7月20日(金曜日)に発売された、ムラマツヒロキ先生の単行本『DJ道』を買いました。
売れっ子DJに片想い中の女の子を取られてしまった主人公・出井地道雄。
悲しみにふける道雄であったが、謎のDJ漫画家・ムラマツ指導のもと、何故かDJを目指すことになってしまい・・・。
秋田書店のWEB漫画「チャンピオンクロス(現:マンガクロス)」で連載されていた作品が、このたび単行本になったわけですが、
自分はその連載のほうを読んでおらず、
ぶっちゃけて言えば、この「まんが道」リスペクト全開な単行本の表紙だけ見て買っちゃったようなもんです。
こんな表紙のマンガ見ちゃったら、買うしかないですよそりゃあ。
ムラマツ先生もすごいけど、他社である「ヒットコミックス(少年画報社)」の装丁を完全模倣しちゃった秋田書店もすごい。
あとで、怒られたりしないんだろうか?
そんなわけで、とくに内容のほうは期待しないで読んでみたわけですが、これがなかなか面白い。
DJのことを知らない読者に向けて、
「そもそもDJとは何か?」という単純な疑問の解消からはじまり、
物語の随所でDJの基本的な格好や、DJをやるなら知っておきたい基本用語、DJの基本テクニックなどを、この本は全てわかりやすく教えてくれるので、
同じくDJのことを全く知らない道雄くんといっしょに、いろんなノウハウを学んでいくことができるぞ。
上の画像のように 「針圧調整のやりかた」だけで半ページ使ってたところもすごい。
まあ「針圧調整」がなんなのか自体はよくわかってませんが、
半ページ使うってことは、DJやるにあたって針圧調整は大事なんだろうなあということも察せるので、この漫画はやっぱりすごい。
DJ漫画でありながら、DJをはじめたい人たちに向けた指南書としての役割も果たしているの、本当いいですよね。
「まんが道」を読んで漫画家を目指した人がいるように、「DJ道」を読んでDJを目指す人だって出てくるかもしれない。
自分も将来DJを始めたくなったら、とりあえずこの本を読み返そうと思います。
とくに終盤の新人DJオーディションのくだりは、
漫画としてしっかりと面白い仕上がりになっているので、DJ知識のない人でも楽しめるはずです。必読!
(ここまでで、21回「DJ」って言葉を使いました)
さらに、この漫画は『まんが道』の細かいパロディも多く入れているところも好印象。
主人公の名前が「道雄」だったり、
その道雄が好きな女の子の名前が「涼子」だったりするなどの、登場人物たちの名前のパロディもあれば、
作品中盤からDJを志す者同士が一緒のアパートで暮らし始めるなど、
とってつけたようなパロディだけでなく、ストーリーにもしっかりと『まんが道』リスペクトを取り入れているところも素晴らしい!
人気B2Bユニット「山根レッドデビル・山根ブルーデビル」の活躍も見逃すな!
『まんが道』の満賀が手塚先生にあこがれて漫画家になったように、
『DJ道』の道雄もムラマツの影響でDJを目指していくってところも、『まんが道』のリスペクトといえますね。
となると、この漫画でのムラマツは手塚治虫のポジションってことになるわけですか。なんかすごいぞ。
ちょっと文章が長くなってしまいましたが、
とにかくこの本はおススメなので、機会があったら是非手に取って読んでみてください。以上!
【追伸】
この漫画には、藤子・F・不二雄パロディもあるぞ!