「ちゃお」で先月号から始まった
『映画ドラえもん のび太の新恐竜 ふたごのキューとミュー』第2話の感想です。
(以下、映画のネタバレ注意)
ふたごの恐竜・キューとミューを育てることになったのび太くん。
キューが水たまりに落ちたことで体調をくずしてしまった出来事から、
生き物の命の重さ、そして、その命はほんのささいなことで消えてしまうことを痛感。
キューとミューに対し、より責任をもって育てることを誓うのでした。
キューが体調を崩してしまうくだりはむぎわら先生版の『新恐竜』でもやっていたくだりですが、
むこうが「回想」という形をとって、約2ページほどの内容で描かれていたのに対し、
今回のときわ藍版では、より詳細にミューの体調不良のくだりが描かれていました。
やっぱりこのコミカライズは、映画本編のストーリーをなぞることよりも、
「のび太くんたちとキューとミューのふれあい」を描いていく作品なのかもしれません。
映画のシナリオ自体は作者さんの手に渡っているけど、
どうやって漫画にするかは自由って感じなんでしょうかね。
こっちの漫画ではキューとミューのアップの絵が多いですし、ドラえもんだって可愛く描かれている気がするぞ!
(とくに「あたたかーい目」のところ)
あと、ときわ藍先生が作中のドラえもんに「ドラヤキ百科」を読ませているところに好感をもちました。
ちゃおっ娘にはこの小ネタの意味が伝わってないかもしれないけど、こっちにはしっかりと伝わっているから安心してくれ!
今月はミューが空を飛べるようになったところで終わりましたが、
次回のお話ではキューが空を飛べるようになるまでをじっくり描いていくのかも。
読者のみなさんも、キューとミューの成長をのび太くんやドラえもん達と一緒に見守っていきましょう。
といったところで、今月はここまで。
次号のちゃおは2月3日(月曜日)発売です。おたのしみに。
そして、12月26日(木曜日)に
ときわ藍先生の初単行本「夜からはじまる私たち」が発売されました。
主人公の宵間ユメをはじめとする定時制高校の仲間たちがダンス大会に挑む青春ストーリー!
漫画を通して「新しい世界に飛び出すこと」を勇気づけてくれる、実にいい作品でした。
仲間と一緒に目標に向かって必死に頑張れるユメさんは普通にいい子である。
全3話なのでサブキャラの掘り下げが行われなかったけど、作中では憎まれ役でしかなかった杉浦部長も深く掘り下げてみたらかわいいところが出てきそうな気がします。
杉浦部長は一見コワそうだけど、意外とベッドにくまのぬいぐるみとか置いちゃうタイプの人だと見ました。
ベトナム人のフィーさんが「ドラえもん好きキャラ」になってるところもよかったです。
でも、単行本によるとこのキャラの元ネタとなった人がいるそうなので、
もしかしたらその人も、もともとドラえもんが大好きだったのかも。
ときわ藍先生もフィーさんと同じく「ドラえもん好き」であるので、
この共通点がきっかけでベトナムの人と仲良くなれた・・・ということもありそうです。
定時制学校に通うときわ藍先生の周りにいる人たちを描いたエッセイ漫画もちょっとだけ見てみたいぞ。
そして、ときわ藍先生は14歳でまんが家デビューを果たし、
弱冠18歳にして、今回の単行本「夜からはじまる私たち」が発売となった。
藤子不二雄先生が4コマ漫画「天使の玉ちゃん」でプロデビューしたのが18歳だと考えると、かなりすごいことです。
先人の作家さんたちが「漫画」というジャンルを耕してくれたおかげで、
商業漫画のレベルも約60年のあいだでここまで進化したと考えると、ものすごく感慨深い。
トキワ荘時代の藤子不二雄先生が「リアル青春ダンスまんが」を描いてたら、現代の漫画シーンは一体どうなっていたんだろう?
このまま漫画のレベルがどんどんと上がり続けたら、
2100年あたりには、18歳が描く漫画のレベルはさらにすごいことになっているんじゃないかと思うと、なんだか楽しくなってきますね。
長生きもしたくなる。
80年後の漫画はどうなっているのかという期待もしつつ、ときわ藍先生のこれからにも存分に期待していきたいと思います。
おしまい。