今から45年前に発売された漫画雑誌「月刊てづかマガジンれお(1972年3月号)」の感想記事を書いてみようと思います。
最近ちょっと同じような記事ばっかり更新してるので、たまにはこんな変わり種記事もいいかなーと思いまして。はい。
発行日:昭和47年3月1日
出版社:虫プロ商事
価格:300円
平綴じ全264頁
本のサイズは少年ジャンプ等と同じB5サイズ。
50年近く前の雑誌ですが、「てづかマガジンれお」は古書店でもよく置いてあるイメージがあります。
この本は、確か1000円くらいで買った記憶が。
で、なんでこの雑誌を買ったかというと、
この本に載っている藤子不二雄「パパは天さい!」を読みたかったから。
今なら藤子F全集にもカラーで掲載されていますが、買った当時はFFランドを入手しないとこの作品は読めなかったのです。
この号に載っているのは、第3話「空気クレヨン」の回でした。
子供の頃に読んでいたら「パパ、よかったね!」と素直に思えたお話なのでしょうが、
大人になった今読んでみると、どうしても空気クレヨンを買ってしまった社員のほうに感情移入してしまい、何だかかわいそうになってくるぞ。
ああ、縦社会ってつらい。
そして、この漫画雑誌の看板作品であり、
この号の表紙も飾っている手塚治虫「ワンサくん」も読んでみようとおもったのですが、
残念なことに、手塚先生ご病気のため休載しておりました。
なんてこった。
ただ、実際はこの当時の虫プロは深刻な経営難に陥っていて、手塚先生も連載どころじゃなかったという裏事情があったらしい。
その証拠に、この「てづかマガジンれお」自体も次の号をもっていきなり休刊になってしまっている。
どれくらいいきなりなのかというと、前述の「パパは天さい!」の第5話「ロボット・ママ」が未発表になってしまったくらいの急な出来事だったと思われます。
(参考:作品レビュー『パパは天さい!』/藤子系ブログ。―Futaride hitori 第2期 )
この号の編集後記にも、その前兆を思わせるおわび文があった。
当時の編集スタッフさん達も大変だったんでしょうなあ。
まあ、休刊騒動のことはそれくらいにして、他の連載作品も読んでみることにしましょう。
この号に載っていた連載作品はこんな感じ。
<れんさい>パパは天さい!(藤子不二雄)
<れんさい>おはようケン(関谷ひさし)
<れんさい>まんが童話(永島慎二)
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<よみきり>
ジルのまど(志村みどり)
<れんさい>
どかんち一家(斉藤博)
マシン童子(松本零士)
若とのゴン(ちばてつや)
どろろんポンタ(竹中きよし)
天さい?ドン吉(板井れんたろう)
ちんからほいすけ(川崎のぼる)
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●たのしい読みもの●
<絵童話>ドーデンボのばけもの
<小 説>テレビ好きの王様
なだいなだ/さいがようへい
<寓 話>太郎桃と次郎桃
三国一朗/大友幸子
さすが手塚治虫が発行人を務める雑誌。かなりのビッグネームが揃っている。
そして、まんがだけでなく子供向けの読み物コーナーもありました。
とりあえず、気になった作品をいくつか紹介。
「ふしぎなメルモ(ちっちゃな春みーつけたの巻)」は池原成利先生による代筆。
コミックボンボンでロックマンシリーズを描いていた池原しげと先生が描いたって言ったほうがわかりやすいかも。
この手の代筆作品は手塚治虫全集にも載ってないハズなので、けっこう貴重なものだと思うのですが、どうでしょうか。
松本零士「マシン童子(サブタイトルなし)」。
作品を知らないのでうまく語れませんが、内容的には昆虫人の女王さまと別れる回。
これだけでわかる人にはわかってもらえるかな?
内容よりも「こじき」や「きちがい」といった一連の差別用語がたくさんあったことのほうにびっくりしてしまった。時代ですなあ。
あと、写真撮り忘れましたが「鉄腕アトム」は「マッド・マシーンの巻」の再録でした。
志村みどり「ジルのまど」。
藤子不二雄先生の元アシスタントであった志村みどり先生の読み切り漫画。
買った当時に「おお、これは貴重な作品だぞ!」と思って読んでみたら、かなり悲しい内容のお話で凹んだことを覚えている。
詳しい内容については気が向いたら、別の記事で語るかもしれません。
45年前の読者アンケート大懸賞。
1等はパーフェクトボウリング。
6等は1972年の虫プロカレンダー。中身が気になるぞ。
あとは当時の広告の画像。
れお別冊。220円。
虫コミックス。当時のお値段260円。
仮面ライダーフーセンガムの広告。当時1個20円。
裏表紙は三和銀行の広告。
表3広告は「てづかマガジンれお」定期購読のお知らせ。
「れおを一年間つづけてよもう!!」と書いてあるのですが、前述のとおり、この雑誌は次の号で休刊になってしまったわけで。
これって一年間の定期購読に申し込んだ人は結局どうなったんだろう? 返金とかされたのだろうか?
何か気になる。
といったところで、この記事は終わりです。