わっており、
自らが植物の葉っぱになった気分で周りのものを見たり、その場の空気を自分の五感で楽しめたりもするので、大自然のヒーリング効果も期待できそうな道具である。

本来は小さな生き物や自然現象を観察する用途でつかう道具とのことらしいのですが、
しずかちゃんの浴室近くの葉っぱを手に入れることが出来れば、しずかちゃんのお風呂を思う存分観察することも出来そうですね。（最低）

ゴーグルはのび太君の頭からドラえもんのデカ頭でも対応できるほどのフリーサイズだったり、
利用者が見ている光景を、ほかの人たちも見れるように目の前に映し出すプロジェクター機能もあったりと、
道具の顧客ニーズにもしっかりと答えているのも、個人的には好印象です。

友達のメス猫・モモちゃんと一緒にうら山の木いちごを食べに行ったドラえもんを見送ると、
のび太くんは、この「グラスホッパーセット」を使って連続いたずら事件の真犯人を探し出すことにしました。

実際の事件のあった現場に自ら赴き、その近くにある木から証拠になるはずの葉っぱをとっていくのび太くん。
その姿はまさに「葉っぱ探偵」そのものですが、そんなことするならタイムテレビで直接犯人を捜したほうが手っ取り早い気もする。
でも、そんな事言っちゃったらこの道具を出した意味が皆無になってしまうので、そこらへんは受け流したほうがいいか。

犯行現場を一望できる植物の葉っぱを手に入れたのび太くん。
早速これらの葉っぱの中に入って真犯人の姿を見てやろうとするのですが、
困ったことに、その葉っぱの視界に入ってくるのがドラえもんの姿ばっかりと来た。

しかも、体重が129.3kgもあるのに、平気で人様の屋根の上や塀の上をドカドカ歩いていったり、
スネ夫の飼い猫・チルチルがモモちゃんにプレゼントした高級カツオブシに対抗するべく、
こちらも家の冷蔵庫にあったサンマを勝手に持っていってしまうなど、ドラえもんが一連の事件の犯人だと思われてもしょうがない行動ばかり取っている始末である。
これが本当の「どろぼう猫」ってヤツか？

この一部始終を見たのび太くん。
さすがに自分の中のドラえもんに対する信頼が揺らいでしまい、「犯人はドラえもんなのかな・・・」とついつい弱音がポロリ。

さらに運の悪いことに、しびれを切らしてのび太の家までやって来たジャイアンとスネ夫にその弱音を聞かれてしまい、一気に窮地へと追いこまれてしまった！

本人から確実な言質をとったとばかりに「いま『ドラえもんが犯人だ』って言ったよな？」「犯人をかばう気か！往生際が悪いぞ！」とここぞとばかりにのび太を攻め立てるジャイアンとスネ夫！

それにしても、何でこの２人はそんなにもドラえもんのことを犯人にしたがっているんだろう？
もう長年の付き合いなんだから、少しはドラえもんを信じてみたらどうなんだ？

ところが、しずかちゃんが何気なくゴーグルをつけたことで状況が一変！
なんとスネ夫の飼い猫であるチルチルが鳥かごにイタズラをしたり、ジャイアンの衣装をビリビリにしている現場が映し出されていたのでした。

BGMとして流れる「ネコふんじゃった」の軽快なリズムとともに、ジャイアンの衣装をひっかき続けるチルチル！
いやあ、まさか冒頭のOPアニメが物語の伏線になっていたとは思いもしませんでした。
てっきり、いつもの使い回しなだけかと思ってた。

こうしてドラえもんの疑いも晴れ、事件は無事に解決。
何も知らないドラえもんをよそに、のび太くんは感謝の気持ちを込めて植物たちに水やりをするのでした。

●ドラドラニュース●
・今週はめずらしく1本目の途中でＣＭが入りました。
・来年2月2日から原宿で行われる「リアル脱出ゲーム」の親子ペアチケットを30組60名様にプレゼントするとのこと。
　詳しくはこちら。→「映画ドラえもん」が脱出ゲームに！ひみつ道具を使ってドラえもんを助け出せ（動画あり） - コミックナタリー

