※この記事には『映画ドラえもん のび太の月面探査記』のネタバレが多数含まれています。
本編鑑賞後にこの記事を読むことをお薦めします。
(画像:エレベーターの前を塞ぐドラえもん)
3月2日(土曜日)に『映画ドラえもん のび太の月面探査記』を見に行ってきました。
というわけで、映画を見た感想を今から思いついたままにぐだぐだと書いていこうと思います。
映画を見た人に向けての内容になってるので、未見ではおそらく何のことについて言ってるのかよくわからない文章になっていると思います。
そして、結構長い文章だぞ!読みやすさとか気にしないで書くぞ!
さて、今年は小説家の辻村深月さんが脚本を担当した「映画ドラえもん」。
辻村先生は「ドラえもんが好き」ということで独りよがりな内容になる不安もあったのですが、見てみたらなかなかどうして面白かった。
本業が作家さんということもあって、終盤における怒涛の伏線回収は見ていて気持ちが良かったです。
いやースゴかった。
「ドラえもーん!→OP」「のび太くんのゲストキャラの夜会話」「しずかちゃんのお風呂シーン」「のび太くんの射撃」「ジャイアンの歌」など、
映画ドラえもんの定番となっているシーンも、ちょっと手を加えつつ、ちゃんと登場していたところも藤子ファンがつくった脚本っぽさがあって高印象。
とくに「ドラえもーん!→OP」の始まり方は、
「映画ドラえもん」だと3年ぶりだったりするので、今年これが復活して本当によかった。
あと、転校してきたルカくんが教室のうしろに座っていたのは「パーマン」のオマージュで、
ルナさんが終盤で仲間を助けるためにエーテルをつかったときの指の形は「エスパー魔美」のオマージュに思えました。
たとえ異星人だとしても、異能力を使う時はどうしてもあの指になっちゃうんでしょうね。
映画を見ていていくつか疑問に思った点もあるのですが、
その点については、小説版「月面探査記」でフォローが入っていたので、そこについては小説の感想記事で書きたいと思います。
予告編で流れていたのび太くんが落っこちるシーンが、じつは序盤のほうのシーンだったのも驚きでした。
あれ、映画の後半あたりにあるけっこう重要なシーンだとばっかり思ってました。
あの予告編作った人はうまい。
「月の重力は地球の6分の1」という環境なので、「宇宙開拓史」的なのび太くん達の活躍もあるのかと思っていたのですが、
ドラえもんチャンネルで公開されている辻村先生と八鍬監督の対談によると「重力の違いの比較は宇宙開拓史でやったので今回はやらない」とのことだった。
月での舞台となるウサギ王国は『異説クラブメンバーズバッジ』の効果で地球と同じ環境になったので、そのへんの問題についてもはぶかれていましたね。
地球に来たルカくんも従来の6倍の重力では大変だろうと思ってたけど、「エーテル」の効果で地球人以上の力を出せているようだった。
映画を見ながら、ルカくんがエーテルの使い過ぎで、
急激に老けたり死んじゃったりするんじゃないかとヒヤヒヤしてましたが、とくにそんなこともなくてよかったです。
ルカくんの重力関連については、小説版のほうで描かれていたりもしたので、そこらへんもまた後で。
あと、地球人に扮していたルカくんは何故ジャンパーに帽子&スパッツという攻めたファッションを選んだのかも気になる。
全身を紫でトータルコーディネートしていたのは、おそらく普段は紫色の服を着ていたからなんでしょうけど、
おそらく、ルカくんはあの格好が一番地球人らしい格好だと思っていたのでしょう。
そう考えると何だか微笑ましい。
ルカくんやルナさん、アルもふくめ、エスパルは11人存在しているとのこと。
「11人」と聞くと、やっぱり萩尾望都先生の「11人いる!」を思いだすけど、それとは関係あったりするんでしょうか。
劇中では名無しのエスパルが8人出てくるわけですが、あの中では青い子が個人的に一番の好み。
映画見てる人じゃないとわからないかもしれませんが、牧畜の手伝いをやってた子です。
映画クライマックスで逃げるディアボロをエーテルの力で止めてた時、
みんな両手でエーテルを出してたのに、あの青い子だけ片手でエーテルを出すポーズをとってたところがものすごくクールだと感じました。
あんなキャラの立ってる子が名無しなんて、もったいない!
