ちばてつや先生がビッグコミックで連載中の作品「ひねもすのたり日記」がこのたび単行本となって発売されました。
といっても、発売されたのはもう1か月ほど前の話になってしまいますが。
この本の記事を書くタイミングをこれまで逃していました。ごめんなさい。
この作品はちばてつや先生自らが、自身の日常を描いたオールカラーのショートコミックエッセイ。
1980年に始まった「ちばてつや賞」の選考を現在を務めていらっしゃったり、
つい先日も漫画海賊版サイトに関する取材でNHKのニュース番組に出演するなど、御年79歳になった今も精力的に活動を続けておられる印象を持っていましたが、
コミックエッセイで綴られる私生活では、
「病院に薬をもらいに行く話」「朝から探し物をしているうちに日が暮れてしまった話」などといった、日常のささいな出来事も描かれており、
それを読んで、何だかおじいちゃんみたいな毎日を過ごしているんだなあと率直に思ってしまった。
こんなこと言ったら失礼に聞こえるのはわかってるけど、実際に読んでみてそう思ってしまったんだからしょうがない。
まあ、この漫画の連載をはじめたのが75歳の時ですから、別におじいちゃんという言い方も間違っていないわけではあるけれど。
でもやっぱり失礼か。
「ひねもすのたり日記」は、そんな平凡な日常生活も描きつつ、
これまでもさまざまな場所で語られてきた、幼少期のちばてつや先生が満州の地で迎えた終戦から日本への引き揚げまでの記録も克明に描写されていたりといった回も。
そんな過去と現在の事柄が入り混じった、自らの半生を振り返りつつも、不思議と読んでいて温かみが出てくる。
そんな一冊となっておりました。
ただ、この本の中で一番強く印象に残ったのは、
イージー会での つのだじろう先生のエピソードかもしれない。
自身の背後霊に「まだ(ショットを)打つな」と言われてしまった、つのだじろう先生の運命やいかに?
そしてこの本には、我らが藤子不二雄A先生も作中にたびたび登場しています。
未だにお元気な印象を受けますが、実は藤子A先生ってちばてつや先生よりも年上なんですよね。
数年前からジャンプスクエアの連載を休載し続けているのも、年齢的に考えたらしょうがないことなのかもしれません。
ちば先生も藤子A先生も、まだまだお元気でいてくださいね。