二十一世紀のおとのさま（コミックス24巻収録）
わさドラでは2007年11月2日にアニメ化済み。
原作回だけど、今は21世紀なのでもともとのタイトルから1世紀ぶん増えています。
この調子で900年後もアニメドラえもんが続いていたら、「30世紀のおとのさま」なんてタイトルになっているはずです。

「お前が来たせいで仕留めようと思ってたキジが逃げたから手打ちにする」と言う殿さまからお百姓さんを救うため、ドラえもん達はタイムマシンでむかしの時代へ。
しかし、その殿さまがタイムマシンでうっかり21世紀の現代に行ってしまい・・・。

この話で「手打ち」が首をちょん切るということだと知った人は多いはず。
うっかり「城のおさむらいに牢屋の場所を聞いてしまうのび太くんを見た時のドラえもんの顔」も実に原作そっくりだったので、よかったです。

あと、「退屈だから」という理由でドラえもんみたいにタイムテレビで過去のプライバシーを覗くのはちょっと問題がある気がするぞ。
もしかしたら、今、あなたがパソコンやスマホでこの記事を読んでいる姿もヒマな未来人にこっそり覗かれていたりして。
藤子F先生の異色短編には、タイムテレビでうっかり不倫現場を見てしまったことで殺された人とかもいたりするので、あまり過去の詮索はしないほうが賢明かと。

一応お百姓さんは無事に助けられたけど、
自分の目の前に突然現れた空を自由に飛ぶ人間（とドラえもん）の姿に、お百姓さんはいろいろと疑問を感じなかったのだろうか？
ちょっと気になる。

こうして現代に来たおとのさま。
のび太のママ相手に刀を振りかざす、腹が減ってラーメンを無銭飲食するなど、いかにもな立ち振る舞いだ！

テレビや自動車を見てあっという間に発狂していたのびろべえさんと違い、
未来の世界でも自らのペースを全く崩さず、自分の時代にはなかったモノに対して積極的に興味を示していたところは、さすが殿さまといったところでしょうか。

なお、同じく藤子・F・不二雄先生の作品である「てぶくろてっちゃん」にも、これと似た感じの展開になる話が存在する。
そちらの殿さまは同じようにラーメンをタダ食いしたどころか、無銭飲食を指摘した店主を斬捨て御免しようとして警察に捕まるという衝撃のラストを迎えていた。
そちらの話については「てぶくろてっちゃん第2巻」に載っているので、興味のある方はあとで読んでみてください。

帰る場所の無くなった殿さまは、「重力ペンキ」の回に出てくるあばら谷くん風の少年と出会う。

家に泊めてもらえることの出来た殿さまは、少年とペットボトルの茶を酌み交わしつつ、
くまいもとこ声の少年からの「殿さまってどうして偉いの？」「遊んでいるのにどうして偉いの？」といった純粋な質問に答えられず、唸るばかり。
これも一種の茶の湯、わび茶といったところでしょうか。

さらに泊めてもらった恩義として、少年の父親と一緒に工事現場で働くこととなり、
普段肉体労働をすることのない殿さまにとっては、非常につらい作業をこなしていきます。
ですが、昼飯として出た何の変哲もない日の丸弁当を食した殿さまは、この時代に来てすぐに食べたラーメンよりもこの弁当の方がずっと旨かったことに感動を覚えてしまう。
いわゆる、働いたあとのメシはすごく旨いってやつですな。

こうして、働くことの楽しさを覚えた殿さまは、
元の時代に戻ってからも百姓さんと一緒に畑仕事を手伝ったりと、非常に思いやりのある人物に成長。
前よりもずっと親しみやすくなった殿さまの姿にお百姓さんも笑顔で接し、タイムテレビでその光景を見ていたドラえもん達も嬉しそうな顔を見せるのでした。おしまい。

●ドラえもん宝島クイズ●
今週のクイズは「パーティの最初に出てきたパイは？」

今回は結構難しいし、その証拠にコーナー開始４回目にして初めてフルカワくんの爆弾が爆発してしまったほどの難易度を誇っている。
ヒントは「パーティで飲み物を飲むときに最初にすること。」

気になるクイズの答えは記事の下の方に書いておきます。

■次回予告■
次回の放送は11月18日。
「ハツメイカーで大発明」「大砲でないしょのはなし」の2本をお送りします。
そろそろ来週あたり、映画の続報がありそうな予感。