あと、タオルを頭に巻いてた子も好きです。鍛冶屋っぽいことやってた子。
大人になったルカくんと一緒にエンディングにもちらっと出ていましたが、あの子の性別って男だったんだろうか?
名前どころか性別もわからないのは、逆になんかすごいね。
メガネをかけたユービットこと、ノビット。
初めて見た時は「ミニオンズ」の人気を受けて生まれたキャラなのか?と思っていましたが、こいつも劇中ではかなり活躍していました。
ビン底メガネは「ねじ巻き都市冒険記」のアインモタイン氏もかけていたので、じつは優秀であることを示すアイコンなのかもしれない。
でも、あのデザインはどう見ても「ミニオンズ」から着想得てるよなあ。
「ノビットの発明するものはすべてあべこべになる」という設定は、映画だけ見てるとちょっとわかりづらかった気がする。
あの逆に走る車も、クライマックスに繋がる伏線のひとつだったと。
ユービットもかわいかったですね。
集団でいろいろわちゃわちゃしてるシーンは、DVDを手に入れたら見返したいところです。
でも、はじめは2匹だったユービットが最終的に1000匹になってたことを考えると、かなりの繁殖力だと思う。
そのうちユービットが増えすぎたことで「ウサギ王国」が手狭になりそうな気がして、すごい不安だ。
「実はウサギ怪獣がユービットを捕食して人数調整をしている」という裏設定を思いついた。
自分は全く気づけなかったけど、
「モゾは『竜宮城の8日間』に出てくるカメの名前からアイデアを得ているのでは?」という情報をネットで拾い、なるほどと思いました。
あと、敵キャラの名前にカニに関する名前が多いのは「海外では月の影が蟹に見えるところもあるからでは?」という情報も、ネットで見てなるほどと思ったやつです。
やっぱりネットはすごいですね。
となると、ゴダートはやっぱりここから来てるんでしょうか?
「ここから来てるんでしょうか?」とか偉そうに書いてるけど、この情報だって「ゴダート 月」で検索して出てきたやつです。
インターネットってやっぱりすごいですね。
そんなゴダートさん。
実はゴダール博士の子孫であり、カグヤ星でディアボロの部下としてがんばっていた。
ディアボロから水しぶき浴びせられた時のゴダートさん、絶対に「あいつ殺す!」とか頭の中で思ってそうですよね(社会人的発想)
彼が何を考えて仮面をかぶり、ディアボロの部下として生きるようになったのか。
その過去を描いたスピンオフ作品を発表しても、十分にイケそうだ。 あとタラバは許さん。
そして、映画を見た人にしかわかんないと思うのですが、
ゴダール博士の妻の顔の模様が女子プロレスラーのミス・モンゴルのメイクにすごく似てる気がするというのも、忘れないうちに書いておきます。
これについては、あとでもうちょっと検証したいなと思ってます。
この映画のラスボス・ディアボロの正体はカグヤ星人が生み出した破壊兵器に自我が芽生えたものだった。シンギュラリティ。
「人間の生み出したものが人間にとっての最悪の敵になってしまった」という展開は、ドラえもん映画でもよくあることですね。
ドラえもんの道具でも、人工知能ついてる道具はだいたいポンコツというイメージがあるので、
破壊兵器が暴走することだって、普通にあり得る事態です。
その昔には、ひみつ道具が暴走してしまうゲームだって発売されていた。
ああいう存在が生まれてしまう事を危惧し、
これからはロボットに人工知能つけるにしても、平和のために人類にキバを剥かない程度の知能にしといたほうがいいのかも。ドラえもん映画はいろんなことを教えてくれますね。
あと、あのゲームはパスワードに「ももこ」って入れると無敵になれるので、それも覚えておきましょう。
ディアパレスの内部がオリエンタルな雰囲気だったのも気になるところだ。
原作ドラえもんでも
「地球そっくりだけど重力が小さい星」「地球そっくりだけど男女が逆な星」「地球そっくりだけど1年生で足し算引き算しか習わない星」な星が無数に出てきたので、
アレくらい地球の雰囲気とそっくりな星が40光年先にあっても、べつに不思議な話でもない。
月もあるんだし、もしかしたら文明が崩壊していなかったら地球そっくりな暮らしがカグヤ星でも行われていたのかもしれないぞ。
ディアパレスの牢屋が床に赤い砂が敷き詰められていたのは、ものすごく精神的ダメージがありそうだなと思った。
なんであんな牢屋にしたんだろう? これにも元ネタがあるんだろうか?
お尻や手のひらが常に砂がつきそうだし、布団ももらえなかった場合、砂の上で寝ることになる。
朝起きたら、体じゅう砂まみれだった・・・はかなりツラいぞ。
でも、あの赤砂で砂の山つくったりしたら投獄中の気分転換にはなりそうなので、そこだけはGOOD。
ドラえもんが脱出ポットに「22世紀の技術を使う!」と言って、出来上がったのが熱気球だったのは意外過ぎてちょっとふいてしまった。
今回の映画で気球が出てきたのは、八鍬監督が上士幌町で気球に乗った時の感動を作品に反映したものらしい。
ドラえもんバルーンで宇宙に出たら、
宇宙に出る前に普通に大気圏で燃えちゃいそうな気がするけど、そこらへんは22世紀の技術と気合でなんとかなったのでしょう。
帰り道でユービット1000匹詰め込んでも、地球にちゃんと帰還できたのはすごい。
あと今思いだしたから書きますが、ウサギ王国で上映されていた映画にゴリラが出てたのはどうしてなんだろう?
あれだけウサギばっかりの国の文化なのに、急にサルが出てくるのはどう考えてもおかしい。
ユービットたちは、どこでサルの存在を知ったんだろう?
ここからは、ひみつ道具の話。
映画でも重要な役割を果たす「光ごけ」がこの映画だと「ピッカリゴケ」呼ばわりだったのは、辻村先生が『竜の騎士』好きだったからなのだろうか?
「地平線テープ」でディアボロの部下の衛士を異次元に送り込む作戦はかなり怖い。
あれ、ロボットだったから良かった(?)けど、生身の人間だったら敵だったとしてもかなり可哀そうだ。
『のび太の宝島』ではうまいこと活躍できなかった「スーパー手ぶくろ」「通りぬけフープ」も、今回は活躍出来てよかったです。
今回の映画で「虫の知らせアラーム」が出てきたのはもうちょっと話題になってもいいと思う。
『魔界大冒険』で初登場し、『新魔界』ではリストラされていた不遇の道具が感動の大復活だ。
あの道具、わさドラだとあんな感じで鳴るんだ・・・。
辻村深月先生ごひいきの「わすれろ草」は本編でもかなりの大活躍。
でも、ラストシーンのエスパルの記憶なくすくだりは、
「わすれろ草って記憶なくしてもすぐに思いだしちゃうから『メモリーディスク』を使ったほうがいいんじゃないの?」とどうでもいいことを思ってしまいました。
ただ、その不満も小説版「月面探査記」でしっかりフォローされていたので、それについてもまたあとで。(今日の記事こればっかり)
そして、「異説クラブメンバーズバッジ」は今回の映画でだいぶ知名度を上げたと思う。
これまで地味めな存在だった異説バッジくんが、この映画で一気にスターダムだ。
今回の映画を見て、バッジのデザインが英語の「E」や「e」をモチーフにしていることに気づいた人、けっこう多そうです。
来年の映画では「サンキューバッジ」をキーアイテムにして、
あのバッジのデザインが「999(サンキュー)」になってることを世間に知らしめてほしい。(無理)
あと、異説クラブメンバーズバッジの効果が、
「異説として語られているなら、種族の能力自体を変えることもできる」という強力なものであることも判明した。
なんかこわい。地球外の異説にも効果があるってところもこわい。
なんか探しようによっては、人類を滅ぼせるような異説があったりするかもしれないので、注意したいところだ。
まあー、書きたいことはこれくらいですかね。
またなにか思いだしたら、追記したいと思います。
映画を見たあとに、この記事のようにいろいろとあることないこと想像したくなる映画は本当にいい映画の証拠です。
この映画と自分も、想像力でつながっているわけですね。(映画のいい台詞を流用しようとして失敗)
そして、来年の映画の予告では恐竜たちがたくさん登場していました。
あれがリメイクとするなら「竜の騎士」「のび太の恐竜2020」あたりだろうか?
オリジナルだったら「恐竜さん日本へどうぞ」「地球製造法」「宇宙ターザン」あたりが原作になりそう。恐竜の出てくる話を列挙してるだけですが。
これがもしも「ハロー恐竜キッズ」をリメイクとかだったら、かなり盛り上がりそうですよね(界隈が)
果たしてどういう映画になるのか、今から1年後が楽しみです。以上。
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